「うさぎの様子がいつもと違う、病気ではないか」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
病気になった際のうさぎのサインを見逃さずに動物病院を受診する、最期が近いと感じた時は看取りの準備をするなどの対応を取る必要があります。
また、うさぎは体調の悪さを表に出しにくい動物のため、病気のサインを見逃してしまうと取り返しがつかなくなるケースもあり、注意が必要です。
本記事では、うさぎが出す病気のサインや、飼い主様ができることなどについて解説します。
目次
うさぎが出す病気のサイン
いつもとうさぎの様子が違うと感じたときは、病気の兆候かもしれません。
うさぎに病気の症状があるときは、一定の行動が見受けられるため、以下ではよく見られるうさぎの病気のサインについて解説します。
食欲がない
「いつもよりうさぎの食欲がないな」と感じたときは、病気を疑ってみてください。他の動物と同じく、うさぎも病気になると食欲が落ちてしまいます。
普段はたくさん食べている牧草やペレットをあまり食べなかったり、大好物の野菜やおやつに見向きもしなかったりしたときは、何らかの病気になっている可能性があります。
また、おやつばかりを食べて牧草を全く食べず、食べるものに偏りがある場合は歯に異常が発生しているケースもあり、注意が必要です。
通常、うさぎの歯は食事により削られますが、うまくいかないと不正咬合を起こしてしまいます。
不正咬合とは上下の歯がうまく噛み合わない状態になることで、食事がうまくできなくなり、食欲不振や食事の偏りの原因になります。
元気だったうさぎの食事量が減ったかなと感じたときは、迷わず動物病院を受診してみてください。
うんちがいつもと違う
うさぎのうんちの色や形がいつもと違うと感じた場合は、病気の可能性があります。元気で健康なうさぎのうんちは丸いきれいな球状をしており、色は緑色や茶色、黒色です。
また、湿り気もあるため排出後にすぐに崩れたりせず、コロコロと転がる状態になっています。
いつもとうんちの形が違ったり下痢気味だったりする場合は、病気のサインであるため動物病院を受診しましょう。
なお、うさぎの健康なうんちについては以下の記事で解説しているため、参考にしてみてください。
横たわってぐったりしている
いつもは元気いっぱいなうさぎに、あまり動きがなかったり、表情に力が感じられなかったりした場合は、体調不良のケースがあり注意が必要です。
健康なうさぎは生き生きとした表情で活発に動きますが、病気になると横たわってぐったりする状態が多くなります。
特に真夏や暑い日が続く時にぐったりしている場合は、熱中症にかかっている可能性があります。
うさぎは暑さに弱い生き物のため、部屋の温度は常に18〜24℃程度に保ちましょう。また、内臓や皮膚に異常があるケースでも、うさぎの元気はなくなってしまいます。
うさぎに生気が感じられない、普段よりも元気がない感じがするといった場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
毛が薄くなっている
うさぎの体毛が薄くなっている原因として、以下の4つが挙げられます。
- 過度なブラッシング
- 細菌
- 寄生虫
- ソアホック
うさぎは、季節の変わり目になると体の毛が生え変わるため、普段より抜け毛の量が多くなる傾向にあります。
毛づくろいにより、大量の毛を飲み込んでしまうとうっ血の原因にもなりかねないため、ブラッシングしてあげることが重要です。
しかし、過度なブラッシングは脱毛に繋がってしまう恐れがあるため注意しましょう。うさぎが脱毛を自覚すると、気にしてかいてしまったり、噛んでしまったりして皮膚炎を引き起こすこともあります。
ブラッシングは、抜け毛を取り除く程度にしましょう。毛が生え変わる時期以外であれば、濡れた手で体を撫でてあげるだけでも問題ないです。
また、細菌や寄生虫により毛が薄くなってしまうことがあります。少しであれば無症状なこともありますが、繁殖してしまうと脱毛や皮膚炎などの症状があらわれてしまいます。湿度や不要な接触に十分注意をはらって接してあげましょう。
さらに、ソアホックという足底皮膚炎により脱毛してしまう場合があります。うさぎには肉球がなく毛でおおわれているため、足底に負担がかかると脱毛するかもしれません。
周りの毛で補える程度であれば問題ありませんが、うさぎが痛がっていたら炎症を起こしている可能性があるため動物病院で診てもらいましょう。
フローリングはうさぎの足に負担がかかりやすいため、カーペットを敷いてあげるのも良いでしょう。
足を引きずっている
うさぎが足を引きずっていたら、脱臼を疑いましょう。高いところから落ちてしまったり足がカーペットに挟まったりして、飼い主様が気づかない間に怪我をしている場合もあります。
うまく動けず食事が摂れなくなり、弱っていた場合は、動物病院に連れて行ってあげてください。
軽症であれば、安静にして様子をみますが、重症である場合は脱臼した骨を元に戻す治療が必要になります。必要があれば包帯で固定したり、痛み止めを飲んだりするようにしましょう。脱臼を繰り返す場合、手術をして治療することもあります。
高いところから落ちてしまうと脱臼しやすいため、飼い主様が外出する際はケージに入れておく、抱っこするときはうさぎが落ちない配慮をするなど、飼育環境を整えてあげることが大切です。
首をかしげている
うさぎは、細菌や寄生虫などにより平衡感覚を失い、首をかしげることがあります。「斜頸」と呼ばれ、症状が軽ければ少し首を傾げる程度ですが、重症になると首を90度以上傾けているケースも存在します。
平衡感覚を失うため、まっすぐ歩けず旋回し続けたり、立てなくなってしまったり、症状があらわれるでしょう。
斜頸を治すためには、動物病院での治療が必要で、原因に合わせて抗生剤を飲ませてあげたり、駆虫剤を投与したりします。
自宅での接し方は、転んで怪我をしてしまう危険性があるため、自宅でもクッションやタオルを敷いて保護してあげましょう。免疫力の低下やストレスが原因で発症するため、うさぎにとって快適な生活環境を整えてあげることが大切です。
うさぎが病気のサインを出してから飼い主様ができること
いつもとうさぎの様子が違うなと感じたら、適切な対応を心がけましょう。
飼い主様の素早く正しい対応は、うさぎを病気から守るためにとても重要です。以下では、うさぎの病気のサインを見逃さないために、飼い主様ができることについて解説します。
動物病院でかかりつけ医に診てもらう
うさぎが病気のサインを出し始めたら、迷わずかかりつけの動物病院で診察してもらうことが大切です。
うさぎに気になる症状が見られるにもかかわらず、自己判断で「まだ大丈夫」と考えるのは大変危険で、場合により手遅れになってしまうケースもあります。
普段から診察してもらっている動物病院であれば、うさぎの正常な状態を把握しているため、病気であれば早急な治療が可能です。
また、うさぎの病気が発見された場合は、獣医師がこれからの治療方針を適切に指導してくれるため安心できます。
特に異常がなかった場合でも、なぜうさぎが病気のサインを出したのか原因を探り、今後の対策を考えてくれるでしょう。
そろそろ亡くなるかもしれないとなったら看病と看取りを行う
うさぎの寿命が近いと感じたら、最期の看取りの準備をして、しっかりと看病しましょう。
悲しいことですが、動物は必ず最期のときがやってきます。最期の日が近づいてきたら心の準備をしましょう。そして、うさぎが気持ちよく旅立つために、身の回りを綺麗に整えてあげてください。
特に床に敷いている藁はこまめに交換して乾燥している状態を作り、うさぎが快適に過ごせる工夫をしてあげましょう。
また、うさぎが動けないときは寝返りをうたせてあげたり、体の汚れを拭き取ってあげたりする作業も大切です。
ともに過ごしてきたうさぎの最期を見届けるのはとてもつらいことですが、今までの感謝の気持ちを込めながら、看病や看取りを行いましょう。
うさぎがかかりやすい病気
うさぎは病気に弱い動物ですが、主に下記の病気にかかりやすい傾向があるため、それぞれ解説していきます。うさぎには突然死が多いという特徴もあるため、ちょっとした症状でも見逃さないことが重要です。
普段からこまめにうさぎの状態をチェックして、少しでも気になる症状があるときは動物病院を受診してみてください。
毛球症
毛球症とは、うさぎが食べてしまった毛が、毛玉となって消化器官でたまってしまう病気です。うさぎは、食べた毛を吐き出せない生き物です。そのため、他の動物に比べ毛球症が発症しやすいと言われています。
毛球症は、食欲不振による便の減少や、元気がなくなるといった症状があらわれます。症状が軽い場合は薬の服用で治りますが、重症の場合、毛玉を取り除く手術が必要です。
食物繊維の多い牧草を与えたり、ブラッシングを定期的に行ったりしてうさぎが毛球症にならないための予防をしてあげましょう。
不正咬合
うさぎの歯は人間と違い一生伸び続けますが、伸びた分は繊維が多い草を食べることにより、歯を削り丁度良い長さを保っています。
しかし、何らかの原因で歯が伸びすぎてしまい、嚙み合わせが悪くなってしまう「不正咬合」という病気になってしまうかもしれません。
食欲はあるがうまく食事がとれない、歯が歯ぐきに当たり傷ができてしまうなどの症状があらわれます。
放置しても改善されないため、動物病院を受診して歯を適切な長さに戻してもらう治療が必要です。不正咬合は1度発症すると再発しやすいため、普段からたくさんの牧草を食べさせてあげましょう。
皮膚病
うさぎ皮膚病になる原因は、主に以下が挙げられます。
- 細菌感染
- カビの感染
- ダニの寄生
- ストレス
皮膚病の治療は原因により異なるため、自己判断せず動物病院を受診し、検査しましょう。
ケージ内をこまめに清掃して清潔に保つことは、皮膚病の予防に繋がります。足を痛めないために、カーペットやマットを敷いてあげても良いでしょう。
下痢
うさぎは、胃腸の調子を崩しやすく、下痢を起こすことがあります。原因は主に摂取する食べ物にあり、繊維の少ないものや高炭水化物の食事を与え続けると下痢になってしまうかもしれません。
また、環境の変化やストレスなどで下痢が発症してしまうケースもあります。食べ物や環境について配慮して様子をみましょう。それでも下痢が治らない場合は、動物病院の受診がおすすめです。
呼吸器疾患
うさぎの呼吸器疾患には、肺炎やスナッフルなどが挙げられます。うさぎはもともと肺活量が少ないため、肺炎による呼吸困難を起こしてしまうと少しのストレスを加えるだけで命を落としてしまうことがあり、危険です。
スナッフルとは、鼻が詰まった症状のことを指します。こちらも呼吸困難の危険性があり、命にかかわるかもしれません。
高温多湿や不衛生な環境で飼育を続けると呼吸器疾患にかかりやすいため、こまめな換気や定期的な掃除が重要になります。うさぎが病気にならないための環境を整えてあげましょう。
うさぎが亡くなる前に出すサイン
うさぎは突然死しやすい動物ですが、亡くなる前の状態には一定の特徴があります。
- いつもよりもぐったりしている
- 呼吸が早い、荒い
- 食欲がない
- 体温が低下している
- おかしな鳴き方をする
高齢により死期が近づいている場合は、体力の衰えにより歩き方がおかしくなったり、毛繕いができなくなることから毛並みが悪くなったりします。
また、体内の機能の低下により体温がいつもより低くなったり、呼吸状態に異常が見られたりします。
さらに老化で目や耳の感覚が鈍ることで、転んだり、物にぶつかったりする症状も現れるでしょう。病気により体調に異変をきたしているときは、食欲の低下や糞の形、量の異常が見られます。
うさぎがいつもとは違う行動をとったときは、亡くなる前のサインかもしれないため、動物病院を受診してみてください。
うさぎが亡くなってしまった場合は火葬業者へご相談を
うさぎがいつもと異なる下記の行動をとったときは、病気の可能性があるため注意が必要です。
- いつもよりも食欲がない
- うんちの形や色が違う
- 見るからにぐったりしている
- 明らかに痩せている
うさぎは突然死の多い繊細な生き物なため、普段から体調の異変がないか、注意深い観察が必要です。
少しでもうさぎの様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診してください。また、残念ながら万が一のことが起こってしまった場合は、心を込めてお見送りしましょう。
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