「ペットとお別れする際は、できるだけ心地良い環境を作ってあげたい」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ペットが亡くなった場合、最初にしてあげられることはご遺体を適切な箱や棺で安置してあげることです。

本記事では、ペット火葬に使う箱や棺などについて解説します。ペットの終活に向けて事前に必要なものを知っておきたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

ペット火葬に箱や棺は必要

ペット火葬の際は、箱や棺が必要です。箱や棺が必要な理由を解説します。

ご遺体をきれいに保つため

ペット火葬の際に箱や棺が必要なのは、ご遺体をきれいに保つためです。

箱や棺の中でご遺体を安置するとご遺体の保冷効果が高まり、保冷剤の冷気を逃げにくくできます。

また、ご遺体からは時間が経過するとともに体液が出てきますが、箱の中で安置すると外に体液が漏れず汚れを防げます。

ご遺体をスムーズに運べる

ご遺体を火葬場所まで運ぶ際に、箱や棺があるとスムーズです。

棺であれば、そのまま火葬もできます。きれいな状態で火葬を行うためにも、箱や棺を利用して火葬場まで運んであげましょう。

ペット火葬でよく使われる箱や棺

ペット火葬でよく使われる箱や棺

箱や棺に使われている素材により、火葬で使用できるか異なります。ペット火葬でよく利用される箱や棺を解説します。

木材の箱や棺

ペット火葬では木製の箱や棺がよく利用されます。

木製の棺は、人間の棺と同様で小窓がついているものもあり、掛け布や敷布団がセットな場合もあります。

また、木製の箱や棺を選択する際は、留め具に金属が使用されているか確認しましょう。金属が使用されている場合、火葬の際に金属が残るためです。

火葬に適した段ボール

ペット火葬では、火葬に適した段ボール素材を使用しましょう。

段ボールは木製の棺や箱と比べて安価で手に入ります。しかし、通常の段ボールは、灰やススが飛びやすいです。そのため、普通の段ボールではなく、火葬できる特殊な段ボールを選びましょう。

ペット火葬にふさわしくない箱の素材

ペット火葬の際に使用する箱や棺には、ふさわしくない素材があります。

適していない素材にペットのご遺体を入れてしまうと、ご遺骨がきれいに残らないことも考えられます。

ペット火葬を行う際は、ふさわしくない箱の素材を理解して使用しないようにしましょう。

一般的な段ボール

一般的な段ボールは、実は火葬に向いていない素材です。

段ボールは、紙製で燃えやすいとお考えの人もいるでしょう。しかし、段ボールは黒色のススや白色の灰が火葬炉の外部に飛び散ったり、お骨についたりするため、お骨上げの際に不便なのです。

また、お骨に付着してしまうときれいにご遺骨が残らない恐れがあります。段ボールでも火葬に適した素材のものが販売されているため、火葬用段ボールを使用しましょう。

毛布

毛布やタオルなどの布素材も火葬にふさわしくありません。

布素材は、火葬の際に黒煙が発生したり、黒く燃えてお骨に付着したりする恐れがあります。ご遺骨をきれいに残したくても黒くなってしまうこともあるため、毛布やタオルなどの布素材は一緒に火葬しないよう気をつけましょう。

自宅でペット用の箱や棺を作る方法

ペット火葬で利用する箱や棺は購入しなくても自作できます。自宅でペット用の箱や棺を作る方法を解説します。

ペットが入る箱を用意する

ペットが入る箱を用意しましょう。

ペットが入ったとしても段ボールや火葬向きでない素材は火葬に向いていません。火葬時に燃えきれない場合や、ススや灰が飛び散る場合があり、ご遺骨がきれいに残らない恐れがあるからです。

火葬の際は、サイズだけでなく素材にも気をつけて箱や棺を選びましょう。

箱の底に布や新聞紙を敷く

箱や棺の底に布や新聞紙を敷きましょう。

ペットのご遺体からは時間の経過とともに体液がでてきます。体液で棺や箱の汚れを防ぐためにも、隙間なく棺の底に布や新聞紙を敷き詰めましょう。

保冷剤やドライアイスを入れる

箱や棺の中には保冷剤やドライアイスを入れておきましょう。

保冷剤を箱や棺に入れておくと、冷気を外に漏らすことなく冷却できます。ご遺体の腐敗を遅らせるためにも、箱や棺内は低い温度を保っておきましょう。

適切な場所で安置する

ペットを箱や棺に入れたら、直射日光を避けて涼しい場所に安置しましょう。

安置する場所の温度はなるべく低めに設定しておくことで、腐敗を防げてきれいな状態でお別れできます。

ペット火葬の箱に入れてあげるべきもの

ペット火葬の箱に入れてあげるべきもの

ペット火葬の際は、箱や棺の中に思い出を一緒に入れて火葬してあげられます。入れてあげるべきものを解説します。

ペットが好きなおやつ

ペット火葬の際は、ペットが好きだったおやつを箱や棺に入れてあげましょう。

ペットが大好きだったおやつを入れると、天国でも幸せに、好きなものに囲まれて過ごすことができるでしょう。おやつを入れる際は容器から少量取り出して、ティッシュなどに包んで口元に置いてあげましょう。

手紙

棺の中には、手紙を入れる方も多いです。

これまでの思い出や言葉では伝えられない感情、これからの幸せについてなど、自分の気持ちを整理するためにも手紙は最適です。最後に感謝の気持ちを伝える手段として、手紙に想いを綴ってみましょう。

お花

大切なペットを天国へ見送るために、お花を入れてあげると箱や棺を華やかにしてあげられます。

ペットとの思い出の花やペットのイメージに合う花を選んであげるとペットも喜ぶでしょう。しかし、濃い色の花を選ぶと、ご遺骨に花の色が移ってしまうため、できるだけ薄い色のお花を選択してください。

ペット火葬で箱以外に必要なもの

ペット火葬の際は、悔いなくお別れするために箱や棺以外に必要なものが3つあります。

数珠

ペット火葬の際は、人間のお葬式同様に合掌礼拝が行われます。そのため、ペットに最後のお別れをするためにも数珠を持参しておくと良いでしょう。

ペット葬儀で利用する数珠は、人間の葬儀で利用する数珠と同じでも問題ありません。使い分けたい方は事前に数珠を購入しておきましょう。

カメラ

ペット火葬の際、カメラを持ち込んでも問題ありません。火葬場でスタッフに声をかけ、許可を得たらスマホやお手持ちのカメラで最期の姿を納めてあげましょう。

最期の姿もペットとの大切な思い出のひとつです。後にペットとの思い出を見返せるように、カメラを持ち込むといいでしょう。

ペットの写真

ペット火葬の際は、生前のペットとの思い出の写真を持参しましょう。

ペットの写真を持参すると、お別れ会やお焼香の際にも飾れます。また、ペットの写真は箱や棺の中にも入れてあげられるため、ペットとの思い出や一番可愛く写っている写真を選んであげましょう。

ご遺体の火葬の流れ

ペット火葬をする際は、当日どのような流れで火葬されるか理解しておくとスムーズに対応できるでしょう。

ご遺体を火葬する流れは以下のとおりです。

ご遺体を運ぶ

まずは、依頼した葬儀場や寺院、ペット霊園など火葬を行う場所にペットのご遺体を持ち運びましょう。火葬業者のプランにより、ご遺体を自宅まで迎えに来てくれる場合もあるので、移動が不安な方は利用をおすすめします。

また、訪問火葬の場合は火葬車が自宅付近まで来てくれます。

合同火葬や一任個別火葬の場合、ご遺体のそばにいられるのはご遺体を引取してもらうまでのため、事前に十分に感謝の気持ちを伝えておきましょう。

読経などセレモニーを行う

ペット火葬では、人間のお葬式と同じように読経や焼香を行う場合があります。プランによりお別れの形は異なりますが、ご遺体を火葬する前にそばにいて感謝を伝えられる最後のチャンスです。

祭壇にお花を添えたり、今までの思い出や気持ちを伝えたり、ペットが安心して天国へ向かえるようにしてあげましょう。

また、プランによりセレモニーは行われないこともあるため、事前に確認しておきましょう。

火葬する

読経や焼香を終えたら、最後のお別れをしてペットのご遺体を火葬します。
体が小さいペットの場合、火葬時間30分〜1時間、体が大きいペットの場合は1〜2時間程度かかります。
火葬中は別室で待つか、訪問火葬の場合は自宅で待つと良いでしょう。

お骨上げする

ペットのご遺体の火葬を終えれば、飼い主様によりお骨上げが行われます。
万が一、ご遺骨を拾うのがつらいという場合は、スタッフが代わりに行ってくれることがあるため事前に相談しておきましょう。

お骨上げ後は、骨壷を自宅に持ち帰ることができます。

火葬後の供養方法

ペットのご遺体を火葬した後は、ご遺骨を供養してあげることが大切です。

しかし、供養方法にも種類があり、飼い主様が手を合わせてあげられやすい方法を選ぶとペットも喜んでくれるでしょう。

火葬後の供養方法は以下のとおりです。

手元供養

手元供養とは、ペットのご遺骨を手元において供養する方法です。手元供養に方法や決まりは特になく、自由に供養してあげられる点でも人気です。

しかし、自由度が高いからこそ何をしてあげれば良いかわからないとデメリットに感じる場合もあります。

また、飼い主様が入院したり亡くなったりしてしまうと、ご遺骨を供養する人がいなくなり、廃棄されてしまう恐れがあります。そのため、手元供養を行う際は、飼い主様がいなくなった際にどのように供養するかまで考えておくことが大切です。

ペット霊園に納骨する

納骨とは、お墓や納骨堂にご遺骨を納める供養方法です。
ペット霊園に納骨すると永代供養を選択でき、子孫がいなくても永代にわたり法要してもらえます。そのため、飼い主様がいなくなった後にペットのご遺骨を供養してもらえるか心配な方は、永代供養を選ぶと安心です。

またペットのご遺骨を納骨すると、ペットロスを軽減できる傾向があります。ペットの死を受け入れてられるようになるため、ペットロスに陥っている方も納骨して気持ちを整理すると良いでしょう。

散骨

散骨とは、ご遺体を粉骨して海や森などに撒く自然葬です。散骨は、宗教や宗派に関係なく誰でも行なえます。

しかし、公共の場所や散骨が禁止されている場所に散骨すると、廃棄物処理法にあたりトラブルに発展する恐れがあります。

また、散骨の際は、一度ご遺骨を粉末状に砕かなければいけないため、ご遺骨が手元に残ることはありません。ご遺骨を手元に残したいけれど散骨もしてあげたいとお考えの方は、ご遺骨の一部を残す「分骨」をした上で散骨しましょう。

ペットを適切な箱や棺に入れて送り出してあげよう

本記事では、ペット火葬で使用される箱や棺が必要な理由、作り方などについて解説しました。

ペット火葬の際は、ペットをきれいに安置してお別れするためにも箱や棺に入れてあげましょう。また、箱や棺の中にはペットとの思い出の物やおやつなどを入れてあげると悔いのないお別れができるでしょう。

ペット火葬で利用する箱や棺にお悩みがある場合は、火葬業者に相談すると良いです。

COCOペットでは、24時間365日ご相談に対応しています。さらに、COCOペットでは、お花とバスケット棺がセットとなったプランもご用意しております。ペットと悔いなくお別れするためにも、お気軽にご相談ください。