「ペット火葬でも人間と同じようにお布施は必要なのか?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ペット葬儀では原則必要ないとされていますが、気持ちの面から個人的に渡す方も少なくありません。
渡すのであれば、金額の相場やマナーについて知っておくと安心です。本記事では、お布施の基礎知識を解説しつつ、ペット葬儀におけるお布施の必要性、金額の相場、渡す際のマナーを解説します。
目次
ペット葬儀のお布施とは
ペットのお布施とは、人間のもの同様、葬儀や法事、法要の際の読経、戒名をつけてもらうといった、一連の儀式を執り行なってくれた僧侶様や寺院にお礼として渡す金銭を指します。
前述のとおりお布施はあくまでもお礼のため、読経や戒名の報酬や対価ではない点に留意してください。金額についても、明確な決まりはありません。
また、お布施は僧侶様本人ではなく、寺院のご本尊に供えられるものです。受け取られたお布施はご本尊を守護する寺院の維持、活動費として使用されます。
ペット葬儀の際もお布施は必要?
冒頭でも述べたように、結論としてはペット葬儀の際にお布施を渡す必要はありません。ペット葬儀会社の提供する葬儀プランや火葬プランには、あらかじめ僧侶様や寺院に渡すお布施も料金に含まれているものが多いためです。
ただ、お布施を渡すこと自体は問題ないため、葬儀のプラン内容にお布施代が含まれていないケースはもちろん、お礼や個人の価値観、習慣からお布施を渡す方もいます。
ペット葬儀でのお布施は、相場が決まっている人の葬儀とは異なり、大きな金額を用意する必要はありません。なかには、お金ではなくお供え用のお菓子を持参し渡す方もいるようです。ただ、お金でお布施を渡したいと考えているのであれば、金額の相場をあらかじめ知っておくと安心です。次項では、お布施を渡す場合の金額の相場を紹介します。
お布施を渡す場合の金額の相場
ペット葬儀におけるお布施は、人間の場合と同様に明確な金額の決まりはなく、およそ3,000~5,000円が相場とされています。人間に比べると金額が低めなのは、前述のとおりあくまで気持ちや個人の価値観の側面が大きいためと、多くの場合はプラン内容にすでにお布施代が含まれているためです。
なかには相場以上・以下の金額を包む方もいますが、特に金額に決まりはないため問題ないとされています。したがって、相場を理解したうえで自身の納得のいく金額を包むとよいでしょう。
なお、葬儀の際に基本のプラン内容に含まれないオプションを依頼した場合や、四十九日、一周忌といった法要の際にお布施を渡す場合があります。法要の時に渡す場合は、お布施の金額相場は2~3万円と、葬儀のみに比べて高めなのが特徴です。
ペット葬儀のプランにお布施が含まれていることもある
ペット葬儀のプランにより、お布施が料金に含まれているケースも多々あります。プランにお布施が含まれている場合、別でお布施をお渡ししなくても問題ありません。
そのため、事前に依頼したペット葬儀のプランにお布施が含まれているかを確認しておきましょう。また、プランに含まれている場合でも、気持ちとしてお布施をお渡しすることもあります。お布施を渡したい方は、事前に準備しておきましょう。
ペット葬儀のお布施で避けるべき金額は?
ペット葬儀でお布施を渡す際、避けるべき金額はありません。結婚式のご祝儀やお香典は偶数を避けた金額を包むことがマナーです。
しかし、お布施には決まりがないため、4や9などの数字が入った金額でも包むことができます。中途半端な数字を包まないようにだけ気をつけましょう。
ペット葬儀でお布施以外にお渡しできるもの
ペット葬儀でお布施以外のものをお渡しするケースも多々あります。お布施以外になにかお渡しする際は、お供物のお菓子を選ぶと良いでしょう。
また、ペットに戒名をつけてもらう際は、戒名料を支払わなければいけません。戒名とはあの世での新しい名前を指します。しかし、ペットに戒名を付けなくても問題なく、お寺により対応してもらえない場合もあります。
愛犬に戒名を付けてあげたい場合は、戒名に対応するペット霊園を探すか自分で好きな戒名をつけるといいでしょう。
ペット葬儀でお布施を渡す際に心がけたい4つのマナー
ペット葬儀に出席する際、「服装は人間と同じようにすべきか」「お布施の渡し方に決まりはあるのか」と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。以下では、ペット葬儀へ出席しお布施を渡す際に心がけるべきマナーについて3つ解説します。
お布施をお渡しするタイミング
原則として、お布施は葬儀が始まる前に渡すとよいでしょう。例えば、僧侶様が会場に到着したタイミングや、控室で待機しているときに直接伺って渡すのがおすすめです。
お布施を渡す際は手渡しではなく、お盆などに置いて渡すとより丁寧です。お礼の気持ちを込めた挨拶を述べつつ、お布施の文字が僧侶様から読める向きでお盆に置き、渡しましょう。
お布施の包み方
お布施は、そのままお金を渡すのではなく「奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)」という和紙に包んで渡します。つるつるとした感触のほうが表面で、ざらざらとした感触のほうが裏面です。なお、お金は奉書紙に直接包まないように注意してください。一度現金を半紙で包んだ「中包み」を作ってから、中包みを奉書紙で包みます。
奉書紙は文房具店やインターネット通販などで入手できますが、用意できない場合は白い封筒や水引付きの「お布施」と書かれた封筒でも問題ありません。奉書紙以外の封筒にお布施を入れる場合は、郵便番号枠があるものは選ばないようにしましょう。また、縁起が悪いという理由から、二重の封筒も避けるべきです。
お布施の書き方
お布施を入れる封筒の表に「お布施」や「御布施」と書きましょう。ご自身で書くのに抵抗がある場合、もともと書かれている封筒を使用します。
そして、お布施と書かれている文字の下に飼い主様の名前を黒色のペンで書きます。お布施を渡す際は、正しい方法で表書きを書いてお渡ししましょう。
ペット葬儀に参列する際のマナー
ペット葬儀には人間のお葬式のように決まりがありませんが、最低限のマナーを守るべきです。葬儀でやってはいけないことや持ち物などを一度確認しておきましょう。
初めてペット葬儀に参列する方はぜひ参考にしてください。
服装のマナー
ペット葬儀や法要では、喪服など服装の決まりはありません。特に移動火葬車で行う身内のみの葬儀は、周囲の目が無いため自由な格好で葬儀に参列できます。しかしペット霊園や人間の葬儀も執り行っている会場では服装に気をつけるべきです。
身内以外の方がいらっしゃる場合は、フォーマルな格好をすると良いでしょう。具体的には以下の点に注意してください。
- 黒やベージュなど、シンプルな服を選ぶ
- 露出を避ける
- メイクはナチュラルにする
- 大きすぎるアクセサリーは避ける
- 毛皮やファーを避ける
特に毛皮やファーなどの動物性の洋服は、動物の殺生を想像させてしまうため、必ず避けてください。周囲の方に不快な思いをさせる場合があります。服装は事前に考えておくと良いでしょう。
持ち物
ペット葬儀で必須のものはあまりありませんが、あると便利なものや持っていくと喜ばれるものがあります。以下のものを準備しましょう。
数珠
ペット葬儀の際は、数珠を持参しておきましょう。数珠は、魔除けの意味や仏様とのつながりを示し、亡くなったペットに経緯と哀悼の意味を込めて送り出してあげられます。
ペット葬儀には人間の葬儀のような決まりが少ないですが、近年では人間の葬儀と同じような流れで葬儀が行われます。お焼香の際に手を合わせることもあるため、数珠を用いて手を合わせてあげると哀悼の気持ちが伝わるでしょう。
数珠はペット葬儀用と人間の葬儀用のもので分ける必要はありません。しかし、人間の葬儀とペット葬儀で分けて数珠を使いたい方は、別で用意しておくといいでしょう。
ハンカチ
大切なペットが亡くなった、また可愛がっていた友人のペットが亡くなった際、最後のお別れの場であるペット葬儀で涙が出てしまうこともあるでしょう。涙を拭うためにも、ハンカチを持参しておくことをおすすめします。
ハンカチの色は白が好ましいですが、急な葬儀で白のハンカチが用意できない場合、淡い色や落ち着いた色のハンカチを選びましょう。ハンカチは忘れてしまうことも多いため、原色や派手な色は避けて持参してください。
お花
ペット葬儀で棺に添えられる淡いお花を持参すると、飼い主様にも喜んでもらえるでしょう。お花を選ぶ際は、色に気をつけなければいけません。
色が濃いお花を選んでしまうと、棺に入れて火葬した際にお花の色がお骨に付着する恐れがあります。お骨を綺麗に残すためにも濃い色は避けて淡い色のお花を選びましょう。
また、お花を選ぶ際は色だけでなく、花言葉にも気をつけて選択してください。お花は火葬業者により用意してくれる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
お香やろうそく
お香やろうそくを持参するとご自宅やペット霊園でも利用できるため、喜ばれるでしょう。ペットとのお別れは突然来ることもあり、自宅でお葬式を行う場合、お香やろうそくを用意できていないこともあります。
ペット霊園によりお線香やお花を販売していることもあるため、必ずお香やろうそくが必要というわけではありません。ペット葬儀の種類に合わせて、お香やろうそくを持参するといいでしょう。
ペットの写真
ペットの写真は喪主の方が遺影として用意されますが、参列者の方も亡くなったペットが写った写真を持参すると喜ばれるでしょう。
写真を選ぶ際は、ペットのみが写っている写真や飼い主様とペットが一緒に写った写真を選ぶと良いです。思い出が詰まった写真や、ペットが幸せそうな写真を飼い主様に渡してあげましょう。
お焼香は人間と同じマナーで行う
お焼香とは参列者が順番に香を焚く儀式のことです。人間と同じやり方で心をこめて行いましょう。お焼香の回数は宗教により異なります。
- 真言宗:3回
- 曹洞宗:2回
- 臨済宗:1回
- 浄土宗:1~4回
- 日蓮正宗:3回
宗教や正しい回数がわからない場合は、事前に葬儀業者に聞いておくと安心です。
お骨上げはゆっくり行う
お骨上げとは、ペットのご遺骨を拾い上げて骨壷に入れる儀式のことです。感謝をこめながら、お骨をひとつずつ丁寧に拾い上げるのがマナーです。
中にはペットのご遺骨を見るのが辛く、お骨上げができない方もいらっしゃるかと思います。お骨上げは大切な儀式ですが、無理せずにご自身の感情を優先しましょう。業者の方にお伝えすれば、代わりに行ってくれます。
飼い主様へのお声掛け
ペット葬儀中の飼い主様は傷心しています。心が繊細になっているため、些細な言葉で深く傷つく場合もあります。そのため慰めのつもりでかける言葉にも細心の注意が必要です。
掛けても良いお悔やみの言葉
- 〇〇(ペットの名前)との時間は楽しかったよ、ありがとう
- 〇〇さんの深い愛情はペットにも必ず届いていますよ
- 天国から〇〇さんをずっと見守ってくれていますよ
絶対に掛けてはいけないお悔やみの言葉
- また新しい子を飼えばいいじゃない
- 次のペットはいつから飼う予定?
- 他の子を飼えばまた元気になるわよ
ペット葬儀ではお布施を用意しなくてもいい
ペット葬儀において、お布施は葬儀会社のプラン内容に含まれている場合が多いため、必ずしも渡すという決まりはありません。個人的なお礼の気持ちからお金やお菓子をお布施として渡す方もいるなど、個人の気持ちや価値観に委ねられているといえます。
葬儀は、大切な家族の一員であるペットが、安らかに旅立てるように行なうものです。そのため、お布施を含めて自身が納得できるように選択し、判断することが大切です。
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