飼い主にとって、大切なペットの死はとてもつらく悲しいものです。家族と同じように大切な存在だからこそ、亡くなったときにできるだけのことをしてあげたいと思うのではないでしょうか。
そのため、ペットが亡くなったら人間の場合と同じように、初七日などの法要を行なうべきかどうかを知りたいという方もいるかもしれません。
ペットが亡くなったときの法要の種類や流れ、供養の方法を押さえておけば、突然の不幸にも気持ちを込めた供養を行なえるでしょう。
この記事では、ペットが亡くなったときに行なう法要の種類や流れ、供養や納骨の方法をご紹介します。
目次
ペットにも初七日をするかどうかは飼い主次第
一般的に初七日とは、亡くなった日を含めて7日目に故人を供養する法要のことです。 ペットの場合は特に決まりはないため、飼い主自身で初七日をするかどうかを決定できます 。
近年は仕事の休みが取れない ことなどから、初七日は省略して通夜や葬儀と一緒に行なうケースが増えているようです 。
しかし、ペットは家族も同然のため、人間の場合と同じように供養したいと考えて初七日をする飼い主もいます。しっかりと供養することで、ペットの死という悲しい現実を受け止め、気持ちを整理したいと考えるようです。
ペットの初七日までの流れ
大切なペットが亡くなったときは、ひどく動揺して冷静に物事を考えられないかもしれません。ここでは、ペットが亡くなってから初七日までのおもな流れをご紹介します。大切なペットのために何をしてあげられるか、確認しておきましょう。
ペットが永眠
ペットが亡くなったら、まずはタオルや毛布の上に寝かせてあげましょう。棺に入れやすくするために、死後硬直が始まる前に手足を優しく折り曲げて、寝ているときのような体勢にします。まぶたが開いているなら、そっと閉じてください。
そして、濡らしたガーゼやタオルなどで体をきれいに拭きます。しばらく自宅で安置するため、腹部を中心に保冷材や氷を入れたビニール袋などで体を冷やして、腐敗を遅らせましょう。
亡くなると時間の経過とともに体液が流れ出ることがあるため、耳・鼻・肛門にガーゼや綿を詰めます。ペットを寝かせている毛布やタオルの下にビニールを引いておくと、体液が漏れ出しても処理が簡単です。
通夜
ペットが亡くなった日は、遺体を自宅に安置して通夜を行ないます。ペット用の棺を用意できない場合は、段ボールを棺として代用できるでしょう。
通夜は、悲しみを分かち合い、ペットの死を受け入れる大事な時間といえます。そのため、知人などは招待せず、家族だけで過ごすことが一般的です。
葬儀
葬儀を行なう葬儀会社やペット霊園にペットを運ぶか、迎えに来てもらいましょう。そして、僧侶による読経やお焼香のあとに火葬します。葬儀会社によっては火葬施設がないところもあるため、事前にチェックしましょう。
火葬後には遺骨を引き取りますが、そのままペット霊園に納骨するか、自宅に持ち帰るかを決めます。
ペットの初七日で行なうこと
ペットを亡くした悲しみはすぐにはなくなりませんが、初七日でしっかりと供養すれば気持ちの整理をつけやすいでしょう。初七日ではどのようにペットを供養できるかを、ここでご紹介します。
納骨
火葬後に遺骨を自宅へ持ち帰っているのであれば、初七日に納骨するのも良いでしょう。四十九日や一周忌に納骨する飼い主もいます。
納骨の時期についての決まりはないため、飼い主の心の整理がついたときが納骨のベストタイミングといえるでしょう。
僧侶による読経
お経は基本的に残された人々に対して読まれ、悲しみを和らげる目的がありますが、必ずしなければならないものではありません。しかし、ペット霊園や納骨堂に納骨している場合は、お 経を読んでもらうのが一般的です。
納骨したペット霊園で、月例法要が行なわれることもあります。ペット霊園では、毎月決まった日に供養を行なっているため、初七日だけでなく四十九日、一周忌、三回忌などに合わせて参加できる でしょう。
自宅に遺骨を保管している場合は、僧侶を自宅に呼んで読経してもらうことも可能です。
お供え
納骨されているお墓などにお供えをすることで、亡くなったペットの供養ができます。花や線香のほかに、生前に好きだったお菓子やおもちゃなどを供えるとよいでしょう。
ただし、ペット霊園や納骨堂ではお供えものに関するルールがあるかもしれないため、事前に確認が必要です。
初七日以降のおもな法要は6つ
人間の場合と同じように、初七日以降も法要を行なうタイミングがあります。特に決まりはないため、法要の目的や内容に応じて行なうかどうかを判断しやすいでしょう。
ここでは、初七日以降のおもな6つの法要をご紹介します。
三十五日忌
三十五日忌とは、ペットが亡くなってから35日目に行なう法要です。省略されることが少なくありません。
四十九日
四十九日は、ペットが亡くなってから49日目に行なう法要で、一周忌までの法要のなかでも特に大事です。そのため、四十九日に納骨を行なう飼い主もいます。
百か日
百か日とは、ペットが亡くなってから100日目に行なう法要です。「亡くなった悲しみを乗り越える」という意味があり、ペットが亡くなる以前の生活に戻るため に行ないます。
一周忌
一周忌は、ペットが亡くなってからちょうど1年後に行なう法要で、四十九日の次に大切な法要です。一周忌から喪が明けるため、このタイミングで納骨する飼い主もいます。
三回忌
三回忌とは、ペットが亡くなってから2年目の命日に行なう法要です。一周忌以降は亡くなった年を「一」と数えるため、3年目ではなく2年目が三回忌となります。
三回忌以降
三回忌以降には、七回忌・十三回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌があり、どれも亡くなった年を「一」と考えて計算します。どの法要まで行なうかは、飼い主が決定しましょう。
遺骨の供養方法2選
前述したように、ペットの遺骨はペット霊園などに納骨するか、自宅に持ち帰るかを飼い主が決められます。この2つの方法について、詳しく見ていきましょう。
ペット霊園へ納骨
ペット霊園を利用する場合は、火葬後にそのままペット霊園のお墓や納骨堂に納骨します。火葬後に一度遺骨を自宅に持ち帰ったとしても、法要に合わせて納骨が可能です。
なお、納骨堂には、ロッカーや棚のようになっているもの、仏壇、大きな供養塔に他のペットととも納骨される合祀型など、さまざまな種類があります 。
納骨するペット霊園は、いつでも会いに行けるように自宅からのアクセスが良い場所を選ぶのがおすすめです。
手元供養
手元供養とは、火葬場で拾い上げた遺骨を自宅に持ち帰り供養する方法です。骨壺に入れて仏壇に保管したり、初七日や四十九日などに合わせて自宅の庭やプランターに埋骨したりします。
骨壺に入れて保管する際は、湿気によりカビが生えないように除湿剤を一緒にいれましょう。
まとめ
ペットの初七日には明確な決まりがないため、他の法要と同じように初七日を行なうかどうかは飼い主が決定できます。初七日を省略することもありますが、法要はペットを供養し、家族と思い出を語り合う特別な機会となるでしょう。
大切なペットの死は、飼い主にとって受け入れがたいものです。しかし、初七日を行ない亡くなったペットをしっかりと供養すれば、気持ちの整理をつけて悲しみを乗り越えやすくなるでしょう。