「チンチラの年齢は人間でいうとどれくらい?」「何歳から高齢期なの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
チンチラは、小動物の中でも比較的長生きすることで有名です。
本記事では、チンチラの年齢を人間換算するとどのくらいの年齢になるのか、できるだけ長生きさせるために必要なことについて解説していきます。
目次
チンチラとは?
チンチラは愛らしい見た目が特徴のペットです。しかし、意外と生態や飼い方について知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下では、チンチラの特徴やお世話の方法について解説します。
チンチラの特徴
チンチラのいちばんの特徴は、ふさふさの被毛です。1つの毛穴から50~100本の毛が生えていると言われています。毛色はグレーが一般的ですが、ベージュやホワイトなど15種類ほどのカラーがあります。
チンチラはほとんど鳴かないため、マンションや集合住宅でも飼育が可能です。非常に利口であるため、名前を呼ぶと反応してくれたり、エサの時間を覚えたりします。
一方警戒心が強く、寝ていても周りの声や生活音が気になって熟睡できないこともあり、更に夜行性であるため、就寝中起こされてしまうかもしれません。気になるならケージを寝室以外に変えた方がいいでしょう。
チンチラのお世話
チンチラのお世話の内容は、下記のとおりです。
- 食事(1日1回)
- 飲み水の交換
- トイレとケージの掃除
- 砂浴び場の手入れ
また、1年に1度は健康診断のために病院に連れていってあげてください。病院に連れていく頻度が高くてもチンチラのストレスになってしまいますが、病気の早期発見のためにも健康診断は大切です。
チンチラの飼いやすさ
チンチラは、砂浴びをするため、基本的にブラッシングの必要はありません。十分な砂浴びをしていれば、ふわふわとした艶のある毛と健康的な皮膚を保てます。
また、他の小動物と比べて臭いが少ないため、普通に過ごすにはあまり気にならないのも飼いやすさのひとつです。草食動物でフンに含まれるタンパク質が少ないのも臭いが少ない理由になります。
チンチラは体が小さく、犬や猫に比べて飼育のスペースを取らないため、あまり大きな家でなくても飼えます。
チンチラの年齢を人間換算すると何歳?
チンチラの年齢を人間の年齢に置き換えてみると以下のとおりです。
チンチラの年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1歳 | 12~13歳 |
2歳 | 20~21歳 |
3歳 | 22~26歳 |
4歳 | 27~31歳 |
5歳 | 32~36歳 |
6歳 | 37~41歳 |
7歳 | 42~46歳 |
8歳 | 47~51歳 |
9歳 | 52~56歳 |
10歳 | 57~60歳 |
11歳 | 61~64歳 |
12歳 | 65~68歳 |
13歳 | 69~72歳 |
14歳 | 73~76歳 |
15歳 | 77~80歳 |
1歳で人間の12~13歳、2歳で20歳前後、それ以降1年毎に4歳ずつ歳をとっていきます。
大体8歳前後から老化の兆候が見え始め、10歳前後になると人間でいう還暦の年齢になります。
チンチラも老化すると運動能力や食欲の低下といった変化が見られるため、年齢を一つの指標とし、食生活や運動習慣などのお世話の見直しを行っていくことが必要です。
チンチラの平均寿命
チンチラの平均寿命はおおよそ10年~15年で、比較的長寿です。他のペットとして飼われるげっ歯類と比べた表が以下のとおりです。
動物名 | 平均寿命 |
---|---|
チンチラ | 10~15年 |
モルモット | 5~7年 |
ハムスター | 1~3年 |
犬・猫 | 10~15年 |
上記のとおり、チンチラは他のげっ歯類と比べても寿命が長く、犬や猫と同じくらい長生きする動物です。
また、現在では動物医療が発達していることや、チンチラがペットとして飼われることが多くなったことから、20歳を超えて生きる個体も存在しています。
ちなみにチンチラの最長寿命は29歳229日で、ギネス記録にも登録されています。
チンチラの飼育にかかる費用の目安
チンチラを飼いたいけれど実際にどのくらいの費用がかかるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
チンチラの飼育にかかる初期費用の目安としては主に以下です。
項目 | 金額 |
---|---|
ケージ | 15,000円~ |
寝床になる小屋 | 3,000円~ |
フード入れ | 1,000円~ |
水飲み場 | 1,000円~ |
砂場 | 2,000~5,000円 |
快適な住処を作ってあげたい場合は回し車やステップなどを購入すると、大体3万~5万ほどかかります。
また、これ以外にもおやつや光熱費といった月額でかかってくる費用もあります。
- えさ・おやつ代:2,000円~
- 光熱費:5,000円~
- 医療費:5,000円~
チンチラを迎える場合は、初期費用や月額費用について把握し、責任を持って育てていけるか再確認しましょう。
年齢が高いチンチラを長生きさせるために必要なこと
チンチラは比較的寿命が長い動物ですが、チンチラを飼う際にはいくつか注意点があります。
ここからは、チンチラを長生きさせるための生活や食事について解説していきます。どれもチンチラを健康的に長生きさせるために必要なため、必ずチェックしておきましょう。
牧草を中心とした食事を意識する
チンチラを飼う際には、牧草を中心とした食事を心がけましょう。チンチラはげっ歯類のため、歯が伸び続けます。
そのため、硬い牧草を主食として与えて咀嚼回数を増やし、歯を削って適切な長さに保つことが必要です。
歯を削らないと不正咬合(ふせいこうごう)という病気の原因になるため、主食には必ず牧草を与えましょう。
また、チンチラはペレットや野菜、果物なども好きですが、あげすぎると牧草に興味を持たなくなるため、おやつ程度としてあげるのが良いでしょう。
適度に運動させる
チンチラは運動能力が高く走り回ることが大好きなため、毎日の運動は欠かせません。
もともと岩場に生息しており、跳躍による上下運動も得意なため、ゲージはできるだけ広く、背が高いものを選びましょう。
また、ゲージの中だけで遊んでいると、退屈でストレスを感じてしまう要因になるため、できれば1日30分程度部屋の中を自由に散歩させる機会を作りましょう。
ただし、チンチラは好奇心旺盛で、コンセントなどを噛んでしまう場合があるため、部屋で散歩させる時にはチンチラから目を離さないでください。
砂浴びをさせる
チンチラ特有の習性として砂浴びを行うため、1~2日に1回は砂浴びをさせましょう。
チンチラが砂浴びを行う目的として、「被毛を綺麗に保つ」ことが挙げられます。
チンチラは「ラノリン」という皮脂を皮膚から分泌しています。このラノリンを定期的に除去しないと、チンチラの被毛は油で湿っていき、汚れやごみなどが付着していきます。
そのため、毛並みを整え被毛を綺麗に保つためにも砂浴びをさせてあげましょう。また、砂浴びにはリラックス効果もあり、チンチラのストレス解消にもつながります。
睡眠時間を確保する
チンチラは基本的に夜行性で、昼間は寝ていることが多い動物です。
平均的な睡眠時間は1日12時間程度で、まとまって寝ているのではなく、こまめに寝たり起きたりを繰り返していることが特徴です。
睡眠はチンチラの健康にとって大切なため、寝ているところを無理やり起こすことは避けましょう。チンチラと遊びたい場合は活発になる夜間がベストです。
ただし個体により、飼い主様の生活リズムに合わせて昼行性になる場合もあります。
気温や湿度に気を配る
チンチラを飼う際には、気温や湿度を一定に保ちましょう。チンチラが生活するために適切な気温は20℃前後で、湿度は40%未満だと言われています。
チンチラは周囲の環境の変化に敏感なため、気温の調整次第では体調を崩す原因にもなりかねません。
また、高温多湿な日本でチンチラを飼育する場合は、気温や湿度の高さにより熱中症や脱水症状を引き起こす可能性があるため特に注意が必要です。
そのため、エアコンや除湿器などで、チンチラにとっての適切な気温・湿度を常に保ちましょう。
チンチラがコード類をかじらない対策をする
コンセントにつないだままのコードをかじってしまうと、口の中を火傷する恐れがあります。感電により、呼吸困難に陥ったり、脳や心臓に後遺症が残ったりして、最悪の場合、死に至るかもしれません。
また、コードの中の金属をかじることで不正咬合の原因となる恐れがあります。コードをケーブルボックスに入れたり、コードカバーを取り付けたりして、チンチラがかじらない対策をしましょう。
誤飲につながるものは置かない
チンチラは好奇心旺盛なので、誤ったものを飲み込んでしまい食欲不振や腸閉塞を起こす可能性があります。特に、以下のものは窒息の原因にもなり、大変危険です。
- スポンジ
- ゴム
- ビニール
食欲不振を起こしても喉元で詰まらない限り分からないことが多く、1週間程度経ってから症状が現れることもあります。誤飲して何も変化がなくても、しばらくは注意深く見てあげましょう。
チンチラは異物を胃の中で食い止めますが、腸まで異物が入ってしまった場合、腸閉塞を起こします。
紙を少し飲み込んでしまった場合は大丈夫ですが、異物が少しずつ溜まります。数ヶ月~数年で腸閉塞を起こす場合もあるため、異変を感じたらすぐに病院へ連れて行ってあげてください。
チンチラは嘔吐ができないため、気分が悪くても吐いて異物を出してラクになれません。運動やスキンシップなどでケージの外に出す際は特に注意しましょう。
年齢の高いチンチラがかかりやすい病気
人間と同じで、チンチラも高齢になればなるほど免疫力が下がり、病気を起こしやすくなります。以下では、年齢が高くなるとかかりやすい病気をいくつか紹介していきます。
高齢になってからは特に注意してお世話してあげ、チンチラが少しでも長生きするために最適な環境を整えてあげましょう。
下痢・便秘
チンチラは年齢が上がるにつれ、腸の動きが鈍くなり、下痢や便秘を起こしやすくなります。
下痢は、主にエサが原因ですが、まれに感染症が隠されている場合もあります。高齢になるとあごの筋力が落ち、固いものを好んで口に入れない傾向があります。
しかし、一気にやわらかいエサに変えてしまうと体がびっくりして下痢を起こしてしまうことがあるため、変える場合は様子を見ながら少しずつ変えてあげると良いでしょう。
チンチラは高齢になると便秘が多くなります。健康な状態だと1日に1〜2回排便しますが、歳をとると2日に1回ほどになることも珍しくありません。食物繊維の多い食材を与え、腸内にガスが溜まらない工夫をしてあげましょう。
熱中症
チンチラは暑さに弱く、28℃を超えると熱中症の危険があります。高齢のチンチラは重症化しやすいため、注意が必要です。
熱中症を引き起こすと食欲減退や息切れといった症状が現れ、ひどくなるとけいれんを起こすかもしれません。一命を取り留めても脳に後遺症が残ってしまう可能性があります。
夏であっても室内の温度を25℃以下、湿度を40%以下に保ち、チンチラが暮らしやすい環境を整えてあげましょう。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌というカビにより、生じる皮膚病のことを言います。
免疫力が弱い赤ちゃんや高齢のチンチラに多く見られます。ストレスが溜まっているときや不衛生な環境で生じやすい病気です。
顔まわりや頭部、四肢に円形の脱毛が見られることが特徴です。他にもフケが出てきたり赤斑が認められたりします。
薬を使えば治りますが、再発する可能性もあり、感染力が非常に強く人間にも感染するため、しっかりと掃除をして衛生的な環境をつくり、予防に努めましょう。
チンチラは比較的長生き!大切に育ててもっと一緒にいよう
チンチラは他の小動物と比べて比較的長生きであり、大切に育ててあげるともっと長い間一緒に居られます。
チンチラの飼育にはいくつか注意点がありますが、年齢に合った生活環境を整えてあげることが大切です。
現在のチンチラの年齢を正確に把握し、年齢に合った生活を送れる環境にしてあげましょう。
また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っているペットたちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。
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