「うさぎのうんちがいつもと違うから不安」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

うんちは健康のバロメーターであり、様子が変だと病気になったのではないかと心配になりますよね。

うさぎの健康なうんちと危険な状態は明らかに違います。本記事では、うさぎの健康なうんちと危険なうんちの特徴を解説します。

うんちの状態を良好に保つためにすべきことも解説しているため、うさぎの健康管理を徹底してあげたい飼い主様はぜひ参考にしてください。

うさぎの健康なうんちとは

うさぎの健康なうんちとは

健康なうさぎのうんちは「硬便」と「盲腸便」の2種類です。

消化されなかった物質を排泄する役割の硬便は、丸くコロコロした形をしており、大きさが均一になっています。繊維状の物体を含んでフワッと軽く、においはほとんどありません。

色は食事内容や水分量によって変わり、排泄当日のうんちは黒っぽい傾向にあります。適度なサイズはうさぎの大きさによって異なるため、一概に大きいほうが良いとはいえません。

同じく「盲腸便」と呼ばれるうんちも、うさぎの健康を示す証拠になります。盲腸便とは、うさぎが食べるために排泄する、栄養を凝縮したうんちのことです。

肛門から直接食べるケースが多いことから目にする機会は多くありませんが、まれに食べ残しや食べこぼしが周囲に落ちています。

盲腸便は、通常のうんちよりやわらかくてブドウの房状に連なっており、強いにおいを放つのが特徴です。

ゼリーのような粘液に覆われていることが多いため下痢と間違いやすいですが、盲腸便は健康なうさぎなら毎日排泄しているため心配いりません。

うさぎの健康はうんちから判断できる

うさぎの健康はうんちから判断できる

うさぎの健康はうんちにより判断できます。

うさぎはストレスを感じやすく、気温の変化や騒音、換毛など、人間からすると少しの変化でも身体に大きな影響を与えます。

ストレスや食欲不振、下痢などによりうんちが排出されなかったり、うんちが通常とは異なったりする場合、健康だけでなく命に関わることもあるでしょう。

そのため、うさぎのうんちにより健康かどうか確認することが大切です。

うさぎの健康なうんちの大きさや色、柔らかさ、断面などを事前に確認しておき、日々健康なうんちと比較して変わりがないか確認してあげてください。

また、うさぎの健康なうんちは、うさぎの種類やサイズにより個体差があります。

そのため、飼っているうさぎの健康な状態のうんちを把握しておくことも、うさぎの健康を守る重要なポイントです。

うさぎの健康状態が危険なうんちとは

うさぎの健康状態が危険なうんちとは

うさぎの腸内環境のバランスが崩れると、うんちに異常があらわれます。例えば、普段よりサイズや形状が異なっていたら「胃腸うっ滞」や「腸毒素血症」を発症している危険性があるため、要注意です。

ただし、いつもと様子が異なるからといって、必ずしも健康状態の危険をあらわしているとは限りません。健康と異常の違いを知るためにも、危険なうんちの特徴をみていきましょう。

いつもより小さいうんち

うんちのかたちがいつもより小さく崩れていたり、大きさがバラバラだったりするときは、おなかのトラブルの可能性が高いといえます。

食物繊維の摂取量が足りないことから胃腸が正常に働かなくなり、うまく消化できていないことがうんちの異常の原因かもしれません。

また、うんちに毛が多く含まれ、つながった状態になっている「数珠便」の場合も危険です。数珠便は、何らかの原因でうさぎが自分の毛を多く飲み込んでしまうことで発生します。

毛が消化中の食べ物と絡まり胃腸の働きを阻害する「毛球症」になる可能性もあるため、発見した際は注意してください。

下痢

水分の多いドロドロした下痢や、ベトベトした粘液のような下痢にも注意しましょう。ストレスによる負担や寄生虫の影響により、腸内環境が悪化している危険性があります。

上記の盲腸便と下痢を見分けるポイントは、うんちの形状の違いです。盲腸便は基本的に丸い形をしており、やわらかいうんちを粘液が覆ってツルツルした見た目をしています。

一方、下痢の場合はうんちの形が不均一で、全体的に粘液状です。ベトベトなうんちがおしりの周りについているときは、下痢を疑ったほうがよいでしょう。

うさぎのうんちは1日でも出ていなければ便秘

うさぎのうんちは1日でも出ていなければ便秘

うさぎのうんちは1日でも出ていなければ便秘と判断されます。

人間の便秘の場合、数日に1回程度です。しかし、うさぎは完全草食動物であり、腸が長いため、常に腸を動かしておかなければいけません。そのため、1日でも便が出ていない場合は便秘となります。

「最近、うさぎのうんちの回数や量が少ない」「うさぎのうんちの大きさが小さい」という場合は、うんちが出ているとしても危険なサインです。

うさぎの便秘は命に関わることもあるため、すぐに動物病院で医師に診てもらうことが大切です。

うさぎの健康なうんちが見られない原因

うさぎの健康なうんちが見られない原因

うさぎのうんちが健康なときと異なる場合は、うさぎが健康に対して何かサインを出している証拠です。

最近、うさぎが健康なうんちを出していない場合は、原因を確認しましょう。以下では、うさぎの健康なうんちが見られない際の原因について解説します。

食生活の偏り

食生活に偏りがあり、バランスの悪い食事を取っている場合、うんちに不調が現れます。うさぎにペレットやおやつをたくさんあげていると、うさぎはお腹の調子を悪くしてしまう可能性が考えられます。

普段からうさぎにペレットやおやつをたくさん与えている場合、主食である牧草を食べる量が減り、栄養バランスに偏りが出るでしょう。

そのため、できるだけ食物繊維が豊富な牧草を与えて、胃腸の働きを促進させることが大切です。普段、おやつやペレットを与えることが多い飼い主様は、うさぎの健康のためにも控えるようにすると良いでしょう。

運動不足

うさぎは運動不足になると、胃腸の働きが悪くなり不調な便が出ます。うさぎを1日中ケージの中に入れて身体を動かさずにいると、胃腸の働きが低下する恐れがあります。

運動不足を解消するためにも、1日1〜2時間程度部屋の中で散歩させる「へやんぽ」を取り入れるようにしましょう。

また、1日1回だけでなく、朝に1時間、夜に1時間など分けてへやんぽさせてあげると、うさぎも時間を覚えて身体を動かそうとするでしょう。

毎日決まった時間でへやんぽするルーティンを決めてあげれば、規則正しい生活を送れるため健康を保ってあげられます。

ストレス

うさぎはストレスを感じていても、うんちの調子が悪くなります。うさぎは非捕食動物のため、少しの変化にも敏感でストレスを感じやすいことが特徴です。

そのため、室温や湿度、物音、飼育環境など、普段から清潔にしてあげなければいけません。

うさぎは18度から24度が適温です。温度や湿度は体調変化に大きな影響を与えるため、常に気をつけましょう。

また、うさぎ以外にも動物を飼っている場合、うさぎによりストレスを感じている場合があります。他の動物とうさぎを一緒に飼っている場合は、部屋を分けて飼育したり、うさぎを飼っている部屋に他の動物を入れないようにしたり工夫してあげましょう。

遺伝

健康状態はうさぎにより異なり、生まれつきお腹を下しやすいうさぎもいます。

そのため、うさぎが便秘になるタイミングやお腹を下すタイミングなどを把握して、関連がありそうな物事について理解しておきましょう。

うさぎのうんちから分かる病気

うさぎのうんちから分かる病気

うさぎのうんちが健康な状態でない場合、何らかの病気にかかっている可能性があります。以下では、うさぎのうんちから見て分かる病気について解説します。

不正咬合

うさぎが下痢や軟便になっている場合、不正咬合である可能性があります。

不正咬合とは、うさぎの歯の噛み合わせが異常な状態です。うさぎの歯は伸び続けるもので、歯が伸びたらチモシーなどの繊維が多い草を噛むことにより、適切な長さを保っています。

しかし、柔らかい餌を食べ続けていると、歯がすり減らなくなり、噛み合わせが悪くなってしまいます。

うさぎが不正咬合を発症して見られる症状は、食欲不振や削痩、下痢、歯ぎしりなどです。うさぎの歯が伸びすぎると腸蠕動に悪影響があり、下痢や軟便が起こるため注意しましょう。

うっ滞

うさぎのうんちの調子が悪い場合、うっ滞を引き起こしていることが考えられます。うさぎは、食欲不振が24時間異常続いてしまうとうっ滞を引き起こします。

うっ滞とは、胃腸の動きが止まっている状態で、食べてはいけないものを食べてしまったり、ストレスが溜まったりなどが原因です。

うさぎがうっ滞を引き起こした場合、軟便、下痢、食欲不振、異常便など便に症状が現れる場合があるため、確認してあげてください。

クロストリジウム性腸炎

うさぎのうんちに異常がある場合、クロストリジウム性腸炎の可能性があります。

クロストリジウム性腸炎とは、腸内細菌のバランスが崩れて、クロストリジウム属の細菌が増殖することにより発症する病気です。

クロストリジウム菌は、健康なうさぎの腸内にも存在しますが、消化に時間がかかると体内で増殖してしまい、腸の動きに影響を与えます。

クロストリジウム性腸炎になる原因は以下のとおりです。

  • 低繊維質や高炭水化物の食事を与えている
  • 飼育環境が劣悪である
  • うさぎに使用するべきでない抗生剤を与えている

下痢や軟便が見られる場合は、クロストリジウム性腸炎の可能性があるため、すぐに動物病院で相談しましょう。

直腸腫瘍

直腸腫瘍もうさぎの便が異常になる原因の一つです。

直腸腫瘍は、直腸に腫瘍ができる病気を指します。

直腸腫瘍になると、排便の妨げになり、肛門の不快感によりうさぎが舐めてしまい出血を促します。

万が一、直腸腫瘍を発症した場合は、レーザーメスで摘出しなければいけません。また、腫瘍は再発する恐れがあるため、注意が必要です。

うさぎに健康なうんちを保たせるためにするべきこと

うさぎに健康なうんちを保たせるためにするべきこと

うさぎのうんちに異常や下痢などの気になる症状がみられるときは、生活を見直すことで悪化を避けられる可能性があります。

うさぎに健康なうんちをさせるためには、適切な食事や水分補給と適度な運動が基本です。

また、ストレスフリーな環境に整えてあげることも欠かせません。うさぎの腸内環境を改善する具体的な対策を以下で解説します。

食物繊維が多い食べ物を与える

うさぎに最適な食事は、繊維質の多いチモシーなどの干し草です。

うさぎは、ラビットフードやペレットなどを好んで食べる傾向にありますが、頻繁に与えるのは不適切なため、腸内環境の悪化を招きます。

対して、食物繊維を多く含む牧草や干し草は、うさぎの消化機能を正常に整えるために欠かせない食材です。毎日食べられるよう、常にストックしておきましょう。

また、キャベツや小松菜などの水分量の少ない生の葉野菜や、ニンジンなどの根菜類もうさぎの食事に副食として取り入れても構いません。

反対に、ジャガイモやカボチャのようなでんぷん質の多い野菜や、糖分の多い果物を頻繁に与えるのは避けてください。

水分をしっかりと取らせる

うさぎに必要な水分摂取量は、体重の約10%です。こまめに水分補給しなければ、脱水症状を引き起こすかもしれません。

なお、市販のミネラルウォーターだとカルシウム過多になるため、水道水もしくは浄水器の水を与えます。

給水器に水を入れっぱなしにするのは避け、定期的に取り替えて常に清潔な真水を補充してください。

また、摂取量を把握するため、給水器に入れる水の量を決めておきましょう。ただし、水分摂取が不可欠だからといって与えすぎると今度は下痢の原因になりかねないため、適量になるよう配慮してあげてください。

ストレスを与えない

うさぎは野生の本能から、ストレスを感じやすい生き物です。

ストレスが溜まると交感神経が刺激され、消化器の働きが鈍くなってしまいます。そのため、ストレスを与えない生活環境に整えてあげることがうさぎの健康管理には不可欠です。

よくあるストレスの原因は以下のとおりです。

  • 温度
  • 湿度
  • 騒音
  • におい

また、多頭飼育もうさぎの負担になりやすいため、始める際は慎重に進めてください。加えて、過度な接触がうさぎにとってはストレスになる場合も少なくありません。

とはいえ、退屈や孤独もまたストレスになり得るため、うさぎの様子をよく伺いつつふれあいの時間を作ることが大切です。

運動不足にならないようにする

ケージの中でのみ過ごしていると、うさぎは運動不足になりがちです。運動が足りないと、胃腸の働きにも悪影響を及ぼします。

1日に約2時間はケージから出し、一緒に遊んだり部屋の中を散歩させてあげたりしましょう。朝・晩で1時間ずつなど、運動の時間を小分けにしても問題ありません。

定期的な運動をルーティン化することでうさぎの生活リズムが整い、下痢などの異常なうんちを予防できます。

うさぎの健康状態が悪化したら動物病院で見てもらう

うさぎのうんちに異常が続き、健康状態が悪化しているようなら、早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。

特に、仔うさぎは急変しやすいため、うんちの異常に注意しましょう。

また、下痢が続き、食欲低下や絶食が現れた際は、健康を害しているサインです。さらに悪化すると、激しい腹痛からうずくまってじっとするようになったり、荒い呼吸や歯ぎしりをはじめたりします。

ひどくなると脱水症状を起こし、ショック状態になることもあるため、すみやかに専門医の診察を受けてください。

なお、健康なうんちとの見分けがつかないときは、うんちを保存して病院に持参すれば判断してもらえるでしょう。

うさぎが亡くなってしまった場合は火葬業者へご相談を

うさぎのうんちがいつもとは違う場合は、注意深く観察することが大切です。健康状態が悪化したり下痢が続いたりときは、早急に動物病院で診察を受けましょう。

うさぎの腸内環境を良好に保つため、食事内容や生活環境に好ましくない内容が含まれるなら、可能な限り習慣を見直してください。

ただ、どれだけ愛情を注いで気を配っていても、体調が急変し、亡くなってしまうこともめずらしくありません。

生き物には寿命があるため、いずれ訪れる今生の別れは避けられないものです。

大切なご家族であるうさぎとのお別れは、専門の火葬業者への相談をおすすめいたします。60年以上の実績を持つCOCOペットでは、うさぎでも人と同じく誠意を持ってお見送りのお手伝いをしております。

お問い合わせは24時間365日受け付けておりますので、いつでも気兼ねなくご連絡ください。大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。

いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。

また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にも繋がります。

COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。