「犬の医療費がいくらくらいか知りたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な家族である愛犬の万が一の怪我や病気のためにも、事前に医療費について知っておくことは大切です。

本記事では、犬の医療費について解説します。また、かかりやすい病気や診療費についても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

犬にかかる医療費の平均について

犬にかかる医療費の平均について

犬にかかる医療費は、犬の種類や生活環境、動物病院により異なります。しかし、年齢を重ねるごとに医療費が高くなる傾向にあるため、事前に費用目安を確認しておくと支払いに対応しやすくなるでしょう。

以下では、犬にかかる医療費の平均について解説するため、確認してください。

1回あたりの手術費の平均

犬の1回あたりの手術費の平均は以下のとおりです。

犬のサイズ平均費用
小型犬173,637円
中型犬175,995円
大型犬202,052円

上記の表を見ると、小型犬に比べると大型犬は手術費が高い傾向にあることがわかります。

1回あたりの入院費(手術なし)の平均

犬の1回あたりの入院費(手術なし)の平均は以下のとおりです。

犬のサイズ平均費用
小型犬77,642円
中型犬80,257円
大型犬114,090円

手術費と同様、大型犬のほうが小型犬や中型犬に比べると入院費が高くなりやすい傾向です。大型犬は、ガンなどの大きな病気を患いやすいことから、入院費が高額になりやすいといわれています。

1回あたりの通院費(手術なし)の平均

犬の1回あたりの通院費(手術なし)の平均は以下のとおりです。

犬のサイズ平均費用
小型犬10,636円
中型犬12,020円
大型犬13,588円

1回あたりの通院費に関しても、大型犬は高くなる傾向にありますが、手術費や入院費と比べると通院費は安いことがわかります。

犬の疾患・年齢別の医療費平均

疾患年齢平均費用
循環器疾患0歳46,753円
1〜4歳50,149円
5〜8歳87,096円
9歳以上118,894円
呼吸器疾患0歳16,491円
1〜4歳21,223円
5〜8歳36,395円
9歳以上60,315円
消化器疾患0歳21,735円
1〜4歳21,027円
5〜8歳28,550円
9歳以上38,035円
泌尿器疾患0歳18,699円
1〜4歳30,849円
5〜8歳42,038円
9歳以上52,537円
生殖器疾患0歳16,219円
1〜4歳36,826円
5〜8歳80,318円
9歳以上92,081円

犬の年齢別による医療費は、1〜4歳に比べると9歳以上の高齢期は医療費が高くなりやすい傾向にあります。人間と同じように、犬も年齢を重ねるにつれて病気や怪我のリスクが高まり、医療費も高額になります。

犬の医療費が高額な理由について

犬の医療費が高額な理由について

犬の医療費は、高額になりやすく、飼い主様により負担に感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、一体なぜ犬の医療費は高額なのでしょうか。以下では、犬の医療費が高額な理由について解説します。

犬には公的な医療制度や保険がないから

犬には公的な医療費制度や保険がなく自由診療となるため、治療費は飼い主様が全額負担しなければいけません。

人間の場合、国民健康保険や社会保険により、保険証を提示すると病気や怪我の治療を負担するのは3割のみとなります。しかし、動物病院では医療制度がなく、自由診療扱いのため医療費が高額になる傾向にあります。

また、通院だけでなく、手術・入院に数十万円の医療費がかかることから医療費が高額になりやすいです。

専門性の高い治療だから

治療できる病気や怪我は、医療の進化により治療できる病気が幅広くなりつつあります。しかし、難易度が高い病気や怪我を治療する際は、専門性が高くなり治療費も高額になりやすいです。

また、人間と比べても動物への手術はもともと難易度や専門性が高いため、医療費が高額であるといえるでしょう。

治療費は動物病院により異なるから

動物病院により治療費は異なります。医療費が異なる理由は、独占禁止法により診療料金を獣医師団体が決定することや獣医師同士が協定して価格を決めることを禁止しているからです。

日本では動物病院により適切な料金を設定して、競争できる体制を維持するよう求められています。そのため、動物病院により医療費が高かったり、安かったり異なる場合があります。

高額な犬の医療費が払えない状況になる前にできること

高額な犬の医療費が払えない状況になる前にできること

犬の医療費は高額になりやすく、飼い主様により支払いが負担になることがあるかもしれません。愛犬に健康に過ごしてもらうためにも、怪我や病気になる前にできることはしてあげたいですよね。

以下では、犬の医療費が支払えないという状況になる前にできることについて解説します。

健康診断を定期的に受ける

犬の健康診断を定期的に受けることは、病気の早期発見や早期治療につながります。犬の健康を守りたくても、見た目に症状が現れていない場合、飼い主様は愛犬の病気に気づけない可能性があります。

犬の病気や怪我を放置してしまうと悪化するだけでなく、治療が困難になることもあるため定期的な健康診断を心がけましょう。

犬にとって健康な生活をサポートする

愛犬の健康をサポートするためにも、健康的な食事や運動を行わせるようにましょう。例えば、栄養が偏らないように健康的なフードをバランスよく与えることが大切です。

また、適切な運動も愛犬の健康をサポートします。犬の種類により運動量は異なりますが、1日2回30分程度散歩してあげると良いでしょう。

ペット保険に加入する

愛犬の健康が心配な方は、ペット保険に加入しましょう。ペット保険に加入すると、診療費を軽減できることがあります。

上記でも述べたように、高齢になればなるほど医療費は高くなるため、若いうちからペット保険に入ることがおすすめです。ペット保険により補償内容は異なるため、事前に確認しておきましょう。

ペット保険に加入するメリット

ペット保険に加入するメリット

愛犬が体調を崩したときに最適な治療を受けさせてあげられるように、ペット保険に加入する方も多くいらっしゃいます。しかし、ペット保険に加入すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

以下では、ペット保険に加入するメリットについて解説します。

経済的負担を軽減できる

愛犬のためにペット保険に加入すると、医療費の自己負担額を減らせます。大切な家族である愛犬にはいつまでも健康に過ごしてほしいですが、重い病気にかかった場合に備えておくことは重要です。

愛犬の老化が進むと心臓病や糖尿病など重い病気にかかり、医療費が高額になりやすいです。しかし、経済的な理由で高額な医療費を支払えず、断念せざるを得ないこともあります。

上記のような場合でも、ペット保険を活用すれば医療費を抑えられるため、ペットの健康を守ってあげられるでしょう。

高額な医療も選択しやすい

ペットの治療費は全額自己負担となるため、経済的負担を感じる飼い主様もいらっしゃるでしょう。入院や手術をした際も、高額な医療費が必要です。

しかし、ペット保険に加入していれば、高額

ペットの命を守りやすい

ペット保険に加入すれば、経済的に負担を感じるよう医療費であっても軽減されるため、大切な家族であるペットの命を守ってあげられます。治療の選択肢が増えると、ペットの命を守りやすいためペット保険に加入しておけばいいでしょう。な治療費が必要な場合でも、経済的理由でペットの治療を諦める必要はなくなります。

ペット保険に加入するデメリット

ペット保険に加入するデメリット

ペット保険に加入すれば、大切なペットの健康を維持できます。しかし、人によってはペット保険に加入するとデメリットを感じる場合があるため、事前にデメリットについて確認することが重要です。

以下では、ペット保険に加入するデメリットについて解説します。

保険料がかかる

ペット保険に加入すると、保険料を毎月支払わなければいけません。ペット保険は、掛け捨て型で解約返戻金や満期保険金がない保険です。

ペット保険の保険料は、ペットの種類や品種、年齢、保険内容などにより異なります。しかし、高齢のペットであると保険料は高くなり、また猫よりも犬のほうが高い傾向にあります。

保険料がかかることがデメリットに挙げられますが、万が一高額の医療費が必要になった場合にはメリットとなるでしょう。

治療費の一部が自己負担になる

ペット保険の商品によっては全額補償される商品もありますが、多くのペット保険の商品では治療費の全額補償に対応していません。

免責金額は補償の対象である診療費に対して自己負担する金額です。例えば、免責金額が1万円のペット保険であれば、治療費のうち1万円以上になった部分を支払い限度額の範囲内の保険金として支払われます。

ペット保険の商品により制度は異なるため、事前に確認しておきましょう。

保険金に上限がある場合がある

ペット保険によっては、受け取れる保険金の年間限度額に上限を設けている場合があります。1日または1回の限度額、日数や回数の限度などが設定されているケースがあるため、注意が必要です。

加入できないケースもある

ペット保険に加入したいと考えていても、加入できない可能性があります。申し込み時点での健康状態や過去のけがや病歴によってはペット保険に加入できません。

また、継続更新のタイミングでの健康状態によっては、加入していても継続できないケースも珍しくないため事前に確認しておきましょう。

犬の医療費が払えないときの対処法

犬の医療費が払えないときの対処法

犬の医療費が思っていたよりも高額になり、支払いできないというケースも珍しくありません。病気で苦しむペットに適切な治療をしてあげられないことは飼い主様にとってもつらいでしょう。

以下では、犬の医療費が支払えないときの対処法について解説します。

家族や友人に相談する

高額な医療費で支払いが困難の場合、家族や友人に相談しましょう。普段から愛犬のことを気にかけてくれていたり、交流があったりする方の場合、協力してもらえる可能性があります。

無利子で治療費を借りるのであれば、金融機関から借入するよりも返済額を抑えられ、返済期間も短く済むはずです。知り合いの間でお金の貸し借りをする場合は、トラブルを防ぐためにも書面で約束するといいでしょう。

分割払いを相談する

治療費が高額で支払いが困難の場合、病院に分割払いを相談してみましょう。かかりつけの病院や獣医師との間で信頼関係が築かれている場合、ケースによっては分割払いに対応してくれるかもしれません。

しかし、分割払いは断られるケースが一般的であるため、ダメ元で相談するようにしましょう。分割払いを受け入れてくれた場合は、頭金を支払うようにいわれることもあるため、事前に確認しておきましょう。

クレジットカードで支払う

近年では高額な医療費をクレジットカードで支払いできる動物病院も増加しています。そのため、高額費用を現金で支払うのが難しい場合は、クレジットカードでの支払いが対応しているか確認しておきましょう。

クレジットカードが利用できる場合は、手術費用の支払いがカードの引き落とし日まで猶予があり、さらに分割払いを使用すれば高額治療費でも支払いやすいです。

ただし、クレジットカードは利用額に限度があり、高額な医療費であればクレジットカードを利用できない可能性もあることを理解しておきましょう。

ペットローンを利用する

手術費用の支払いのために、ペットローンを利用するのも手段の一つです。ペットローンとは、ペットに関する費用を賄うためのローンを指します。

ペットローンの種類によっては、専門的で高額な医療の支払いにも対応できる可能性があります。ただし、ペットローンでの借入は審査が実施されており、申込者の年収や勤続年数など厳しい条件が設けられているため、人によっては借入できない可能性があることを理解しておきましょう。

カードローンを利用する

カードローンの利用も高額になる医療費の支払いに対応しやすいです。カードローンであれば、借入限度額まで借入でき、一度の申し込みで追加の支払いも対応してもらえます。

融資も早いため、突然高額な医療費が必要になった場合でも対応しやすいことがメリットです。

また、カードローンは利息が高くなりやすいというイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、無利息期間を設けているカードローンも存在するため、すぐに返済対応できる場合はうまく使用すると無利息でカードローンを借入できます。

犬がかかりやすい病気

犬がかかりやすい病気

愛犬と一緒に過ごすと、病気にかからないか心配になることもあるでしょう。事前に犬がかかりやすい病気について理解しておくと、万が一病気や怪我になった場合でも冷静に対処できます。以下では、犬がかかりやすい病気について解説します。

ヘルニア

固い床で過度な運動をしてしまうと、椎間板に負担がかかりヘルニアになる場合があります。椎間板に負担がかかりやすい骨格の犬は、コーギー、シーズー、ビーグル、ダックスフンドなどです。

ヘルニアを発症すると、椎間板から飛び出した髄核が脊髄や腰の神経を圧迫して、強い痛みや下半身の麻痺を招きます。愛犬の歩き方や様子がおかしいと感じたら、動物病院で診察してもらいましょう。

外耳炎

外耳炎は、犬の種類に関係なくかかりやすい病気で、とくにたれ耳、耳毛、狭い耳道の犬種はかかりやすい傾向にあります。

外耳炎になると、耳のかゆみや赤みがあり、耳元や首元を掻いたり、床に耳元をこすりつけたりなどの行動が見られます。

皮膚病

犬の皮膚病は、アレルギーや細菌の付着により引き起こされます。

皮膚病の症状として、痒みや脱毛、発疹、フケなどが見られます。皮膚病は、素人では見分けることが難しい病気のため、愛犬が痒みを訴えている場合は、動物病院で診断を受けましょう。

犬の医療費の目安を事前に知っておこう

本記事では、犬の医療費について解説しました。犬の医療費は小型犬よりも大型犬が高額で、さらに年齢を重ねているほど高額になりやすい傾向にあります。

犬の医療費が高額になる原因としては、人間のように保険診療がなく基本的に自由診療で治療が行われるからです。そのため、医療費は飼い主様が全額負担しなければいけません。

愛犬の医療費が気になるという場合は、ペット保険に入ったり、定期的に健康診断を受けたり、普段から健康に気を使うことが大切です。

大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあるでしょう。

そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にもつながります。

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