「チンチラを長生きさせる方法」を知りたいと思っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

チンチラを飼うからには、長く一緒に過ごしたいですよね。

本記事では、チンチラの平均寿命や、長生きさせる飼い方を解説します。チンチラを長生きさせるためのコツも紹介しているので、最後まで読めばチンチラとの生活を長く楽しめるようになるでしょう。

チンチラとは

チンチラとは

南米原産のモルモットの仲間であるチンチラ。体長は25~30センチメートル、体重は420~700グラム程度と小柄です。

チンチラ最大の特徴は厚く柔らかい美しい毛皮です。手触りがよく美しい光沢もあることから、ペルシャ猫の毛色の一種にも名前がつけられるほど。

そのため、チンチラはペットとしても人気で、多くの人に飼われています。

チンチラの平均寿命は10年

チンチラの平均寿命は10年

野生のチンチラの平均寿命は10年程度です。ペットとして飼われているチンチラの場合は15年程度生きます。

ハムスターやモルモットと比べると平均寿命が長いのが特徴です。

チンチラの個体差や飼い方にもよりますが、20年以上長生きすることも。なお、長寿記録は29歳229日で、ギネス記録にも登録されています。

人間の年齢に換算すると?

チンチラの年齢を人間の年齢に換算したときの目安を以下表にまとめました。

チンチラの年齢人間の年齢
1歳12歳前後
2歳20歳前後
3歳24歳前後
4歳29歳前後
5歳34歳前後
6歳39歳前後
7歳44歳前後
8歳49歳前後
9歳54歳前後
10歳60歳前後
15歳80歳前後
20歳100歳前後

チンチラの年齢を人間で考えると、1歳になるまでに急激に成長し、その後、成長速度が緩やかになります。

他の動物との寿命の違い

チンチラと他の小動物との寿命の違いは以下の表のとおりです。

動物名平均寿命
チンチラ10年
ハムスター2~3年
モルモット5~7年
うさぎ7~8年
12~18年

チンチラは他のげっ歯類などの小動物よりも長命です。

猫の平均寿命と比べると短命ですが、長生きするチンチラであれば猫の寿命と同じ、またはそれ以上生きることが可能です。

寿命以上に長生きさせるために!チンチラの特徴を知る

寿命以上に長生きさせるために!チンチラの特徴を知る

チンチラを長生きさせるため、まずはチンチラの特徴を把握しましょう。主なチンチラの特徴は以下のとおりです。

  • 好奇心旺盛で活発
  • 人懐っこい性格
  • 警戒心が強い
  • ストレスに弱い
  • 室内で飼育しやすい
  • 寒さ・乾燥に強く、暑さ・湿気に弱い

チンチラの特徴を把握し、長生きさせるための飼い方やコツを実践していくことが大切です。

チンチラを寿命以上に長生きさせる飼い方4選

チンチラを寿命以上に長生きさせる飼い方4選

チンチラを飼うからにはできるだけ長い時間一緒にいたいですよね。適切に飼うことでチンチラと一緒に過ごす時間を増やせる確率が高まります。

チンチラを寿命以上に長生きさせる4つの飼い方について解説します。

主食は牧草、おやつは与えすぎない

チンチラの主食は牧草(チモシーなど)にしましょう。

牧草であればチンチラは歯をよく動かして食べるため、不正咬合や胃のうっ滞(毛球症)といった不調を予防できます。

また、チンチラにおやつを与えすぎないように注意しましょう。

チンチラはおやつが大好きでおやつを与えると喜んで食べます。しかし、かわいいからといって毎日おやつを与えてしまうと、健康に悪影響を与えます。

また、おいしいおやつを与えるとチンチラが味を覚えて、普段の主食である牧草を食べなくなり栄養が取れなくなるため注意が必要です。

さらに、チンチラはデンプンと糖類を消化しづらいです。ブドウ糖は悪玉菌を増殖する原因で、デンプンは最終的にブドウ糖となって腸内細菌を乱します。

そのため、毎日おやつを与えてしまうと、悪玉菌が増殖して腸内細菌を崩す体になってしまうでしょう。

チンチラとのコミュニケーションとして少量を与えるのは問題ありませんが、与えすぎには注意が必要です。

肥満・ストレス予防に適度な運動を

チンチラの肥満やストレス予防のために適度な運動をさせましょう。肥満は人間と同じく病気の原因になります。また、チンチラはストレスに弱いため、ストレスをためさせないことが重要です。

そのため、チンチラが遊べる回し車などを設置したり、ケージから出して部屋を散歩させたりしてストレスをためない工夫を心がけましょう。

高温多湿に弱いので温度・湿度に要注意

チンチラを飼育する環境が高温多湿になるのを避けましょう。

チンチラは標高の高いところに生息している動物のため、寒さや乾燥に強く、暑さや湿気に弱い生き物です。

チンチラを飼育する最適な環境は、気温が20度前後、湿度は40%以下。そのため、高温多湿の環境で飼育すると、熱中症になる危険性があります。

日本の夏は高温多湿のため、エアコンを活用して最適な環境作りに努めましょう。

ストレスの少ない環境の用意とストレス解消

チンチラにとってストレスの少ない環境を用意しましょう。チンチラは警戒心が強く、嗅覚や聴覚が発達しているため、音や臭いをストレスとして感じてしまいます。

人の出入りでもストレスを感じるため、人の出入りが少ない環境で飼育するのが最適です。

また、ストレス解消には砂浴びも有効です。砂浴びはチンチラの毛並みを整える効果があるため、定期的に取り入れましょう。

飼い方以外にも!チンチラを寿命以上に長生きさせるコツ3選

飼い方以外にも!チンチラを寿命以上に長生きさせるコツ3選

チンチラを長生きさせるには、飼い方以外にも3つのコツがあります。チンチラを長生きさせるため、飼い方とあわせて取り入れてください。

信頼できる相手からもらい受ける

チンチラは信頼できる相手(ペットショップ、ブリーダーなど)からもらい受けましょう。

信頼できる相手でなければ、もらい受けたチンチラは長生きできないかもしれません。

そのため、もらい受ける相手の飼育環境が衛生的か、食生活は牧草中心かなどを確認しましょう。チンチラの毛並みや肉付きの良さで健康状態を把握できるので、触れさせてもらうのも有効です。

もらい受けるチンチラは大切な家族となるため、妥協せず相手を見極めてください。

チンチラを診てくれる動物病院を探しておく

チンチラを診てくれる動物病院を探しておきましょう。すべての動物病院がチンチラを診察できるわけではありません。

事前にチンチラを診てくれる動物病院を見つけておかないと、チンチラの調子が悪いときに困ってしまいます。

チンチラを診てくれる病院はネットなどでも探せますが、チンチラをもらい受けたペットショップやブリーダーに聞くのも有効です。

病気を予防&早期発見する

チンチラの長生きには、病気の予防が重要です。

日々の食事や運動、飼育環境に気をつけることで、不正咬合や熱中症などが予防できます。虫歯予防も長生きにつながるため、甘いものを与えないようにしましょう。

また、病気の早期発見のため、定期的な健康診断も重要です。生後10年前後のチンチラは高齢のため、心臓や肝臓の病気を患うこともあるでしょう。

どのような病気でも早期発見で適切に処置すれば長生きにつながります。

チンチラがかかりやすい病気

チンチラがかかりやすい病気

チンチラにはかかりやすい病気があります。

事前にどのような病気にかかりやすいか確認しておくと、万が一の場合にも冷静に対処できるでしょう。

以下では、チンチラがかかりやすい代表的な病気について解説します。

熱中症

チンチラは熱中症になりやすい動物です。チンチラが熱中症になった場合、ぐったりと寝ている状態が続いたり、体が熱くなったりします。

チンチラは暑さに弱い動物のため、万が一熱中症になってしまうと命を落とす危険性もあります。

そのため、熱中症の症状がある場合、体を冷やして動物病院に連れて行ってあげてください。

チンチラの熱中症を防ぐためには、ケージを風通し良くして、直射日光やエアコン・ヒーターの風が直接当たらないように気をつけましょう。

また、室温は20度前後に設定して、湿度を40%に保ってあげるとチンチラは快適に過ごせます。

不正咬合

不正咬合は、歯の噛み合わせが悪くなる病気です。チンチラは、生涯歯が伸び続ける生き物のため、歯が伸びないように硬い食べ物をかじって長さを調節しています。

しかし、柔らかい餌を与えていて、自分で歯の長さを調整できなくなると不正咬合になる可能性があります。

不正咬合になった場合、食欲がなくなったり、体重が減少したりなどの症状が見られ、硬いものを食べなくなります。不正咬合の治療方法は、手術で歯を削ることです。

門歯の場合は、安全に歯を削れますが、奥にある臼歯は削るのが難しく、全身麻酔をしてから手術します。しかし、手術はチンチラにとってストレスにもなり、成功率も低い傾向にあります。

また、手術をしても再び歯が伸びれば、削らなければいけません。そのため、不正咬合は完治することはない病気であるということを理解しておきましょう。

皮膚疾患

チンチラは皮膚疾患になりやすく、中でも皮膚糸状菌という真菌(カビ)により引き起こされる皮膚病にかかりやすいです。

皮膚疾患は主に不衛生な飼育環境や湿度の高い部屋での生活、そしてストレスが原因により発症します。また、まだ小さいチンチラや高齢のチンチラなど、免疫機能が低下している場合に皮膚疾患を発症しやすいです。

皮膚疾患にかかると、頭部から手足にかけて全身に広がります。

さらに、皮膚糸状菌の場合、真菌(カビ)が原因の病のため、動物や人にも感染する恐れがあります。そのため、もしケージ内で複数のチンチラを飼育している場合は、ケージを開けて感染を防ぐよう心がけましょう。

また、人にも感染する可能性はあるため、皮膚疾患のあるチンチラをお世話した後は、必ず手洗いと消毒をしてください。

便秘・下痢

チンチラは、便秘や下痢を起こすことがあります。

健康なチンチラの場合、うんちの臭いはなく、コロコロとした真っ黒な便をします。軟便や下痢の症状がある場合、茶色でやわらかく、水分を多く含んだうんちが見られます。一方、便秘の場合は、通常のうんちより丸く、小さく量が少ないでしょう。

便秘や下痢の原因のほとんどはストレスです。食事の変化や室温の変化など、チンチラは些細な変化でも大きな負担を抱えることがあります。そのため、ストレスを抱えないように適切な飼育環境を整えることが重要です。

下痢や便秘が2日以上続く場合は、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

細菌や寄生虫に感染している可能性もあるため、動物病院で便を提出して検査してもらいましょう。

骨折

チンチラの骨は細く、骨折しやすいため、気づかないうちに骨折している可能性があります。

骨折はチンチラの活発さが原因であり、元気があることで周りに体をぶつけて骨が折れてしまいます。

また、ケージに原因がある場合もあり、ケージの金網に足を引っ掛けてひねってしまったり、段差で足に負荷がかかったりして骨折することもあるでしょう。

前足や後ろ足を骨折した場合は、抗生剤の投与をして自然治癒を待つことがほとんどです。手術することもありますが、手術は費用が高額なうえ成功率が低い傾向にあります。

そのため、チンチラが骨折してしまった場合は、病院で診てもらい医師の指示に従って対応しましょう。

チンチラの体調が悪いときに見せる4つの行動

チンチラの体調が悪いときに見せる4つの行動

チンチラは環境の変化にストレスを感じやすい生き物のため、チンチラをお迎えした直後は体調を崩しやすい状態です。

チンチラは人間のように声を出してヘルプサインを出せませんが、体調が悪い際に行動でサインを出します。チンチラの不調を確認するためにも、以下で各サインについて解説します。

食欲が低下している

食欲が低下していたり、通常よりご飯を食べる量が少なかったりする場合は、病気や体調が悪い可能性があります。

食欲が低下している場合、歯周病や不正咬合が原因で食事できない状況にある可能性が考えられます。しかし、食欲の低下は必ずしも病気があるというわけではありません。

ただ、好き嫌いが多い、餌に飽きているだけが原因ということもあります。

餌に飽きてご飯を食べていない場合は、他の餌に変えてみましょう。食事内容を変えても食欲に変化がない場合は、動物病院に連れて行ってみて病気がないか確認してください。

チンチラの皮膚が赤くなっている

チンチラの皮膚が赤くなっていたり、フケが出ていたりする場合は皮膚疾患の可能性が考えられます。

特に、幼いチンチラは皮膚疾患を発症しやすいです。そのため、日頃からチンチラとスキンシップを取って皮膚の状態を確認してあげてください。

また、皮膚の状態が悪い場合は、飼育環境が不潔であったり、ストレスを感じていたりすることもあるため、飼育環境の見直しも考えてみましょう。

チンチラがぐったりしている

チンチラがぐったりしている場合は、熱中症や脱水症状になっている可能性が考えられます。そのため、部屋の温度がチンチラにとって適温かどうか、常に気をつけてください。

人間と同じ温度環境はチンチラにとっては適していません。チンチラにとっての適温は20〜25度程度です。また、気温だけでなく湿度にも注意しなければいけません。

湿度は40%前後を保ち、チンチラが快適に過ごせているかも合わせて確認しておきましょう。

いつもより元気がない

いつもは走り回っているチンチラの元気がなくじっとしている場合は、骨折した痛みにより動けなくなっていることがあります。

また、骨折の他にも病気が潜んでいて、悪化したことによる痛みで元気がないことも考えられるため、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

チンチラは飼い方次第で寿命以上に長生きさせられる

チンチラの寿命と長生きさせる飼い方やコツについて解説してきました。

チンチラの平均寿命は10年で、長生きさせるには食事や運動、温度・湿度、ストレスなどを考慮した飼い方が必須です。

また、病気に注意することが長生きのコツであると解説しました。

家族として迎え入れたチンチラが健康で長生きできるよう、本記事の内容をチンチラとの生活に取り入れてみてください。

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