「猫の健康のためにどのような食品を選べばいいの?」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切な猫にいつまでも健康でいてもらうため、食事や食品に気を使っている方が多くいらっしゃいます。
猫に与えてはいけない食品、キャットフードやサプリメントの選び方についても気になりますね。
今回は、猫の食事のポイントを解説し、猫に与えても良い食品と絶対に与えてはいけない食品をご紹介します。猫の健康のために必要な栄養素などもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
知っておくべき猫の健康的な食事のポイント
はじめに、猫の食事について考えるときに知っておくべき基礎的な知識をお伝えします。
なるべく少量をこまめに与える
猫の食事は一気に与えず、少量をこまめに与えるのがポイントです。野生の猫の生態に起因しています。
野生の猫は狩りをしながら移動する生活をしています。狩りに成功できた時だけ食事をする生態であるため、飼い猫も一度に大量のご飯を食べない場合がほとんどです。
同様の理由から、猫は食欲にムラがあることも珍しくありません。猫の食事は「少量頻回」が理想です。最低でも1日2回に分け、可能であれば3~4回に分けると猫の食欲を維持できます。
肥満や塩分過多に注意する
現代の飼い猫の多くが肥満という問題を抱えています。特に塩分過多には、十分注意が必要です。心臓病や糖尿病、体重の増加による関節の病気にも繋がります。
肥満防止のためには、市販のキャットフードの裏に記載されている量を守ることが重要です。また、猫に人間の食べ物を与えないようにしましょう。人間の食べ物は味付けが濃く、塩分過多になりやすいです。
きちんと猫専用の食事を与え、栄養バランスや塩分量には注意を払うと良いでしょう。
基本は「総合栄養食品」が良い
猫の食事の基本は「総合栄養食」と記載のあるキャットフードです。「総合栄養食」は、キャットフードと水さえあれば必要な栄養がすべて補えるように設計されています。「総合栄養食」と書かれたフードを適切な量与えることが、猫の健康への一番の近道です。
飼い主様のなかには、手作りの食事を与えたい方もいるでしょう。しかし手作りの食事には、栄養学などの専門知識が必要です。一般の飼い主様が取り入れることは大変難しいと言えます。与えたい食材がある場合は、少量をキャットフードにトッピングする程度にとどめましょう。
猫に与えてもよい健康的な食品
人間の食品のなかで、猫に与えることのできるものをご紹介します。与える量には注意しながら、トッピングとして使用すると良いでしょう。
一部の野菜や果物
一部の野菜は、猫の健康にも良い食品です。ミネラルやビタミンなど、猫の健康に必要な栄養素が豊富に含まれています。また、野菜や果物は水分摂取にも最適です。
猫に与えて良い野菜
- レタス
- キャベツ
- きゅうり
- カボチャ
- さつまいも
猫に与えて良い果物
- スイカ
- 梨
- りんご
カボチャやさつまいものような硬い野菜は、1度加熱して人肌まで冷ましてから与えます。一度に多量与えず、少量ずつ試しに与えてみると良いでしょう。
加熱した肉類
加熱した肉、特にササミなどは、猫に必要な良質なタンパク質を含みます。生の肉類はお腹を壊す可能性があります。ベーコンなどの加工品は塩分過多の危険性があるため控えましょう。
加熱した魚介類
イカやエビなどはタウリンの補給のためにおやつとして与えることができます。タウリンは猫の体では合成できない栄養素です。不足すると心臓や目の病気を発症しやすくなります。生のままではなく、必ず加熱しましょう。
またタンパク質の供給源としても最適です。上手に食事に取り入れることで、猫の健康に役立ちます。
牛乳以外の乳製品
乳製品にはカルシウムやビタミンDなど、骨を丈夫にするための栄養素が多く含まれています。ヨーグルトやチーズ、ヤギのミルクを少量与えると良いでしょう。
ただし、人用のものは塩分や糖分が多い場合があります。チーズはペット用のものを、ヨーグルトは無糖タイプがおすすめです。人用の牛乳は下痢の原因になるため、与えないでください。
猫に与えてはいけない危険な食品
人の食品の中には、猫が食べると中毒を起こしたり、健康を損なったり危険なものがたくさんあります。万一これらの食品を猫が口にした場合、すぐに動物病院を受診しましょう。
一部の野菜や果物
一部の野菜はビタミンやミネラルが含まれているため、猫の健康に良い食品です。しかし、一部では食べると猫の命に関わるような野菜もあります。猫を飼育している方は、必ず把握しましょう。
- ネギ類
- ニラ
- ニンニク
- ぶどう
- マンゴー
特にネギ類は猫の赤血球にダメージを与え、貧血を起こします。他にもぶどうは少量でも腎機能障害が急激に進み、命に関わる場合も珍しくありません。万が一食べてしまった場合は、すぐに病院に連れて行きましょう。
生の肉・魚介類
生の肉や魚は猫にとっても危険です。下痢や重篤な食中毒の危険があります。
猫にとって生肉は、人間と同様で「サルモネラ中毒」や「大腸菌中毒」にかかりやすいです。また、生の魚介類は「チアミン欠乏症」「光線過敏症」「黄色脂肪症」など様々な病気を引き起こすリスクがあります。
肉や魚介類は必ず火を通して与えましょう。
牛乳
猫が牛乳を飲むと、下痢を引き起こします。猫は牛乳に含まれる「乳糖」を消化できないからです。
特に子猫はミルクを飲んでいる印象が強いですが、人用の牛乳は与えてはいけません。
愛猫に健康的なキャットフードの選び方
猫の健康のためには、市販のキャットフードを主食にすることが一番大切です。以下では、キャットフードの正しい選び方についてご紹介します。
キャットフードの種類
市販のキャットフードには「総合栄養食」のほかに、「一般食」、「おやつ」、「療法食」があります。猫の主食には必ず「総合栄養食」と表示のあるものを選びましょう。
以下では、キャットフードのそれぞれの特徴を解説します。
総合栄養食
総合栄養食は、ペットフード協会によると「毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスの取れた製品」を指します。
総合栄養食と水だけでも生きられると認定された食事のため、総合栄養食があればおやつは不要です。総合栄養食でないフードだけを与えると、栄養が偏ったり、不足したり、過剰に接種したりなど、さまざまなトラブルが発生します。
「総合栄養食」にはドライフードとウェットフードがあります。ドライフードは安価で保存しやすいというメリットがあるため、若い猫にはドライフードがおすすめです。いっぽう、ウェットフードは嗜好性が高いので、食欲のない猫や高齢猫などに利用すると良いでしょう。 総合栄養食かどうかは、パッケージや公式サイトにも記載されているため、事前に確認しましょう。
一般食
一般食は、魚や肉が中心の缶詰やレトルトパウダーのフードなど、食事の一環として与えられるフードを指します。一般食だけの食事の場合、成長や健康の維持に必要となる栄養素が不足してしまいます。
食事を与える際は、総合栄養食と併用しながら与えましょう。
おやつ
おやつは、ご褒美として限られた量だけ与えるフードです。
主食をしっかり与えていればおやつは必要ありませんが、おやつは栄養の補給だけでなく心を満たしたりストレス解消を目的にしたり、ペットとの絆を深めるためにも与えられます。 おやつの量は、猫が1日に必要なエネルギーの20%以内とされています。毎日おやつを与えてしまうと特別感がなくなるため、ご褒美やしつけとして与えるタイミングを意識しましょう。
療法食
療法食は、病気や症状を改善させるために、特別な栄養バランスで作られたフードです。主に、獣医師の指導のもとペットに与えるエサです。愛猫が病気になってしまった場合は、症状に合わせて栄養バランスを見直す必要があります。
市販のフードでは栄養の調整ができない場合もあるため、病気の際は獣医師の指導により処方される療法食を与えるようにしましょう。
フードに含まれていると良い栄養素
食事で最も重要なのは「栄養素」です。健康のために必要な栄養素を知っておくことで、猫の食事を選ぶ上で良いヒントになります。
キャットフードの成分表示を見るときにも気をつけてみましょう。
タンパク質
タンパク質は猫の体を構成する栄養素です。組織修復や代謝、病気を防ごうとする免疫機能を最適化する働きもあります。
タンパク質の摂取には加熱した肉や魚が最適です。少量ずつトッピングとしてキャットフードに混ぜて様子を見てみると良いでしょう。
タウリン
タウリンは猫の心臓病や目の病気を予防する栄養素です。タウリンは猫の体内で生成されないため、食事で補う必要があります。
タウリンの補給にはイカや甲殻類がおすすめです。火を通して人肌まで冷ましてから与えましょう。
ビタミンやミネラル
ビタミンやミネラルは体の調子を整える栄養素です。体の免疫機能の正常化や老化の防止など、役割は多岐に渡ります。
猫の食事に関するよくある質問
猫の食事に関するよくある質問をまとめました。愛猫に身体の良い食事を与えて健康になって欲しいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
サプリメントは効果がある?
「総合栄養食」を適切な量を与えている場合は、サプリメントは不要です。
ただし手作り食の場合は栄養が不足しがちなため、適切なサプリメントが必要です。市販の猫用サプリメントには、悩みに合わせた商品がたくさんあります。ご自身の飼っている猫の様子を観察しながら、適切な商品を選びましょう。
一方で、サプリメントに含まれる原材料がアレルギーの原因などになる危険性もあります。
サプリメントは、獣医師の指示がある場合にすすめられた商品の用法・用量を守って使用することが大切です。人用の商品を飼い主様の判断で与えることは控えてください。
動物病院を受診する際は、普段与えているフードに加え、サプリメントも申告すると良いでしょう。
1日何回に分けてエサを与える?
猫に食事を与える際は、1日に必要な摂取カロリーを4〜6回に分けて与えます。猫が1日に必要とするカロリーは「体重×(70〜80 kcal)」です。ご自身の飼っている猫の必要なカロリーを把握しましょう。
食事の回数が少なくなると空腹の時間が長くなるため、十分な摂取量でも追加でフードを要求される可能性が考えられます。
少量を数回に分けて与えると、小腹が満たされるため、食べ過ぎ防止にもつながります。与えれば与えた分だけ食べてしまう猫の場合、ボール状で転がすとフードが出てくる容器や、タイマー式の給餌器を利用するなどの工夫を施しましょう。
ウェットフードを食べさせてもいい?
猫の食事でウェットフードを毎日与えても問題ありません。ウェットフードを毎日与えると太ってしまうのではないかと心配になる方もいるでしょう。
総合栄養食から必要な栄養を摂取して、適切な量を与えていれば特に問題ありません。
例えば、ウェットフードは噛む力が必要ないフードのため、顎の力が弱くなります。ドライフードを併用することでデメリットをカバー可能です。
どちらかに定めてフードを与えるのではなく、時と場合に合わせてウェットフードとドライフードを使い分けましょう。
適切な食品選びで猫の健康管理を
今回は、猫の健康に良い食品について解説いたしました。
猫の食事で基本となるのは「総合栄養食品」です。必要な栄養素は概ね補えますが、それぞれの猫に合わせて足りない栄養は補うべきです。食べられる野菜や果物、加熱した魚などをトッピングに追加すると健康に良いでしょう。
しかし、どれだけ健康に気を付けていても、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。
そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などの段取りを考えておくことが重要です。後悔のない最期の時を過ごせるため、ペットロスの緩和にも繋がります。
COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。