老猫がガリガリになる原因を理解することは、老猫の健康や楽しい生活に大きく影響します。老猫の健康管理について、正確な情報と対処法を知ることで、老猫の生活が改善し、長生きするチャンスも増えます。

本記事では、老猫がガリガリになる理由と、その解決策を紹介します。大切な猫の健康と、ガリガリ状態を改善するために、ぜひ参考にしてみてください。

老猫がガリガリ状態になる原因

老猫がガリガリ状態になる原因

老猫がガリガリになる理由は、高齢になったことです。

ガリガリになってしまうと病気やケガが増えることもあるため、事前に原因を理解して対処する必要があります。

以下で老猫がガリガリになる原因を解説します。

高齢による食欲の減少

老猫は人間と同じように高齢で代謝が低下し、味や匂いも分かりづらいことが、食べない原因のひとつです。

また、環境の変化や体の変化によるストレスがあると、胃腸の動きにも影響があり、食欲不振を招きます。

食事量の減少は栄養不足となり、猫はガリガリになっていきます。

加齢による運動量の低下

高齢のため、関節の痛みや筋力の低下で運動量が減ります。

運動量が減ることで、筋肉量の減少につながり、見た目にはガリガリに見えます。また、運動量が減ることでエネルギーが不必要となり、食事の量が減ることも考えられます。

病気による原因

老猫がガリガリになる原因には、病気もあります。病気になることで、食事量が減り、時には戻してしまうこともあるでしょう。

普段と行動や食事の量が変わったなと感じたら、適切な治療と食事管理の対処が必要です。以下で具体的な病名について解説します。

悪性腫瘍

悪性腫瘍の初期症状で、食欲や体重の減少が見られることがあります。

悪性腫瘍は、進行のスピードが非常に高く、転移するため治療が難しい病気です。老猫にとくに見られる悪性腫瘍はリンパ腫と乳がんなどでしょう。

悪性腫瘍は、早期に取り除くことで転移を防ぎ、体力の低下を防げる可能性も高いため、定期的な健康診断で対策可能です。

口内炎

口内炎は、口の粘膜に起こる炎症で、人間の口内炎と同じです。

老猫は、歯周病菌やウイルスの感染、免疫力の低下などの要因により、若い猫よりも口内炎になるリスクは高い傾向にあります。

口内炎になると、猫も人間と同じように痛みを伴うため、食事をしなくなる傾向にあります。

特に固いペットフードは痛みを感じやすいため、柔らかいペットフードを与えるようにしましょう。

軽度の口内炎の場合、自然に治癒できますが、口内炎の中には慢性腎臓病などの病気が潜んでいたり、歯周病により歯が溶けたりすることもあるため、できるだけ早く対処してあげることが大切です。

老猫になったら気をつけるべき病気

老猫になったら気をつけるべき病気

老猫が痩せてしまう原因によくあるのは病気です。老猫になったらとくに気をつけたい病気が3つあります。

以下では、老猫になったら気をつけるべき病気について解説します。

慢性腎不全

猫は腎臓に負担がかかりやすい動物で、老猫になると腎機能は低下するため慢性腎不全になりやすいです。

慢性腎不全は、細菌やウイルスの感染、外傷、薬物、免疫疾患などが原因で引き起こされる病気で、長期にわたり腎臓がダメージを受けて機能しなります。

慢性腎不全の初期症状は、水を沢山飲み、尿の量が増える多飲多尿です。また、症状が悪化すると、食欲不振や体重の減少など全身に影響が現れます。死亡率も高い病気のため、早期発見と早期治療を心がけましょう。

関節炎

関節炎は、関節に炎症が起きている状態です。人間と同じように、猫も関節に炎症が起こります。

関節は骨と骨をつなぐ部位で、正常に機能していれば炎症が起きることはありません。しかし、組織に異常が現れると炎症が起こります。

とくに原因として多く見られるのは「変形関節症」です。変形関節症とは、関節をスムーズに動かすための軟骨が壊れてしまう状態です。老猫になるほど変形関節症を発症する可能性が高まります。

猫が関節炎を発症した場合、痛みにより身体が曲がらず毛づくろいが減ったり、座る動作がぎこちなかったりする症状が見られます。

関節炎の疑いがある場合、すぐに動物病院に連れて行きましょう。猫の関節炎の治療は、痛み止めを処方してもらうことが一般的で、無理に体を動かさないことが治療において重要です。

そのため、床が滑らないように床材にこだわりましょう。カーペットを敷いて滑りにくくしてあげると関節炎を防ぎやすくなります。

歯周病

歯周病は、大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」の2種類あります。

歯肉炎は、歯肉が炎症した状態です。一方、歯周炎は、歯肉炎が悪化して歯肉だけでなく歯根膜や歯槽骨など歯周全体に炎症が広がる状態をいいます。

歯周病は、口の中だけでなく、体全体にも影響を及ぼし、原因は、おもに歯石があげられます。

歯周病を防ぐために、毎日一回以上歯磨きをして歯石がたまるのを防ぎましょう。

老猫のガリガリ状態を良くする食事

老猫のガリガリ状態を良くする食事

食事内容や食事回数、餌選びを改善すると、老猫のガリガリ状態が良くなる場合があります。以下は、ガリガリの老猫の状態を良くする方法について解説します。

分割して食事を取らせる

消化ペースや満腹中枢の関係で、1回の食事で多く摂取できない老猫もいます。

その場合、食事回数を分割することで食事量を増やせます。

また、ペットフードだけでなく、おやつを与えたり、食べ物を細かくしたりするなどの対策をすることで、老猫は食事をしやすくなるでしょう。

炭水化物が少ない餌を選ぶ

老猫の血糖値を安定させ、エネルギーの利用効率を上げるために、炭水化物の少ない餌を選びましょう。

炭水化物以外の栄養比率を上げることで、食事の総量が増える場合があります。

カロリーの高い高品質な餌を与える

少量しか食べない場合でも、ハイカロリーな食事を与えることで、体重維持や増加が期待できます。

ハイカロリーな食事は、市販のペットフードやおやつでも摂るまことが可能です。ロイヤルカナンやヒルズ、ピュリナなどがおすすめです。

もしわからない場合は、インターネットで調べたり、店員さんに聞いたりしながら選ぶと良いでしょう。

食欲を上げる

計画的に老猫の食欲を上げる方法もあります。

例えば、フードを温めて香りを立てることで、嗅覚を刺激して、食欲を高める方法があります。また、通常の食事のあとに好物を与えるなども効果的です。

食事を置く場所

猫は食事中の警戒心が強いため、食事の置き場所を変えるだけでも、食事量が変わるケースがあります。

また、食事する位置が低すぎると関節に負担がかかり、食欲はあっても食べられない恐れがあります。体に負担がかからないようにするためにも、食事をする位置を高めにしてあげると負担も軽減されるでしょう。

なるべくリラックスできる場所で、食べやすい餌皿にのせて与えるのが良いでしょう。

老猫の食欲を上げるためにできること

老猫の食欲を上げるためにできること

食欲がない老猫にできるだけ食事して元気になってもらいたいとお考えの飼い主様もいるでしょう。

以下では、老猫の食欲を上げるためにできることについて解説します。

ご飯を温める

猫は食事するかどうかを匂いで判断することがあります。そのため、ご飯を温めて匂いを嗅がせてあげると食欲が出ることがあります。

とくに、老猫は嗅覚が衰えているため、匂いを嗅がせてあげる工夫が必要です。

ご飯の温め方は、ドライフードの場合はお湯でふやかすか、温めたウェットフードを混ぜるなどが効果的です。

ウェットフードを温める場合は、電子レンジで温めるか湯煎するかです。電子レンジは温めムラがでるため、湯煎で温めあげるといいでしょう。

トッピングする

食欲がない老猫には、猫の大好きなトッピングをしてあげるといいでしょう。

おやつやささみ、鰹節、鶏肉の茹で汁など、愛猫が大好きなものをトッピングしてあげると、老猫も食欲が湧いてくるはずです。鶏肉の茹で汁を使用する際は、味付けをしないようにしてください。

また、病気の治療のために療法食を食べていたり、食事制限していたりする場合は、獣医師にトッピングしてもいいか相談してみましょう。

ウェットフードを与える

食欲がない原因がフードの硬さであれば、柔らかいウェットフードを与えてみましょう。

猫により、ドライフードのような硬い食べ物をうまく噛むことができず、食欲があっても食べられないということがあります。しかし、ウェットフードであれば食欲が湧く可能性が考えられます。

ウェットフードを与える際は、人肌くらいに温めてあげると、香りが立ってより食欲を増進できるでしょう。

しかし、ウェットフードはおかずのような位置づけである「一般食」として販売されていることがほとんどです。一般食ばかり与えている栄養バランスが崩れて、反対に体調を崩しやすくなります。

そのため、主食としても与えられる「総合栄養食」と記載されているウェットフードを選ぶようにしましょう。

食器を変える

猫の食欲がない場合は、食器を変えてみると良いでしょう。

実は、猫の食欲は食器に左右される場合があります。10歳以上のシニアの猫の場合、6割以上が関節炎を患っています。関節炎を患っている猫は、足を曲げたり頭を低くしたりした姿勢で食事することが足腰に負担かけ、食欲低下につながる可能性があります。

猫の関節に負担をかけないためには、高さがある食器を利用してください。食器の高さは5〜8cm程度が理想です。

ただし、猫の種類や体格などにより食べやすい高さは異なるため、猫の様子を見ながら一番良い位置を探してあげましょう。

老猫のガリガリをケアする方法

老猫のガリガリをケアする方法

食事以外でも老猫のガリガリを防げます。以下で具体的な2つの方法を解説します。

定期検診に通う

老猫の健康状態は、変化が早いのが特徴です。

早期発見することで、大事に至ることを防ぐ可能性が高まります。そのため、定期的な検診が重要になります。

細目に体重チェックをする

体重の急激な増減は、老猫の健康状態を早く察知するための手段です。

最低でも週1回、定期的に体重を測り、老猫の健康状態をチェックしましょう。体重が減ることは良くないですが、増えすぎることも良いことではありません。

体重が増加傾向にある場合は、積極的に運動させるようにしましょう。

食欲があるか確認する

愛猫の食欲の有無は、毎日確認してあげましょう。

なんとなくいつもより食べている量が少ないかも、と適当に見るのではなく、しっかり量を測って毎日同じ量の餌を与えていると食欲があるかどうかは確認できます。

ドライフードはカップで測り、ウェットフードはグラム数を測っておきましょう。

また、フードを残してしまっている場合は、量を差し引いて計算しましょう。

体調や様子を確認する

愛猫の排尿や排便など、日々の体調チェックも行いましょう。

いつもは元気なのに隅や暗い場所でうずくまって動かなくなっている、また尿や便の状態が通常と異なり、下痢や便秘が見られる場合は病気が潜んでいる可能性が考えられます。

そのため、毎日の排尿・排便の変化や普段と変わった様子がないか、体調管理を欠かさないようにしましょう。

万が一、体調に異変がある場合は、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

老猫がガリガリになる前に毎日チェックしてあげよう

まとめ

高齢の猫が痩せる原因の多くは、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症、口内炎などの疾患が考えられます。

疾患によって食事量の減少や栄養の吸収不良を引き起こし、老猫の体重減少が心配です。

しかし、飼い主様にできることは、消化しやすく栄養価の高い食事を与えるなど、たくさんあります。また、定期的な健康診断も大切です。早期に疾患を発見し、早期治療を始められるよう心掛けましょう。

普段から愛猫の健康状態や行動の変化に気をつけ、必要なケアを施すことで、愛猫の健康と長寿をサポートできます。

しかし、猫には寿命があり、別れがあります。愛猫の別れはつらいですが、後悔のない弔いをしてあげたいものです。

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