「ペットでも愛する家族だから、お通夜をしたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ペットが亡くなったあとは通常、1~2日はご遺体を自宅に安置することが必要です。その際、棺や祭壇を用意してペットと最後の時間を過ごしますが、この時間をお通夜と呼ぶ場合もあります。
もちろん、上記のようなお通夜ではなく、人間と同じように行なうことも可能です。この記事では、ペットのお通夜を行なうための準備や方法を紹介します。
目次
ペットのお通夜はできる?人間とペットのお通夜の違い
人間の葬儀では、一般的にお通夜が行なわれますが、ペットの場合はどうでしょうか。ここでは、ペットのお通夜は行なえるのか、また人間とペットのお通夜の違いについて解説します。
お通夜の意味とは?
お通夜とはお葬式の一部で、灯りや線香の火を夜通し絶やさずに、ご遺体を見守る儀式のことです。
人間のお通夜には、「仮通夜」と「本通夜」があります。仮通夜では、死亡した日の夜に親族だけで納棺したご遺体を見守り、本通夜では、亡くなった翌日に弔問客を迎えて行なわれます。
ペットの場合は人間とは異なり、お通夜の形式は定められていません。しかし、ご遺体を見守る儀式という意味から、ペットのお通夜を行ないたいと考える飼い主様もいるでしょう。
ペットのお通夜を行なうことはできる?
ペットのお通夜はできる?人間とペットのお通夜の違い
結論から述べると、ペットのお通夜を行なうことは可能です。
ペットの葬儀(火葬)は亡くなった当日に行なえるとは限らず、通常1~2日はご遺体を自宅に安置します。その際に、祭壇を設けてペットのために手を合わせることも、お通夜の一種です。
また、亡くなったペットをよく知る友人やペット仲間を自宅に招き、最後のお別れをしてもらう場として、お通夜を行なう場合もあるでしょう。
ペットが亡くなってからの流れ
ペットが亡くなってからは、やるべきことがたくさんあります。しかし突然のことでパニックになり、適切な行動ができない方がほとんどです。事前にやるべきことを知っておくことで、いざという時にスムーズに行動できます。
以下ではが亡くなってからの流れについてご紹介します。
お通夜のためのご遺体の処置
ご遺体は時間の経過とともに腐敗します。お通夜が始まる前や行っている最中にご遺体が腐らないようにしましょう。
予めご遺体に適切な処置を施すことで、腐敗を抑制できます。
- ご遺体の姿勢を整える
- ご遺体を清潔にする
- ご遺体を冷やして安置する
犬や猫などの動物は、亡くなった直後から死後硬直が始まり、状態が悪くなります。そのため、ペットのご遺体はできるだけ早めに棺に納め、冷暗所に移動させることが必要です。
納棺の準備として、まずは手足を折り曲げて眠っているような姿勢にします。時間が経過すると、死後硬直によりご遺体を動かせなくなります。ご遺体を見つけ次第なるべく早く対処しましょう。
次に亡くなったペットのご遺体を清潔にします。お湯で湿らせたタオルなどで全身をやさしく拭き、ブラッシングすると良いです。
ご遺体から体液が漏れ出す場合があるため、棺の底には新聞紙やペットシーツを敷いておきましょう。
そして、棺のなかに保冷剤を並べ、吸水性のあるバスタオルを敷いた上にご遺体を寝かせください。夏場は、特に傷みやすい内臓のある腹部に保冷剤を多めに置くと良いでしょう。
ペットの安置方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ペット火葬はいつまでするべき?正しくペットを安置する方法や注意点も紹介
業者に連絡する
ペットが亡くなったら、まずはペット専門の葬儀業者に連絡しましょう。ご遺体は時間の経過とともに腐敗が進むため、迅速に行うことが重要です。
目安として夏場は亡くなってから1〜2日後、冬場は2〜3日後にはご遺体を火葬する必要があります。火葬までにお通夜を済ませられるように、なるべく早く業者には連絡を済ませることをおすすめします。
スタッフと打ち合わせ
業者に連絡したら、お通夜や葬儀についての打ち合わせを行います。業者によってはプランが複数あり、飼い主様のご希望に合わせて選択可能です。
飼い主様のご希望やご予算は確実に伝えて、理想通りのお通夜や葬儀にしましょう。希望通りの葬儀やお通夜を行うことで、悔いなく愛するペットをお見送りできます。ペットロスの低減にもつながるため、希望は全て伝えると良いでしょう。
ご納棺
安置していたご遺体を棺に入れ、祭壇の準備をします。
棺はダンボールで代用して問題ありません。中に新聞と保冷剤を敷き、上からタオルに包んだご遺体を置きます。ご遺体は安らかに眠っている姿勢にしてあげましょう。棺の中には供花や好きだったおもちゃを入れてあげます。
祭壇には以下のものを準備します。
- 供花
- ペットの写真
- ロウソク
- 線香
- 愛用していた食器
自宅での火の扱いには十分に注意して下さい。
お通夜
棺と祭壇の準備ができたら、お通夜に入ります。ご家族以外の親族や友人にお知らせをして、線香をあげてもらいましょう。
お通夜は1日ほど期間を設けて、ご家族やご友人とでペットに気持ちを伝えましょう。皆様で悲しみを分かち合うのもおすすめです。
お通夜はペットとの最後の別れです。これまでの感謝や愛情をたくさん伝え、悔いが残らないようにお見送りをする準備をしましょう。
火葬
火葬業者に依頼して、ご遺体を火葬します。火葬の内容は業者やプランによって異なります。
ペット火葬業者に依頼した場合は、移動火葬車にて火葬することが多く、ペット霊園では併設の火葬炉で火葬を行うのが一般的です。
ご収骨・ご返骨
火葬が終わり次第、ご遺骨を拾う「ご収骨」を行います。拾ったお骨は骨壷に詰めて別途供養するか、そのまま納骨されます。
ご収骨は業者が代行し、後日郵送でお骨が返骨されるプランも人気です。ご収骨やご返骨を希望される方は、予め火葬業者に伝えておきましょう。
プランや業者によっては、ご遺骨が返ってこないものもあります。トラブルの原因になるため、要注意です。
供養
火葬後に残ったご遺骨は、お好きな方法で供養できます。近年供養方法は多様化しているため、飼い主様やご家族の希望や予算に合わせて選択すると良いでしょう。
一般的な供養方法は以下の通りです。
- 自宅供養
- 自然散骨
- 埋骨
- 納骨
- アクセサリーにして残す
【【参列のマナー】ペットのお通夜に呼ばれたら
友人や知人のペットが亡くなり、「一緒に最後のお別れをしてほしい」とお通夜に呼ばれるケースもあります。ここでは、ペットのお通夜に呼ばれた場合に、持参するものやマナーを紹介します。
お通夜に持参すべきもの
お通夜に参列する時は、以下のものを持参すると良いです。
- お花
- ペットのおもちゃ
- 数珠
- ハンカチ
お悔やみの気持ちを伝えたいのであれば、供花がおすすめです。お花であれば祭壇に飾ったり火葬の際に棺に入れたりできるため、飼い主様にも喜ばれます。
お花の種類について、人間の供花のように白をメインにするなどの決まりはありません。しかし、色の濃すぎる花やとげのある花、花粉が多い花などはペットのご遺体を傷付ける可能性があるため、避けたほうが無難です。
また、ご焼香の際に数珠を使用する場合があります。使わない時もありますが、念のためカバンに入れておくと良いでしょう。ハンカチは涙を拭くために必要です。できるだけシンプルなデザインのものを選ぶことをおすすめします。
服装の注意点
ペットのお通夜や葬儀では、参列者も平服(普段着)で問題ありません。
しかし、飼い主様への気遣いは必要です。レザーなど動物性素材の衣類や派手な服装、匂いの強い香水などは控えるべきでしょう。
ペットのお通夜や葬儀では、明確なしきたりがない以上、参列者の良識やマナーが問われます。愛する家族を失った飼い主様の悲しみに配慮し、良識ある態度を心がけましょう。
香典はどうするべきか?
人間のお通夜や葬儀では香典を持参しますが、ペットの場合、香典は必要ないとされています。
どうしても渡したい事情がある場合は、相手の負担にならない金額を包むようにしましょう。なお、ペット葬儀用の香典袋はないため、人間用の香典袋を使用します。
お通夜が終わったらご遺体を火葬する
お通夜でペットとお別れができたら、ご遺体を火葬します。ペットの火葬には様々な種類があります。予めプランの目星を付けておくと、いざという時に安心です。飼い主様のご希望や優先事項に合わせてプランを選ぶと良いでしょう。
それぞれの特徴や費用について以下で説明します。
ペット火葬の種類
ペットの火葬について、以下で具体的なプランについて説明していきます。
合同火葬プラン
合同火葬は、他のペットと一緒に火葬し、霊園に納骨する方法です。ペットのご遺体を業者にお渡しするのみであるため、時間や費用を抑えつつきちんと弔えます。
注意点として、ほとんどの場合ご遺骨が返ってきません。他のペットのご遺骨と一緒に提携霊園などに埋葬されるからです。自宅で供養したい方や好きな場所に散骨したい方は、他のプランを選択すると良いでしょう。
- 費用を抑えたい
- 葬儀や火葬に立会うことが困難
- 手元にご遺骨を置いておくことに抵抗がある
一任個別火葬プラン
ペット霊園にペットのご遺体を預け、他のペットとは別に個別で火葬してもらえます。ご遺体の引き渡しから火葬の執り行いまでが含まれます。業者の方が火葬や収骨を代行し、後日ご自宅にお骨が返却される流れです。
コストを抑えつつお骨が返ってくるため、バランスの取れた火葬プランとして人気を集めています。以下の方におすすめの火葬方法です。
- ご遺骨は持ち帰りたい
- 葬儀や火葬に立会うことに抵抗がある
- 個別で火葬はしたいが費用は抑えたい
個別立会い火葬プラン
飼い主様やご家族が立会って、ペットのご遺体を個別に火葬します。お骨を拾い上げ、持ち帰ることもできます。お別れのギリギリまでペットのそばにいられるため、手厚く見送りたい方に人気です。
個別立会い火葬プランは、以下の方におすすめの火葬方法です。
- ご遺骨は持ち帰りたい
- 火葬にも立会いたい
- ペットを手厚く見送りたい
お花で送るペット火葬プラン
ペットをお花と一緒に華やかにお見送りするプランです。ペットが亡くなって精神的に辛い方も、お花と一緒に華やかにお見送りすることで気持ちを切り替えられるでしょう。ペットロス防止にも効果的です。
以下の方におすすめの火葬方法です
- ペットを手厚く見送りたい
- ペットを人と同じように弔いたい
- お別れが辛いため、せめて明るく見送りたい
ペット葬儀業者を選ぶ際の注意点
ペット火葬の内容は葬儀業者により異なります。中には悪徳業者や口コミの評価が悪い葬儀業者もあるため、選ぶ時には注意が必要です。ペットとの最後のお別れの時に、トラブルには巻き込まれたくないですよね。
以下では葬儀業者を選ぶ時に気をつけるポイントをご紹介します。
料金やプラン内容が明確な業者を選ぶ
料金やプラン内容が明記されていない業者には注意が必要です。別途費用を請求される場合や、思っていた金額ではないなどのトラブルが頻発しています。
予め見積もりを取って、支払う金額を把握しておくと安心です。見積もりには火葬やお通夜の何が含まれていて、どれがオプション料金なのかまで把握しておくと良いでしょう。
口コミを確認する
第3者の評価は業者選びの重要な指標になります。信頼できる業者はホームページに口コミを掲載しており、葬儀内容やスタッフの対応についてリアルな声を見られます。
評価をホームページに載せていない業者については、Google mapの口コミを見てみましょう。すでにトラブルがあった業者や悪徳業者については、口コミで低評価が付けられています。
スタッフの対応をよく見る
ご相談時や見積もり時のスタッフの対応を見ることも重要です。葬儀やお通夜当日の飼い主様は非常に繊細であるため、丁寧に対応してもらえるスタッフを選ぶ方が良いでしょう。
特に動物葬祭ディレクターが在籍している業者は安心です。動物葬祭ディレクターとは、一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会が提供している資格のことで、飼い主様に寄り添った対応をしてくれます。
ペットとの最後の別れの日に嫌な思いをしないように、情報収集は念入りに行いましょう。
まとめ
今回は、ペットのお通夜について解説いたしました。ペットのお通夜には、明確な形式が定められていません。そのため、ペットの葬儀を行なうまでの間に自宅に祭壇を設け、ご遺体を見守ることもお通夜といえます。
お通夜は、ペットとゆっくりお別れができる最後の時間です。愛するペットが安心して旅立てるよう、準備はしっかりと行いましょう。
ペットが亡くなってから準備や情報収集をすると、バタバタして後悔の残るお別れになります。お通夜や葬儀、供養などは生前のうちから情報収集しておくべきです。予めご家族で希望や優先順位を決めて、火葬業者や葬儀社の目星をつけておきましょう。
ペットの葬儀や供養、終活についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひCOCOペットにご相談ください。生前のお見積り、ご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。