「自宅で飼っているうさぎの抜け毛がひどい」「最近、うさぎの抜け毛が気になるようになった」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
うさぎは人間と異なり、病気であることを自分から伝えることができません。そのため、うさぎに何かあれば、飼い主様が察知して対処してあげる必要があります。
本記事では、うさぎの抜け毛の原因や病気の可能性などについて徹底解説します。うさぎの抜け毛に適切に対処するためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
うさぎの抜け毛の原因は換毛期?
うさぎの抜け毛の原因として、まず考えられるのは「換毛期」です。
うさぎも犬や猫と同じように換毛期があり、季節の変わり目になると毛が抜けます。
うさぎは年に4回も換毛期があり、3ヶ月に1日は換毛しています。特に冬から夏、夏から冬の間は毛がごっそりと抜ける場合もあるため「大換毛」と呼ばれます。
換毛期の期間はうさぎにより個体差がありますが、1〜2週間程度続くことが一般的です。夏から冬にかけて、冬から夏にかけてうさぎの抜け毛が気になる場合は「換毛期」である場合がほとんどでしょう。
うさぎの抜け毛の原因は病気の可能性
うさぎが同じ場所を舐め続けることや、毛をむしることなど、普段ではしない行動が気になる場合は「自咬症」である事が考えられます。
自咬症はうさぎが自分を噛んでしまう病気です。毛を自分で引き抜いて皮膚を傷つけてしまうこともあります。
自咬症の原因は、ストレスや発情、偽妊娠です。口が届く範囲の首の前側や脇腹、お腹、手足に症状が現れやすいです。
うさぎが必要以上に同じ場所を舐めていたり、口から届く範囲の毛が異常に抜けていたりする場合は「自咬症」を疑いましょう。
外部寄生虫による抜け毛の可能性
うさぎの抜け毛の原因は「外部寄生虫」である場合もあります。
寄生しやすい外部寄生虫は、うさぎツメダニ、マダニなどで大量に寄生している場合、フケが出たり、毛が抜けたりする場合があります。犬や猫から感染することもあるため、できるだけ接触を避けることが大切です。
また、公園の草むらで散歩させているときに寄生虫が付くこともあるため、注意して散歩しましょう。さらに、高温多湿の場所は寄生虫が活発になるため、ゲージ内に湿気がたまらないように気をつけてください。
菌による抜け毛の可能性
うさぎの抜け毛は「菌」が原因の場合もあります。カビや細菌が感染すると毛が抜けてしまいます。
カビは湿気の多い季節に発生しやすく、うさぎの皮膚が濡れた状態が続くとカビや細菌が発生してしまうため、こまめに確認してあげましょう。
給水ボトルから水が出て体が濡れてしまっていたり、水飲み皿に身体をつけてしまっていたりすると、カビと細菌が発生しやすいです。
まずは、ゲージ内の環境が適切かを見直してあげましょう。
ソアホックによる脱毛
ソアホックとは、足裏の毛が抜け、脱毛部分の皮膚が赤く炎症を起こして潰瘍になる病気です。うさぎの足裏には肉球がなく、皮膚に直接地面や床材が当たることが主な原因です。
ケージの金網やフローリング、プラスチックの板などは滑りやすく摩擦を起こしやすいため、ジョイントカーペットなどの滑りづらい素材の使用が良いでしょう。合う素材に個体差があるため、色々な素材を試してあげてください。
うさぎがかかりやすい病気
うさぎには、かかりやすい病気がいくつかあります。
うさぎの様子がいつもと少し違うと感じた方は、以下を参考にしてみてください。
毛球症
うさぎのかかりやすい病気である「毛球症」は、自分の毛を飲み込んでしまい、毛が胃や腸で毛玉になり胃腸の動きが悪くなる病気です。
毛球症の症状は、便の量が少ない、または便が小さいなどが挙げられます。また、毛球症になると水を過剰に摂取しているという症状が現れることもあります。
うさぎは身体が弱い動物のため、少しでも異変があれば病院に連れて行ってあげることが大切です。毛球症を防ぐためにも、普段からうさぎの毛のお手入れをしてあげましょう。
不正咬合
「不正咬合」とは、歯が異常な方向に伸びて噛み合わせが悪くなる病気です。
不正咬合は自然に治る病気ではないため、放置すると他の病気を引き起こしてしまいます。
不正咬合は、全身麻酔をして歯を切る必要があり、飼い主様では対処できません。不正咬合の疑いがある場合は、動物病院で医師に診てもらいましょう。
下痢
うさぎの下痢は命に関わる場合が多く、コロコロとした便が出ていない場合、下痢になっている恐れがあります。
胃腸機能の低下、寄生虫感染、ストレスにより下痢を引き起こします。下痢を防ぐためには、飼育環境を清潔に保つことが重要です。
うさぎが下痢をしていたらすぐに病院に連れていきましょう。うさぎを病院に連れて行く際は、検査のためにも便の持ち込みを忘れないでください。
皮膚病
うさぎにみられる病気のひとつが「皮膚病」です。
うさぎの抜け毛により皮膚病になることもあり、飼育している環境や栄養の偏り、ストレスにより皮膚病を引き起こします。
皮膚病にかかってしまうと、皮膚が赤くなり、フケが出てしまいます。皮膚病を防ぐためには、飼育環境を清潔にしてあげることが大切です。
ゲージ内の汚れが溜まっていると、うさぎはストレスを感じ、毛を抜いて皮膚病を引き起こす恐れがあります。
うさぎの抜け毛が目立つときのブラッシング方法
うさぎの抜け毛が目立つ際は、病気を避けるためにも飼い主様がブラッシングしてあげることが大切です。
しかし、うさぎのブラッシングにも手順があります。以下では、うさぎのブラッシング方法について解説します。
グルーミングスプレーにより毛を濡らす
グルーミングスプレーで毛を濡らしてブラッシングしてあげましょう。
うさぎの換毛期は毛が舞ってしまいますが、専用のスプレーで毛を濡らしてあげると毛が舞いにくくなります。
うさぎはきれい好きで、体を舐めて手入れする習性があります。スプレーは天然由来成分でうさぎに影響がないものを選んであげましょう。
手やラバーブラシにより抜け毛を浮かせる
うさぎのブラッシングをする際は、手やラバーブラシを使用して撫でるようにブラッシングしてあげましょう。
シリコン製のものを利用すると皮膚を傷つけるリスクも低く、マッサージで血行促進も可能です。
ラバーブラシであれば、水で簡単に洗い流せて清潔に保てるため、皮膚病の防止にも繋がります。
スリッカーやコームで抜け毛を取り除く
ラバーブラシで毛を浮かせた後は、スリッカーやコームで抜け毛をしっかり取り除いてあげましょう。
ラバーブラシでのお手入れでも問題ありませんが、スリッカーやコームを使うことで、より抜け毛を除去できます。
しかし、スリッカーは金属製のものが多いため、皮膚を傷つけてしまうこともあります。毛のお手入れをする際は、優しく皮膚を傷つけないようにしてあげましょう。
うさぎの抜け毛の対策
うさぎには換毛期があり、抜け毛が出るのは仕方がないことです。しかし抜け毛を放置しておくと、うさぎが抜け毛を大量に飲み込み健康に悪影響が生じます。
抜け毛の時期は、食欲や体調、便の様子をチェックすることに加え、抜け毛の対処も積極的に行いましょう。
グルーミング集毛器を使用する
換毛期の間はグルーミングを行いましょう。飛び散る抜け毛を吸い込むのに役立つのが、「グルーミング集毛器」です。グルーミング集毛器とは、ペットの抜け毛に特化した掃除機のような物です。
家庭用の掃除機などは音が大きいため、うさぎにとって大きな負担になりかねません。グルーミング集毛器なら、静かな音でしっかりと吸引してくれるため便利です。
うさぎが抜け毛を飲み込んで体調を崩してしまう前に、グルーミング集毛器を使用してしっかりと回収してあげましょう。
コロコロテープでこまめに回収する
換毛期は、部屋中に大量の抜け毛が舞い散るため、掃除をしやすいグッズをそろえておくことをおすすめします。
コロコロテープがご家庭に1つあれば、部屋のカーペットやうさぎを抱っこした後の服などについた毛を取るのに便利です。
100円ショップなどで購入できる小さめのコロコロテープは、小回りが利くため丸洗いができない細かい部分でも簡単に掃除できます。
ウェット手袋を使用する
ウェット手袋は、ブラッシングの際に使用する専用の手袋です。
手にはめて、うさぎをなでるだけでブラッシング効果があるため、ブラッシングが苦手なうさぎでも、抜け毛を取り除けます。皮膚を傷つけにくいこともメリットの1つです。
また、コミュニケーションを取りながらお手入れできるため、体調の確認を同時に行いながらブラッシングすると良いでしょう。
ストレスを避けて飼育する
換毛で体力を消耗する場合や、毛を飲み込んで胃腸に負担がかかる場合など、換毛期のうさぎは非常にデリケートです。
必要なお手入れや、体調チェックを欠かさないようにする一方で、元気がない場合にはあまり構い過ぎず、適度なスキンシップを心がけましょう。
ストレスは皮膚糸状菌症や自咬などの原因になりやすいため、換毛期は特に注意する必要があります。
うさぎの抜け毛の注意点
うさぎの抜け毛を対処する際はいくつか注意点があります。
うさぎの抜け毛が気になる方は、まずは注意点を理解した上で対処してあげましょう。
ブラッシングをしすぎない
うさぎの抜け毛が気になるからといって、ブラッシングをしすぎないように注意しましょう。
換毛期である場合、ブラッシングをするとごっそり毛が抜けてしまいます。
ブラッシングのやめ時が分からなくなり、ブラッシングし続けてしまい、一部の毛がなくなってしまったということもあります。
毛が抜けすぎてしまうとうさぎが毛を舐めて皮膚炎を引き起こすため、必要以上にブラッシングをしないようにしましょう。
うさぎの抜け毛により体力と体重が低下する
うさぎは換毛期で毛が抜けている期間は体力を使い、体力と体重が低下します。
うさぎによっては体調を崩してしまう場合もあり、重大な病気につながることもあります。体調を崩さないためにも、必要に応じてサプリでの栄養補給を行いましょう。
抜け毛が酷い時は病院へ行こう
換毛期だから毛がたくさん抜けるとはいっても、異常なほど毛が抜けて心配な場合は病院に連れていきましょう。
異常な抜け毛は病気が原因であることも考えられます。うさぎに少しでも異常がある場合は、躊躇せずに早期治療を行ってあげましょう。
抜け毛の病気を治療するには
前述したとおり、うさぎの抜け毛は病気によって生じる場合もあります。
うさぎの抜け毛に正しく対処するために、異変を感じたらまずは病院に連れて行ってあげましょう。早期に原因を特定して、最適な治療を受けることが重要です。
寄生虫駆除剤
うさぎツメダニやマダニ、ネコノミなど、外部寄生虫が原因の抜け毛に効果的な治療法が寄生虫駆除剤の投与です。背中に滴下するタイプが一般的ですが、駆除剤の成分が入ったシャンプーなどのタイプもあります。
また、皮膚の炎症がひどい場合には、抗生物質を使用して治療することもあります。獣医師と相談して薬の種類を選びましょう。
抗生物質や抗真菌薬の内服
カビやさまざまな細菌の感染により皮膚疾患を起こしている場合には、抗生物質や抗真菌薬の内服が効果的です。
内服薬は、1~2ヶ月の内服が基本になりますが、重傷の場合には長期間投与する必要が出てくるため、獣医師によく相談しましょう。内服薬の他にも、外用薬の塗布で治療を行う場合もあります。
患部の消毒
ソアホック(足底皮膚炎)など、抜け毛と合わせて傷がある場合、まずは患部の消毒が必須です。傷から細菌などが入り、悪化することを防ぐのが目的です。
市販薬などの塗布はうさぎが嫌がって患部をなめることにより、抜け毛が増えて悪化するという悪循環を招く可能性があります。
ソアホックによると思われる抜け毛や傷を発見した場合には、患部を消毒し、早めの受診をおすすめします。
うさぎの抜け毛は病気の可能性もある
本記事では、うさぎの抜け毛の原因と対処法について解説しました。うさぎの抜け毛は換毛期である可能性がありますが、箇所や抜け毛の様子により病気が隠れていることもあります。
うさぎの抜け毛を正しく対処してあげるためにも、異常を感じたらまずは病院に連れて行ってあげましょう。
また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っているペットたちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。
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