「大切なペットとの突然の別れには、キチンと葬儀を行いたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
キチンと送り出したい気持ちとは裏腹に、ペット葬儀のマナーが分からず不安を抱えている人は多いものです。
本記事は、最愛のペットの最期をしっかりと送り出すために、ペット葬儀のマナーを紹介していきます。堅苦しいマナーは必要ありません。何より大切なのは、ペットを思う気持ちです。ぜひ、ご一読いただき、不安を払拭してください。
目次
ペット葬儀の流れ
まずは、一般的なペット葬儀の流れを見ていきます。
体勢を整え安置する
亡くなってから数十分後には硬直が始まってしまうため、できるだけ早く両肢を揃え、楽な姿勢に整えてあげましょう。
いつも使っていたペット用ベッドやクッションなど、お気に入りの場所に安置するのが良いでしょう。
ペット葬儀会社に連絡
ペットの最期を看取ったら、まずは葬儀会社に連絡を入れます。亡くなった後の段取りについては、基本的には全てお任せで大丈夫です。
なお、ペットが亡くなってから数時間経つと硬直が始まります。そのため、なるべく早めにきれいな姿勢に整えて安置しておいてあげることも大切です。硬直が解けると体液が出てくる可能性があるため、下に新聞紙やペットシーツなどを敷いてあげると良いでしょう。
スタッフと打ち合わせ
葬儀会社のスタッフと打ち合わせを行い、プランの説明・選定や火葬を行う日取りを決めます。
ご納棺し、葬儀を執り行う
葬儀会社がお花を届けたり、納棺したりします。希望する場合は葬儀を行い、ペットと最期のお別れをします。目安としては、10〜30分ほどです。
出棺・火葬
出棺し、火葬を行います。訪問火葬の場合、所定の場所に到着しだい火葬が行われます。ペットの大きさにより火葬時間は異なりますが、小動物であれば30分〜1時間程度、25kgを超える特大犬などになると2〜3時間ほどかかります。
▽火葬時間の目安
区分 | 目安時間 |
極小動物(ハムスター等々) | 30分~1時間程度 |
小動物(爬虫類など、1kg~2kg以下) | 30分~1時間程度 |
うさぎ | 30分~1時間程度 |
猫 | 1時間程度 |
小型犬(2kg~5kg未満) | 1時間程度 |
中型犬(5kg~15kg) | 1時間~1時間30分程度 |
大型犬(15kg~25kg) | 1時間30分~2時間程度 |
特大犬(25kg以上) | 2時間~3時間程度 |
ご収骨・ご返骨
火葬が終了したら、ペットのお骨を骨壺に納めます。その後はペット霊園の納骨堂や合祀墓(ごうしぼ)で供養してもらうか、自宅に持ち帰ります。
ご供養
葬儀後の供養は、ペット霊園で四十九日法要を行ったり、自宅で仏壇を設けて行ったりします。ペットに宗派は関係ないため、特に決まりはありません。
なお、飼っていたペットが犬だった場合、自治体・役所に届け出る必要があります。これは狂犬病の予防という観点から義務付けられており、亡くなってから30日以内に対応する必要があります。
ペット葬儀の種類
一言でペット葬儀と言っても、様々な種類があります。まずは、葬儀の種類やその場所を確認しましょう。
合同火葬
合同火葬は、ペット火葬業者にペットをお預けし、他のペットたちと一緒に火葬し、供養するプランです。
火葬担当スタッフが専用のペット火葬車にてご自宅等へお伺いし、ペットをお預かりします。その後、合同火葬から供養まではペット火葬社が責任を持って行います。
返骨はされないですが、費用を抑えたい方や、時間がない方におすすめです。
一任個別火葬
人間が行う一般的な葬儀と同様に、個別で火葬を行います。ただし、火葬、お骨拾い時には立ち会うことが出来ず、葬儀場のスタッフが対応します。後日、お骨を受け取りに行くか、自宅で受け取る形になります。
キチンと送り出してあげたいけど、どうしても葬儀の時間が取れなかったり、忙しかったりする飼い主様のための形式です。
なお、個別火葬の他に合同火葬という方法もありますが、他のペットと一緒に火葬するためお骨は拾えません。ペットのお骨を拾ってあげたいと考えているのであれば、形式は問わず個別火葬を選ぶ必要があります。
立会い個別火葬
人間と同様に、出棺から収骨までを行う、オーソドックスな形式です。飼い主様が立会いのもと行うことで、丁重にペットを弔えます。
一任個別火葬と比べても料金プランにさほど変わりはないケースが多いため、時間が取れるなら、立会い個別火葬がおすすめです。
なお、葬儀会社により、立会い個別火葬に加えてお花飾りのセットプランなどを設けているところもあります。なるべく盛大に弔ってあげたいと考えるのであれば、そういったオプションを利用するのも良いでしょう。
出張ペット火葬
火葬車という火葬炉を積載した専用車両が、ご自宅または指定された場所まで出向き、葬儀を行う形式です。時間や場所的に葬儀が難しい場合でも、思い出の場所で葬儀が出来ます。
ご家族に足が不自由な方がいる場合など、移動が制限されるご家庭にも重宝されています。
なお、出張する分の費用はかかるため、他のプランに比べると割高となります。
ペット葬儀の服装マナー
ペット葬儀は、大切なペットとの最後のお別れをする大切な儀式です。人間同様、故人への敬意を払い、周囲への配慮を忘れずに服装を選ぶことが重要です。以下では、葬儀の際の服装マナーを説明していきます。
革の素材を使った服装を避ける
革は殺生を連想させるため、ペットを失った方への配慮として避けるのがマナーです。特に、ペット霊園や人間と同じ場所で火葬する場合は、他の参列者への配慮も必要になります。
革製品は、以下のアイテムに使用されています。
- コートやジャケット
- ベルト
- バッグ
- マフラー
- 手袋
フェイクレザーであっても、本革と見分けがつかない場合が多いため、避けた方が無難です。
ペット火葬では、フォーマルな服装である必要はありませんが、Tシャツや短パンなどカジュアルすぎる服装も避けましょう。落ち着いた色合いの服装で、清潔感を意識することが大切です。
メイクやアクセサリーを控えめにする
人間の葬儀ほど厳格なルールはありませんが、悲しみを表現し、ペットへの敬意を表すために、落ち着いた装いを心がけることが大切です。
メイクは、ナチュラルメイクを基本に、派手な色のアイシャドウやチーク、口紅は避けましょう。アクセサリーも、シンプルなデザインを選び、華美なものは控えましょう。
服装は、喪服でなくても構いませんが、Tシャツや短パンなどカジュアルすぎる服装は避け、落ち着いた色合いの服装を選びましょう。喪服や平服を着用する場合は、フォーマル用のアクセサリーを身に着けるのが基本です。
アクセサリーは必須ではないため、迷った場合は何も身に着けずに参列するのが無難です。
香水や香りの強い洗髪料は避ける
他の参列者への配慮だけでなく、ペットに向けた線香の香りが分からなくなる可能性があるため、香水や強い整髪剤の使用は避けましょう。
また、普段、香りの強い柔軟剤を使っている方も、火葬に参列する際には使用を控えましょう。火葬は、自分だけでなく周りの方への配慮も大切です。ペットへの敬意と、周囲への思いやりを忘れずに、静粛な気持ちで火葬に臨みましょう。
場所別のペット葬儀のマナー
葬儀の種類や場所により正しい服装は異なります。後悔のないお見送りをするためにしっかり確認しましょう。
ペット葬儀専門の場所
ペット霊園などペット葬儀専門の場所であれば、基本的に服装は自由です。ただし、派手な服装や露出の多い服装、動物の毛皮がついた服などは避けましょう。
なお、友人・知人のペット葬儀に参列する場合は、黒を基調とした地味な服を着用することをおすすめします。ただし、人間の葬儀と同様に喪服を着用する必要はありません。
自宅での出張火葬
自宅での出張火葬であれば、特に周りの目もないため服装に決まりはありません。家族内でキチンと話し合っておけば十分です。一般的には、私服で済ませる方が大半です。
人間の葬儀でも使用する場所
人間の火葬施設に併設されている施設の場合、喪服を着ていくのが望ましいです。というのも、自分たちはペット葬儀のために訪れていたとしても、別の葬儀に参列している方からすればその事情は分からないからです。
非常識だと思われないためにも、喪服を着ていくのが無難です。周りへの配慮もして、後悔のない最後のひと時を過ごしましょう。
ペット葬儀の持ち物のマナー
ここでは、火葬の際に必要なものを確認しましょう。最低限、これだけ押さえておけば安心です。
数珠
持っていく場合は、人間と同様のもので良いでしょう。ただし、必ずしも持っていく必要はありません。
ハンカチ、ティッシュ
大切なペットとの最期のお別れのため、涙が流れてしまうこともあるでしょう。うっかり忘れないためにも注意してください。
ハンカチを持っていく場合は、白か黒のものがおすすめです。間違っても、派手な色のハンカチを持っていかないでください。
おやつやおもちゃ
ペットと一緒に火葬してあげたい、生前好きだったものを準備しておきましょう。
ただし、布団や衣類、お金、缶やビンなどは一緒に火葬することが出来ません。不安な場合は必ず、葬儀会社に問い合わせましょう。
お花
お花を持参する場合は、白やピンクなど色の薄いものが良いでしょう。ペットと一緒に火葬する際に、ご遺骨に色移りする危険性が低いからです。
ペットの写真
家族で一緒に撮った写真も火葬の際に一緒にしてあげると良いかもしれません。ただし、遺影として必要なこともあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、ここに挙げたものが全て必要というわけではありません。後悔が残らないお別れをするにあたって、必要だと思うものを持参しましょう。
ペット葬儀のマナーでよくある質問
初めてのペット葬儀で不安な方も多いため、よくある質問に回答します。
ペット火葬に宗派は関係あるのか?
人間のお葬式であれば、お焼香の作法は宗派により異なります。しかし、ペット葬儀には宗派は関係ありません。
そのため、ご家庭の宗派に合わせる形で問題ありません。なお、お焼香に迷ったら一回のみで大丈夫です。
細かい習わしを気にするよりも、大切なペットにキチンとお別れと感謝を伝えてあげることの方が重要です。
香典は必要か?
人により、意見は分かれますが、基本的には必要ありません。手持ち無沙汰になってしまうのであれば、気持ちとしてお花やお菓子を持っていくと良いでしょう。
あまり盛大なものを持っていくと、逆に飼い主様も気にしてしまうかもしれません。大切なのは、モノよりも気持ちです。
お骨上げのマナーは?
一つ一つ丁寧に骨壺に入れれば問題ありません。やり方が分からなくても恥ずかしいことではないため、スタッフの方に聞きましょう。
箸渡しのやり方や、喉仏についてなど丁寧に解説してくれます。
ペットの葬儀の日に仕事を休むのはマナー違反?
ペットが亡くなった時に仕事を休むべきかどうか悩む飼い主様は多くいらっしゃいます。ペット葬儀の日の仕事について、以下で解説していきます。
ペットは家族
「ペットが亡くなったくらいで仕事を休むなんて」という考えを持つ人もいるため、「大切に思っている存在を軽んじられたくない」「理解されないかもしれない」という不安を抱えるのは当然のことです。
ペットを家族と考える人にとって「ペットが亡くなったから仕事を休みたい」という気持ちは理解できるものであり、実際に多くの場合、周囲の理解を得られるでしょう。
しかし、周囲の理解を得られるかどうかは、職場や人間関係により異なります。周囲の理解を得られるかどうかは二の次にして、まずは自分の心と向き合い、大切なペットとの別れをしっかりと行うことを心掛けましょう。
正直に理由を伝えて休む
ペットが亡くなった時に仕事を休む場合、正直に理由を伝えて休むのも一つの方法です。
「大切な家族だから嘘をついて休みたくない」という気持ちは当然であり、周囲に理解してもらうことで、心の負担を軽減できます。
休む前に、きちんと理由を説明し、仕事に復帰する日程を伝えれば、周囲に心配をかけることもなく、スムーズに休みを取れるでしょう。
しかし、仕事が忙しい時期には、周囲の負担を考慮し、日程の調整など配慮が必要となります。場合により、半休や短時間勤務などの代替案も検討してみると良いでしょう。有給休暇をとるのも一つの手です。
マナーを守ってペットの葬儀に参列しましょう
今回は、ペット葬儀に関するマナーを紹介してきました。
あえて注意が必要なポイントを挙げるとすれば、人間と同じ火葬場を利用する際の服装は注意が必要です。それ以外は、特にこれといった決まりはありません。
しかし、明確な決まりがないからこそ、逆に困ることも多いかもしれません。
だからこそ、ペット葬儀においてはペットや家族の気持ちを大事にすることが重要なのです。ぜひ、大切なペットにたくさん感謝を伝え、後悔が残らない葬儀にしてあげてください。
とは言え不明点も多いと思うため、困ったときはお気軽にCOCOペットにご相談ください。