「少し前まで元気だったハムスターが、突然死んでしまった」という話を聞き、心配になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ハムスターは天敵から身を守るために体調不調を隠すため、異変に気づきにくい動物と言われます。
しかし細かく観察すると、命に関わる体調不良のサインを出していることもあります。本記事では、ハムスターの体調不良のサインを紹介し、気づいたときに飼い主様が取るべき対処法についてお伝えします。
また、ハムスターのお見送りのタイミングが近づいてきたと感じる場合、前もってお別れの方法を考えておくことも必要です。
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目次
ハムスターが死に際に見せる6つのサイン
はじめに、ハムスターが死亡する可能性もある重篤な体調不良を示すサインを6つご紹介します。
あまりエサを食べない
あまりエサを食べなくなるというのは、ハムスターの体調を知るための重要なサインのひとつです。ハムスターの食欲低下の原因には、たとえば以下のことが考えられます。
- 加齢によるもの
- 体の病気
- 歯のトラブル
ハムスターは夜行性のため、日中は寝ていてあまり食べません。一方、活動性の上がる夜中も食べない場合は注意が必要です。
ハムスターはエサを隠したり、口に入れても頬袋に入れたりするだけで実際には食べていないということもあります。食欲を把握するのは難しく、エサ箱のエサが減っているからと言って食欲があると判断するのは危険です。食べ方や、見た目なども細かく観察しましょう。
体重が軽くなっている
体重の減少も、ハムスターの大切なサインのひとつです。加齢で体重が落ちることもありますが、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
ハムスターは、もともと体重が小さな動物です。たった1gでも、ハムスターの体重から考えると大きな変化になります。体重の変化にいち早く気づけるように、定期的に体重測定をすることが大切です。
ハムスターの場合、体重が変化していなくても、実は体に大きな腫瘍ができていて、本来の体自体は痩せている可能性もあります。体重だけでなく、見た目や動きなどの変化をよく観察しましょう。
活動するよりも寝ている時間が多い
ハムスターは夜行性のため、日中に活動することはあまりなく、夜間や朝方に活動します。若いハムスターが、日中だけでなく、時間帯問わず終始寝て過ごしている場合は体調不良だと考えられます。
病気やケガの可能性があるため、動物病院を受診すると安心です。また、ハムスターが老化すると、活動性が落ちて寝ている時間が増える傾向があります。高齢のハムスターが寝てばかりいる時は、寿命が近いサインだとも言えます。
毛並みが悪くツヤがない
ハムスターは綺麗好きな動物です。毛づくろいや砂遊びを頻繁に行い、自分の体を清潔に保つ動物です。病気やケガで体調が悪いと、毛づくろいをしなくなるため毛並みが悪くなることがあります。
たとえば以下が原因で毛並みや毛艶が悪くなります。
- 皮膚病
- 栄養不足
- 寄生虫
- ウイルスの感染
- 加齢
普段より毛並みが悪いと感じたらその他の異変がないかしっかり観察しましょう。
頻繁に転んだりつまずいたりする
ハムスターは、高齢になると横から見た時に腰が少し落ちたように見えることがあります。足腰が弱り、転んだりつまずいたりすることが増えます。高齢のハムスターにこのサインが見られる場合は寿命が近づいていると言えるでしょう。
高齢ハムスターは、若い時ほど運動を必要としません。ケージ内は、ハムスターの負担にならない段差の少ない空間づくりを心がけましょう。
下痢や体温低下などの症状がある
ハムスターの下痢は、ウェットテイル(湿った尻尾)とも呼ばれます。もともとは腸の炎症による病気のことを指していましたが、現在は下痢を総称してこのように呼ぶこともあります。
水っぽい下痢をした場合は、致死率の高い大変高い危険な腸炎をおこしている可能性があります。心臓などに疾患があって血流が悪くなると、体温が低下する傾向があります。
ハムスターに触れた時に、いつもよりも体温が低いと感じた時は、命の危険のある重篤な体調不良である可能性が高いでしょう。
異変を感じたらすぐ動物病院へ
ハムスターの体調に異変を感じ、死に際かもしれないと思ったら、様子見はせずにできるだけ早く動物病院を受診しましょう。以下では、ハムスターの症状をわかりやすく伝えるポイントについて解説します。
動物病院の受診は早めに
いつも元気に動くはずのハムスターに異変がある場合は、重篤な病気かもしれません。ハムスターは身体が小さいため、体調不良が重篤化しやすく、死につながる可能性もあります。少しでも異変を感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
病院へ連れて行く際は、温度変化やゲージを動かすことによる衝撃に注意してください。ハムスターのストレスになります。
ハムスターの症状を伝えるポイント
犬や猫と異なり、ハムスターを専門的に診る獣医さんは多くありません。そのため、動物病院の受診をした際、普段と何が異なっているかを具体的に伝えましょう。
- 元気がないのはいつからか
- ご飯は食べられるか
- 排泄はあるか(排泄物の形状も確認)
- 普段と異なる症状
- 環境に変化がなかったか(ゲージの引越し、多頭飼いをはじめた等)
ハムスターの平均寿命について
ハムスターの平均寿命や、人間の年齢に換算するといくらになるのかを以下でご紹介します。
ハムスターの寿命
ハムスターの平均寿命は、2~3年です。種類により異なり、たとえばゴールデンハムスターはジャンガリアンハムスターと比較して寿命が少し長いと言われています。
ハムスターは小型の動物のため、寿命が長くありません。しかし、飼育環境や飼育方法により、寿命は変わってきます。
ハムスターの年齢表
ハムスターは、人間と比べて非常に短命です。寿命は人間の年齢に換算するとどうなるでしょう。以下はハムスターと人間の年齢を比較した表です。
人間 | ハムスター |
---|---|
1歳 | 10日 |
3歳 | 20日 |
5歳 | 30日 |
10歳 | 45日 |
18歳 | 60日 |
24歳 | 120日 |
36歳 | 1年2ヶ月 |
52歳 | 1年6ヶ月 |
74歳 | 2年 |
ハムスターの寿命は人間と比べると非常に短いです。ハムスターを飼う際はそれを理解した上で、大切に飼育するようにしましょう。
ハムスターの死につながるかもしれない病気
ハムスターのサインを見逃さず、すぐに動物病院を受診するためにはハムスターの不調の原因を知っておきましょう。ハムスターの不調の原因となる代表的な疾患には下記のものが挙げられます。
心肥大などの心臓の疾患
ハムスターの心臓病は、以下の症状が現れることがあります。
- 呼吸が荒くなる
- 元気がなくなる
- 食欲が落ちる
- 体温が下がる
心臓病は、1歳半以上の高齢のハムスターに多く見られ、メスの方がオスよりも若齢で発症しやすいと言われています。
心臓の機能が低下して血液を全身に送り出す力が弱くなると、場合によっては突然死に至る可能性もあります。
肝炎などの肝臓の疾患
ハムスターの肝臓疾患は、高脂肪の食事や細菌やウイルスの感染により引き起こされます。そのため、ハムスターにとって必要な栄養をバランスよく与えることが大切です。おやつは、ヒマワリの種や高脂肪のものを少量に抑えましょう。
肝臓疾患の症状は以下のとおりです。
- 食欲不振
- 体重減少
- 下痢
- 腹部の腫れ
下痢(ウェットテイル)、腸重積など消化器官の疾患
急性の場合は致死率の高い病気で、特に自宅で繁殖させた場合、幼ハムスターでリスクが多いため注意が必要になります。
膀胱疾患や卵巣子宮疾患など、泌尿器系、生殖器系の疾患
膀胱疾患は重症化すると高窒素血症で死亡することもあります。卵巣子宮は、1歳以上のハムスターに多くみられます。
腫瘍
ハムスターは内蔵、皮膚などに腫瘍ができやすい動物です。皮膚の腫瘍は手術で摘出できることもありますが、内蔵の腫瘍は治療が困難な場合があります。
不正咬合や歯のトラブル
口の中にトラブルがあると、ハムスターがエサを食べなくなります。ハムスターは2~3日でも絶食状態になると命に関わります。
ハムスターの1日は人間や犬猫の1日より長いと考えよう
人間や、犬猫と比較して、ハムスターは3年程度と大変短い寿命です。寿命から考えると、1日の長さは人間や犬猫の何倍もの長さとなります。
人間にとって2~3日という長さの様子見も、ハムスターの時間の流れで考えると大変長い時間です。ハムスターの体調の異変に気づいてから、様子をみていると手遅れになることもあります。
また、ハムスターは体調不良を隠すのが上手な動物です。飼い主様が気づいた時には、すでに病気が進行していて、様子見をしている時間がないことの方が多いでしょう。
ハムスターの体調の異変に気づいた場合はすぐに動物病院を受診することが大切です。
ハムスターが死んでいるのではなく疑似冬眠の可能性も
ハムスターは5℃以下の気温、エサ不足などの環境になると、体を丸くして動かなくなる疑似冬眠の状態になります。冬眠と似ていますが、自分で目覚めることが難しく、放っておくと死に至ります。
疑似冬眠の場合、ハムスターが全く動かないため、すでに死んでしまったと勘違いする飼い主様もいらっしゃいますが、落ち着いて観察することで生存確認が可能です。
たとえば、体を触ると体温を感じます。口元を見ていれば、1分に数回という頻度ですが、呼吸も確認が可能です。死亡したハムスターは、体に弾力を感じずしばらくすると体が硬直しますが、疑似冬眠の場合は体の弾力を感じられます。
ハムスターが疑似冬眠に陥った時は、すぐに室温を23℃程度に上昇させましょう。手のひらに乗せてあたためても良いでしょう。
ただし、こたつにいれたり、ドライヤーの風をあてたりなど急な温め方はNGです。温めながら動物病院に連絡し、指示を受けるのも良いでしょう。
ハムスターが長生きするためにできること
ハムスターの寿命は短いですが、一日でも長生きしてもらうために以下のポイントをぜひ参考にしてください。
ケージ内を清潔に保つ
ハムスターは、清潔を好む動物です。ケージ内が汚れていると病気の原因になるかもしれません。そのため、ケージ内は毎日掃除して、フンや食べ残しを取り除き、清潔に保つようにしましょう。
体調のチェックを欠かさない
ハムスターは小さく、病気にかかりやすい動物です。体調の変化に気付かないうちに、病気が悪化してしまうこともあります。そのため、毎日ハムスターの様子を観察して、体調の変化に注意しましょう。ご飯の量やフンの形状を記録しておくと良いでしょう。
温度管理に注意
ハムスターは寒さと湿気に弱いため、ケージ内の温度と湿度には注意が必要です。エアコンやヒーターでハムスターが過ごしやすい適切な温度設定にしておきましょう。
ストレスを与えないようにする
ハムスターはストレスが死因になることがまれにあります。ハムスターのゲージに布を被せておいて、なるべく薄暗く静かな環境にしてあげましょう。また、ストレス発散になる回し車やかじり棒などを置いておくこともおすすめです。
ハムスターが亡くなったら行うこと
ハムスターを大事に飼育したとしても、寿命で亡くなることは避けられません。亡くなった後はどのように対処すれば良いのでしょうか。以下で解説していきます。
ご遺体を整えて安置
ハムスターが亡くなったらご遺体をすぐに綺麗にして、体勢を整えてあげましょう。汚れてしまった箇所は湿らせた柔らかいタオルで拭き取り、ブラッシングをします。四肢は中に折り込んで、自然な姿勢にしましょう。
硬直してからでは、姿勢を整えられないため、注意が必要です。
ご遺体を綺麗にする
ハムスターが亡くなった後は、体液で体が汚れてしまうかもしれません。そのため、ガーゼで優しく拭き取ってあげるようにしましょう。清潔に保つことで腐敗を防げます。
ご遺体を保冷剤で冷やす
棺の中に新聞紙の敷物をし、上にご遺体を寝かせます。ドライアイスや保冷剤を当ててご遺体を冷やしましょう。冷やすことで腐敗の進行を遅らせられます。日の当たらない涼しい場所に棺を安置し、ご遺体を守りましょう。
ペットの火葬業者に連絡する
ハムスターが亡くなったら、ペット火葬業者にご遺体を火葬してもらうことをおすすめします。自宅で埋葬する方もいらっしゃいますが、野生動物による掘り返しや、私有地でない場合は法律で禁止されているなどの規制があるからです。
ペットの火葬業者は事前予約が必要な場合が多いため、亡くなったら早めに連絡をとりましょう。業者により、サービスの内容や料金が異なるため比較検討することをおすすめします。
COCOペットでも、火葬のご予約やご相談を24時間365日承っております。ぜひお気軽にご連絡ください。
ハムスターの供養について
ハムスターが亡くなったら、飼い主様としては、きちんとした供養をしてあげたいものでしょう。以下でハムスターの供養方法を説明します。
自宅の庭に埋葬
自宅の庭にハムスターを埋葬したいと考える飼い主様もいらっしゃるでしょう。
自宅の庭に埋葬すると、ペットに毎日手を合わせられます。また、納骨やお墓に埋葬することもないため、費用を抑えられる点もメリットです。
しかし、引っ越して私有地を手放す予定がある場合は、ご遺骨を掘り返す必要があるため、自宅の庭に埋葬することは控えましょう。
また、私有地であれば、ハムスターのご遺体を埋葬することは法律違反ではありません。借りている土地や公共の場所に埋葬すると法律違反になるため注意しましょう。
プランターに埋葬
マンションや集合住宅に住んでいる方は、ハムスターを埋葬する庭がないかもしれません。庭がない場合、プランターに埋葬することもおすすめです。特にハムスターや小鳥などの小動物に適している方法です。
しかし、土に還る期間が必要のため、長期の管理が必要になります。放置しておくと野生動物により掘り返されたり、悪臭や虫が湧いたりするといったトラブルがあるかもしれません。
ペット霊園で火葬
ペット霊園は犬や猫だけ火葬する場所ではありません。ハムスターや他の小動物などの火葬もしてくれます。また、お葬式を行うご家庭も増えてきています。ペット霊園での火葬には、以下のプランがあります。
- 合同火葬
- 個別一任火葬
- 個別立会い火葬
火葬種類に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
参考:ペット火葬業者の選び方と火葬プラン|安心して任せられる業者を選ぼう
訪問火葬車で火葬
自宅や近所で火葬が行える方法です。飼い主様がご高齢だったり、身体が不自由だったりする場合でもハムスターを最期まで見送れます。また、慣れ親しんだ場所でお見送りができる点もメリットです。
しかし、人目が気になる可能性があります。住宅地で火葬を行うと、近隣の住民が不快に思うかもしれないため、あらかじめ相談しておきましょう。
自治体で火葬
自治体でもペットの火葬を受け付けています。費用は民間のペット火葬業者より安価です。火葬種類は地域により異なるため、事前に調べておきましょう。
しかし、ご遺体を一般廃棄物として扱う自治体もあり、大切なハムスターがゴミとして処理される可能性もあります。
ハムスターからのサインを見逃さないことが大切
今回の記事では、ハムスターの命に関わる重篤な体調不良のサインについて解説し、飼い主様にできることをお伝えしました。
ハムスターは、活動時間が夜間であることや、体調不良を隠すのが上手な動物であることから、飼い主様が何らかのサインを見つけた時は、すでに命に関わる状態である可能性があります。普段の細やかな観察を怠らず、サインに気づいたら迷わず動物病院を受診しましょう。
また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っているペットたちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。
COCOペットでは犬などのペットの火葬を承っております。24時間365日ご予約やお問い合わせを受付中です。どうぞご気軽にご相談ください。