カメレオンは、鮮やかな身体の色が人気で、ペットとして飼育される方も増えています。しかし、飼育が難しいと言われているため「長生きさせる飼育方法はないだろうか」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、カメレオンの寿命や飼育方法について解説していきます。カメレオンが寿命を迎えているサインも説明するため、ぜひ参考にしてください。

カメレオンの寿命はどれくらい?

カメレオンの寿命はどれくらい?

カメレオンの寿命は、種類により異なります。一般的に、5年から8年程度と言われています。ただし種類による差が大きく、10年以上生きる種類もあれば、5ヶ月程で亡くなってしまう種類もあります。

寿命が長いカメレオン

寿命が長い種類のカメレオンは以下のとおりです。

エボシカメレオン

アフリカ大陸中部と東部に分布するカメレオンです。全長はオスで45~55cm、メスで35~45cmほどの大きさで、寿命は5〜8年と言われています。

パーソンカメレオン

パーソンカメレオンは、アフリカ大陸南部に生息しています。全長はオスで30~35cm、メスで25~30cmです。10〜15年ほどで寿命を迎えます。

ヤマカメレオン

カメルーンに生息するカメレオンで、オスは2本の角を持ちます。オス同士の争いで武器として使います。

大きさは約15cmほどです。約10年で寿命を迎えます。

寿命が短いカメレオン

一方で、以下の種類のカメレオンは寿命が短いと言われています。

ラボードカメレオン

ラポードカメレオンは、全長25cm程度の種類で、カメルーン南部に生息するカメレオンの一種です。標高1,500~3,000mの山岳地帯の森林に生息しており、主に昆虫や小動物を捕食します。

3ヶ月ほどで繁殖が可能となり、終わると死を迎えます。寿命は約5ヶ月です。

コノハカメレオン

コノハカメレオンは、アフリカ中東部に生息しています。体長は5cm程度の小型のカメレオンです。コノハカメレオンの体色は枯葉に擬態できるため、環境や気分により変化し、周囲の環境に溶け込めます。寿命は3〜4年です。

カーペットカメレオン

体長はオスで25~30cm、メスで15~20cm程度で、中型のカメレオンに分類されます。カーペットカメレオンの特徴は、模様です。メスは妊娠時に、黒地に白や赤、黄色等の色彩が複雑で細かい模様になり、大変美しい種として知られています。寿命は約1年です。

カメレオンについて

カメレオンについて

身体の色を環境に合わせて変化させることは、カメレオンの特徴のひとつです。

カメレオンはどうして体の色を変えられるのか、不思議に思う方もいるでしょう。以下では、カメレオンの生活環境や変色について解説します。

カメレオンの生活環境

ほとんどのカメレオンは樹上棲で、主にアフリカ大陸本土とマダガスカルに生息しています。熱帯雨林やサバンナなどの温暖な気候であれば、どこにでも住むことが可能です。

エボシカメレオンは足先が二股に分かれており、木の枝や葉をしっかりとつかみます。そのため、木の上を器用に移動することが可能です。

カメレオンの変色について

カメレオンの変色は、皮膚にある色素細胞が変化することによるものです。

カメレオンは、本来の体色が存在しない生き物です。敵から逃れ、獲物を捕食するために、周りの環境に合わせて体色を変化させていると言われています。

カメレオンは、死ぬときも周りの土地と同じ色に変色したり、黒ずんだ灰色になったりします。

カメレオンが寿命を迎えているサイン

カメレオンは種類により、寿命が3年以内と短命な生き物です。以下では、カメレオンが寿命を迎えているサインについて説明します。病気によるものかもしれないため、早めに動物病院で診察を受けましょう。

体色の変化

カメレオンは、周囲の環境に合わせて体色を変化させる能力があります。しかし、寿命が近づくと、体色がくすんだり、暗い色に変化したりすることがあります。また、本来の体色に戻りにくくなることも特徴です。

食欲の変化

カメレオンが健康なときは活発に餌を食べます。しかし、寿命が近づくと、食欲が落ちて、餌を食べる量が減ったり、食べ物を吐き出したりすることが多くなります。普段から、食べ物を食べている様子や量をしっかり確認しましょう。

活動性の低下

カメレオンが元気なときは活発に動き回ります。しかし、寿命が近づくと、動くことが億劫になり、じっとしている時間が増えます。また、餌を探しにいくことも少なくなるでしょう。

時々飼育ケースを確認し、カメレオンが動いている形跡が残っているか確認してみても良いでしょう。

握力の低下

カメレオンは、木の枝や飼い主の手にしっかりとつかまります。しかし、寿命が近づくと、握力が弱くなり、枝から落ちたり、飼い主様の手から滑り落ちたりするかもしれません。

寿命が近づいてきたタイミングで木の枝を低い位置に設置し直したり、レイアウトを変えてみたりしましょう。

目を閉じてじっとしている

カメレオンは、通常、周囲の様子を見るために目を閉じることはほとんどありません。しかし、寿命が近づくと、目を閉じてじっとしている時間が長くなります。また、長時間眠って見えることも特徴です。

カメレオンの寿命を短くする怪我や状態

カメレオンの寿命を短くする怪我や状態

バランスの良い食事を与え、定期的に健康診断を受けていても、怪我や病気により寿命が短くなるかもしれません。

以下では、カメレオンの寿命を短くする可能性のある怪我や状態についてご紹介します。

火傷

カメレオンは、温度や湿度などの環境が適切でないと、火傷を負うことがあります。火傷は、カメレオンの皮膚や体内に深刻なダメージを与え、感染症や死亡につながるかもしれません。

火傷を予防するためには、飼育環境の温度や湿度を適切に保つことが大切です。また、カメレオンが加熱器やライトに近づきすぎない環境にしましょう。

マウスロット

マウスロットは、カメレオンの口腔内や歯茎に感染症が起こる病気です。餌を与えるときにカメレオンの口腔内に傷がついたり、歯が折れたりすることで発症します。

マウスロットは、以下の症状を引き起こします。

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 口臭

重症化すると、カメレオンが餌を食べられなくなり、栄養失調や死亡につながるかもしれません。

マウスロットを予防するためには、餌を与えるときにカメレオンをしっかりと押さえ、スムーズに食事を促しましょう。また、餌は、カメレオンが簡単に噛みちぎれないものを選ぶと良いでしょう。

カルシウム不足

カメレオンは、カルシウムを骨や歯の形成、筋肉の収縮などに必要としています。カルシウム不足になると、骨が弱くなり、骨折や脱臼などの怪我をしやすくなります。また、繁殖や脱皮障害を引き起こすかもしれません。

予防するためには、カルシウムが豊富に含まれる餌を与えることが大切です。また、カルシウムサプリメントを併用することもおすすめです。

落下

カメレオンは、木の枝や飼育ケースから落下することがあります。落下は、骨折や脱臼などの怪我を負う原因となります。また、頭部への落下は、脳損傷や死亡につながるかもしれません。

落下を予防するためには、飼育ケースに十分な高さの枝や岩を設置し、カメレオンが落下しても安全な場所を確保しましょう。また、飼育ケースの扉や蓋は、カメレオンが開けられないものにしましょう。

脱水

カメレオンは、脱水に弱い動物です。脱水になると、以下の症状を引き起こす可能性があります。

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 脱力

重症化すると、死亡につながる可能性があります。

脱水を予防するためには、飼育ケース内の温度と湿度を適切に保ち、カメレオンがいつでも水を飲める環境にしましょう。また、餌に水分を多く含む昆虫や果物を与えることも効果的です。

カメレオンが寿命よりも長生きする飼い方

カメレオンが寿命よりも長生きする飼い方

大切なペットであるカメレオンとなるべく長く一緒にいたいと、多くの飼い主様が思うでしょう。以下では、カメレオンが長生きする飼い方について説明します。

バランスの良い餌と水

カメレオンは、コオロギやゴキブリなどの動く餌にしか興味を示しません。そのため、生きた虫を与えましょう。

また、カメレオンは雑食です。栄養強化のため、冷凍保存されているピンクマウスをピンセットで動かしながら与えてください。

水も水入れからは飲まないため、定期的に霧吹きでゲージの中を濡らして、カメレオンが水分を補給できる環境にしましょう。

適切な室温管理

カメレオンは、もともと熱帯に生息していた寒さに弱い生き物です。そのため、温度管理は十分に注意が必要です。

具体的には、ゲージ内の温度を25℃から30℃に保つことをおすすめします。夜間でも20℃程度で管理されていると安心です。また、ゲージ内に日光浴用のライトを設置して、紫外線を浴びられるレイアウトにすると良いでしょう。

なるべく触れない

カメレオンはストレスに弱いため、配慮が必要です。必要な時以外はゲージで飼育し、触らないことを心がけてください。

もし、触れる必要がある場合は、カメレオンが落ち着いている時にしましょう。

メスに関しては産卵で寿命が短くなる

カメレオンは種類にもよりますが、1回で50個程の卵を産みます。もともとストレスに弱いことに加え、産卵に体力を使うため、オスよりもメスの方が短命です。

過度にペアリングを行うと、かえってカメレオンの寿命を縮めてしまうため、注意してください。

飼育ゲージを高い位置に置く

カメレオンは木の上に生息する生き物のため、対象を見下ろす位置にゲージを置いておくとストレスを溜めません。

飼育ゲージは、高さが60cm以上あるものを購入すると安心です。ゲージ内にも高めの登り木を配置しましょう。

オスの多頭飼育はしない

カメレオンは神経質な性格の個体が多く、基本的には単独飼育が推奨されています。特にオスのカメレオンは、別のオスがいると喧嘩をはじめてしまいます。

ケガの原因になるため、複数のカメレオンを飼育したい場合は単独の飼育ゲージで飼いましょう。お互いが視界に入らない工夫が必要です。

こまめにゲージを掃除する

カメレオンは生きたコオロギやゴキブリなどの虫をエサにします。しかし虫には、サルモネラ菌をはじめとする複数の菌が潜んでいるかもしれません。

カメレオンは、ストレスが原因で免疫力が低下しやすく、病気にかかりやすいと言われています。感染症予防のために、こまめにゲージを掃除しましょう。

カメレオンならではの病気に注意

マウスロットは、エサである生きた虫が口の中で暴れ、口腔内に傷がつくことで発症する、虫をエサにするカメレオン特有の病気です。

また、日光不足によるくる病や、木の枝で目に傷がつく角膜損傷にも注意しましょう。病気を飼い主様が早期発見できず、悪化させて死なせてしまうケースは少なくありません。

カメレオンは火葬できる?

カメレオンは火葬できる?

カメレオンが亡くなった場合、火葬してお骨を残したいと思われる飼い主様もいらっしゃるでしょう。

カメレオンは火葬してお骨を残せます。しかし、カメレオンをはじめ、爬虫類のご遺骨は小さいため、個別火葬をおすすめします。

火葬方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

参考:ペット火葬業者の選び方と火葬プラン|安心して任せられる業者を選ぼう

全てのペット業者がカメレオンの火葬に対応しているわけではありません。事前に確認しておきましょう。

カメレオンが寿命を迎えるまで大切に育てよう

カメレオンは飼育が困難です。そのため、多くの飼育初心者は、長生きさせられず死なせてしまいます。カメレオンを上手に飼育するためには、飼育環境を整えてカメレオンの様子をよく観察しましょう。場合により、獣医師や飼育経験者に相談することも大切です。

また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っているペットたちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。

COCOペットでは犬などのペットの火葬を承っております。24時間365日ご予約やお問い合わせを受付中です。どうぞご気軽にご相談ください。