飼い犬は大切な家族であり、死期が近づいたときには、できるだけ傍にいてあげたいと考えるものでしょう。しかし飼い主様のなかには、「ペットの看取りを理由に会社を欠勤できるものか」と悩んでいる方もいます。
飼い犬の看取りを理由に仕事を休みたい場合、有給休暇を使うケースが一般的です。ただし、上司や同僚がペットを理由とした欠勤を快く思わない可能性もあるため、伝え方などに配慮をする必要があります。
この記事では、飼い犬が亡くなりそうなときに会社を休む方法について解説します。また、犬が亡くなる前の兆候や、飼い主様がしてあげられることについても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
飼い犬が死にそうなときに欠勤できるか
大切な飼い犬が最期を迎えるとき、「仕事を休んででも傍にいてあげたい」と考える飼い主様は多いでしょう。そこでまずは、飼い犬の看取りを理由にした欠勤が可能か解説します。
会社を欠勤することはできるのか?
労働者は、家族が病気やケガ、高齢化などを理由に要介護状態になった際、介護休暇を取得する権利があります。ただし対象となる家族は配偶者や父母、子供、配偶者の父母、祖父母、きょうだい、孫に限られ、犬を含めペットは該当しません。
ただし、ペット関連会社など一部の企業では、ペットの死にともなうペット忌引や、ペットと過ごすためのペット休暇の取得が可能な場合があります。とはいえ一般的には、ペットが理由の欠勤に対し理解が進んでいるとは言えません。
ペットを理由に欠勤したいときは有給休暇を取得する
飼い犬の看取りを理由に欠勤する方法としては、有給休暇の取得が一般的です。
有給休暇は労働基準法(第39条)で保障された制度であり、取得理由を明示する義務もありません。そのため、飼い犬の看取りのために使うことも可能です。
ただし、会社には「時季変更権(有給休暇の時季を変更できる権利)」がある点には注意が必要です。例えば繁忙期などは、有給休暇の取得の時期をずらすように交渉される可能性もあります。
ペットの看取りと仕事を両立する方法を検討する
休みを取る以外に、仕事を続けながらペットの看病や看取りができないかを検討してみましょう。職種にもよりますが、リモートワークやフレックスタイム制度、短時間勤務などができる職場であれば選択肢の一つになります。
どれにせよ、仕事をしながらペットを看取るためには、職場への相談や調整が必要になります。日頃から上司や同僚とコミュニケーションをとり、風通しのよい関係を築いておきましょう。
飼い犬の看取りなどで欠勤する場合の周囲への伝え方
日本でも「ペットは家族の一員」という考え方が浸透してきたとはいえ、まだまだペットを理由にした欠勤を快く思わない職場もあります。ここでは、ペットを理由に休みをとる場合の周囲に配慮した伝え方を紹介します。
有給休暇の申請ルールや風土を理解する
有給休暇を取得するのであれば、前提として自社の有給休暇に関するルールを把握しておきましょう。例えば申請方法はメールか書類か、誰に宛てて申請するのか、申請期限などです。よく確認し、ルールに則って申請を行ないます。
普段から良好なコミュニケーションを心掛ける
高齢の犬や病気を患っている犬は容体が急変することもあり、休みを取得する予定を組むのが難しい面があります。そのため、上司や同僚と普段からコミュニケーションをとり、休暇の相談をしやすくしておきましょう。
また、仕事の引き継ぎや調整などをしっかり行ない、できるだけ早めに休暇の相談や申請をしておくことも大切です。
事実を伝えないことも選択肢として考慮する
有給休暇は理由を明示せずに取得できます。そのため、犬の看取りを伝えるのが難しい環境の方は、理由を伝えず休暇をとることも選択肢の一つです。
一例として、アイペット損害保険株式会社の調査では、ペットを亡くしたことを理由に仕事を休んだ際、会社や周囲に事実を伝えた人は約半数となっています。
理由を伝えるか否かは選択の自由があります。ただし職場に迷惑をかけないためにも、伝え方や仕事の調整などには十分な配慮をしましょう。
飼い犬が亡くなる前の兆候と飼い主としてできること
犬も人間と同様に、いつ亡くなるかはわかりません。しかし亡くなる前に兆候がみられる場合もあるため、以下にその兆候をご紹介します、また、飼い犬が落ち着いて最期を迎えられるよう、飼い主様がしてあげられることも併せてお伝えします。
犬が亡くなる前の兆候
犬が亡くなる前の兆候としては、以下が挙げられます。
- 食欲がなくなり、水すらも飲まなくなる
- 排泄のコントロールができなくなる。消化機能の低下により、下痢や嘔吐などの症状が出ることも
- 寝ていることが増える
- いつもとは異なる呼吸になる。ハアハアという浅い呼吸や、長い無呼吸を挟むチェーンストークス呼吸などは、お別れが近づいているサインでもある
- 代謝が下がり、体温も下がる
- 発作やけいれんが起こる
犬が亡くなる前にしてあげられること
寝たきりになるなど死期が近づいていると思われる愛犬に対して、飼い主様がしてあげられることを紹介します。
清潔にする
寝たきりになるとシャンプーが難しくなりますが、蒸しタオルで拭いたりブラッシングをしたりして、体を清潔にしてあげましょう。また、床ずれができないよう体位は定期的に変えてあげてください。
水分を与える
食事を拒否するようになっても、水分だけはとれる場合があります。飲み込めるようなら、スポイトなどで水分を与えてあげましょう。口が渇いているようであれば、湿らせた布で口もとを拭いてあげます。
なでる、抱っこをする
犬は飼い主様の声や匂い、ぬくもりをよく覚えているものです。声をかけながらなでたり、抱っこをしたりして安心させてあげてください。
友達に会わせる
飼い主様の友達で犬とも仲良くしていた方や、ペット仲間などがいれば、会いに来てもらいましょう。犬だけでなく、飼い主様もなぐさめられるはずです。
お見送りの準備も
万が一に備えて、心の準備をしておくことも大切です。
例えば病気の種類や病状によっては、生命維持のための治療をどこまで続けるのか、状態が危うくなった際に動物病院に入院させるのか自宅に連れて帰るのかなど、判断を迫られる場合があります。
いざというときに慌ててしまい後悔しないよう、事前に家族でよく話し合ったり、考えをまとめておいたりすることをおすすめします。
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まとめ
飼い犬の看取りを理由に会社を休みたい場合、有給休暇を取得する方法が一般的です。
ペットを理由とした欠勤をどこまで受け入れるかは、会社の風土や上司、同僚の考え方によっても異なります。いざというときにスムーズに休暇を取得したい方は、日頃から職場の方々とコミュニケーションを図るほか、有給休暇のルールについても理解しておきましょう。
また、ペットを理由に有給休暇を取得する際は、仕事の引き継ぎはもちろん、周囲への伝え方にも配慮が必要です。場合によっては、理由を明示せずに休暇をとることも検討するとよいでしょう。
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