飼っているペットが亡くなったとき、埋葬方法に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な家族が亡くなったあとは、心が落ち着かないこともあり悩むのは当然です。
ペットの埋葬は不可能ではありません。ただし、「ペットが寂しくないよう自宅の庭に土葬したい」と考える場合、状況により、法律違反となるケースがあるため、注意が必要です。
本記事では、ペットのご遺体を土葬するメリットや注意点を解説するとともに、リスクが少ないペットの供養方法をご紹介します。
目次
ペットが死んだ後の埋葬方法
大切な家族のペットが亡くなった時、後悔しないために供養方法を選択しなければなりません。ペットの埋葬について代表的なものを以下で説明します。
土葬
土葬は、ペットの亡骸をそのまま土中に埋めるという方法で、火葬とは異なり、ペットの変わり果てた姿を目にすることなく送り出せます。
埋骨
火葬したペットのご遺骨をペット霊園やお寺に埋葬する方法です。一度火葬するため、ご遺体からの腐敗臭や野生ペットからの掘り起こしのリスクが低くなるのが特徴です。
近年では家族と一緒のお墓に入れる霊園もできています。
ペットが死んだら庭に埋めても問題ない？
自宅の庭などの私有地なら、ペットのご遺体を土葬しても、法律上の問題はありません。
ただし、埋めたご遺体が土に還るまでに数十年かかるケースもあり、土葬は異臭・害虫が発生するなどのリスクをともなう方法です。
ペットのご遺体を土葬するか決める際は、次章以降で紹介する土葬のメリットや注意点を踏まえ、よく検討しましょう。
ペットを庭に土葬するメリット
以下では、庭に土葬するメリットをご紹介します。
管理費用がかからない
お寺や納骨堂などでペットを供養する際は、管理費用が毎年2万円前後かかる のが一般的です。
それに対し、自宅の庭に土葬する場合は管理費用がかかりません。ただし、適切に埋葬しないと、ご遺体が腐敗して異臭などが発生するリスクがあるため、自宅で管理する際にも、ペットのご遺体は火葬してから埋骨するのがおすすめです。
供養しやすい
お寺や納骨堂に納骨すると、場所により、会いに行くのに時間がかかります。
その点、自宅の庭に土葬すれば、好きなタイミングでいつでもペットの供養が可能です。「亡くなったあともペットとの時間を大切にしたい」と考える方にとって、供養のしやすさは大きなメリットとなるでしょう。
ペットの土葬方法
以下では土葬の手順を紹介します。記載している方法はハムスターや小鳥などの小動物に適した方法です。犬や猫を火葬せずに埋葬すると、トラブルの原因になりかねません。よく注意して土葬を行なってください。
土葬に必要なもの
まず、土葬に必要なものを準備しましょう。土葬には以下の4つのものが必要です。
- 軍手
- 綿や朝でできたタオル
- ペットと同じ重さの石灰
- スコップ・シャベル
- 花や目印になるもの
花や目印になるものを植えておけば、土葬した場所がわかりやすく、いつでも手を合わせられます。
穴を深く掘る
日当たりのいい場所に、ペットの体の大きさに合わせた穴を掘りましょう。1.5〜2m程度の穴を堀ってください。水で土を湿らせておくと、柔らかく穴が掘りやすくなります。
石灰をまく
掘った穴の底には、用意した石灰の半分をまきます。石灰は、ご遺体の分解を促進し、土に還るのを促します。
タオルに包んで寝かせる
ペットのご遺体をタオルや布で包んで穴の中に寝かせましょう。タオルや布は、土に還りやすい綿や麻などの自然素材でできたものを選んでください。化繊素材は土に還りにくいだけでなく、臭いの原因となる可能性があります。
土を被せる
穴の中に寝かせたペットのご遺体に残りの石灰をかけます。あとは土を盛ると完成です。ご遺体にかけた土は時間の経過とともに下がっていくため、多めに盛っておきましょう。あらかじめ用意しておいた花を目印としてつけてください。
ペットを庭に土葬する際の注意点
続いて、ペットを庭に土葬する際の注意点を解説します。適切な方法で埋葬しないと法律違反となるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
異臭発生のリスク
ご遺体は日を追うごとに腐敗が進むため、ペットのご遺体を火葬せずに埋めてしまうと、異臭が発生しかねません。異臭が地上に出てこないためには、2メートル程度の深い穴を掘る必要があります。
穴の深さが足りないと、異臭が発生して近所トラブルになるおそれがあるでしょう。
害虫発生のリスク
自宅の庭に土葬する場合、浸水しやすい場所や水道管が埋まっている場所の近くに埋めてしまうと、環境汚染につながるおそれがあるため注意が必要です。具体的には、ご遺体の分解時に発生する菌や虫などにより、水質が汚染されるリスクがあります。
環境汚染が進んでからでは遅いため、火葬してから埋骨することを検討しましょう。
法律に抵触するリスク
ペットのご遺体は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律（以下、廃棄物処理法）第2条 にて「一般廃棄物」と定義されています。一般廃棄物は、廃棄物処理法第5条4項において以下に明記されています。
（清潔の保持等）
第五条
４ 何人も、公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。
引用：e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
したがって、ペットのご遺体を私有地以外の場所に埋めてしまうと不法投棄に該当し、法律違反になるおそれがあります。たとえ自宅の庭でも、借地では土葬できないため注意しましょう。
したがって、ペットの遺体を私有地以外の場所に埋めてしまうと不法投棄に該当し、法律違反になるおそれがあります。たとえ自宅の庭でも、借地では土葬できないため注意しましょう。
引越し時のリスク
埋めたご遺体は、土に還るまでに数年～数十年単位で時間がかかります。引越し時にそのままにしてしまうと、自分の土地ではない場所に土葬していることになるため、法律違反になるかもしれません。
引越しをする際は、ペットのご遺体を掘り起こし、供養できる場へ移動させる必要があります。引越しの予定がある場合は、土葬ではない供養方法を選びましょう。
野生動物に荒らされるリスク
土葬は野生動物による掘り返しというリスクがあります。山間部や野生動物の生息地域では、特に注意が必要です。
キツネやタヌキなどの野生動物は農作物だけでなく、ペットの遺骸も餌として狙います。せっかく土葬したペットが掘り起こされて持ち去られてしまったり、無残な姿で発見されたりするのは、飼い主にとってつらいものです。
なるべく野生動物が生息していない住宅地に土葬したり、穴を深く掘ったりして対策しましょう。
リスクが少ないペットの供養方法5選
先述したとおり、庭での土葬にはリスクがともないます。ここからは、ペットを安心して供養できる方法を紹介するため、ぜひ検討してみてください。
火葬後に埋骨する
ペットのご遺体を火葬し、ご遺骨にしてから埋めると、異臭・害虫リスクがなくなるうえに、土に還りやすくなるメリットがあります。
また「自宅の庭で供養したい」という希望も叶えられるでしょう。
納骨する
自宅に庭がない方やマンション住まいの方は、ペット霊園などの納骨堂にご遺骨を預ける方法が一般的です。
また、霊園のなかには、ペットと飼い主が一緒に入れるお墓も存在します。同じお墓に入りたい想いがあるなら、霊園に確認してみましょう。
散骨する
散骨とは、ご遺骨を粉状にして、思い出の場所や山、海などにまいて供養することです。自然に還りやすいことから「自然葬」 とも呼ばれています。トラブルが少ない、管理する必要がないなど、メリットの多い方法です。
一方で、ご遺骨が残らないデメリットもあります。ご遺骨の一部を手元に残すことも可能なため、散骨する前に検討しておきましょう。
また、法律で禁止される地域や許可なく他人の土地に散骨すると、トラブルに発展するおそれがあるため避けてください。ただし、散骨する場所は私有地でなくとも、許可があれば基本的には問題ありません。
手元供養する
手元供養とは、ご遺骨をお墓などに入れず自宅で供養する方法で、ペットを身近に感じられる点がメリットです。
近年では、仏具を使用しない方法も主流になりつつあります。例えば、粉骨したご遺骨をカプセル型のアクセサリーやキーホルダーに入れて、常に持ち歩ける方もいます。
肌身離さず身に着けることで、亡くなったあとも愛するペットの存在をそばで感じられるでしょう。
プランター葬をする
自宅に庭がなくても、ハムスターや小鳥などの小さなペットなら、プランターを使った土葬が可能です。
プランターを使った土葬は環境汚染のリスクがなく、引越し時に掘り起こす手間もかかりません。ただし、火葬しない場合は、庭への土葬と同様に異臭・害虫などが発生するリスクをともないます。
近所迷惑を考え、プランター葬をする際は石灰や腐葉土・肥料などを用いて、ご遺体の分解がうまく進む適切な処理を行ないましょう。
ペットの供養を後悔しないために行うこと
突然ペットを亡くした人ほど、後悔することが多々あります。そのため、供養に関して後悔しないために大切な点を以下で説明します。
家族でどんな供養にするか話し合う
ペット火葬や供養は、ペットとの別れをどのようにするかを決める重要なものです。予算を考慮しながら、メリットとデメリットを理解した上で、納得のいく方法を選ぶことが大切です。
しかし、ペットが亡くなった直後は、悲しみや混乱で冷静な判断が難しい場合も多くあります。そのため、事前に家族間で話し合い、どのような方法でペットを見送りたいかを話し合っておきましょう。
何社かに相談し、見積もりをとる
近年は、ペット火葬や葬儀を専門とする業者も多く存在し、様々なプランやサービスを提供しています。
ペット火葬や葬儀を業者に依頼する際は、一つの業者だけでなく、複数の業者に相談や見積もりを取ることをおすすめします。見積もりをとることは、以下のメリットがあります。
- 比較検討できる
- 納得のいく選択ができる
- トラブルを回避できる
見積もりだけではなく、スタッフの対応も確認し、丁寧な火葬を行なってくれそうな業者を探しましょう。
身近な人に聞く
ペットの火葬や供養方法は、各々メリットとデメリットがあるため、迷ってしまうことも多いでしょう。そのため、友人やペット仲間など、周囲にペットを見送った人がいる場合は、どのように供養したか聞いてみましょう。
経験者の話を聞くことで、飼い主様に合った供養方法や業者を見つけるためのヒントが得られるかもしれません。また、供養後に後悔していることがないか確認することで、同じ失敗を避けられます。
まとめ
「ペットと離れるのは寂しい」という想いから、ペットを自宅の庭に土葬することを検討する方もいるでしょう。
しかし土葬の場合、私有地以外に埋めると法律違反になる危険性があるほか、異臭・害虫の発生や環境汚染など、さまざまなリスクをともないます。リスクを回避するには、土葬の注意点を理解しておくことが重要です。
愛するペットを安心して供養をするためには、リスクの少ない火葬や納骨、散骨、手元供養などの選択肢も視野に入れることが大切です。供養方法で後悔しないために、家族でしっかりと検討しましょう。
検討しても最適解が出ない場合は、訪問火葬サービスのCOCOペットでは24時間365日、ペットの葬儀に関するご相談を受け付けています。
お見送りの際の火葬プランも、ペットの種類によって6,600円（税込）からさまざまなプランを提供しており、一般的な猫や小型犬であれば、17,600円（税込）から、中型犬であれば28,600円（税込）から、火葬方法やご供養の希望によってプランを選んでいただけます。
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