「家族の一員であるペットを人間と同じように、お葬式をして最後のお別れをしたい」と考えている方もいらっしゃるのではないではないでしょうか。
しかし、初めてペット葬を行う場合、何を用意したらいいのかわからないでしょう。この記事では、ペット葬の棺の必要性をはじめ、棺の素材や棺に入れてOK・NGなものを紹介します。
目次
ペット葬の棺は必要?
ペットが亡くなった際、現在はペットも家族の一員とする家庭が多くなり、ペット葬を行う方が増えています。
最愛のペットを安置しつつ、そのまま火葬ができる棺を用意しておくと良いでしょう。
人間同様、その日に火葬することができるわけではないため、ご遺体を安置する場所が必要になります。
ご遺体を安置するものがあれば何でも良いのですが、ものによっては火葬できないものもあります。
ペット葬の棺はどのようなものがいい?
ペットのご遺体を安置するには、棺を用意しなければいけません。しかし、ペット葬で使用する棺はどのようなものだといいのでしょうか。以下では、ペット葬で使用できる棺をご紹介します。
木製の棺
ペットも人間と同様、木製の棺がおすすめです。ヒノキや桐といった天然素材のものを用意してはいかがでしょうか。
しかし、ヒノキや桐は高級素材であるため、費用が高額になるケースがあります。できるだけ費用を抑えて木製の棺を用意したい場合は、木製に似せた木目調の箱や合板でできた棺を選ぶのもひとつです。
木製の棺はインターネットやペット霊園からでも購入できます。また、木製の棺の中には、釘やホチキスが利用されていることもあり、釘などがお骨に付着してしまうとお骨がきれいに残らない可能性があります。
そのため、木製の棺を購入する際は、金属の有無についても確認しておきましょう。
段ボールの棺
木製の棺以外に、段ボールを棺代わりに使用するのもおすすめです。段ボールであれば、かかる費用は少ない上にいつでも手に入れられます。ペットが急に旅立ってしまった際の仮の安置場所としても活用可能です。
しかし、段ボールの中には火葬すると黒煙が上がったり、灰が舞い上がったりしてしまい、お骨に影響が出る可能性があります。そのため、火葬しても問題がない素材かどうかについても確認してください。
引き取ってもらえないこともある
便利な段ボールですが、業者によっては引き取ってもらえない場合もあります。
段ボールは燃えカスが多いため、ペットのご遺骨と紛れてしまう可能性があるからです。
段ボールの棺を使用する場合、ペット葬にぴったりな素材で作られた段ボールを選ぶといいでしょう。燃えカスが少ない特殊な素材でできているため、ペットのご遺骨と紛れることが少ないです。
ふさわしくない素材もある
ペット葬の棺としてふさわしくない素材もあります。それは布やプラスチックです。
一般的に燃える素材として認識されている素材ではありますが、布は燃えにくくプラスチックは有毒ガスが発生しやすいです。
また、ペット用の火葬炉の火力は弱いため、場合によっては燃えずそのまま素材が残ってしまうケースもあります。そのため、ペット葬の棺としては向いていません。
ペット葬の棺はどこで買える?
ペット葬で使う棺は以下のところで購入できます。
- ECモール
- ペット葬を執り行う葬儀社
- ペット霊園
ホームセンターやペットショップでの取り扱いはほとんどありません。最愛の家族が亡くなれば、悲しみのあまり何も手をつけられないでしょう。棺を求めるためにあちこち出歩くことも難しいといえます。
また、日頃から用意している方も少ないため、このような場所で購入するとよいでしょう。急いでほしい場合は葬儀社や霊園に問い合わせてみるのもひとつです。
ペット葬の棺の手作りの方法
ペットが最期に眠る場所を自分自身で作ってあげたいとお考えの方も少なくないでしょう。ペット葬で利用する棺は自分でも作ってあげられます。
以下では、ペット葬の棺を手作りする手順について解説します。
ペットのご遺体が入る箱を用意する
ペットのサイズに合う寸法かどうかを確認して素材や形状を考慮して箱を選びましょう。棺は、頑丈で持ち運びしやすい形状のものを選ぶようにしてください。
箱はペットのご遺体より小さすぎても大きすぎてもよくありません。そのため、事前にペットのサイズを図って体にピッタリ合うものを選んであげましょう。
箱の底に新聞やビニール袋を敷く
箱が用意できれば、新聞紙やビニール袋を箱の底に敷きましょう。
ご遺体からは体液が漏れ出ることがあり、体液により棺内やご遺体が汚れてしまいます。棺内の汚れを防ぐためにも、新聞紙やビニール袋を敷いておきましょう。
新聞紙はとくに吸湿性があるため、ペットの体液や分泌物を吸収して、箱内を清潔に保てます。
また、新聞を棺の底に敷いておくと、ペットのご遺体を直接木製の底に触れることなく、保護の役割も期待できます。そのため、ペットにとっても最期の瞬間を穏やかに過ごすことができるでしょう。
保冷剤やドライアイスを設置する
棺の底に新聞紙やビニール袋を敷いた後は、棺内に保冷剤やドライアイスを入れてご遺体を冷やしましょう。
ペットのご遺体は、日にちが経つとともに腐敗が進みます。腐敗が進んでしまうと、ご遺体をきれいに火葬してあげるのが難しくなります。
しかし、保冷剤をご遺体に当てる場合は、直接ご遺体に触れないようにすることが大切です。保冷剤を直接体に当ててしまうと水滴が付着して、付着した部位から腐敗が進んでいきます。
ご遺体を冷やす際は臓器が詰まっている腹部や頭部を中心に冷やしておくと、腐敗を遅らせることができるでしょう。
涼しい場所で安置する
ご遺体の保冷をしてあげたら、涼しい場所でご遺体を安置しましょう。いくらペットのご遺体を保冷していても、部屋が暖かければ腐敗の進行は早くなります。
ペットのご遺体は日差しがなく、涼しい場所に置くことが重要です。しかし、夏場は室温が上がりやすいため、エアコンで部屋を涼しく保ってあげなければいけません。
エアコンを利用する場合は、風が直接ご遺体にかからないように、上からタオルを掛けてあげましょう。
ペット用の棺を用意するメリット
ペット用の棺を用意することにメリットを感じない方も中にはいるでしょう。
しかし、ペット用の棺を用意してあげるとペットも喜ぶような2つのメリットがあります。以下では、ペット棺を用意するメリットについて解説します。
自宅で丁寧に安置してあげられる
ペットが亡くなった際は、火葬する日までご遺体を安置する必要があります。
ご遺体を安置する程度であれば、自宅にある段ボールでも問題ありません。しかし、飼い主様により、大切なペットのご遺体を段ボールに入れるのは抵抗があるという方もいらっしゃるでしょう。
段ボールは使用したくないという方におすすめなのが、見た目もきれいなペット用棺です。
棺は素材により段ボールよりも丈夫で、見た目も美しいため、ペットの最期の寝床としても最適でしょう。
火葬場までご遺体を運びやすい
ペット用棺にご遺体を安置しておけば、火葬日にペット火葬場までご遺体を運びやすくなるでしょう。
段ボールにご遺体を安置して火葬場まで運ぶ場合、重さに耐えきれず、運んでいる途中にご遺体を落としてしまうトラブルが発生します。
大切なペットを落としてしまうと、ご遺体が汚れたり、変形したりと可哀想なことになりかねません。安心安全に運搬するためにも、ペット用棺は役に立ちます。
棺に入れてOKなもの
最後のお別れだからこそ明るく、そして華やかに見送りたいと思う方も多いでしょう。
どのようなものであれば、棺に入れてもよいのでしょうか。ここからは棺に入れてOKなものをご紹介します。
食べ物
少量であれば棺の中に食べ物を入れても問題ありません。ペットが生前好んで食べていたお菓子やご飯を入れてあげましょう。
食べ物を入れる際ですが、直接入れるとペットのご遺体を汚すことになるため、ティッシュで包んで入れましょう。
ポリ袋はポリエチレン製でできていることが多く、燃え残り、ペットの遺体に黒いシミができるのを防ぐためにも避けておくといいです。
家族の写真
ペットが寂しい思いをすることなく天国へ旅立てるよう、ペットが写った家族の写真を一緒に入れられます。
見送るまでのところで生前楽しそうにしていた写真を選び、幸せな気持ちで旅立ってもらえるような写真を入れてあげてくださいね。写真の後ろにメッセージを添えるのもいいでしょう。
お花
華やかさをだすならお花は欠かせません。たとえ燃えてなくなってしまう棺ではありますが、きれいなお花に囲まれて旅立ってほしいですよね。
人間の場合、菊のお花を入れることが多いですが、ペットの場合、決まりがありません。好きなお花を散りばめてあげましょう。
しかし、濃い色のお花を入れるとご遺骨に色が移ってしまう場合もあるため、色移りしなさそうなお花を選んで入れてあげてはいかがでしょうか。
棺に入れてはNGなもの
棺に入れてはNGなものもあります。以下ではNGなものをご紹介していきます。
金属がついているもの(首輪・リードなど)
生前身につけていた首輪やリードなどを入れるのはNGです。首輪やリードなどは金属がついているため燃えることなくそのまま残り、ご遺骨と混じる可能性があります。
また、首輪やリードなどの素材によって、ご遺骨に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。ご遺骨に影響を与えてしまう素材はなるべく避けるようにしましょう。
おもちゃ
おもちゃも棺に入れるのは避けましょう。おもちゃの多くは布製品やプラスチック・ゴムなどの燃えにくい素材が使用されています。
先ほども紹介しましたが、布製品やプラスチックは燃えにくくご遺体にくっついていると、ご遺骨が黒く変色する可能性があります。ゴムも溶ける可能性があり、骨につけば黒い塊になるでしょう。
ペットが愛用していたものだから入れたいと思う方もいるかもしれませんが、思い出として残しておいてはいかがでしょうか。
お洋服
お洋服も遺骨に影響を与えてしまう可能性があります。洋服に利用されている素材により、火葬の際に黒煙が出たり、お骨に付着してきれいにご遺骨を残せなかったりする場合があります。
お洋服も棺には入れないようにしましょう。しかし、最近は火葬用のお洋服も取り扱っているため、火葬用のお洋服を着させて火葬するのもひとつです。
葬儀をするまでどのように安置すればいい?
ペットが亡くなってから葬儀まで、ただ棺に入れておけばいいというわけではありません。
ペットも人間同様、亡くなると時間の経過とともに体が硬くなる死後硬直がはじまります。死後硬直がはじまる前に、ペットの体勢を整えてあげましょう。手足を優しく折りたたんで眠っているような体勢にします。
体勢を整えた後は体を優しくタオルなどで拭き、ブラシで毛を整えてあげます。耳や肛門などの穴から体液がでてくることがあるため、体液が漏れやすい部位にはガーゼを詰めておくといいです。
棺の底には新聞紙などを敷き、ご遺体の腐食を遅らせるために保冷剤を入れておきます。その上にタオルなど敷き、ペットをソッと置きましょう。お葬式まで涼しい場所に置いておきます。
ペット火葬までにペットにしてあげられること
ペットのご遺体を安置してから火葬するまでは、ペットと過ごす時間を設けられます。
ペットが亡くなったら、火葬や葬式につい気が取られてしまいますよね。火葬まではペットと過ごせる最後の時間となるため、できるだけなにかしてあげたいという方もいらっしゃるでしょう。
以下では、ペット火葬までにペットにしてあげられることについて解説します。
ペットのご遺体をきれいに整える
火葬までの間は、ペットのご遺体をきれいに整えてあげましょう。
ペットのご遺体を安置してあげる際には、ご遺体が汚れないようにきれいにしてあげるとペットも喜んでくれるはずです。
伸びた毛をカットしてあげたり、爪を切ってあげたり、毛並みを整えてあげたり、ペットをきれいな姿にするためにしてあげられることはたくさんあります。少しでもきれいな姿で天国に送り出してあげるためにも、ご遺体の状態に気を使ってあげましょう。
ペットの形見を残す
ペットを火葬する前に、ペットの形見を残しおきましょう。ペットを火葬してしまうと、ご遺骨しか残りません。生前のペットの毛やヒゲ、爪など、ペットの姿をいつでも思い出せるように、形見として残しておくと良いでしょう。
ペットの生きた証を残しておくと、ペットとの思い出を振り返れます。ペットが亡くなった後に毛をカットする際は、死後硬直が始まる前にきれいなハサミを使用してカットしてあげてください。
ペットの写真を撮る
ペットを火葬する前にペットの写真を残しておきましょう。人間の火葬や葬儀の場合、亡くなった人の写真を取ることはマナー違反です。
しかし、ペット火葬では人間の葬儀のようにルールが定められていないため、スタッフにより許可を得ればペットのご遺体の姿を写真に残せます。
ペットを火葬してしまえばお骨だけになり、後から撮っておけばよかったと後悔しても遅いです。そのため、思い出としてペットの最後の姿を火葬前に撮影しておくと良いでしょう。
ペットに感謝の気持ちを伝える
ペットに感謝の気持ちを伝えてあげましょう。ペットが亡くなってから火葬をするまでの間は、ペットと過ごせる最後の時間です。
そのため、最後までペットに「ありがとう」という気持ちを伝えてあげてください。また、ペットとの思い出を一緒に振り返ってみるのもいいでしょう。
飼い主様自身もペットが亡くなったことを受け入れるための時間となるため、ペットと過ごせる時間を大切にしましょう。
すてきな棺でペットを送り出そう
本記事では、ペット葬で使える棺の素材や必要性、入れて良いものや悪い物などを紹介しました。
そのままではなく棺や火葬をしても大丈夫な箱に入れましょう。ただ棺や箱に入れるだけでなく、お花や食べ物、写真などを入れてペットが寂しくないようにしてあげると良いです。
もしペット葬でわからないことがあれば、火葬業者に聞くのもひとつです。
COCOペットでは、24時間365日いつでも相談できます。お花飾りとバスケット棺がセットになったプランもあります。すてきな棺でペットを送り出してはいかがでしょうか。
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