「死期が近づいた猫がどんな行動を取るか知りたい」と思っている方も多くいらっしゃるでしょう。
愛猫が安らかな最期を迎えることは、全ての飼い主様が願っていることです。死期が近づいた猫には特有の行動や変化が現れます。適切な対処を行うことで猫への負担を大きく減らせるほか、愛猫が苦しまずに最期を迎えるサポートができます。
本記事では死期が近づいた猫が取る行動を踏まえつつ、飼い主様ができることを解説します。混乱せずに正しい対処ができるよう、事前に把握しておきましょう。
目次
猫の死期が近づいたときに現れるサイン
飼い主様としては、残りの時間が少なくなっているのであれば、早く気づいてあげたいですよね。ここでは、猫に死期が近づいた時の代表的なサインをいくつかご紹介します。
いつもと違う甘え方をする
飼い主様たちの間では、猫は死期を悟ると、甘えたりお別れの挨拶をするためによく鳴くようになったりすると言われています。いつもと違う甘え方や鳴き方をしたり、しきりにすり寄ってきたりする場合は死期が近い可能性があります。
猫のこのような変化は、体調に不安を感じて飼い主様を頼りたい気持ちの表れかもしれません。優しくかまいながら、猫にひどい苦痛がないかどうかを確認しましょう。
開口呼吸(口呼吸)をしている
猫は通常、鼻で呼吸をします。激しい運動をしていないにもかかわらず、口を開けて呼吸をしている場合、猫本人が非常に苦しい思いをしている可能性があります。猫の開口呼吸は、死期が近いサインです。
いきなり元気になる
ほとんど寝たままだった猫が、死ぬ間際にいきなり活動的になったり、元気な声で鳴き始めたりすることがあります。理由ははっきりしていませんが、老猫の場合は認知症の症状のひとつである可能性もあります。
苦痛に耐えられずじっとしていられないというケースもあります。よく様子を観察しましょう。
ごはんを食べなくなる
老化や何らかの疾患で死期が近い場合、消化器官が衰えるため、ごはんや水を摂取しなくなることがあります。猫の好きなフードを用意して、スプーンやシリンジなどでゆっくり与えましょう。
死ぬ間際は、全く食べなくなることもあります。無理に食べさせると猫本人に苦痛を与えます。水分のみを、スポイトで垂らすなどのケアを行いましょう。
いつもと違うにおいがする
「死臭」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。死期が近づくと、体内の老廃物などが原因で、猫の口や体からいつもと違うにおいがすることがあります。代表的なものは腎臓病の猫の口臭にみられるアンモニア臭です。
毛並みが悪くなる
猫は本来、自分の体を自分で毛づくろいしますが、体調不良が続くとしなくなります。高齢猫などは消化器の機能が衰え、毛まで栄養が行き渡らなくなることもあります。これらの理由で、死期が近い猫の見た目は毛に艶がなく、ボサボサした様子になります。触れた時にべたつきを感じることもあるでしょう。
体温が低くなっている
死の間際は、徐々に心拍数が減少し、血液が体に回らなくなるため、体温が低下する傾向があります。猫の心拍数は、1分間に90~240回程度です。90回以下に下がっている時は、心拍数が落ちていると言えるでしょう。
猫の心拍数は、胸のあたりを触って数えることができます。後ろ足の太ももの内側の太い血管に触れることで、人間の手首のように脈を確認することも可能です。
目に異変が出る
体の不調が目に表れることも多いです。動物病院などでは「覇気がない」と言うこともあります。「目に力が入っていない」「目の焦点が合わない」などの様子が一般的です。「目やにや涙がたくさん出る」などもよく見られる症状です。
死期が近づいた猫は「目がつり上がったように見える」と言われることもあります。真偽のほどは不明ですが、目やになどで毛並みがいつもと異なったり、顔が痩せて吊り上がったように見えたりするのかもしれません。
猫の死期が近づいたときに飼い主ができること
上では猫の死期が近いサインをご紹介しました。このようなサインに気づいたら、飼い主様は何をすべきでしょう。
動物病院を受診する
どのようなサインであっても、できる限り早めに動物病院を受診することをおすすめします。
猫の苦痛を取り除き、場合によっては回復が期待できることもあります。動物病院で猫の現在の状況をしっかりと把握してもらい、残された時間を確認するのも良いでしょう。今後のケアについて相談に乗ってもらっておくと、状況が変わっても慌てずにいられます。
寝床を整える
死期が近づいた猫は、長い時間を寝床で過ごすことになります。猫が快適に過ごせるよう、お気に入りのベッドにシーツやタオルを敷きましょう。
これらは頻繁に交換して、清潔な環境を保つことが大切です。寝たまま排泄をするようになった場合は、ペットシーツを利用するのも良いでしょう。
愛猫の体のケアをする
猫はとても清潔好きな動物です。自力で毛づくろいできなくなると、ストレスを感じます。苦痛を感じない範囲で、猫の体を蒸らしたタオルなどで優しく拭き、ブラッシングを行いましょう。顔回りやお尻のまわりも丁寧に行います。
自力で排泄ができない場合、マッサージなどの排泄の手伝いが必要な場合があります。動物病院で方法を聞いておくと安心です。
好きな食べ物やおもちゃを用意する
死期が近づいたら、獣医師から特別に食事を制限されない限り、好きなものを好きなだけ食べさせましょう。
栄養バランスなどはもうあまり気にする必要はありません。お気に入りのおもちゃやタオルなども寝床に入れてあげると喜びます。飼い主様が寄り添い、猫が常に安心できる環境を整えて最後の時を迎えてあげましょう。
死期が近づいた時に考えるべきこと
愛猫に死期が近づいた時は治療やケアと同時に、亡くなった後のことも考える必要があります。飼い主様としては愛する猫の死後を想像するのは心苦しいですが、丁寧な弔いと供養をしてあげるためにも非常に重要です。
延命治療の有無
愛猫に死期が近づくと、獣医師より延命治療の有無について判断を迫られます。基本的に、延命治療をしない場合は自宅での「緩和ケア」を行います。緩和ケアとは、病気の苦しみを取り除き、QOLの保たれた生活を送れるようにケアすることです。
延命治療を選択する場合は獣医師の判断次第ですが、入院治療が一般的です。動物病院で最期を迎える可能性が高いため、愛猫の最期に立ち会うのは困難と言えます。
いざという時に延命治療を受けるか否か、予め考えておきましょう。
葬儀や供養の方法を決める
猫を含めペットが亡くなると生活は慌ただしくなり、ご遺体を安置できる期間も考慮すると葬儀や供養の方法を検討する時間は多くありません。時間がない中で決めると後悔が残る可能性があるため、あらかじめ決めておくと良いでしょう。
動物の供養や葬儀の場合は私有地への土葬も可能ですが、一般的には火葬が選ばれます。供養方法に明確なルールはないため、飼い主様の好みで問題ありません。火葬形式によりご返骨の有無は変わるため、事前によく確認しておきましょう。
葬儀業者の目星をつける
愛猫が亡くなった後の忙しいタイミングで、入念に葬儀業者を検討するのは困難です。ある程度は葬儀業者の目星を付けておくと、スムーズに葬儀を行えるでしょう。
愛猫を丁寧に弔う場合は民間の火葬業者に依頼し、自身の手で供養するパターンが一般的です。ご返骨がない火葬形式の場合、供養は業者に任せることになります。
また、火葬から納骨までを一連して依頼したい場合はペット霊園がおすすめです。火葬業者での火葬や手元供養に比べると費用はかかりますが、飼い主様の手間を省けるメリットがあります。
やることや用意するものリストを作成
愛猫を丁寧な火葬や供養で弔う場合、予めやることや用意するべきことをリスト化しておきましょう。用意するものや準備すべきことが多くあるためです。
猫に限らずペットを失った飼い主様の多くは気が動転し、視野も狭くなります。すべきことの優先順位を上手く付けられず、必要に迫られて焦ることも少なくありません。
リストにすることですべきことが目に見えるため、ペットロスによる無気力感への対策としても有効的です。
猫が亡くなったあとに取るべき3つの行動
猫を看取ったあと、何をすればいいのか困ってしまうかもしれません。ここでは、猫が亡くなったあとに飼い主様がすべき行動をお伝えします。予め知っておけば、いざその時が来ても落ち着いて行動できるでしょう。
確実な行動を知りたいという方は、訪問火葬サービスのCOCOペットにお問い合わせください。24時間365日、ペットの葬儀に関するご相談を受け付けています。
COCOペットの無料相談(24時間365日受付)はこちらから
死亡を確認する
お腹に触れて呼吸が停止していることを確認します。わかりづらい時は、口や鼻の前にティッシュなどをかざしても良いでしょう。呼吸が止まったあとも、心臓だけわずかに動き続けることもあります。胸に触れて、心拍も停止していることを確認しましょう。
目にペンライトなどの光を当てた時に、瞳孔が動かなければ死亡しています。自力で判断するのが不安な場合は、動物病院に連絡して、連れていくのも良いでしょう。
ご遺体を適切に処置する
愛猫が亡くなって最初にすべきことは、死後硬直と腐敗が進行する前にご遺体を適切に処置することです。処置次第で腐敗の進み具合は大きく異なり、ご遺体を安置できる期間にも関わります。
ご遺体を安置できる期間は夏場で1〜2日、冬場は3日ほどです。環境も含めて、精度の高い処置を施せれば10日ほど安置できますが、現実的ではありません。安置期間は2日を目安にして、火葬などに移りましょう。
飼い主様としては名残惜しい気持ちもありますが、愛猫を綺麗な状態で弔うためにも早めに火葬しましょう。
ペット火葬業者に連絡する
ご遺体の腐敗が進まないうちに、早めにペット火葬業者に火葬の依頼をしましょう。現在はペット火葬業者が増えており、ご遺体の処置後などに火葬業者を検討し始めると時間がかかってしまいます。
愛猫に死期が近づいてきたと感じたら、ある程度はペット火葬業者をリサーチしておきましょう。愛猫の死後に向けて動くのは心苦しいですが、時間が取れずに納得できない葬儀になることを防げます。
費用やプランは火葬業者により大きく変わるため、比較検討することをおすすめします。
葬儀を執り行う
火葬業者に依頼したプラン次第で火葬形式は異なり、火葬形式により葬儀全体の所要時間も変わります。特に立会い火葬の場合は合同火葬や一任個別火葬に比べて拘束時間が長いため、スケジュールに余裕をもっておきましょう。
ペットの葬儀では人間の葬儀のようなルールや慣習は特にありませんが、派手な服装や香水は避けるなど葬儀の場の雰囲気を壊さない配慮は必要です。
ペットの火葬場が人間用の火葬場と併設されている場合、喪服の着用を求められる場合があります。不安が残る飼い主様は葬儀当日までに問い合わせておくと安心です。
ご遺骨を供養する
火葬形式によりご返骨の有無は異なりますが、ご返骨がある場合は供養しましょう。供養方法はいくつかあるため、ご家族様で話し合ったうえで実施してください。
主な供養方法は以下の5つです。
- ご遺骨を自宅に置く手元供養
- 私有地への埋葬
- 納骨堂やペット霊園への納骨
- 海などへの散骨
- 複数の供養方法を採用する分骨供養
最も一般的な方法は手元供養です。愛猫の存在をいつでも身近に感じられる点が主な理由ですが、納骨などと比較して費用がかからない点も選ばれている理由のひとつです。ご遺骨を粉骨することで、コンパクトな骨壺に納めることも可能です。
ペットロスを癒すには
愛するペットを亡くした飼い主様の多くが直面する問題として、ペットロスがあります。生活における飼い主様とペットの関係性が深いほど、ペットロスから感じる喪失感も大きくなります。
ペットロスが与える精神的負担は大きいため、ペットロスを癒す方法を把握しておきましょう。
自分を責めない
ペットロスを深刻化・長引かせる要因のひとつは、飼い主様が自分自身を責めることです。生前にどれだけ最善を尽くしても、愛するペットが亡くなると「より良い方法があったのでは」と自己嫌悪に陥ることはよくあります。
愛情をかけて育てたからこそ、裏返しとなって自分を責める思考になります。しかし、後悔からは何も生まれません。次に迎えるペットに向けて反省や改善をすることは重要ですが、反省と後悔は学びの有無で大きく異なります。
亡くしたペットから得た反省を活かし、次に迎えるペットとより良く生活することも弔いのひとつです。
丁寧な葬儀や供養をする
丁寧な葬儀や供養には飼い主様から愛するペットへの弔いの気持ちが込められていると同時に、飼い主様がペットの死を受け入れる大事な儀式でもあります。
丁寧な葬儀や供養をしなかった場合、飼い主様にとって後悔になりかねません。後悔はペットロスの大きな要因です。飼い主様が愛するペットの死後、後悔を残さないためにも丁寧な葬儀や供養を行いましょう。
丁寧な葬儀や供養はお金をかければ良いわけではなく、重要な点は飼い主様の気持ちです。飼い主様が考える丁寧な葬儀や供養で弔い、飼い主様自身が納得することが大切です。
サインを見逃さず、1日1日を大切に
今回の記事では、猫に死期が近づいた時のサインをご紹介しました。サインに気づいた時に飼い主様ができることや、看取ったあとにすべきことについてもお伝えしました。愛する猫とお別れする日のことは、想像しただけでつらいですね。
看取ったあとにペットロスに陥る人も少なくありません。猫自身のためや、飼い主様のペットロス予防のためにも、1日1日を大切にして、悔いのない生活を送ることが大切です。
また、最後のお別れで悔いの残らない送り方をするもの大切です。訪問火葬サービスのCOCOペットでは24時間365日、ペットの葬儀に関するご相談を受け付けています。
お見送りの際の火葬プランも、ペットの種類によって6,600円(税込)からさまざまなプランを提供しており、一般的な猫や小型犬であれば、17,600円(税込)から、中型犬であれば28,600円(税込)から、火葬方法やご供養の希望によってプランを選んでいただけます。
埼玉、東京(島しょ部除く)、千葉、神奈川、茨城エリアで最安を目指していますので、ペットのお見送りについてお考えの方は一度ご相談ください。