「インコを長生きさせられるコツを知りたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インコの健康のためには、日光浴や睡眠時間、清潔な環境や食事が大切です。
本記事では、インコを長生きさせるためのコツと、具体的なチェックポイントをお伝えします。また、飼い主様も知っておきたい代表的な病気と実際にできる予防法なども解説します。
目次
インコの特徴
世の中には多くの種類のインコがいます。種類で寿命も大きく異なるため、以下を参考にしてみてください。
インコの種類別寿命
インコの寿命は、一般的に5〜10年程度です。種類により寿命が異なるため、以下の表を参考に、飼い主様が責任を持って最期まで見届けられる種類のインコを飼う事をおすすめします。
種類 | 寿命 |
---|---|
セキセイインコ | 7〜8年 |
ボタンインコ | 7〜10年 |
オカメインコ | 15〜20年 |
キボウシインコ | 40〜50年 |
キボウシインコの場合、寿命が長いために飼い主様が亡くなるよりも長く生きる可能性が高いでしょう。そのため、将来誰が世話をするのか、どのように飼育していくのかを事前に計画する必要があります。
インコは愛情を注いで育てれば、かけがえのない家族の一員となります。飼う場合は責任を持って最後まで飼育できるかどうかを慎重に判断し、インコとの生活をスタートしましょう。
インコの性格
インコはそれぞれ個性があり、種類により、性格も異なります。人気の高い3種類のインコの一般的な性格は以下のとおりです。
種類 | 性格 |
---|---|
セキセイインコ | 陽気で活発 好奇心旺盛で遊び好き 人懐っこく、コミュニケーションが得意 鳴き声のレパートリーが豊富 |
オカメインコ | 繊細で神経質 愛情深い 臆病な面があり、環境の変化に敏感 穏やかで優しい声で鳴く |
コザクラインコ | 甘えん坊で愛情表現が豊か 人懐っこく、遊び好き 寂しがり屋で、一人ぼっちが苦手 活発で元気な声で鳴く |
インコを迎える前に、それぞれの性格をよく理解し、ご自身の性格やライフスタイルに合った種類を選ぶことが大切です。
また、家族構成や飼育環境なども考慮し、家族全員で責任を持って飼育できるかどうかを検討しましょう。
インコを長生きさせるコツ
インコを長生きさせるためのコツをご紹介いたします。飼い主様は大切な家族の一員として、少しでも長く一緒に過ごしたいと思うでしょう。
十分な日光浴をさせる
インコには十分な日光浴が欠かせません。インコの体内では、日光浴で得られた紫外線でビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成に関わる非常に重要なビタミンです。
しかし食べ物から摂ることができません。そのため、日光浴で生成させることが重要です。
日光浴はインコの体内時計やホルモンの働きを整え、免疫力の強化やストレスへの耐性をつける効果もあります。その他、紫外線でインコの体やケージについた細菌などを除去したり、ストレスを解消したりする効果もあります。
長生きのためには毎日の日光浴が必須です。
睡眠時間に気をつかう
インコは夕方から朝頃まで、1日の半分程度を睡眠に費やします。人とは異なり、インコの睡眠は非常に浅く、長い時間が必要です。インコの睡眠には、暗くて静かな環境が大切です。19時頃になったらケージを静かな場所に置き、黒い布やバスタオルなどで覆い、できるだけ遮光しましょう。
遮光時間は、インコの発情サイクルにも大きく関わります。インコは日照時間が長いと発情します。
しっかりと遮光しないで明るい環境が続いてしまうと、インコは発情し過ぎて繁殖関連の疾患にかかりやすくなります。睡眠のため、また、発情を防止するためにも遮光した環境で睡眠できる環境作りをしましょう。
生活環境を整える
インコの長生きのためには、温度と湿度の管理が重要です。温度は25℃~30℃前後、湿度は40%~60%が適切です。湿度も測定できる温度計を用意しましょう。また、ケージ内を常に清潔に保つことも重要です。
糞の掃除は最低でも1日に一度、こまめに行い、水入れやエサ入れも毎回丁寧に洗いましょう。特に、水入れは一見汚れていない容器にも見えますが、実は細菌などが大量に発生している可能性があります。
止まり木やケージそのものの掃除も大切です。定期的に天日干しして紫外線による殺菌も促すと良いでしょう。
食事に気をつかう
ペットのインコにとって、肥満は長生きの大敵です。インコの種類で変わりますが、ヒマワリの種などが大好物です。しかし、脂肪分の高い餌は肥満の原因となるため、できる限り控えると良いでしょう。
インコの種類ごとに専用のフードが販売されているため、適切な食事を適切な量与えることが大切です。
また、インコが中毒を起こさないために、以下の食べ物は与えないでください。
- アボカド
- 玉ねぎ
- にんにく
- りんご
- チョコレート
インコにとって、人間の食べ物の多くは中毒の原因となり大変危険です。食べ物ではありませんが、テフロン加工のフライパンにも注意が必要です。テフロン加工のフライパンは、空焼きなどで有害な気体が発生すると、インコが吸いこんで中毒をおこすこともあるのです。
観葉植物もインコにとっては危険です。特にサトイモ科の観葉植物は、インコにとっては嘔吐や炎症を起こすものです。インコにとって有害な種類の観葉植物ではないか、一度確認しましょう。
インコの姿勢に気をつける
インコは日頃から羽を膨らませていることが多いため分かりにくいかもしれませんが、寒い時や眠い時、病気の時も羽を膨らませることがあります。
そういった時は部屋を暖めて様子を見たり、体重を測ったりして体調を確認するといいでしょう。尻尾が垂れ、身体が「くの字」に曲がっている場合は太りすぎている可能性が考えられます。
ストレスを溜めない
インコがストレス無く過ごせる環境が長生きに繋がります。短時間でも部屋の中で自由にさせてあげることや、おもちゃで遊ばせてあげることもストレス解消につながります。
お話が好きなインコは、日々のコミュニケーションも楽しみの一つであるため、コミュニケーションを取りましょう。
過度な発情を誘発しない
インコの過度な発情は、生殖器の病気を引き起こし、寿命を縮める原因になるため発情は抑える必要があります。
例えば、発情期にオスは、嘔吐やお尻を振ったり擦ったりする傾向があります。メスは攻撃的になり、嘔吐したり無精卵を産んだりすることがあります。
メスの場合、卵を産むと身体に負担が加わります。場合によりますが、卵管が詰まることもあり、最悪の場合死につながるため、注意してください。
発情を防ぐには、室温を低く保ち日照時間を減らし、飼い主様との過度なふれあいを控えましょう。撫ですぎが原因の場合もあります。
インコを長生きさせるためのチェックポイント
上ではインコを長生きさせるためのコツをご紹介しました。長生きさせるための具体的なチェックポイントをお伝えします。
体重の変化
体重測定は毎日行い、種類ごとの適切な体重を維持しているかを確認します。例えば、セキセインコの場合、35g~40g程度が適切です。体の小さなインコにとっては、1gの体重の変化も大きなものです。
体重の減少の背景にはなんらかの病気が潜んでいる可能性があります。普段の体重より10%以上減った場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
体重の増加にも注意が必要です。体重増加は単なる肥満だけでなく、腹水の貯留や腫瘍が関わっている可能性もあります。普段と食事の量が変わらないのに、体重が増えてきたという場合も動物病院を受診しましょう。
動作の変化
インコの動作の変化にも注意が必要です。本来、インコは休む時も止まり木に止まり、床に降りることはめったにありません。床で過ごす時間が増えてきた場合、体調不良や足を痛めて止まり木に止まれないなどの可能性が考えられます。
羽毛を膨らませているのは体調不良で低体温になっている状況です。もしもインコが床に下りて羽毛を膨らませていたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
さらに、尾羽を上下させていたり、尾羽が持ち上がらずに垂れ下がっていたりする状態は、呼吸困難や衰弱を示します。一刻も早い受診が必要です。
排泄物の変化
食べている食事内容にもよりますが、多くのインコにとって正常な糞の色は緑がかった茶色です。糞は真っ白な尿酸と共に排泄されることがほとんどです。糞の部分が鮮やか過ぎる緑色や、白っぽい色の時は体調不良の可能性があります。
尿のチェック時は尿の量に着目しましょう。普通は糞のまわりにじんわりと染みている程度で、大きな染みになっていると多すぎると言えます。普段から糞と尿の色と量を把握しておき、変化があれば動物病院に相談しましょう。
健康な時の排泄物の写真を撮っておき、異常な時と比較すると受診の役に立ちます。
インコがかかりやすい病気
インコの長生きのために、飼い主様が知っておきたいかかりやすい病気と症状、予防について解説します。
卵詰まりなどの繁殖関連トラブル
インコなどの飼い鳥の雌にとって、一番の問題となるのが卵詰まりなどの繁殖関連の疾患です。雌の繁殖関連の疾患は、発情しすぎて卵を産みすぎることが原因です。
インコが卵詰まりを起こすと突然元気をなくし、うずくまって羽を膨らませたり、いきんだり、痛みに耐えられずにお腹を蹴るなどの動作をしてしまいます。
発情には、体重と日照時間(明るい時間の長さ)、発情相手の有無などが関連します。予防のためには太り過ぎを避け、夜になったらしっかり遮光して眠らせる生活を心がけましょう。飼い主様に発情しない対策をし、正しくスキンシップをとることも重要です。
ビタミンD欠乏症
上でもお伝えしたとおり、インコは紫外線から体内でビタミンDを生成します。ビタミンDは骨の形成に関わるため、不足すると、ヒナの場合はくる病や成長不良をおこし、成鳥では骨軟化症、骨折、骨粗鬆症などがおこりやすくなります。予防のためには適切な食事と共に、最低でも1日15分以上は日光浴を行いましょう。
そのう炎
インコの「そのう」とは食道の一部にある袋状の器官で、食べ物を一時的に貯蔵する役割を果たします。そのうの中で細菌などが繁殖するとそのう炎を発症します。インコがそのう炎になると、餌を吐いたり下痢をしたりあくびをする症状や、口臭などの症状が出てくるため覚えておいてください。
水や餌をこまめに取り替え、清潔な環境を保つことが予防につながります。
メガバクテリア症
メガバクテリア症は、セキセイインコに多い病気です。原因はマクロラブダスという酵母(カビの仲間)が胃に感染することです。発症すると、吐いたり下痢をしたり、黒い便を排泄したりします。重篤化すると衰弱死することもある恐ろしい病気です。
マクロラブダスは糞便検査で比較的容易に検出できるため、動物病院で定期的に検査を受けると良いでしょう。
痛風
人間でも有名な病気で、プリン体の代謝異常で痛風が起こる病気です。しかし、鳥の場合はタンパク質の過剰摂取や腎不全で痛風が起きます。痛風は腎不全で起こるため、腎臓を保護しましょう。
クラミジア症
あらゆる年齢の鳥類全般に感受性があり、世界中で発生が確認されています。病鳥の糞便や分泌液から感染してしまいます。死亡するケースもあるため、注意が必要です。
インコの長生きのためにかかりつけの動物病院を探しておく
犬や猫を診てくれる動物病院は多くあります。しかし、鳥専門の病院はなかなか聞かないのではないでしょうか。もしもインコの体調が優れず、病院も知らないという場合はどうすることもできません。
今から調べておくと、もしものとき役に立つため、近くのかかりつけ病院を探しておくことをおすすめします。
もし近くに病院がなければ、インターネットやSNSを利用して調べてみることもおすすめします。
インコが老化したらどうするか
インコも老化すると人間と同様に今までできていたことができなくなります。そのため、ストレスを抱えやすいです。インコが老化したらどのような対策をとれば良いか、以下で解説します。
食事の見直し
インコは年齢とともに、くちばしに力が入りづらくなり、今までのような食事が困難になることがあります。そのため、老化したインコも食べやすい食事に変えてあげましょう。具体的には、以下の方法があります。
- 固いエサを小さく砕く
- ペレットを水でふやかして柔らかくする
- 果物や野菜をすりおろして与える
高齢になると、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しがちになります。そのため、エサの栄養成分を見直し、必要であればサプリメントなどで栄養を補いましょう。
愛するインコの健康を維持するためには、飼い主様が食事にしっかりと気を配ることが大切です。インコの食事量や体重の変化をよく観察し、必要に応じて食事内容や栄養補給の方法を調整しましょう。
飼育ケージの環境を整える
インコは年齢とともに足腰が弱くなり、動きも鈍くなります。以前よりも動きが鈍くなってきたと感じたら、ケージの中の環境を少しずつ調整してあげましょう。
具体的には、止まり木やおもちゃの位置を低くするなど、インコが無理なく移動できる環境にします。ただし、一気に環境を変えてしまうと、インコがストレスを感じてしまうかもしれません。
6-3.温度調整をする
高齢のインコは体温調節機能が衰え、寒さに弱くなります。冬はもちろん、気温が低い日にはしっかりと保温対策をしてあげましょう。具体的には、以下のとおりです。
- 暖房やヒーターを使って部屋を温める
- ケージにカバーをかけて隙間風を防ぐ
- 湯たんぽやカイロなどをケージに入れる
- フリースやタオルなどでケージを覆う
しっかり知識をつけてお迎えしましょう
種類にもよりますが、インコは犬や猫よりも入手しやすい値段で販売されているため、比較的気軽にお迎えできる生き物だと言えます。そのため、知識不足のままで一緒に暮らしはじめ、すぐにインコが病気になってしまうことも多いと言えます。
インコに長生きしてもらうためには、今回お伝えした日光浴や睡眠時間、清潔な環境や痩せすぎ、太り過ぎを避ける食事が欠かせません。お迎えの前には、今回の記事もぜひ参考にしてみてください。
大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいものです。しかしいつか必ずお別れの時がやってきます。いざお別れの時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。
最後まで後悔なく見送るためにも、COCOペットでは葬儀に関するご相談やご依頼を承っています。ぜひ、不安な点はお気軽にご相談ください。