犬と生活している飼い主様の中には、犬をもう一匹お迎えしたいと思いつつ、迷っている方も多いでしょう。二匹目を迎えるタイミングや、先住犬との相性など心配ごともありますね。

二匹目の犬を迎えるタイミングは、先住犬が3~5歳の頃や二匹目がパピー期の頃が最適だと言えます。今回の記事ではこれらの解説を含め、二匹目のお迎えのポイント、多頭飼育のメリットや注意点などもご紹介します。是非参考にしてみてください。

二匹目の犬を迎えるのにベストなタイミングとは?

二匹目の犬を迎えるのにベストなタイミングとは?

はじめに、二匹目の犬をお迎えするベストなタイミングについてお伝えします。

先住犬が3歳~5歳の頃

犬は一般的に2歳くらいから成犬期と呼ばれ、心身共に立派な大人になる時期です。二匹目の犬は先住犬の真似をする傾向があるため、先住犬が3歳になっていれば、しつけの面でも社会性の面でも先住犬の良い先生となることができます。

多頭飼いの場合、先住犬が少し優位であるとバランスが良いことが多いため、先住犬が3歳になっていれば、体格などの面でも先住犬が優位になり、トラブルが発生することが少ないと考えられます。

二匹目の犬がパピー期の頃

パピー期とは生後90日~120日以内を指します。この年齢は「社会化期」とも呼ばれ、恐怖心は少なく様々なことに好奇心を持ち、学習を旺盛に行う時期です。他の犬や人との関わりを学ぶことに適した時期で、先住犬との関係も構築しやすいと言えます。

特に生後3カ月くらいまでの間を母犬やきょうだい犬と共に過ごしたパピーであれば、すでに社会化が進んでいるため、新しい環境にもよりなじみやすいでしょう。

場合によっては先住犬が6歳以上になってから

先住犬の性格によっては、6〜10歳頃は性格がまるくなり二匹目を受け入れやすくなる場合もあります。ただし、順位争いで先住犬が負ける、老化で行動をともにするのが難しいなどの点を考慮する必要があります。

先住犬が11歳以上のシニアの場合、二匹目に刺激され脳が活性化されるというメリットがありますが、体力的に二匹目と遊べない、環境が変わることによるストレスが大きくなるというデメリットも忘れてはならない点です。

メスの先住犬なら生後1年頃

先住犬がメスの場合、生後1年頃であれば精神的に落ち着き、母性本能の芽生えもあるために多頭飼育がうまくいく場合も多いと言えます。一方で、メス犬は性格的に繊細なことも多く、二匹目を受け入れられないこともあります。

繁殖可能な年齢を過ぎたメス犬は、子育てに強いストレスを感じることもあります。高齢のメス犬が先住の場合は注意が必要でしょう。繁殖を目的として二匹目をお迎えする場合は、先住のメス犬が成犬になる前に二匹目を迎える方が良い場合があります。ただし、犬の繁殖を目指す場合は必ず獣医師やブリーダーに相談しましょう。

二匹目の犬を迎えるメリット

二匹目の犬を迎えるメリット

上手に二匹目の犬をお迎えすれば、犬たちにとって大きなメリットがあります。

二匹目の犬の社会性が身につきやすい

人と生活するうえで、人や他の犬と暮らすための社会性を身につけることは大変大切です。幼い頃から母犬と離れて成長した犬は、社会性が身についていないことが多く、人や他の犬、生活音などの刺激を必要以上に怖がって無駄吠えするなど問題行動につながる可能性があります。

社会性のある先住犬の元で一緒に成長すれば、二匹目の犬も自然と社会性を身につけることができます。人や犬との生活にすんなり溶け込めることが多いでしょう。

犬のストレスが軽減する

室内飼いの犬は運動不足でストレスが溜まりやすく、このストレスが問題行動につながる場合もあります。犬が二匹以上いれば、犬同士で引っ張りっこができたりじゃれあったりと、思う存分遊べてストレスが減るでしょう。

また、犬は本来群れで行動する動物なので、飼い主様との生活の中では飼い主様への精神的な依存心が強くなる傾向があります。飼い主様が不在になると大きなストレスを感じたり、分離不安につながる可能性もあります。信頼し合っている二匹以上の犬が一緒に暮らすことで、留守番の際などの精神的なストレスが軽減できます。

二匹目の犬を迎える際の注意点

二匹目の犬を迎える際の注意点

上では二匹目の犬をお迎えするメリットについてお伝えしましたが、多頭飼いには注意点もあります。

先住犬の性格によってはうまく行かない場合もある

先住犬の性格によっては、多頭飼育に向かない場合もあります。例えば、興奮しやすい犬や、攻撃性の強い犬は向きません。過度に神経質だったり臆病な場合も向かないでしょう。他の犬を見ると吠えたり逃げたりする犬、過去にほかの犬を噛んだことのある犬などは注意が必要です。

犬種によってもある程度の性格の傾向があります。柴犬などの日本犬は、独立心が強いため他の犬とあまり打ち解けることがない場合があります。ピットブルやボクサーなどの闘犬は、もともと気性が激しい面があるため難しいと言えます。

先住犬の性格や犬種などによっては、二匹目のお迎えにはドッグトレーナーなどに相談することをおすすめします。

お世話の時間や費用が倍になる

犬が二匹になれば、お世話の時間や費用は単純計算でも2倍以上になります。ブラッシングなど、犬のお手入れにかかる時間、掃除や散歩にも2倍以上の時間がかかるでしょう。

食費も2倍になりますし、ワクチンや健康診断などの費用も2倍になるのです。犬を飼育するための必要経費は年間200万円以上だと言われることもあります。2匹分の費用を余裕をもってまかなえるかどうかをしっかり考えることが大切です。

二匹目の犬を迎える際の3つのポイント

二匹目の犬を迎える際の3つのポイント

ここでは、二匹目の犬をお迎えする際に考慮しておくべきポイント3点を解説します。

犬種・体格・性別を考慮する

多頭飼育の場合、犬種は同じである方がうまくいきやすいです。上でお伝えしたように、そもそも多頭飼育に向かない犬種がいることも忘れてはなりません。体格は、ほぼ同じか先住犬の体格が二匹目よりも少し大きくなるくらいがバランスが取れやすいと言えるでしょう。反対に、先住犬が小型犬で二匹目が大型犬の場合は注意が必要です。

犬の場合、先住犬と二匹目の性別が同じだとトラブルが起こる可能性があります。特に去勢手術をしていないオス同士の同居は絶対に避けましょう。異性の犬同士であれば、お互いに比較的受け入れやすいです。

先住犬のしつけをしておく

すでにお伝えした通り、二匹目の犬は先住犬の行動を真似る傾向があります。先住犬に無駄吠えやいたずらなど、飼い主様にとって困る行動が多い場合、二匹目の犬も同じ行動をとってしまうことが多いです。二匹目をお迎えする前に、先住犬が飼い主様にとって困る行動をしないようにしつけをしておくことが重要です。

二匹の対面方法に気を配る

はじめて二匹の犬を引き合わせる場合は、いきなりフリーな空間で二匹の犬を自由にさせるのはおすすめできません。まずは、二匹目の犬はケージに入れたまま部屋に置き、二匹の犬がお互いに落ち着いたら、二匹目をサークルなどのケージに入れてお互いに姿が見えるようにします。

この時に、どちらかの犬がうなったり歯をカチカチ鳴らすなど攻撃的な様子をみせた場合、その日の対面はいったんやめて、別々の部屋で過ごさせます。ケージ越しでお互いが落ち着いて対面できるようになったら、少しずつ直接接触できるようにしましょう。二匹の犬が十分落ち着くまで、飼い主様は目を離さないようにしましょう。

上手に二匹目をお迎えすれば幸せも2倍以上に!

これまでお伝えした通り、二匹目の犬をお迎えするには、先住犬との相性や年齢、犬種、体格、性別など色々な点で注意が必要です。犬たちのお世話に割く時間や費用も2倍以上になりますね。

しかし、犬たちにとってのメリットも大きく、仲良い2匹の犬の存在は飼い主様の幸せも2倍以上にしてくれます。上手に二匹目をお迎えして、犬たちにとっても飼い主様自身にとってもより楽しい生活を目指してみるのも良いでしょう。