「犬と生活するなかで、散歩は必要なのか」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。散歩には、飼い主様との信頼関係を強めたり、犬のストレスや運動不足を解消したりして健康を維持する効果や、社会性を身につけられるといったメリットがあります。
本記事は、愛犬との散歩をさらに楽しくするために、必要な散歩の時間や回数など基本的な知識をお伝えします。安全に散歩するために、気をつける注意事項なども解説するため、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
犬が健康に過ごすためには散歩が必要
犬は、飼い主様と散歩をする動物だというイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。多くの飼育書にも「犬は散歩が必要な動物」と書かれているでしょう。犬は散歩することで、飼い主様と一緒に楽しい体験をして飼い主様への信頼関係を強めます。
さらに、散歩はストレス解消にもつながるほか運動不足への対策にも有効で、肥満筋力低下を防ぐ効果も期待できます。また、犬は社会性のある動物のため、外に出て地域の人々や他の犬と出会うことも楽しみにしています。
犬の散歩は何歳から必要?
犬の散歩は、伝染病ワクチン接種が完了してから始めるのが一般的です。獣医師に相談しながら、子犬の体調を見ながら、適切なタイミングで始めましょう。
初めての散歩前は、キャリーバッグや抱っこで外へ連れ出し、外の環境に慣れさせておくことが大切です。犬にとって散歩は楽しい活動であるはずですが、外が怖い、嫌な経験をしたなどの理由で散歩を嫌がる場合もあります。
嫌がる場合は、無理に散歩をさせず、抱っこなどで外へ連れ出して恐怖心を和らげましょう。散歩デビューは犬のペースに合わせ、ゆっくりと慣れさせていくことが重要です。
犬と飼い主様にとっての散歩の利点
犬にとって、散歩は楽しみな時間というだけでなく、健康維持のためにも欠かせません。さらに、飼い主様自身の健康へのメリットも、科学的に明らかになってきています。散歩は犬にも飼い主様にも良い影響を与えるのです。
飼い主様との絆ができる
犬の散歩が必要な理由のひとつに、飼い主様との絆を強める効果があげられます。犬と飼い主様が楽しい時間を共有することで、犬は「この人といると楽しい!」と理解し、信頼します。
犬との信頼関係が深まることで、犬が飼い主様の指示に従いやすくなることもあります。
ストレス解消になる
散歩が犬のストレス解消に役立つというのは、イメージとして理解されていましたが、2014年に科学的に証明した論文が発表されました。
上記の論文では、イタリアのシェルターで暮らす97頭の犬を対象に、血液中のストレスホルモンを測定することでストレス度合いを測定しました。その結果、ストレスホルモンを下げることができるのが、定期的な散歩であることが判明しました。
犬はストレスを「ストレスサイン」と呼ばれる行動で示します。ストレスサインには、あくびや目を細める仕草など細かいものから、自分の手足などをしきりに舐めたり、尻尾をがじがじと噛んだりする行動もあります。
うなったり、吠えたりするのは、かなり苦しい状況になっていることを示します。愛犬にストレスサインがみられたら、ストレス解消のために、散歩の距離や回数などの方法を見直しても良いかもしれません。
運動不足の解消ができる
運動不足は、色々な病気のリスクを高める要因になります。運動をして、筋肉をしっかりつけることで、骨や関節などのトラブルを起こしにくくなります。肥満防止にもつながります。
犬にとって肥満は大敵で、アメリカで行われた調査では、肥満のラブラドールレトリバーは適正体重のラブラドールレトリバーと比較して、1.8年も短命だったという結果があります。
もし、愛犬がすでに肥満傾向の場合、急激なダイエットは危険です。突然の激しい運動は足腰の故障につながりますし、食事量を急に減らすことは栄養状態の悪化を招きます。
ダイエットは動物病院に相談しながらの食事制限と継続的な散歩を組み合わせましょう。健康的に過ごせる時間が長くなると、その分寿命も長期化しやすいといえます。愛犬に長く健康でいてもらうためにも散歩で運動不足を解消しましょう。
社会性が身につく
犬は、初めて会う人や知らない音や臭いに対して警戒心を持ちます。そのため、来客や外出先で見知らぬ人に出会うと吠えてしまうことがあります。家の外で工事をしていたり、救急車が通ったりするなどの刺激にも怯え、ストレスから体調を崩すこともあります。
散歩をすると、飼い主様以外の人や他の犬に会うことも多く、車やバイク、電車などの乗り物をはじめ、様々な音や臭いなどの刺激を受けます。刺激に自然と慣れていくことで、外の世界への自信を得て、どんな状況でも落ち着いて過ごすことができるでしょう。
飼い主様の健康にもつながる
散歩は、犬だけでなく飼い主様自身にも良い効果をもたらします。犬との散歩は他の人や犬–との交流につながり、定期的に体を動かす効果があるため、散歩を通して健康な生活を送る飼い主様も少なくありません。
犬の飼育により、人が受ける良い健康影響に関しては、多くの研究結果からも科学的に証明されています。
たとえば、米国心臓協会が発表した研究では、犬を飼っている人は、心停止や脳卒中などの重大な疾病からの回復が良好であることがわかりました。
また、心血管疾患での死亡リスクが低下するという結果も出ています。
科学的な研究においても、人への良い健康影響は、犬と一緒に散歩することで運動習慣がついていることが大きな理由であると考察されています。
犬の散歩に必要なグッズ
犬の散歩を行う前に、必要なグッズを揃えましょう。以下では、犬の散歩に役立つグッズをご紹介します。
首輪
愛犬にとって初めての首輪は、できるだけ柔らかい素材でできた幅広のものを選びましょう。柔らかい素材は、愛犬に負担をかけず、幅広のものは首輪が食い込むのを防ぎます。
また、迷子札を首輪に付けておくことも大切です。迷子札には、愛犬の名前と飼い主様の連絡先を記入しておきましょう。
首輪以外にも、ハーネスタイプと呼ばれる、胴体に装着するタイプのものもあります。ハーネスタイプは、首への負担が少なく、小型犬や引っ張り癖のある犬におすすめです。
リード
リードを選ぶ際は、飼い主様の手になじみやすい素材のものを選ぶのがおすすめです。
人通りの少ない公園や空き地などでは、フレキシリードと呼ばれる長さ調整可能なリードも便利です。フレキシリードは、ある程度の長さまで伸びるため、愛犬が自由に走り回ることができます。
ただし、フレキシリードには使い方のコツが必要のため、最初は一般的なリードを1本、次にフレキシリードを1本用意しておくと便利です。
トイレグッズ
散歩中に愛犬がトイレをした場合に備えて、ティッシュペーパー、ビニール袋を用意しておきましょう。
ティッシュペーパーは、排泄物の拭き取りに使用します。ビニール袋は、排泄物を持ち帰るために使用します。
また、消臭袋も一緒に持っておくとさらに便利です。消臭袋は、ビニール袋に入れて持ち帰る際に、臭いを抑えるために使用します。
犬が健康な散歩をするためのポイント
実際に散歩をする時のポイントは、散歩の質と量のバランスです。愛犬と飼い主様にとってのベストなバランスの散歩を探ってみましょう。
散歩の目安
散歩の量は、愛犬の犬種や年齢、体力により変わります。愛玩犬として改良された小型犬では1回あたり1~2km程度を約20~30分かけて行うのが目安です。
小型犬でも狩猟や牧羊などを目的として改良された犬種では、もう少し運動量が必要です。中型犬では1回あたり20〜30分の散歩を毎日2〜3回行うのが基本です。犬種により、運動量の多い遊びを1時間程度行い、充分に運動欲求を満たすことも必要です。
大型犬は、ゆっくり歩く散歩を1回に60分程度、1日2回くらい行うのが理想です。激しい運動は足腰に負担がかかり不向きです。
ルートを変えてみる
時々散歩のルートを変えてみると、良いリフレッシュになります。愛犬自身がいつもとは違う道に進みたがる日もあるため、犬に任せて行きたいところに行ってみましょう。
景色や出会う人などがいつもと異なることで、飼い主様自身も良い刺激が受けられます。
遊びを取り入れる
散歩の途中で公園などのスペースがあれば、遊びも取り入れましょう。ロングリードにしてボールなどで「もってこい」をしたり、落ち葉の下などにおやつを隠して探索させたりするのも犬が喜びます。
おすわりや、いつものトレーニングも屋外でやると気分も変わります。レトリバー種などは水も好きなため、水遊びなどを取り入れるのも良いでしょう。
特別なことをしなくても、犬にとってはゴロゴロと背中を地面にこすりつけたり、好きなところを思い切り掘ったりすることを思う存分できるだけでも十分な遊びになります。
最適なお散歩の時間と距離について
愛犬の健康を保つためには、最適なお散歩の時間と距離について把握することが重要です。大好きな飼い主様と一緒に散歩できるのは犬にとっても楽しい時間です。愛犬が楽しく健康に散歩できるためにも、以下のポイントを参考にしてみて下さい。
散歩の時間と距離の目安
散歩の時間や距離は長ければ長いほどいいというのは誤りです。愛犬の健康を維持するためには、適正な散歩の時間と距離を把握しておくことが大切です。
小型犬の場合、1日1〜2回、20〜30分ほどで歩ける距離を歩いて下さい。また、中型犬は1日2回30分ほどで歩ける距離が目安です。大型犬は1日2回、30〜60分ほどで散歩するといいでしょう。
大型犬は特に、室内での運動だけでは運動量が足りず、たくさん運動することも困難です。そのため、お散歩の時間を長くとってあげてください。しかし、お散歩時間が長すぎると足腰の関節に負担がかかるため注意が必要です。
犬種により必要な運動量は異なる
犬種により必要な運動量が異なることも理解しておきましょう。
たとえば、動物を狩るための犬であったビーグルやミニチュア・ダックスフンドなどの犬種や牧羊犬のボーダー・コリーなどは、多くの運動量が必要です。逆に愛玩犬のチワワやマルチーズの場合は、短い散歩時間であっても必要な運動量を満たします。
そのため、犬種ごとの必要な運動量を把握しておくことが重要です。
愛犬の様子を見ながら散歩する
愛犬に無駄吠えや甘噛みが見られる場合、運動不足が原因である可能性が考えられます。散歩に連れて行ったり、一緒に遊んであげたりすることで犬はストレスを軽減できます。
お散歩の後、愛犬が元気な様子が見られる場合はお散歩の時間を長く取ってみるのもいいでしょう。また、一緒に思いっきり遊んであげると愛犬は楽しんでくれるはずです。
逆に、足を止めたり歩くスピードが遅くなったりした場合は、お散歩の時間が長いかもしれません。散歩中は、愛犬の様子を見ながら散歩時間や距離を考慮することも重要です。
犬の散歩をする時の注意
楽しい散歩中も、一定のルールを守って行動しないと、思わぬ危険に遭遇してしまいます。以下では、犬の散歩の際に気をつけるべき点を説明します。
リードの使い方
犬にリードをつけることは「動物の愛護および管理に関する法律(動物愛護法)」で義務付けられています。
リードは、愛犬を予期せぬ事故から守るために必須です。散歩の最中は、リードにたるみをつけて、犬が飼い主様に寄り添って歩く「リーダーウォーク」がおすすめです。犬を引っ張ったり、反対に飼い主様が引っ張られたりする歩き方は危険です。
拾い食いに気を付ける
拾い食いは犬の本能ですが、現代の道にはタバコの吸い殻など、食べると命に関わるものも落ちています。植物も食べると中毒を引き起こすものが多くあり危険です。
拾い食いをさせずに、飼い主様が行き先を確認しましょう。ベンチの横など、ごみやタバコの吸い殻などが多い場所は散歩コースから除外するのも大切です。
もしも犬が何かを口に入れてしまった時は、無理に取ろうとすると、反射的に飲み込んでしまうことがあるため「ちょうだい」などのコマンドを練習しておくと良いでしょう。
害虫のへの対策
屋外には、蚊やノミやダニなどの虫もたくさんいます。地域により、恐ろしい病気を媒介する「マダニ」もいます。帰宅後は、愛犬の毛をかきわけて、これらの虫がついていないか確認しましょう。できるだけ、定期的にノミダニ予防の薬を使うのが安心でしょう。
犬の散歩は夏でもするべき?
「夏の暑い日のお散歩は避けたほうがいいのではないか」と心配になる飼い主様もいらっしゃるでしょう。以下では、犬の散歩は夏でも必要かについて解説します。
基本的には行くべき
外が暑い日でも散歩はしなければいけません。室内で遊びを楽しんでいるように見えても、運動不足になったり、遊びに飽きてしまったりして犬はストレスを抱える可能性があります。
また、散歩にいかずに体力が有り余った状態でいると、問題行動が目立つことも考えられるでしょう。基本的にはストレス発散や健康のために、散歩はなるべく毎日行くようにしてください。
嫌がっている場合は無理にいかない
散歩が大好きな犬でも、夏場は暑さにやられて散歩に行きたがらなくなる可能性があります。愛犬が散歩に乗り気ではない場合、無理に連れて行くのはやめておきましょう。無理やり散歩に連れて行くとかえってストレスを抱えてしまうかもしれません。
夏にお散歩に行く際は、愛犬の様子をよく確認しておきましょう。
犬の夏の散歩で気をつけるポイント
犬は人間よりも暑さを感じているため、夏場の散歩は注意すべきポイントが4つあります。愛犬が無理なく散歩できるように、以下では夏の散歩で気をつけるポイントについて解説します。
地面が熱くないか
夏場はアスファルトが高温になっているため、肉球が火傷する可能性があります。日が沈んだ直後では、地面が冷めずに暑さが残っているかもしれません。そのため、日が沈んだから大丈夫といって、無理やり散歩に連れて行かないようにしましょう。
まずは、自分の手で触って確認してみて、長時間触っていられる程度の温度であることを確認してから散歩してください。
犬が暑がっていたら切り上げる
犬が暑がっていたら早めに散歩を切り上げることが重要です。犬は暑さを感じていれば、ハアハアと呼吸を繰り返すパンディングして、体温を調節します。愛犬がパンディングしている場合は、無理をさせずに散歩を早めに終わらせましょう。
人間が暑いと感じている温度は、犬にとってはかなりの暑さを感じている可能性があります。散歩の際は、愛犬の様子をよく見てあげましょう。
こまめに水分補給する
犬も人間と同じように熱中症になる可能性があるため、こまめに水分補給させることが重要です。夏場は特に散歩のときは必ず水を持参して、定期的に飲ませてあげてください。
しかし、水は家で飲むものであると認識している犬の場合は、散歩中には水を飲んでくれないこともあります。水を飲んでくれないときは、犬用のスポーツドリンクを飲ませてみるといいでしょう。
スポーツドリンクは水と違って味がついているため、愛犬もおやつ感覚で飲んでくれるかもしれません。
日陰を歩かせる
直射日光が当たったアスファルトは熱くなり、肉球が火傷する可能性があるため、できるだけ日陰を歩くようにしましょう。土や芝生の上、日陰を選んで歩かせると、地面から出る暑さの影響を受けにくいです。
そのため、夏場は日陰が多い散歩コースなどを選ぶようにしましょう。
犬の冬の散歩で気をつけるポイント
犬の冬の散歩で気をつけるポイントが5つあります。以下では、冬場の散歩で注意すべき点について解説します。
日中に散歩する
冬場は寒さが厳しい日もあるため、日が出ている時間で散歩するようにしましょう。冬でも太陽が出ているときは暖かいですが、日が落ちてしまうと気温が落ちて寒さを感じてしまいます。
寒さを感じると愛犬の体に負担を与えるだけでなく、ストレスを感じることもあるでしょう。また、道路が凍ると滑ったり、凍傷になったりする可能性があります。そのため、冬場の散歩は暖かいうちに行うようにしましょう。
年齢と体力を考慮する
冬場でも基本的に散歩は重要ですが、年齢や体力を考慮して散歩しなければいけません。
老犬になっている場合は成犬のときほど体力がないため、歩くのが困難になったり、長時間歩けなくなったりします。冬場に散歩させる場合は、散歩の距離を短くしたり、散歩を休んだりして、愛犬のペースに合わせてあげましょう。
みぞれ状態は注意する
道がみぞれ状態になっている場合は、怪我をする可能性があるため注意が必要です。みぞれとは、雪が空気中で溶けて雨のようになったものを指します。
みぞれの上をそのまま歩くと、肉球がしもやけになったり、ひび割れを起こしたりする可能性があります。また、みぞれ状態のまま夜になり、そのまま凍ってしまうと道路は路面上で水分が結露して滑りやすくなるアイスバーンを起こして危険です。
愛犬を怪我させないためにも、冬場は天候や道路の状態をよく確認してから散歩しましょう。
事前にウォーミングアップしておく
冬の散歩に出かける前に、事前にウォーミングアップしておきましょう。また、寒さに慣らしておくことも重要です。いきなり外に出して散歩させると、犬は寒暖差によりヒートショックを起こす可能性があります。
そのため、冬場は散歩前に暖房がついていない場所で遊んであげてから散歩にいきましょう。
水分を拭き取る
雪により犬の被毛が濡れてしまった場合は、タオルで水を拭き取ってあげてください。雪が降っているにも関わらずタオルで拭き取らずに放置してしまうと、体を冷やして風邪をひくだけでなく、雑菌が繁殖して皮膚病を引き起こす可能性があります。
散歩中に雪をかぶってしまった場合は、タオルで拭き取り、ドライヤーをかけて温めてあげましょう。
犬が散歩を嫌がる場合はどうするべきか
愛犬が散歩に行きたがらない場合は、どのように対処したら良いか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。以下では、犬が散歩を嫌がっている場合の対処法をご紹介します。
首輪やハーネスを変更する
愛犬の快適な散歩のために、首輪のサイズと愛犬の体の合致度を確認することが重要です。サイズが合っていない場合は、新しい首輪やハーネスを用意しましょう。
もし新しい首輪に変えてから散歩を嫌がった場合は、以前使っていたものに戻してみるのも有効です。
首輪を装着した際に、飼い主様の指1本が首と首輪の間に入る程度のゆとりが理想です。愛犬が苦しくなく、快適に散歩を楽しめるために、サイズ調整に気を配りましょう。
短い距離・時間で散歩に慣れさせる
愛犬が散歩を嫌がる場合、まずは短い距離・時間で散歩に出ることをおすすめします。短い距離であれば体への負担が少なく、短い時間であれば精神的な負担も軽減されます。愛犬にとって不快な要素がなければ、徐々に距離と時間を延ばしていけるでしょう。
最初のうちは、家の周りを少し歩くだけでも十分です。愛犬が嫌がらない様子であれば、徐々に距離を伸ばしてみましょう。また、散歩中に疲れた様子を見せたら、無理せずに休憩を取りましょう。
愛犬が散歩を楽しむためには、飼い主様の愛情が大切です。焦らずに、愛犬のペースに合わせて距離と時間を延ばしていくことで、散歩が楽しい時間になるはずです。
自宅の庭で外に慣れさせる
人や車など、屋外で出会う様々な存在に慣れていない場合は、まず屋外の雰囲気に慣れさせることが重要です。自宅の庭は、愛犬に不安を感じさせずに、外の世界を少しずつ体験させるために最適な場所です。
最初は、自宅の庭で愛犬を遊ばせてみましょう。慣れてきたら、徐々に自宅の周囲を散歩してみるのも良いでしょう。車の音や人の声など、様々な刺激に少しずつ慣れさせていくことが大切です。
愛犬が不安そうな様子を見せたら、無理せずにその場で休憩を取りましょう。おやつを与えたり、優しく撫でたりして、安心感を与えてください。焦らずに、愛犬のペースに合わせて社会化を進めていくことで、愛犬は安心して外の世界を楽しめます。
怪我や体調不良になっていないか確認する
愛犬が散歩を嫌がる場合、痛みや不快を感じているかもしれません。まずは獣医師に診察してもらい、体の内外に異常がないか確認しましょう。病気の早期発見・治療につながるだけでなく、愛犬の苦痛を軽減することも可能です。
もし体の異常が見つからず、精神的な原因が疑われる場合は、散歩に対する恐怖や不安を取り除く必要があります。
おやつをご褒美としてあげる
愛犬が散歩を嫌がる理由の一つに、「なんとなく不安」というケースがあります。ご褒美としておやつを活用することで、散歩に対する印象を改善できます。
具体的には、愛犬が嫌がる前に「おいで」と呼びかけて、飼い主様の元に来たら、おやつを与えて褒めてあげます。散歩中に嫌がる場面を事前に予測し、呼びかけた後にご褒美を与えることで、「散歩は楽しいもの」という印象を徐々に植え付けられます。
散歩コースや時間を変更する
愛犬が散歩を嫌がる場合、散歩コースに苦手な場所がある可能性があります。別の散歩コースを試してみることで、楽しく往復できるかもしれません。
また、気温が高すぎる時間帯や、視認性が落ちて不安が高まる夕暮れ以降の時間帯は避け、愛犬が快適に過ごせる時間に散歩しましょう。
愛犬と散歩を楽しみましょう
犬は散歩が大好きな生き物です。散歩は、飼い主様との信頼関係を深める大切なコミュニケーションの時間です。上でお伝えしたとおり、犬や飼い主様自身のストレスや運動不足の解消につながり、健康維持にも大きなメリットがあります。
一方で、散歩は習慣がついていない犬にとっては、急に連れ出されるとストレスになってしまいます。犬をお迎えしたら、飼い主様と少しずつ外の刺激に慣れる練習をして散歩の習慣をつけると良いでしょう。
また、飼い主様自身が健康に気をつけることも大切です。今回ご紹介した遊びなども取り入れながら、愛犬と飼い主様自身が健康で長生きできるために、より楽しめる方法でストレスフリーな散歩を楽しみましょう。