昨今は、ペットが亡くなった際に葬儀を行なうことがめずらしくありません。ペットをかわいがってくれた友人やペット仲間を、葬儀に招くケースもあります。
友人のペットの葬儀に招かれることになった場合、マナーが気になると思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ペットの葬儀は人間の場合とは異なり、しきたりがないため、参列者の常識や礼儀が問われます。
この記事では、友人・知人からペットの葬儀に招かれた際にどのような対応をすべきか、服装や持ち物を含め、参列のマナーについて解説します。
目次
ペット葬儀の参列に招かれたらすべきこと
友人や知人からペットの葬儀に招かれた際には、どのような対応をすべきでしょうか。たとえ親しい間柄であっても、飼い主様の悲しみを想像して返信に悩む方もいるでしょう。
ここでは、ペットの葬儀に招かれた際に飼い主様にかける言葉について解説します。
返信はなるべく早く、手短に
飼い主様からペットの葬儀に参列してほしいと連絡が来たら、出欠席の返事とともに、お悔やみの言葉を伝えましょう。
急な知らせに驚き、ペットが亡くなった理由や最期の様子を聞きたい気持ちにかられるかもしれません。しかし、飼い主様は悲しみの最中にあり、お見送りの準備をしています。返信はなるべく早めに行ない、何度もやりとりをしなくて済むよう用件を手短に伝えましょう。
お悔やみを伝える際に気を付けたい言葉
飼い主様にかけるお悔やみの言葉は、相手との関係性により異なります。一般的に「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りします」などの言葉は、ペットにも使って良いとされています。
加えて、ペットへの思いや、飼い主様への気遣いを述べましょう。例えば「○○ちゃん(ペットの名前)は飼い主様の家族になれて幸せでしたね」「無理はしないでください」「いつでも話を聞きますよ」などです。
なお、お悔やみを伝える際には、「たかがペットじゃないか」「早く次のペットを飼えばいい 」といった言葉を伝えないように気を付けてください。
飼い主様を元気づけようとして述べた言葉だとしても、家族同然のペットを失った飼い主様にとってはつらいものです。相手の悲しみに寄り添う対応を心がけましょう。
ペット葬儀に参列する際の服装や持ち物
続いて、ペットの葬儀に参列する際の身だしなみや持ち物を紹介します。
ペットの葬儀に参列する際の服装は?
ペットの葬儀では喪服を着用する必要はなく、普段着で良いとされています。ただし、飼い主様の心情を思いやり、派手な服装やラフすぎる格好は避けましょう。 ペット葬儀は一般的になりつつありますが、まだルールが定まっていない部分もあります。服装については、故人や遺族の気持ちを尊重しつつ、周囲に配慮した服装を選ぶようにしましょう。
持ち物は何が必要?
人間の葬儀と同様に、数珠やハンカチも必要です。他にもペットのために喜ばれるものは以下のとおりです。
数珠
数珠はお焼香の際に使用します。使わないこともありますが、かさばるものではないため持参しておくと安心です。
ハンカチ
ハンカチやティッシュは必需品です。葬儀の場であることを踏まえ、シンプルな色合いのハンカチを用意しましょう。
ペットとの思い出の品
ペットとの思い出の品を持っていくと喜ばれるでしょう。ペットが好きだったおやつや、よく遊んでいたおもちゃなどがあれば、飾ったり、一緒に火葬したりできるでしょう。
ペットの写真
生前のペットの元気な姿がうつった写真を持っていくことも良いでしょう。飼い主様もペットとの思い出を懐かしむことが可能です。
ペットの写真を一緒に火葬する場合は、注意が必要です。ペットの写真を残しておきたいと考えられる飼い主様もいらっしゃいます。また、生きている人がうつっている写真を火葬することも縁起が悪いとされているため、控えた方が良いでしょう。
お手紙
あの世でも安らかに眠ることを願い、ペットに対して手紙を書く飼い主様もいらっしゃいます。手紙を書くことで、多くの飼い主様が心の整理をつけられたそうです。
ペットが亡くなった悲しみは計り知れませんが、今までの感謝の気持ちや思い出を手紙にしてみることも良いかもしれません。
自分のペットを同伴できるかは、事前に確認を
亡くなったペットと自分のペットが仲良しだった場合、ペット同伴で葬儀に参列したいと考える方もいるでしょう。
生前にドッグランや、ペット同伴のカフェで仲良くなった犬を連れて葬儀に参列される飼い主様もいらっしゃるほどです。
ペットの参列が可能かは葬儀場により異なるため、飼い主様か葬儀場に事前の確認が必要です。
なお、葬儀には長い時間がかかる場合があります。特に、ゴールデンレトリバーなどの大型犬は火葬だけでも2~3時間かかり 、セレモニーや納骨も行なうとさらに時間がかかります。自分のペットが長時間の待機に耐えられるのか、しっかり検討しましょう。
また、ペットを連れて行くなら、飲み水を準備したり、粗相に対応できるようマナー袋やペットシーツを持参したりすることをおすすめします。
自分のペットと一緒に葬儀に参列しても良いのか
ペット葬儀に自分のペットと参列することは、よく思われていないのでしょうか。以下で、解説していきます。
昔はペットと葬儀に参列することは避けられていた
昔は、ペットと葬儀に参列することは、以下の理由により避けられていました。
- 宗教の関係上、動物が葬儀場に入ることが好ましくない
- 葬儀中に鳴き声が聞こえて周囲に迷惑がかかる
- ペットが葬儀場のものを壊し、葬儀場に迷惑がかかる
上記の理由により、ペットとともに参列を希望しても、親族や葬儀場から断られていたケースがほとんどでした。
現在は受け入れてくれる葬儀場も多い
1990年代からペットブームが到来し、日本に「ペットは家族」という認識を植えさせました。そのため、現在は多くの葬儀場がペットとの参列を許可しています。
しかし、まだまだペットが葬儀に参列することを否定する方もいらっしゃいます。先進国では動物愛護の理念が浸透しており、ペット目線で物事を考えている国も多くある中で、日本はまだまだ人間本位かもしれません。
葬儀に自分のペットと参列する際の注意点
ペット葬儀に自分のペットを連れて行くときは、以下の点に注意しましょう。マナー違反にならないよう、確認してください。
ペット葬儀にかかる時間を確認
ペットの葬儀は、2時間程度かかると想定しておきましょう。大型のペットであればもっと時間がかかるかもしれません。
ペットの性格にもよりますが、長時間室内で待たせることが困難な場合もあります。気分転換できる場所があるか、事前に確認しておきましょう。高齢のペットを連れていく場合は、休める場所を確保しておくと良いです。
ペットの火葬時間の目安については以下の記事も参考にしてください。
ペットの葬儀時間の目安はどのくらい?火葬の種類・相場金額を解説 | COCOペットジャーナル
安心して水分補給ができるようにする
暑い時期の葬儀に参列する場合、ペットが脱水症状を起こす可能性があります。しかし、環境の変化にペットが緊張して、なかなか水を飲んでくれないかもしれません。
その場合、ペットが普段使用している器を持参し、水分を与えるようにしてください。また、葬儀場の外で気分転換に散歩しながら水分を与えることもおすすめです。
会場で自由に物を触れさせないようにする
葬儀場には、お見送りされるペットのお供え物が置かれています。亡くなったペットが好きなおもちゃやおやつなど、他のペットの興味を引くものばかりです。
そのため、ペットがお供え物で遊んだり食べたりせずに、葬儀が終わるまでペットから目を離さないように注意しましょう。
トイレを済ませておく
施設内でペットに排泄させないように、事前にトイレを済ませておきましょう。粗相の可能性があるペットには、おむつやマナーベルトの使用も検討すべきです。
ペットも、いつもと違う環境に長時間いることはストレスになります。ペットにより、縄張りにするためにマーキングをするため、気をつけてみておきましょう。
キャリーケースやバギーを活用する
初めての環境に興奮してしまうペットもいます。
小型犬であればキャリーケースに入れておくと安心です。また、葬儀場ではペットを歩かせると危険が伴う場所も存在します。長時間ペットを抱くことも想定して、キャリーケースやバギーを活用してみてください。
ペットが葬儀中に鳴き声をあげた場合は速やかに退出
葬儀中は旅立つペットを思い、涙する人も多いはずです。ペットが鳴きはじめると、葬儀に集中できなくなってしまい、周りに迷惑がかかります。 ペットと一緒に参列する場合は、なるべく後ろの席に座り、ペットが鳴きはじめた時に速やかに退出できる場所を選んでおくことも大切です。
ペットの葬儀にお香典やお供えは持っていく?
前述したように、ペットの葬儀にはお香典は不要とされていますが、それはなぜなのでしょうか。また、お供えはどうすればいいのか、気になる方もいることでしょう。
ここでは、ペットへの弔意を表すために送る品物について解説します。
お香典は基本的に不要
ペットの葬儀への参列では、お香典は不要とされています。お香典を渡すと、香典返しなど飼い主様にかえって気を遣わせることになるため、渡さないほうが無難です。
どうしても渡したい事情がある方は、一緒に参列する人とも相談し、飼い主様に気を使わせない金額を包みましょう。
お香典に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
お悔やみの気持ちはお花で
お悔やみの気持ちを表すには、お花がおすすめです。お花であれば、お見送りの際にペットの棺に入れてもらうこともできます。
ペットの葬儀に供えるお花は、人間の場合のように白い花や仏花を中心にする必要はありません。ただし、以下のお花はペットのご遺骨に影響を及ぼすかもしれないため、控えましょう。
- 濃い色の花
- 香りが強く、花粉が多い花
- トゲのある花
ペット葬儀に参列する際のマナー
ペットのお葬式は、故人のペットとして大切にしてきた人々が集まる場です。そのため、服装や身だしなみについて、以下のマナーを守り、故人や遺族の気持ちを尊重しましょう。
レザーやファーがついた服を着用しない
動物性の素材を使用した衣服は「殺生」を連想させるため、ペット葬儀に着ていくのにふさわしくありません。フェイクでもみる人が不快になる可能性があります。冬場は寒いからといって、レザーやファーのついたコートなどを着て参列しないように注意しましょう。
化粧やアクセサリーは派手にならないように
特に決まりはありませんが、TPOに合わせて派手な化粧は控える方が望ましいでしょう。アクセサリーについても、大ぶりのものや揺れるものは避けて目立たないものを選びましょう。
アクセサリーが誤って棺の中に入り、火葬された場合、お骨に影響がでるかもしれません。
大ぶりのものは特に外れやすいものが多いため、着用しないことをおすすめします。
香りの強い香水や整髪料を控える
ペットの葬儀ではお線香が使用されます。香りの強い香水や整髪料を使用してしまうと、葬儀の雰囲気が損なわれるでしょう。
また、他の参列者の迷惑にならないように葬儀当日は控えておきましょう。
参列では飼い主様に寄り添う
最後に、友人や知人のペットの葬儀に参列する際の心構えや、参列できない場合の対応についてお伝えします。
飼い主様の思いを尊重する
自分がペットを飼っていないと、「犬や猫のために葬儀をするのか」と面食らってしまうかもしれません。しかし、ペットの葬儀は、ペットが無事に虹の橋を渡れるようお見送りをする場です。飼い主様の思いを尊重し、そっと寄り添ってあげましょう。
葬儀に参列できない場合に、気持ちを伝える方法
「ペットの葬儀には参列できないが、お悔やみの気持ちを伝えたい」という場合は、お供え物を送るとよいでしょう。
おすすめはお花です。仏前に供えてもらいやすいアレンジメントタイプのお花 や、長持ちするプリザーブドフラワー 、写真立て付きのソープフラワー などもあります。
お花以外では、ろうそくやお線香がおすすめです。最近は、ペットフードを模したろうそく も販売されています。
このほかに、お供え物に適しているものとして挙げられるのは、ペットが好きだったおやつやおもちゃです。
なお、お供え物を下げる際は「仏様のおさがりをもらう」という意味から、家族でいただくことがマナー とされています。そのため、飼い主様がほかにペットを飼っていない場合は、人間用のお菓子をお供え物として送ってもよいでしょう。
まとめ
ペットの葬儀では、人間の葬儀と同様のしきたりはありません。友人や知人からペットの葬儀に招かれた際には、最低限のマナーに留意して参列しましょう。
何よりも大切なことは、家族同様のペットを亡くした飼い主様の悲しみに寄り添い、心を込めてペットを見送ることです。ペットの葬儀に参列する際には、その心がけを忘れないようにしてください。
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