犬のよく見かける行動の意味をご存じでしょうか。犬の行動には習性が大きく関係しており、いくつもの意味があるのです。人間にとっては不思議で意味がないと感じても、犬にとっては必要な行動だとわかるとおもしろいでしょう。
本記事は、犬の習性や行動でわかる感情のサインについて紹介します。習性や行動の意味を理解すると、より犬の気持ちがわかるようになり、より深く関係を築くことができるでしょう。豆知識も掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
犬の主な習性
さっそく、犬の主な習性について紹介します。犬によくみられる行動には、昔からの習性が関係していました。人間にとっては不思議な行動の意味をチェックしてみましょう。
マーキング
犬は散歩中に尿を電柱にかけ、マーキングをする動物です。犬のマーキングはオスもメスも関係なく行います。マーキングは基本的に、自分の存在を認識してもらう、縄張りを主張する役割があります。
メスの場合だと、発情時にマーキングをすることが多いです。散歩中など外でマーキングをすることは普通ですが、家の中でマーキングをしていたらストレスや不安を抱えている可能性があります。
愛情不足が原因かもしれないため、室内でマーキングをし始めたら、触れ合いの時間をいつもより長く取ってあげてください。
穴を掘る
犬は大切なものは穴を掘って隠す習性があります。この習性はオオカミ時代の生態が関係しているのです。オオカミ時代は、大切な獲物を土の中に隠し保管したり、穴を掘り寝床を作ったりしていました。
生態系の名残から、現代も土を掘り何かを隠すのです。例えば、室内犬でソファーやクッション、カーペットに穴掘りをするような行動をしている場合は、運動不足や環境に馴染めていない可能性があります。
また、ストレスを溜めているサインかもしれませんから、適切な対処をしてあげてください。
敵意
犬は急な大きな声や動き、目をじっと見られることに敵意を感じます。犬にとって目をじっと見る行動はケンカを売られていることを意味するのです。また、嗅覚が優れた動物なため、たばこやアルコール、香水の匂いが強い人も苦手です。
敵意を感じた犬は、敵意を見せるため、威嚇したり吠えたりしたら苦手意識を持たれていると判断しましょう。また、犬のことが怖い・苦手な方のことも、犬は空気感や表情からわかるようです。
マウンティング
犬はオス・メス関係なくマウンティングをする動物です。ぬいぐるみやクッション、他の犬などに覆いかぶさっているときは、マウンティングをしています。
犬は多数の兄弟の中で過ごすため、母親の興味を引き付けるためにマウンティングをするようになったと言われています。マウンティングは一見交尾の体制と似ているので、性的意味合いを持つと思われがちですが、実は強さをアピールしているのです。
他の犬にマウンティングをしており、それを放置していると、ケンカに発展することもありますから、適切なしつけが必要となります。
地面に体を擦り付ける
犬が地面に体を擦り付ける行動には、以下の意味があります。
- 甘えたい
- 自分の匂いを隠したい
- 満足したサイン
- においがなくなって不安
- かゆみ・痛みがある
甘えたいときは飼い主様に頭や体を擦り付けてアピールします。初めて行く場所で体を擦り付けている場合は、他の匂いをつけて自分の存在を隠そうとしているかもしれません。
散歩や食事の際は満足したサインで、シャンプーの後は自分の匂いがなくなったことで不安に感じています。またかゆみや痛みがある場合も、何かに体を擦り付ける行動をするため見逃さないようにしましょう。
犬の感情のサイン
以下では、犬の行動からわかる感情のサインについて紹介します。言葉を話さない犬の感情を理解するには、行動で表しているサインの意味を知る必要があります。以下で紹介する感情のサインをチェックし、犬の感情を把握してあげましょう。
しっぽ
犬のしっぽの動きは、感情が良く表れています。
- しっぽを振らず水平に突き出している…何かに集中しているサイン
- 大きく振る…相手への好意や穏やかな服従のサイン
- しっぽが垂れた状態で振る…リラックスしている
- 脚の間にしっぽを挟む…恐怖心やストレスを感じている
他にも、大きくしっぽを振り、体を丸めるような体制になっている場合は、甘えているサインです。一方、しっぽを脚の間まで下げ小刻みに震えている場合は、なにか痛みを感じているかもしれないので、健康チェックをしてあげてください。
あくび
犬は眠たいときにあくびをしますが、不安や緊張を感じたときに気を反らしたくてあくびをすることもあります。不安や緊張時、あくびをすることで自分と相手の気分を落ち着かせようとするのです。
初めて会った方に触られたり、抱っこされたり頻繁にあくびをするようでしたら、極度の不安と緊張を感じているかもしれません。犬からのサインなので、飼い主様は安心できるよう接してあげてください。
口や手を舐める・お腹を見せる
犬が飼い主様の口周りを舐める場合は、信頼を意味しています。また、オオカミ時代にお腹が空くと母親の口を舐めて食事を要求していた名残から、甘えながらおやつをアピールしていることもあります。
手を舐めるときは何かを要求しているので、時間帯や犬の行動を考慮し要望に応えてあげましょう。急所であるお腹を見せる体制をしたときは、それだけ飼い主様に深い信頼を寄せているサインです。
服従の意味と勘違いされやすいですが、信頼や深い愛情を見せていますから正しい知識で受け取りましょう。
歯茎を出してうなる
犬が歯茎を出してうなると、怒っていると感じるでしょう。しかし、怒る以外にも、極度の怯えや不安、緊張状態でも歯茎をむき出して唸ることもあるのです。見分けるには下記の他のサインも考慮しましょう。
【怒っている場合】
- ムキ顔+耳が前に傾く・しっぽが上がっている・毛が逆立つ
【緊張や不安な場合】
- ムキ顔+耳が後ろに傾く・しっぽが下がっている・低態勢
犬についてのその他の豆知識
続いて、犬にまつわる豆知識を紹介します。犬を飼っている方も意外と知らない豆知識をまとめました。犬ならではの意外な生態をチェックしてみましょう。
嗅覚・聴覚は人間より遥かに優れている
犬は人間よりも嗅覚が優れていることは有名な話ですが、具体的な数字で表すと人間よりも1,000倍の嗅覚を持ちます。さらに、聴覚は人間の4倍優れているため、少しの物音でも敏感に察知するのです。
一方、視力はモノクロにしか見えていないと言われており、人間よりも怠っています。しかし、他の五感が優れているため、日常生活に何ら影響ないのです。
犬は塩味をあまり感じない
好き嫌いがある犬も少なくないですが、実は塩味をあまり感じていないと言われています。犬は酸味・甘味・苦味・旨味は感じることができるのですが、塩味については、発達する必要がばかったためあまり感じにくいようです。
また、自然界では毒物・危険物の大半が苦いことから、苦味が1番苦手だと言われています。
まぶたが3つある
犬は上まぶた・下まぶたの他に第三眼瞼(瞬膜)という3つ目のまぶたがあります。第三眼瞼は下まぶたの内側にあり、眼球を保護し涙を分泌させます。
目が開いているときは目視で確認しづらいですが、眠っているときに確認しやすいので、気になる方は見てみましょう。
犬の習性や行動を知りより絆を深めよう
本記事は、犬の習性や行動について紹介しました。人間にとっては不思議な行動でも、犬にとっては昔からの習性が関係していたり、感情を訴えかけていたりします。
言葉を話さない犬ですから、行動や習性の意味を理解し、その時のサインを見逃さないようにしましょう。