年齢を重ねたペットを飼っている方のなかには、先のことを考えてペット火葬について調べている方もいるのではないでしょうか。
ペット火葬は自治体でも対応してもらえるのか、また民間業者との違いや、自治体に依頼する場合に気を付けるべきポイントについても把握しておきたいところです。
この記事では、自治体でのペット火葬の対応に関することや、民間業者との違いについて解説していきます。併せて、自治体にペット火葬を依頼する場合の注意点などについても確認していきましょう。
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目次
自治体にペット火葬を依頼する流れ
ペットが亡くなった場合、法的にはペットの遺体は一般廃棄物扱いとなります。
そのため自治体によっては、飼い主が申請すればペット火葬が可能です。
自治体でペット火葬を行う場合は、民間業者に依頼するよりも費用が安価な傾向にあります。費用の目安については後述しますが、無料で引き取ってくれる自治体もあるようです。
また、自治体で行われるペット火葬は主に他のペットと一緒に火葬する「合同火葬」のみであることもあります。
ただし、自治体によりペット個別の火葬プランが選べることもあり、さらに元々ペット火葬自体を行っていないケースもあります。
そのため、お住まいの自治体でペット火葬が行われているか事前に確認しておきましょう。
自治体にペット火葬を依頼する流れ
ペットの火葬は、あまり経験したことがないかと思います。いざペットが亡くなってしまった際に、どのような流れで火葬まで進めればよいのか慌ててしまうことも考えられるでしょう。
そのため、ペットが亡くなってから火葬まで、準備することや、やるべきことについて把握しておくことは重要です。
以下では、自治体にペットの火葬を依頼する際の具体的な流れについて解説します。
自治体に火葬依頼を行う
まずはお住まいの自治体のウェブサイトを確認した上で、火葬の依頼を行います。
一般的に、各市が管轄している環境事業所の問い合わせ先が記載されているため、電話で火葬を申し込みます。
自治体によってはメールで申し込めるところもあるので、ご都合にあった連絡方法で依頼しましょう。
依頼の電話では、火葬を行う日程の調整や、火葬するための条件について詳しく確認しておくと安心です。
ペットのご遺体を整える
自治体への火葬の依頼まで日にちが空くことも考えられます。
その間、ペットの姿をきれいに保つため、ペットのご遺体を整えましょう。四肢を折り曲げ、眠る時のような体勢でダンボールなどに納め、毛並みをブラシなどで整えます。
死後硬直が始まってしまうと、四肢を折り曲げることが難しくなってしまうため、できれば亡くなった直後に行うと良いでしょう。また、動物は亡くなると、徐々に体の腐敗が始まります。
ご遺体が腐敗してしまうと、見た目も悪くなりますし、腐敗臭もしてくるため、火葬当日まで腐敗させないような対処が必要です。
腐敗を遅らせるためには、ご遺体の冷却が有効です。特に腐敗しやすい頭やお腹を中心に、保冷剤やドライアイスなどで冷やすと良いでしょう。
火葬場までご遺体を運ぶ
火葬当日になったら指定された火葬場までご遺体を運びます。
ご遺体を運ぶ際には、ダンボールに納めるか、毛布でご遺体を包んでビニール袋に入れます。自治体によっては、持ち込みの方法を指定しているところもあるため、予約の際に確認しておくと良いでしょう。
また、火葬場への持ち込み以外にも、自宅まで引き取りに来てもらうことも可能です。
引き取りについても、自治体により対応しているところとそうでないところがあるため、引き取りを希望する場合は、事前に連絡しておくと良いでしょう。
自治体での火葬では、火葬場に持ち込み・引き取りの時点でペットとの最後のお別れになります。
自治体による火葬
火葬場までご遺体を運ぶと、自治体の方でペットを火葬します。
自治体での火葬は、他のペットや野生動物と一緒に火葬する「合同火葬」が一般的で、火葬後は、他のご遺骨と混ざってしまうため、ペットのご遺骨を受け取れません。
自治体の火葬では、家庭ごみなどの一般廃棄物と一緒に焼却される場合も少なくなく、火葬が終わった後は、埋め立て地に埋め立てられます。
ただし、ペットが家族の一員であるという風潮が浸透してきたため、個別火葬や火葬後の供養を受け付けている自治体もあります。
そのため、ペットのご遺骨を残したい、火葬後の供養を考えたい場合は、一度お住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
火葬費用を自治体に支払う
自治体による火葬後、または持ち込みの時点で火葬費用を自治体に支払います。
料金体系については、ペットの重量により異なりますが、大体無料~10,000円で済むところがほとんどです。
また、自治体の職員が自宅まで訪問してご遺体を引き取りに来る場合は、持ち込みよりも少し高額となります。
自治体以外でのペット火葬方法
ペット火葬は、自治体以外でも依頼できます。自治体以外でできるペット火葬方法は以下のとおりです。
- ペット霊園で依頼する
- 訪問火葬車に依頼する
自治体での火葬を検討している方も、悔いなくお別れできるように事前に自治体以外でのペット火葬方法を確認しておきましょう。
ペット霊園で依頼する
近年では、ペット霊園での火葬が一般的になりつつあります。ペット霊園はペット専用の墓地を指し、霊園による火葬だけでなく、火葬後のペットの供養も一気通貫で対応可能です。
ペット霊園は全国にも約600件以上あり、霊園によりサービスの種類やペットに関する考え方も異なります。また、ペット霊園では葬儀施設や火葬施設がなく、墓地と納骨堂のみで運営しているケースも多くあります。
自宅近くにペット霊園がある方は、事前に公式ホームページや口コミなどから自分のペット火葬に対する考え方や、希望するペットの供養が実現できるかどうかを確認しましょう。
訪問火葬車に依頼する
訪問火葬車は、ご自宅の近くまで火葬できる機器が搭載された車が訪れて火葬する方法です。
ペット霊園での火葬をしたくても、場所が遠かったり、時間がなかったりすると足を運ぶことが難しいでしょう。
しかし、訪問火葬車を利用するとペットと一緒に過ごした自宅付近での火葬が可能です。訪問火葬車では臭いや煙が発生するため、近隣住民に配慮した上で依頼しましょう。
また、訪問火葬車は火葬の場所や時間を問わないため、好きな時間に好きな場所で火葬を行えます。
例えば、早朝のいつもの散歩コースで火葬したり、日中どうしても時間が合わないため、深夜に自宅前で火葬したりといった融通が利く点が特徴です。
ただし、訪問火葬してくれる業者は多数あり、中には悪質な業者も存在しているため、業者選びの際は、口コミや所在地を確認して、信頼できる業者かどうかを見極める必要があります。
ペットの火葬方法について
ペットの火葬方法にもいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。以下では、ペット火葬で用いられる方法について解説します。
合同火葬
ペットの「合同火葬」は、他のペットと一緒に火葬する方法です。合同で火葬した後は、ペット霊園にて合同墓地に埋葬されます。
合同火葬は、火葬の立会いやお骨上げができません。また、ご遺骨はまとめて処理されるため、後にご返骨されることもありません。
しかし、他のペットと同じお墓に入ることで、寂しがり屋のペットが他のペットと楽しく過ごせるように、また天国でも寂しくないようにという想いから、合同火葬を選択する方は多くいます。
他のペットと一緒に見送ってあげたいとお考えの方に合同火葬がおすすめです。
一任個別火葬
「一任個別火葬」は、ペットの火葬を業者側にすべて任せる方法です。
ペットのご遺体を引き取り、火葬、お骨上げまですべて業者により行われます。合同火葬同様、火葬に立ち会うことやお骨上げはできません。
しかし、ペット単体で火葬を行う方法のため、ご遺骨をご返骨してもらえる場合があります。ペットのご遺骨を自宅で供養してあげたい方は、事前にご遺骨をご返骨してもらえるかどうか確認しておきましょう。
悲しくて立会いはできないけれど、しっかり火葬してあげたい、火葬後もしっかり供養してあげたいとお考えの方におすすめの方法です。
立会い個別火葬
「立会い個別火葬」は、家族で立会い、個別で火葬できる方法です。火葬前にペットに感謝を伝えるセレモニーの時間が設けられているプランもあります。
ペットの大きさにもよりますが、火葬自体は1〜2時間程度で終わります。
また、火葬後は、お骨上げやご遺骨の受け取りも可能です。ペット霊園では、同じ場所で火葬してお骨上げができるため、お別れの時間をゆっくり過ごせます。
最後までペットのそばにいてあげたい、しっかり火葬しているところを見届けたいとお考えの方には、立会い個別火葬がおすすめです。
ペット火葬における自治体と民間業者の違いとは?
ペット火葬に対応している自治体と民間業者では、おもに以下のような違いが挙げられます。
- ペットのご遺体に対する考え方
- 対応している火葬方法
- ペット火葬の対応時間
- ペット火葬にかかる料金
ここからは、上記で挙げた自治体と民間業者の違いについて確認していきましょう。
ペットのご遺体に対する考え方
自治体では、たとえ大切にしていたペットでも一般廃棄物として扱われます。つまり、他の廃棄物と同様に高温で焼却するため、焼却後は骨が残りません。
わずかに残った灰は、委託業者によって埋め立て地へ運ばれて処理されます。そのため、自治体ではペット火葬が可能でも埋葬やご返骨・供養はできません。
一方で民間業者では、ペットは大切な家族の一員と考え、丁重に扱います。
火葬のプランも飼い主様のお気持ちに寄り添って提案してくれるところが多くあるため、親身になってくれます。
しかし、最近では自治体でもペットのご遺骨を慰霊碑に埋葬したり、個別火葬に対応したりするところも増えてきているため、ペット火葬に対する考え方も自治体によって異なると言えるでしょう。
対応している火葬方法
ペット火葬の方法には、「個別火葬」と「合同火葬」の2種類があります。
個別火葬とは、文字どおりペット単体で火葬する方法です。一方の合同火葬は、他のペットとともに火葬される方法になります。
自治体で行っているペット火葬は、その多くが合同火葬です。そのため、ご遺骨を拾うのが難しい場合もあります。また、自治体によっては、一般廃棄物(ゴミ)と一緒に焼却するところもあるようです。
民間業者では合同火葬・個別火葬どちらにも対応しているので、火葬後に大切なペットのご遺骨を拾って供養することもできます。
ペット火葬の対応時間
自治体にペット火葬を依頼する際は、依頼するタイミングに注意しなければなりません。
自治体では、ペット火葬の対応可能時間を設けており、一般的には平日の営業時間内のみ対応してくれます。
大阪市を例として挙げると、月曜日~土曜日(祝日を含む/年始を除く)の8:00~16:30です。
そのため、仕事などで日中対応できない場合は、亡くなってから火葬までの日にちが空いてしまう恐れがあります。
一方の民間業者では、24時間365日受け付けているところもあり、早朝や夜間の問い合わせ・火葬にも対応しています。そのため、日中が仕事で忙しい方には民間業者に依頼するのが便利です。
ペット火葬にかかる料金
ペット火葬における自治体と民間業者の違いは料金面にもあり、基本的に自治体のほうが安いです。具体的な料金は、お住まいの自治体、または利用する民間業者のプランによって異なります。
大体の料金目安としては、以下を参考にしてください。
ペット火葬の依頼先 | 料金の目安 |
---|---|
自治体 | 1,000円~1万円程度※無料のところもある |
民間業者 | 1万5,000円~6万円程度 |
自治体火葬のメリットとデメリット
自治体による火葬のメリットとしては、やはり火葬にかかる費用が安く済むことです。
一般的な民間業者によるペット火葬の場合だと、数千円から数万円ほどかかるケースもありますが、自治体による火葬の場合、無料から高くても1万円程度で火葬できます。
そのため、できるだけお金をかけずに火葬したいという方には、自治体の火葬を選択肢に入れてみても良いでしょう。
一方、デメリットとしては、飼い主様で火葬後の供養ができないという点が挙げられます。自治体によるペット火葬は、ほとんどが合同火葬です。
そのため、後からご遺骨を手元に残したいと思っても、自治体の火葬ではご遺骨が飼い主様の元に戻らないことがほとんどなため、火葬後の供養ができません。
飼い主様自身で考えられている供養の方法がある場合は、民間業者に依頼しましょう。
民間業者による火葬のメリットとデメリット
民間業者では、火葬方法や供養の仕方といった側面から多くのプランを取り揃えており、飼い主様のご希望にあった火葬を叶えられる点が大きなメリットです。
例えば、親族や友人を呼んで大勢で最愛のペットを見送ってあげたいといった場合には、お別れのセレモニーやお焼香ができるプランを業者が提案してくれます。
このように、飼い主様のお気持ちに寄り添って最適なプランを提案してもらえるため、悔いのない火葬を実現できるでしょう。
デメリットとしては、お見送りを手厚くすればするほど、費用がかかってしまうという点です。
火葬プランでも、火葬だけ行うプランとご家族の立会いができるプランがありますが、立会いができるプランの方が、火葬にかかる人件費やサービス内容が充実しているため、必然的に費用が高くなります。
また、葬儀のためにお花を別途依頼しり、僧侶を呼んで読経してもらうといったことも可能ですが、どの程度ペット火葬にお金をかけられるかを事前に検討してから民間業者に依頼することをおすすめします。
ペット火葬を自治体に依頼する場合の注意点
上記でも触れたように、自治体と民間業者には、さまざまな違いがあります。そのため、その違いについて把握したうえで、ペット火葬の依頼先を決めることが大切です。 そこでここからは、ペット火葬を自治体に依頼する場合に注意すべきポイントについて、解説していきます。
ご返骨されないケースがほとんど
自治体にペット火葬を依頼する場合、前述のように一般廃棄物として焼却処理されてしまうため、ご返骨されないケースがほとんどです。
専用の焼却炉を使用する自治体もありますが、廃棄物を可能な限り減らすために高温で焼却し、ご遺骨が残らないところも多くあります。
また、多くの自治体では、合同火葬を行っていることもご返骨されない理由として挙げられます。そのため、ご返骨してほしい場合や、分骨してご遺骨ペンダントとして手元に置きたい場合などは、民間業者に依頼するのがよいでしょう。
大切なペットを手厚く見送れない
自治体にペット火葬を依頼してご返骨されない場合、埋葬ができません。また、一般廃棄物として処理されてしまうため、供養することも難しいでしょう。
さらに、自治体によっては棺にお供物を入れられないところや、お経や祭詞を唱えてもらえないところがほとんどとなっています。 大切なペットを手厚く見送ってあげたい場合は、自治体ではなく民間業者に依頼するのがおすすめです。
ペット火葬後は死亡届を提出する必要がある
飼っていたペットの種類によっては、火葬後に死亡届を提出しなければなりません。
基本的に犬が亡くなった場合には、死亡届が必要です。死亡届を提出しない限り犬は生きているとみなされ、狂犬病の予防接種の通知が家に届き続けます。
狂犬病の予防接種を行わない場合、20万円以下の罰金が請求されることもあるため、死亡届は必ず提出しましょう。
犬以外に死亡届が必要な動物としては、ライオンやトラ、ワニ、ワシなど特定動物に指定されている動物が挙げられます。死亡届は、ペットの死後30日以内に、お住まいの自治体の保健所に提出しなければなりません。
最近では、インターネットで申請を受け付けている自治体も増えているので、時間に余裕がない方や夜間などに申請したい方は、インターネットを活用しましょう。
自治体でペット火葬を依頼する前はよく調べておこう
ペット火葬は、飼い主が申請すれば自治体でも可能です。ただし、自治体にペット火葬を依頼する場合は、以下の点に注意しましょう。
- ご返骨されないケースがほとんど
- 大切なペットを手厚く見送れない
- ペット火葬後は死亡届を提出する必要がある
ご返骨してほしい場合や、しっかりと供養したい場合などは、自治体ではなく民間業者に依頼するのがおすすめです。
訪問火葬サービスのCOCOペットでは24時間365日、ペットの葬儀に関するご相談を受け付けています。
お見送りの際の火葬プランも、ペットの種類によって6,600円(税込)からさまざまなプランを提供しており、一般的な猫や小型犬であれば、17,600円(税込)から、中型犬であれば28,600円(税込)から、火葬方法やご供養の希望によってプランを選んでいただけます。
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