愛するペットが亡くなったあとは、「自宅近くにお墓を作り供養したい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、お墓を手作りすれば、一緒に過ごしてくれたペットへの感謝の気持ちにもつながるでしょう。
本記事では、ペットのお墓を手作りする方法のほか、必要な材料・場所の選定方法などを紹介します。
万が一の事態が起きた際、慌てないためにも、あらかじめ埋葬する場所や方法を知っておくと安心です。
目次
ペットのお墓を作る場所の選び方
ペットが亡くなったあとも自宅近くで供養したい場合、お墓の場所を考える必要があります。お墓を作る場所は、大きく分けて屋外と屋内の2つです。以下では、各場所を選定する際の注意点を見ていきましょう。
屋外の場合
ペットのご遺骨は自宅の庭など、自分の私有地内であれば問題なく埋葬できます。他人が所有する土地や山、公共の場所である河原や公園などに埋葬すると、不法投棄扱いとなるため注意が必要です。
また、賃貸住宅やマンションなどにお住まいの場合も、共同の庭などは他人の土地になり、管理者の許可なく埋葬できません。
自宅の庭に埋葬するときにまず大事なことは、ペットを埋葬できるぐらいの深く大きい穴を掘れるかどうかを確認することです。遺体をそのまま土葬するときは、穴の深さは1mくらい必要になります。
火葬された遺骨を埋葬するときは、穴の深さは30~50cmくらいが目安となるでしょう。穴が浅いと、ほかの動物に掘り返されたり、臭いが気になったりすることがあります。
また、簡単に人が入れそうな場所にお墓を作ってしまうと、大事なお墓を踏まれてしまうこともあるので気を付けましょう。さらに日当たり・水はけの良い場所を選ぶことで、雨水で土が流れる心配がありません。
屋内の場合
屋内にお墓を作る場合は、火葬されたご遺骨が入った骨壺を墓石と一緒にしてペットの仏壇代わりにする方法があります。
自宅内に飾れるペット専用の仏具も多く販売されていますので、思い出を残せるようなものを探してみましょう。そのほか、人間の仏壇にペットの骨壺を一緒に供養する方法もあります。
ペットのお墓を手作りするメリット
ペットのお墓を手作りすることは、飼い主様がペットに感謝を伝えられる供養方法の一つです。ほかにもメリットがあるため、以下で解説します。
管理がしやすい
お墓を手作りする場合、大抵は自宅の庭にお墓を作るため、いつでも手入れしてあげられます。そのため、管理がしやすいです。
ペット霊園でお墓を建てる場合、自宅から遠いとなかなか足を運んであげることもできず、その間手入れをしてあげることもできません。
しかし、ペットのお墓を手作りすると、毎日でも手を合わせてあげられ、管理もしやすいでしょう。
コストがかからない
ペットのお墓を作るコストがかかりません。ペットのお墓を手作りする際に、墓石や石灰・腐葉土など必要なものを購入する際にコストはかかりますが、一度購入すれば済むものばかりです。
一方、ペット霊園や納骨堂のお墓で埋葬すると、管理費が発生して毎年お金を払い続ける必要があります。
しかし、お墓を庭に作れば管理費は一切かからないため、できるだけコストを抑えて供養したいという方におすすめです。
毎日お墓参りしてあげられる
ペットのお墓を自宅に手作りすると、毎日お墓参りしてあげられます。
毎日お墓参りしてあげると、ペットのへの愛情や思い出を形として残してあげることができ、ペットとの絆も深まるでしょう。また、毎日お墓参りしてあげることで、ペットのことを忘れずにいられます。
日々の生活において、忙しさやストレスで疲れが溜まっている場合でも、お墓参りはペットとの時間を取り戻して、生前の思い出を振り替えられるでしょう。少しでもペットを近くに感じて、多くお墓参りしたいとお考えの方に特におすすめです。
ペットのお墓を手作りするデメリット
ペットのお墓を手作りしたいとお考えの方は、メリットだけでなくデメリットについても理解しなければいけません。
以下では、ペットのお墓を手作りするデメリットについて解説します。
お墓の手入れが必要になる
お墓を作ることは、天候や環境の影響を受けやすく、雨や風、太陽などの自然による要因がお墓に影響を与えて、土壌の侵食や石材の劣化などが起こる可能性が考えられます。
そのため、定期的な手入れとメンテナンスが必須です。
しかし、お墓の手入れには時間と労力がかかり、季節ごとに変わる天候条件により、お墓の状態は異なります。雨が多い季節であれば、水捌けを良くする対策が必要となり、乾燥する季節は土壌の乾燥を防ぐための対策をしましょう。
また、上記のような手入れをせずに放置してしまうと、お墓が不安定になり、崩れてしまう可能性があります。
お墓の崩れを防ぐためにも、お墓の定期的なメンテナンスをする必要があることを理解しておきましょう。
近隣トラブルに繋がる可能性がある
ペットのお墓を手作りすることは、場合により近隣トラブルに繋がる可能性が考えられます。
手作りされたお墓は、一般的に庭や敷地内など許可を得た場所に設置されますが、地域の土地利用規制や法規制に反している場合は、近隣住民や自治体とのトラブルに発展します。
また、お墓が近隣の人に見える場所に設置されている場合、ほかの住民に対して不快感を与えることもあります。
特に宗教的な差異や文化の違いがある場合は、近隣との人間関係に影響を与える可能性があるため要注意です。
さらに、お墓周辺の手入れが不十分であると、野生動物や害虫の発生などにより、近隣住民の迷惑になることもあります。
墓地の設置が他の住民により受け入れられていない場合は、事前に近隣住民に報告しておくことも大切です。
ペットのお墓を手作りするときに必要なもの
ペットのお墓を手作りする場合は、事前に必要なものを準備しましょう。以下で紹介するものは一例のため、どのようなお墓を作りたいのかイメージしてから材料をそろえてください。
墓石
墓石はペットのお墓の目印にもなる大切なものです。
墓石というと石でできたものをイメージする方も多いと思いますが、具体的には次のようなものが使われています。
- 市販のペット用墓石
- 石粉粘土で手作りした石像
- 金属・クリスタルなどのプレート
- 墓石代わりに樹木を植える
- 木や板
市販の墓石には水受けやお花が付いているもの、納骨できるタイプなどもあります。
また、墓石のなかには、ペットの名前や好きな言葉を刻めるものもあります。近年ではデザイン性が高いものも多く販売していますので、ペットを想いながら選んでみてください。
なお、木や板に油性マーカーで名前を書いて屋外のお墓に立てる場合は、経年劣化にも気を付けましょう。
腐葉土・石灰
腐葉土や石灰を使うとご遺骨が早く自然に還ります。ご遺骨の分解を早め、防臭効果・殺菌効果も期待できるので、ホームセンター・園芸店などで入手しましょう。
布・タオル
タオルや布はペットのご遺体を包む際に使用します。自然に還りやすい天然素材(綿・絹・麻など)のものを選びましょう。
お供え物
お花や線香、ペットが大好きだったおもちゃやおやつ、思い出の写真などをお供え物として一緒に飾るとお墓周りが華やかになります。
お花は生花も良いですが、枯れないプリザーブドフラワーのアレンジメントもおすすめです。
スコップ
穴を掘るにはスコップが必要です。土の質にもよりますが、大きな穴を掘ることになるため、丈夫なものを選びましょう。
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ペットのお墓を手作りする際に適している場所
ペットのお墓を作る場合、必要なものを用意するだけでなく埋葬に適した場所を探すことも重要です。
適した場所を知らずにお墓づくりをしてしまうと、お墓が劣化しやすくなる恐れもあります。
以下では、ペットのお墓を手作りする際に適している場所について解説します。
広さや深さを確保できる場所
お墓を手作りする際は、広さや深さを確保できる場所を探しましょう。
埋葬する場所が狭かったり、浅かったりすると、ご遺骨が豪雨や台風の影響を受けてしまう恐れがあります。また、野生動物にお墓を荒らされて、掘り返されるリスクも考えられます。
そのため、できるだけ広いスペースを確保するようにしてください。また、すぐに広い場所を用意できない場合は、公共の墓地やペット専用の霊園を利用することも検討しましょう。
上記の場所では、法的な問題が発生しづらく、管理やメンテナンスも定期的に行われています。
広い敷地を持つ方は、手作りのお墓でも問題ありませんが、すぐに用意するのが難しいという方は、公共墓地について調べておくといいでしょう。
水捌けがいい場所
水捌けの良さも、ペットのお墓を作る際は重要なポイントです。
水捌けの悪い場所にペットのお墓を建ててしまうと、豪雨の際にご遺骨が地上に出てくる可能性が考えられます。
しかし、水捌けがいい場所を選ぶと、雨水や雪による水の滞留を防ぎ、お墓周辺の土壌が侵食される、またお墓が崩れやすくなるリスクを最小限に抑えられます。
また、水捌けがいい場所は、雨や水がお墓周辺に残ることなく迅速に排水され、お墓周辺の植物やお花も健康に育ちやすくなります。
水捌けがいい場所を選ぶ際は、地面の傾斜や土壌の種類を考慮してください。傾斜がある場所は、雨水が溜まりづらく、水捌けがいい傾向にあります。
また、水捌けがいい場所は、土質からも判断可能です。水をかけてもすぐに吸収される、粘土質ではない土がある場所などは、お墓を立てる際に最適でしょう。
日当たりや風通しがいい場所
ペットのお墓を手作りする際は、日当たりや風通しが良い場所を確認しましょう。
ペットのお墓を日当たりが悪く、風通しが良くない場所に建てた場合、湿気が溜まりやすくなり、お墓にカビが発生する恐れがあります。
日当たりが良い場所では、お墓周辺の土壌を乾燥させてカビや藻の発生を防ぎます。また、風通しが良いと、湿気を運び、お墓周辺の乾燥を促進するため、お墓をきれいに保てるでしょう。
人の目が届く場所
ペットのお墓を建てる際は、家族の目に届きやすい場所に設置することも重要です。
普段出入りする場所や、人の目に付きやすい場所に設置すると、供養や定期的なメンテナンスを忘れることが少なくなります。
また、人が通る場所に設置しておくと、カラスや野良猫など、野生の動物に荒らされるリスクも軽減できるでしょう。
ペットのお墓を作る手順
ペットのお墓を作る際は、事前に手順を確認しておくことも重要です。以下からはペットのお墓を屋外に作る際の手順を解説します。
深い穴を掘る
まずは、スコップを使い、ご遺骨が雨風で流されないくらいの深い穴を掘ります。穴が浅いと臭いを察知したほかの動物に掘り起こされる恐れがあります。
また、ペットのご遺体が少しでも出た状態で埋葬してしまうと、天候の影響を受けてしまう他、近隣トラブルにも繋がりかねません。
トラブルを避けるためにも、ご遺体がしっかり埋まるくらいの深さの穴を掘りましょう。
ご遺骨を埋葬する
深い穴を掘ったら、穴の底に石灰や腐葉土を敷きましょう。石灰または腐葉土を敷いた上にご遺骨を安置しますが、火葬か土葬かによって埋葬方法が異なります。
火葬の場合は、土に還すため骨壺からご遺骨を出して埋葬しましょう。骨壺ごと埋葬すると、カビの発生を促してしまうことがあるためです。ご遺骨は綿や絹など自然に還りやすい素材でできた布・タオルなどで包んで埋葬します。
土葬の場合も自然に還りやすい布・タオルで遺体を包んでから埋葬しましょう。ペットの大きさに合わせて、布・タオルを準備してください。
その上から、さらに石灰や腐葉土を入れ、土をかけます。土の表面はスコップなどでたたいて固くし、掘った部分が時間経過とともにへこまないように高めに土を盛りましょう。
墓石を立てる
埋葬した場所がわかるように用意した墓石を置いてもよいでしょう。そのほか、お花や線香などお供えしたいものがある場合は一緒に置きましょう。
ペットのお墓を手作りする際の注意点
ペットのお墓を手作りする際は、ただ穴を掘ってご遺骨を埋めるのではなく、注意しておくべき点を理解した上で実行しなければいけません。
ペットのお墓を手作りする際は以下のポイントに注意しましょう。
所有地で埋葬する
ペットを手作りしたお墓に埋葬する際は、必ず所有地で行いましょう。持ち家でペットのお墓を立てる際は、特に問題ありませんが、賃貸住宅の場合はお庭があっても管理人に許可を得なければ埋葬できません。
万が一、所有地でない場所に埋葬すると、不法投棄に該当して法律違反になる恐れがあります。また、持ち家を持っている方の場合でも、今後引っ越しする予定がないかは確認しておきたいポイントです。
引っ越しが近い場合、ご遺骨を掘り返さないといけない可能性があります。そのため、自宅にご遺骨を埋葬する際は、今後ご遺骨を掘り返す可能性がないかを考えてから実施しましょう。
近隣トラブルに気をつける
ペットのお墓を手作りする際は、近隣トラブルに発展しないよう気をつけましょう。
ペットを埋葬する際は、土に還るまで数年以上時間がかかります。そのため、ペットを埋葬する際は、可能な限り火葬してご遺骨にしてから埋葬することをおすすめします。
また、埋葬の際は埋葬予定の場所に水道管が通っていないかを確認してください。水道管がある場所の近くに埋めてしまうと、環境汚染につながる恐れがあります。
ご遺体が土の中で分解される際は菌や虫などが発生するため、水質が汚染されます。さらに、菌や虫は土の中だけでなく外まで漏れるため、異臭による近所トラブルにも気をつけましょう。
ペットのお墓を手作りする以外の供養方法
ペット火葬後にご遺骨を供養する方法は、ペットのお墓を手作りする以外にもあります。 以下では、自宅でお墓を埋葬する以外の供養方法について解説します。
納骨
自宅に庭がない場合やマンションに住んでいて自宅での供養が難しい方は、ペット霊園などの納骨堂でご遺骨を納める方法がおすすめです。
ペット霊園の納骨堂は、仕切りが作られており、骨壷の周りに写真や生前好きだったおやつなどを飾ってあげられるスペースがあります。
また、永代供養がついている契約もあり、飼い主様一人で供養することが難しい場合でも安心してご遺骨を供養してあげられます。
散骨
散骨は、ご遺骨を粉状にして海や森に撒いて自然に還す供養方法です。粉状にすることで自然にも還りやすいため「自然葬」とされており、管理の必要もなく簡単にできることが特徴です。
散骨する際は、散骨が許可されている場所で行わなければいけません。万が一、他の人の私有地や禁止されている場所に散骨してしまうとトラブルに発展するため要注意です。
また、散骨は、ご遺骨を粉状にするため、手元に御遺骨が残ることはありません。手元からご遺骨を手放したくないという方は、ご遺骨の一部を手元に残す分骨をした上で散骨しましょう。
手元供養
手元供養は、ご遺骨をお墓に入れず自宅で管理する供養方法です。
ペット用の祭壇を購入すると簡単に仏壇を作ってあげられます。また、近年ではご遺骨をペンダントや、キーホルダーに入れて常にそばにペットを感じることができるグッズも販売されています。
肌見離さずペットのそばにいたい方に手元供養がおすすめです。
プランター葬
プランター葬は、家に庭がない人でも簡単にでき、プランターに埋葬して供養する方法です。
プランターを使った土葬であれば環境汚染のリスクも少なく、引っ越しの予定がある方も掘り返しの手間なく利用できます。
しかし、火葬せずにそのまま小動物を土葬する際は、異臭による近隣トラブルを防ぐために、石灰や腐葉土を敷いた上で埋葬しましょう。
適切にお墓を手作りしてペットとお別れしよう
ペットのお墓は自宅の庭であれば埋葬できるため、「ずっと一緒にいたい」「近くで供養したい」という方は目の届く場所に埋葬するとよいでしょう。また、お墓を手作りすると、ペットへの感謝の気持ちもきっと伝わるはずです。
自宅に埋葬する場合に注意しなければならないのが、引っ越しです。引っ越す際は庭に埋葬したペットは連れていけないことを念頭に入れておきましょう。
ペットのお墓を庭に作れない場合は、屋内にスペースを作って供養する方法もあります。ペット用のメモリアルグッズも充実していますので、理想にかなうものを探せます。
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