「大切な愛犬に長生きしてほしい」という想いは、飼い主様が共通して抱くものではないでしょうか。長生きのために、愛犬の健康管理に気を使っている方も多いと思います。

愛犬を少しでも長生きさせるには、適切な食事や運動だけではなく、スキンシップも効果的ということをご存じでしょうか。実はスキンシップには、愛犬の長生きにつながるさまざまな効果があります。

この記事では、スキンシップが大切な理由や効果的な方法を紹介します。

愛犬とのスキンシップが大切な理由

愛犬とのスキンシップが大切な理由

愛犬とスキンシップを取ることが、なぜ長生きにつながるのでしょうか。スキンシップが犬の長生きにとって大切な理由を、3つ説明します。

愛情ホルモンが出る

犬は本来群れで生活していた動物で、互いに触れたりなめたりしてコミュニケーションを取っていました。そのため、犬は飼い主とスキンシップを取ることで、愛情や絆を確認できるのです。

犬と人がスキンシップを取ると、「オキシトシン」という幸福感を得られるホルモンが分泌されます。オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、ストレスを軽減し免疫力を高める効果があるとされています。

病気やケガなどの異変に気付ける

愛犬の体に触れると、病気やケガなどの異変に気付きやすくなります。スキンシップの際は、健康チェックを意識して体を触るようにしましょう。

しこりや傷などに気付かず放置してしまうと、深刻な病気につながる場合もあります。異変に早く気付ければ、病気やケガが重症化する前に適切な治療を受けられます。

老化防止になる

老犬になると、徐々に寝ている時間が増えて体を動かす時間が減っていきますが、飼い主とスキンシップを取ると活動量が増え、筋肉が衰えにくくなります。飼い主とのコミュニケーションが適度な刺激になり、愛犬の脳や体の老化防止が期待できるでしょう。

スキンシップ不足だとどうなる?

「忙しくて愛犬と触れ合う時間がない」という方もいるかもしれません。しかし、スキンシップ不足は、犬の心身に悪影響をおよぼします。

愛犬とのスキンシップ不足が、どのように影響するかを見ていきましょう。

孤独感からストレスを感じる

スキンシップが不足すると、犬は孤独感から強いストレスを感じます。ストレスは免疫力の低下を引き起こし、さまざまな病気のリスクにつながります。

わかりやすい変化の例は、食欲の低下や皮膚炎、睡眠障害などです。愛犬の様子がおかしいと感じたら、スキンシップ不足によるストレスが原因かもしれません。

精神的に不安定になる

ストレスが続くと精神的に不安定になってしまい、攻撃的になって物を破壊したり、ケージに引きこもったりするなど、愛犬の行動に変化がみられます。

手や足を過剰になめる行為も、ストレスサインの一つです。悪化すると手足やしっぽを強く噛むなどの自傷行為につながることもあるので、注意が必要です。

愛犬が喜ぶスキンシップの方法3つ

愛犬が喜ぶスキンシップの方法3つ

愛犬とのスキンシップは、ただ撫でるだけではありません。効果的なスキンシップの方法を3つ紹介します。

テリントンTタッチ

テリントンTタッチとは、普段の撫で方とは違う形で優しくタッチする方法です。心身のバランスを整える効果があるとされています。

テリントンTタッチは、手のひらで優しく愛犬の体に触れ、円を描くように動かすのが基本です。筋肉や心の緊張をほぐして、リラックスさせる効果が期待できます。

プレイズタッチ

プレイズタッチとは、体の表面に優しく触れて、愛犬の心身をほぐす方法です。オキシトシンの分泌を促して心身を安定させることで、絆を深める効果があるとされています。

プレイズタッチには「大好き」と「おはよう」、「おやすみ」の3セットがあり、愛犬の全身に触れてケアをします。各セットには6~8種類があり、全身をさすったり手足を優しく包み込んだりといった動きで構成されています。誰でも、簡単に取り入れやすい手法です。

パッシブタッチ

パッシブタッチとは、愛犬の体に手のひらを優しく置くようにして触れる方法です。愛犬に安心感や温かみを与え、リラックスさせる効果が期待できます。

お腹や頭、背中など愛犬が触れられて喜ぶ場所に、力を抜いて手のひらを軽く置きます。犬と飼い主が互いの体温を感じ合い、安心した気持ちになれるでしょう。手のひらを置くだけなので、手軽に実践できるメリットがあります。

スキンシップする際の注意点

犬に対するスキンシップの大切さや方法を紹介してきましたが、実践する際には注意点があります。

犬の性格や状況によってはスキンシップを嫌がるうえに、触られてうれしい場所や嫌な場所も犬によってさまざまです。犬の気持ちを無視した過度なスキンシップは、逆にストレスを感じさせてしまう可能性もあるので注意しましょう。

スキンシップを取る際は、愛犬の様子をよく観察しながら、少しずつ慣れさせます。無理にスキンシップを取ろうとするのではなく、愛犬のペースを大切にしながら絆を深めてください。

まとめ

愛犬とスキンシップを取ることは、愛情ホルモンによる免疫力向上や健康チェック、老化防止などの効果があり、長生きにつながります。

テリントンTタッチやプレイズタッチ、パッシブタッチなど、より効果的に愛犬とスキンシップを取って愛情を深める手法もあります。すぐに実践できるので、愛犬の様子をみながら毎日のスキンシップに取り入れてはいかがでしょうか。