ペットを家族の一員と考え、ペットが亡くなった際には、家族と同じようにお葬式で見送りたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その一方で、ペット葬をめぐるトラブルが起こることも少なくありません。
ペットの葬儀に関わるトラブルの多くは、悪質な業者によるものです。 大切なペットを悔いなく送り出すためにも、業者選びには注意しましょう。
本記事では、ペットの葬儀で起こったトラブルの事例とともに、悪質な業者の見抜き方などトラブルを未然に防ぐ方法を解説します。
目次
ペットの葬儀に関わるトラブルの多くは悪質な業者が原因
ペットの葬儀で起こるトラブルの多くは、悪質な業者が原因です。
ここでは、葬儀を依頼する際に注意すべき業者として、おもな例を2つ紹介します。
金銭を不正に請求する悪徳業者
ペットの葬儀業界には、葬儀料金を不正に請求する悪徳業者が存在します。トラブルとして多いのは、当初の見積もりとは異なる葬儀料金を請求する、葬儀当日に追加料金を請求する などです。
なかには、ご遺体の焼却が始まったあとに高額な料金を請求し「支払えないならご遺体を生焼けのまま返す」と脅されたケースも報告されています 。
このような悪質業者は契約書などの書面を交わさず、口約束だけで葬儀の準備を進めるのが特徴です。書面として証拠が残らないため、当初の話との食い違いを追及することが非常に困難です。 また、火葬が終わったあとも、寄付の名目で金銭を要求するために、執拗に連絡を入れてくる などの迷惑行為が続いた事例も報告されています。
サービス品質の低い業者
ペット葬では、業者となるための免許や資格がない ため、技術や営業体制がともなわないまま新規参入するケースが増えています。
車載用の火葬炉であれば100万円~500万円程度で購入できる ため、設備投資の観点からも新規参入しやすいように見えるのでしょう。
しかし、飼い主様が納得できる品質で葬儀を提供するためには、社員の教育や設備のメンテナンス費用など、多くのコストがかかります。事業に対する理解が不足していた結果、コストの帳尻合わせがサービスの品質として表れてしまうのでしょう。
なぜペット葬儀にトラブルが発生するのか?
ペット葬儀のトラブルが続発する理由は、以下の2つです。
ペット葬の需要の高まり
ペット葬の需要が高まるにつれて、民間の火葬業者やペット霊園が増えました。ペット葬儀業者は、役所の許可や登録がなくても運営できるため、問題が起きやすい状況にあります。
以前は、ペットは庭に土葬するのが一般的でした。しかし、近年はペット可の賃貸住宅など、庭のない環境でペットを飼う飼い主様も増え、火葬を選択する人が増えています。
ペット火葬の需要は高まっている一方で、まだ比較的新しい業界であるため、利用者は依頼する葬儀業者の情報や評判を事前に確認しましょう。
悪徳業者の存在
ペット葬儀をお金儲けの手段としてしか考えていない悪徳業者が存在します。
業者は高額な料金を請求したり、ご遺骨を不法投棄したりするなどのトラブルを引き起こします。結果的にオプションが追加されていたということもあるため、見積書や契約書を事前に徹底的に確認しておきましょう。
ペットの葬儀で実際にあったトラブル実例
悪質業者により引き起こされるトラブルには、どういったものがあるでしょうか。ここでは、具体的な事例を紹介します。
見積もりと異なる高額な料金を請求される
ペットの葬儀トラブルとして多いのが、事前の見積もりとは異なる高額な料金を請求される ケースです。追加料金を次々と請求され、総額が法外に高くなる場合もあります。
このような料金をめぐるトラブルの原因の一つとなっているのが、口頭による契約です。
悪質な業者は見積書や契約書を交付せず、口約束だけで葬儀を進めようとします。 金額や実施内容を記載した書面が残らないため、飼い主様も話が異なることを主張しづらく、心理的な負担から請求を受け入れてしまいがちです。
ご遺骨の引き渡しを行わない
悪質な業者により、ご遺骨の引き渡しが行なわれないケースもあります。
たとえば、返骨する約束で火葬を依頼し、その料金も支払っているにも関わらず、まったくお骨が返ってこないといったトラブルです。
火葬炉を持っているとしながらも実際には保有していない業者が、こういったトラブルを引き起こします。
ペットの火葬の臭いや煙による近隣トラブル
ペット葬儀場や霊園には、設置に関する法規制がありません。そのため、焼却設備が住宅地に建設されることがあります。
火葬炉の性能により、焼却の臭いが近隣まで漂ってしまうため、住民との間でトラブルになるケースが見られます。
そのため、私達COCOペットのセレモニーカー(移動火葬車)は、環境や近隣住民の方々へ配慮し、気になる煙や臭い、ダイオキシン等を発生させないようにしております。
引き取ったペットのご遺体を供養せずに不法投棄
ペットのご遺体処理は手続きや費用などの手間がかかるため、山奥などに不法投棄されるというトラブルが発生しています。また、産業廃棄物の業者にゴミとして処理されるというケースもあります。
大切なペットが捨てられてしまうのは、飼い主様にとって悲しいことです。合同火葬ではご遺体がまとめて処理されるため、トラブルを避けるためにも個別火葬を検討しましょう。
副葬品を一緒に入れてくれずに火葬
ペット火葬において、ご遺体と一緒にペットが生前使っていたおもちゃや首輪などの副葬品を棺の中に入れたいと思う飼い主様もいらっしゃるでしょう。
しかし、プラスチックや金属などの副葬品は、火葬の際に有害物質が発生したり、溶けて燃え残ったものがご遺骨に付着したりする可能性があるため、多くの業者で棺に入れてもらえません。
火葬に影響を及ぼす可能性がある副葬品については、火葬業者から事前に伝えられるはずです。また、最初からすべての副葬品を入れることを禁止している業者も少なくありません。
そのため、副葬品を一緒に火葬したい場合は、事前に火葬業者に確認を取ることが大切です。
高額な商品を売りつけられる
火葬業者により、見積もりとは別に高額なオプションをつけている場合があります。たとえば、棺の中に飾るお花や、自宅で骨壷を供養するための祭壇です。ペットを亡くしたばかりで、正常な判断がつけられない飼い主様も多くいらっしゃいます。
ペットのために買ってあげたいと思う商品もあるでしょう。しかし、他の業者やホームセンターなどで、もっと安く購入できる場合がほとんどです。あらかじめペットの葬儀には最低限何が必要か家族の間で話し合えると良いでしょう。
ペット葬儀に関する法律がないため、トラブルが生じやすい
人間の葬儀に関しては、法律で決まりがあります。しかし、ペット葬儀に関しては取り締まる法律や条例がなく、トラブルが生じても罰せられないケースも珍しくありません。動物に関する法律に関しては、以下のとおりです。
動物愛護管理法
動物愛護管理法は、生きた動物を対象としている法律です。そのため、亡くなっているペットを扱うペット葬儀業者を取り締まる決まりは特にありません。
動物の死体を見つけた時にすべき行動は示しています。しかし、死体の処理に関する事柄のみの記載で、ペット火葬や葬儀のあり方などは明記されていません。
墓地、埋葬等に関する法律
墓地や火葬場を経営する際は知事の許可が必要と記載されています。しかし、人間の墓地・火葬場のみに適応している法律で、ペットにとっては効力がないものです。
廃棄物処理法
廃棄物処理法では、動物やペットの死体は「一般廃棄物」として捉えられています。そのため、他のゴミと一緒に火葬処理を行っても問題がないとされていることが現状です。
しかし、一部の地域ではペットを「一般廃棄物」から除外しています。ペットの考え方が見直されている証拠とも言えます。
葬儀でのトラブルを避けるためには
ペットの葬儀でトラブルを避けるためには、どうすればよいでしょうか。以下で、注意すべきポイントを3つ紹介します。
ホームページの会社情報を確認する
まずは葬儀会社のホームページを検索し、会社情報を確認しましょう。
信頼性を重視する業者は会社情報を公開し、会社名や住所、代表者名などを開示しています。一方で、信頼性に欠ける業者は、これらの情報開示を行なっていないケースが少なくありません。
また、ホームページ上で公開されている情報に不審な点はないか、併せてチェックできると安心です。 悪質な業者の場合、実在しない団体名を記載しているケースもあります。 その団体が実在するものかを含め、確認できると安心です。
口コミや評判をチェックする
インターネットを利用して、葬儀業者に関する悪い評判やトラブル事例がないかを確認しましょう。業者が悪質な行為を繰り返している場合、被害者の声がインターネット上に残されていることがあります。
口コミや評判は、検索エンジンだけでなくSNSでも検索することで、多方面から利用者の生の声に触れられます。
契約書の内容をしっかりと読む
葬儀会社に正式に依頼する際は、契約書の内容をしっかりと確認しましょう。見積もりの金額と相違ないか、事前に聞いた説明と書面の内容に食い違いがないか、依頼した内容が反映されているかなど、細部までしっかりと読み込みます。
また、内容が適切かわからない場合は、その場での契約は避けるべきです。一度持ち帰ったうえで家族や信頼できる人と一緒に確認し、すべての疑問が解決してから契約を決めましょう。
悪徳業者は、判断の時間を与えないまま契約を迫ります。ご遺体が傷むことなどを理由に即断を迫る業者には、警戒が必要です。
事前に足を運ぶ
ペットの火葬場を選ぶ際は、事前に施設に足を運び、以下の項目を確認しましょう。
- 建物の衛生状態
- スタッフの対応
- 質問や疑問への対応
ホームページなどで掲載されている情報は必ずしも実際と一致するとは限りません。そのため、実際に足を運んで確認することが大切です。また、まだペットが元気なうちに一緒に連れて行くと、ペットに対する業者の対応を判断できます。
ペット供養に関連した団体に加入しているか確認
ペット供養に関する法律は存在しませんが、団体に加入しているか、していないかで葬儀会社の信頼度も変わります。
「全国ペット霊園協会」や「日本動物葬儀霊園協会」は、ペット火葬業者の健全な運営を促進するために設立された団体です。団体に加盟している業者は、一定の基準を満たしていることが認められています。
団体加盟の有無は、業者の公式サイトやパンフレットなどで確認が可能です。ペット火葬業者を選ぶ際には、団体加盟の有無もチェックしましょう。
ペット火葬の種類や金額を把握してトラブルを防ぐ
ペット火葬には大きく分けて次の3種類あります。
- 合同火葬
- 個別一任火葬
- 個別立会い火葬
金額や返骨の有無はペットの体重や火葬内容により、異なります。事前に内容をよく確認しないと、後でトラブルになるかもしれません。
大きさ別の火葬費用については以下の表をご参照ください。
合同火葬 | 一任個別火葬 | 立会い個別火葬 | お花で送る ペット火葬 | |
---|---|---|---|---|
極小動物 おおむね10cm未満 | 6,000円 | 15,000円 | 17,000円 | 47,000円 |
小動物 (2kg未満) | 13,000円 | 19,000円 | 21,000円 | 51,000円 |
うさぎ (2〜5kgまで) | 16,000円 | 22,000円 | 25,000円 | 55,000円 |
猫・小型犬A (2〜5kgまで) | 16,000円 | 22,000円 | 25,000円 | 55,000円 |
猫・小型犬B (5〜10kgまで) | 20,000円 | 27,000円 | 29,000円 | 59,000円 |
小型犬・中型犬 (10〜15kgまで) | 26,000円 | 32,000円 | 34,000円 | 64,000円 |
中型犬・大型犬 (15〜20kgまで) | 31,000円 | 38,000円 | 40,000円 | 70,000円 |
大型犬 (20〜25kgまで) | 37,000円 | 43,000円 | 45,000円 | 75,000円 |
特大犬A (25〜30kgまで) | 43,000円 | 50,000円 | 52,000円 | 82,000円 |
特大犬B (30〜35kgまで) | 50,000円 | 56,000円 | 59,000円 | 89,000円 |
特大犬C (35〜40kgまで) | 57,000円 | 63,000円 | 65,000円 | 95,000円 |
具体的な費用は業者により、異なるため、事前に見積もりを確認しましょう。
トラブルが発生したら警察・消費生活センターなどに相談を
ペットの葬儀をめぐってトラブルに巻き込まれたら、警察や消費者センター、国民生活センターなどに相談しましょう。また、業界団体への通報に協力するのも有効です。 被害が大きい場合は、法テラスなどで相談するのもよいでしょう。訴訟も含めた法的な対応について、弁護士へ相談できます。
ペットの火葬トラブルを避けて葬儀を
ペット市場の拡大とともに、ペットの葬儀に関するニーズは増えています。しかし、それにともない、飼い主様の気持ちに付け込んだ悪質な葬儀業者による被害も報告されるようになりました。
トラブルは料金の請求をめぐるものが大半です。見積もりとは異なる料金の請求が多く、火葬のプロセスを悪用した法外な料金の請求なども目立ちます。
このようなトラブルに巻き込まれないためには、怪しい業者を見抜いて、選択肢から排除することが重要です。会社の情報をきちんと公開しているか、悪い評判はないか、契約書の内容は適切かなど、さまざまな角度から業者をチェックしましょう。
葬儀はペットとの最後の別れです。心からの供養の気持ちで送り出せるよう、間違いのない業者選びをしましょう。
私達COCOペットは、飼い主様に後悔のない葬儀を行っていただけるよう、シンプルでわかりやすい料金設定を設け、事前に葬儀のフローやサービス内容について、しっかりとご説明をさせていただきます。
また、「一級ペット葬祭ディレクター資格」を取得しているペット葬儀のプロが最初から最後までご担当させていただきますので、サービス品質の面でもご安心してお任せいただけます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
ペットの葬儀や供養、終活についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひCOCOペットにご相談ください。生前のお見積り、ご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。