「うさぎがかかりやすい病気や長生きさせるコツを知りたい」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
また、愛するペットであるうさぎに対して、全ての飼い主様が少しでも長く健康に生きてほしいと願っているでしょう。本記事ではうさぎがかかりやすい病気と長生きさせるコツを紹介しながら、うさぎの寿命についても解説していきます。
目次
うさぎの寿命
まず始めに、うさぎの平均寿命や最長寿命を以下でご紹介します。
うさぎの平均寿命
うさぎの平均寿命は5〜8年とされていますが、あくまで平均寿命は目安であり、うさぎの品種により数年の違いもあります。
平均寿命を迎える前に亡くなったから悪い、残念というわけでは決してなく、ペットの幸せは飼い主様とペット自身が決めるものです。
うさぎの最長寿命
うさぎの最長寿命はギネスに登録されており、18歳と10ヶ月とされています。オーストラリアで「フロプシー」と名付けられた、野うさぎだったようです。うさぎにおける18歳は人間の年齢で122歳に相当するため、かなりの長生きだったことがわかります。
【種類別】うさぎの平均寿命
うさぎの種類により、平均寿命は大きく異なります。うさぎを飼うにあたり、寿命を確認しておくことは大切です。以下では、うさぎの種類別に寿命を解説します。
ネザーランドドワーフ
ネザーランドドワーフは、平均して5〜6年の寿命ですが、愛情を込めた飼育と健康管理により、10年近く生きることも可能です。
特にネザーランドドワーフは、小型で活発な性格のため、適切なケアと環境が保たれることで長寿を実現しやすいといわれています。
ストレスを過度に与え、室内温度が適切でなければ6年よりも短くなる可能性もあるため、注意しながら育てましょう。
ロップイヤー
ロップイヤーはその垂れ耳が特徴的で、10~12年の寿命といわれています。
ロップイヤーの特徴的な垂れ耳は、耳の感染症や他の健康問題を引き起こすリスクが高いです。特に耳の形状が湿気を捕らえやすく、中耳炎などの耳の病気にかかりやすいです。
そのため、適切な耳のケアと清潔な生活環境を提供する必要があります。飼い主様が耳の健康課題に注意を払い、適切なケアを施すことで、寿命を延ばすことは十分に可能です。定期的な耳の検査と清潔な環境が長寿の鍵となるでしょう。
ドワーフホト
ドワーフホトの平均寿命は7〜8年ですが、近年では10年近く生きる個体も増えています。
ドワーフホトは、活発でやんちゃな性格をしており、人懐っこさも魅力のひとつです。日頃の食事や定期検診が寿命に大きく関わるため、注意しながら飼育しましょう。
ミニウサギ
ミニウサギは、10〜12歳の寿命で、うさぎの中でも比較的長生きです。ミニウサギは、成長過程で親から受け継いだ遺伝的特徴が顕著に現れるため、個々の特性を理解することが長寿の秘訣となります。
野生のうさぎ
野生のうさぎの場合、平均寿命は2〜3歳と大きく下がります。野生のうさぎにもいくつかの種類がありますが、他の品種のうさぎに比べて圧倒的に平均寿命が低い理由は種類ではありません。
野生のうさぎの平均寿命が短い理由は、天敵となる肉食動物や自然環境による影響で命を落とすことが非常に多いからです。また、野生のうさぎは縄張り争いをすることも多く、傷が致命傷となって亡くなるケースもあります。
極端な平均寿命の低さは、厳しい環境で生きる野生のうさぎだからこそといえます。
うさぎの年齢を人間の年齢に換算すると
うさぎの年齢を人間の年齢に換算すると以下のとおりです。
うさぎの年齢 | 人間の年齢 |
1ヶ月 | 1歳 |
3ヶ月 | 3歳 |
6ヶ月 | 5歳 |
1歳 | 17歳 |
2歳 | 28歳 |
3歳 | 36歳 |
4歳 | 44歳 |
5歳 | 52歳 |
6歳 | 60歳 |
7歳 | 68歳 |
8歳 | 76歳 |
9歳 | 84歳 |
10歳 | 92歳 |
上記の表を見てわかるように、うさぎは1歳の時点で人間の年齢でいう17歳となり、人間よりもはるかに早いスピードで年を取っていることがわかります。
平均寿命の7〜8年は、人間の年齢に換算すると68〜76歳に相当し、比較的長生きする生き物であるといえるでしょう。
うさぎのライフサイクル
うさぎには年齢を基準にした成長段階、ライフサイクルが存在します。ライフサイクルをひとつの目安にすることで、健康管理や気を付けるべき病気の判断に役立つでしょう。
ライフサイクルを意識することで、成長による変化がわかるという意味でもおすすめです。
幼少期
うさぎの幼少期は誕生してから2ヶ月ほどの期間を指します。生まれたばかりのうさぎは目が見えず、耳も聞こえない状態です。毛も生えていないため、いわゆるうさぎのような見た目はしていません。
耳が聞こえるようになるまで1週間ほど、目が開いて見えるようになるには10〜14日ほどかかるとされています。毛が生え始めるタイミングはうさぎにより異なりますが、遅くても2週間ほどで生える場合がほとんどです。
生後1ヶ月で離乳し、うさぎらしい見た目に変化します。
成長期
生後2ヶ月から1歳まで野うさぎを成長期と呼び、うさぎの1歳は人間の20歳前後に相当するため、急激に成長していることがわかります。
うさぎらしい動きが見えるようになり、動きも活発化してくる時期です。個性も出てくるため、最も変化が激しい時期といえます。
また、成長期の中でも、生後6ヶ月を過ぎると避妊や去勢手術を検討する時期でもあります。うさぎの身体への負担や繁殖行動によるストレスを考慮して、生後6ヶ月から1歳を目安に行う場合がほとんどです。予め獣医師と相談しておきましょう。
青年期
1歳から3歳のうさぎが青年期に該当し、成長が緩やかに落ち着いてくる段階です。心身的に成熟する時期であり、遊び盛りでもあります。
1日の中で遊ぶ時間を設けることで、しっかりと運動させてあげましょう。運動不足はストレスの原因になると同時に、体調不良も引き起こします。適度な運動は健康管理の基本です。
壮年期
4歳になるとうさぎは壮年期に入り、シニアとされる6歳まで続きます。人間でいえば40代から60歳前後に相当するため、人間と同じく体調不良や身体的な衰えを感じる時期です。穏やかに過ごす時間が増え、ゆったりとした印象を持つ場面が多くなるでしょう。
壮年期のうさぎのほとんどは運動量や代謝が低下するため、以前と同じ量のフードや牧草を食べていると肥満になる可能性があります。フードの種類を変えるか運動の機会を増やすなど、うさぎの状況に合わせた対応が必要になるでしょう。
高齢期
7歳以上のうさぎが高齢期に該当し、いわゆるシニアと呼ばれます。一日の中で寝て過ごす時間が増えますが、ふと思い立ったように運動したがることもあります。
運動への欲求が満たされないとストレスになるため、動き過ぎに注意しながら遊ばせてあげましょう。
また、高齢期のうさぎは体調不良を引き起こす頻度と可能性が格段に増えるため、飼い主様はより注意が必要です。うさぎが自分自身の体調不良に気付けない場合もあるため、日常的に触れ合うことで些細な変化にも気付けるようにしましょう。
うさぎがかかりやすい病気
うさぎの体調を気遣っていても、気づかないうちに病気を患っている可能性があります。以下では、うさぎがかかりやすい病気について解説します。
胃腸うっ滞
うさぎによく見られる病気のひとつが胃腸うっ滞です。胃腸うっ滞は、胃腸の動きが悪くなる状態を指します。食欲不振や便が小さく、少なくなるなどの症状が見られる場合は、胃腸うっ滞の可能性が考えられます。
胃腸うっ滞は、元気そうなうさぎの場合でも食事や温度の変化などわずかな変化によりかかりやすい病気です。最初は軽い症状であっても、放置して病気が進行してしまうと最悪の場合、死に至ることもあるため注意が必要になります。
普段よりも食事量が少ない、便がいつもと違うと感じた場合は、すぐに動物病院で相談しましょう。
不正咬合
うさぎの病気でもよく見られるのは不正咬合です。不正咬合は、歯の噛み合わせが悪くなる病気です。うさぎの歯は伸び続けますが、食事により伸びた分をすり減らして適切な噛み合わせにしています。
しかし、柔らかい餌ばかり与えている場合、歯がすり減らなくなり不正咬合を発症します。不正咬合になってしまうと、うまく餌を噛めず、伸びた歯が口の中にあたって痛みが出て食欲不振を引き起こすでしょう。
また、歯の根元が伸びると、涙の通り道を圧迫することにより涙が出たり、歯の根元が膿んだりします。
不正咬合になってしまうと、自宅で対処できず、動物病院で歯をカットしなければいけません。不正咬合を防ぐためにも、餌としてチモシーなどイネ科の牧草を与えると歯のケアができるでしょう。
熱中症
うさぎの熱中症にも要注意です。うさぎは暑さに弱い生き物で、室温が28度以上になると熱中症になる恐れがあります。
うさぎが暑さを感じ取ると、身体を伸ばしたり、早く呼吸して熱を逃がそうしたりするような行動が見られます。
さらに体温が上がると、目が充血して大量のよだれが出るなどの症状が現れ、重症になると意識障害を引き起こすため、要注意です。
もし、熱中症になった場合は、濡れタオルで体を冷やしてあげましょう。しかし、急激に体温を下げてしまうと、かえって身体に影響を与えるため、冷たすぎる水や氷を使わないように気をつけてください。
ソアホック
ソアホックは、うさぎによく見られる足の裏の皮膚炎です。
うさぎの足の裏は犬や猫のような肉球がなく、毛で覆われているだけです。加齢や飼育環境により足の裏の毛が薄くなると、足の裏へ負担がかかりソアホックを引き起こします。
とくに後ろ足はソアホックになりやすく、炎症を起こすと赤くただれ、症状が悪化すると骨まで炎症が広がる可能性があります。
早期に発見できた場合は治療をすぐに始めると影響は少ないでしょう。ソアホックを防ぐためには、水を給水ボトルで与えて水でゲージ内が濡れづらくなるようにし、汚れやすい場所は掃除をして清潔に保ってあげてください。
また、定期的に爪切りをして、足に負担が少ない床材を選んであげるとソアホックの予防になります。足の裏の毛が剥げていないかに関しても確認してあげるようにしましょう。
角膜炎
うさぎは目が顔の横に突き出ているため、目が傷つきやすく角膜炎を引き起こしやすいです。角膜は目の表面にある膜で、牧草が目にあたったり、ホコリが付いたり、自分の爪で誤って目を触ってしまったりすることにより角膜炎を引き起こす可能性があります。
角膜炎を引き起こした場合、うさぎが眩しそうにしたり、目を開けられなかったり、涙が溢れていたりする症状が見られます。
角膜炎が重症になると、目の表面が白くなったり、白く濁ったりするようになり、最悪の場合、視力低下や失明につながるため、目に異常が見られた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
うさぎが亡くなる前に見せる行動
うさぎは亡くなる前に見せる行動があります。事前にうさぎが亡くなる前の行動について知っておくと、冷静に対処して、死に対する覚悟もできるでしょう。以下では、うさぎが亡くなる前に見せる行動について解説します。
食欲が低下する
うさぎが亡くなる前に見せる行動として、食欲の低下が挙げられます。寿命により食欲低下することもありますが、病気により食欲がない場合もあるため、適切に判断すると良いでしょう。
呼びかけても反応しない
うさぎを呼びかけても反応しない場合、病気の可能性も考えられますが、年齢により寿命が近づいている場合もあるため、お別れの覚悟をしておきましょう。
呼吸が速くなる
呼吸が早くなっていたり、極端に遅くなっていたりする場合は、心機能が低下している可能性があります。呼吸は生きるうえで必要であり、うさぎの体調確認のためにも重要です。
呼吸の速度以外も口呼吸していたり、よだれを口元につけて呼吸していたりする場合は、寿命が近づいているか、病気が潜んでいる可能性が考えられます。そのため、日々呼吸の速度についても確認しておくことが大切です。
ぐったりとしている
うさぎが亡くなる前はぐったりしている様子が見られます。ぐったりしていることが増えると、食欲が低下したり、排泄が少なくなったりするでしょう。
上記のような症状が見られる場合で、うさぎに触れて体温が低い状態に陥っていると寿命が近づいているといえます。
うさぎの寿命を長くさせるためには
うさぎの寿命を延ばすために重要なことは4つあります。以下では、具体的な4つを解説します。
健康状態を常に確認する
うさぎは5歳以上になると老化が始まり、様々な健康問題が出現する可能性があります。定期的な獣医師の検診と、日々の行動や食欲の変化に注意を払うことが、早期発見と治療の鍵です。
特に歯や消化系の問題には敏感に対応することが重要です。日頃の生活をしっかり観察し、普段と違うことが続いたら動物病院に行くようにしましょう。
ストレスフリーにさせる
ストレスはうさぎの健康に悪影響を及ぼしてしまい、寿命を縮める要因のひとつにあげられます。
静かで快適な環境、規則正しい日常、そして愛情あるケアによって、うさぎのストレスを軽減できるでしょう。適切な運動と社交的な環境を提供し、怖がらせるような急な動作や音を避けることが大切です。
適切な食事管理を行う
健康的な食事はうさぎの長寿に不可欠です。高品質の牧草を主体とした食事、新鮮な野菜の適切な提供、そして過剰なタンパク質や糖分を避けたバランスの良い食事が推奨されます。
食事の管理は体重の維持と病気予防に直結します。
生活環境をよくする
うさぎの生活環境は、彼らの健康と幸福に直接影響を与えます。清潔で安全な居住スペース、十分な運動の機会、そして適切な温度と湿度の維持が必要です。
ストレスを軽減し、活動的なライフスタイルを促進するために、環境の改善を常に考慮することが肝心です。
避妊手術をする
うさぎが女の子の場合、健康的に寿命を長くさせるには避妊手術を検討する必要があるでしょう。うさぎは子宮の病気に非常になりやすく、高齢期である7歳を超えるとほとんどのうさぎが子宮の病気を患うとされています。
避妊手術は、生後6ヶ月から1歳前後が良いとされているため、1度かかりつけの動物病院で相談してみることをおすすめします。麻酔のリスクやデメリットを考慮しながら検討してください。
まとめ
本記事ではうさぎの寿命や年齢を中心に、かかりやすい病気や長生きさせるコツを解説しました。うさぎには年齢を基準としたライフサイクルが存在し、ライフサイクルに合わせた生活や健康管理が長生きさせるコツのひとつになります。
うさぎは体調不良を隠す性質がある動物です。年齢を重ねるとうさぎ自身が体調不良に気付けない場合も少なくないため、飼い主様がうさぎの些細な変化や体調不良を察知する必要があります。