近所に野良猫を見つけた際、保護したいけど手順がわからないと悩まれたことがある方もいらっしゃるでしょう。野良猫だと思っていても、首輪をつけていないだけで飼い猫の可能性もありますし、保護は必要な知識がないと、トラブルを招くかもしれません。
本記事は、野良猫を保護する手順や保護した後にすべきことを紹介します。また、保護に必要な道具や家に迎えた後の注意点などもまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
保護したい野良猫を見つけたらすべきこと
初めに、保護したい野良猫を見つけたときの行動を紹介します。野良猫を見つけたとしても、何も準備せずに保護してしまうと、後々トラブルを招く可能性があります。野良猫保護の必要知識を理解してから、行動に起こしましょう。
猫が飼い猫ではないか確認
保護したい野良猫を見つけたとき、本当に飼い主様がいないのか確認しましょう。首輪をつけていなかったとしても、マイクロチップが埋め込まれている飼い猫かもしれません。また、地域で保護されている地域猫の場合もあります。
野良猫かどうかは、警察や保健所に届け出が出ているかで確認しましょう。他にも、SNSで迷子猫として拡散されている可能性もあるため、地域や猫の特徴で検索して確認してみてください。
さらに、野良猫のわりに太っていたり、人懐っこかったりする場合は、誰かに飼育されているかもしれないと判断できます。
保護した後誰がお世話をするのか決める
自身で引き取ることができるのであれば問題ありませんが、引き取ることが難しいのであれば、保護した後に誰が野良猫のお世話をするのか決めてから保護しましょう。
住んでいるアパートやマンションがペット禁止であったり、動物アレルギーを持っていたり、何らかの理由で飼育することが困難だと、保護したとしても猫をどうすべきか途方に暮れてしまいます。
知人や友人に直接交渉したり、SNSを利用したり猫の引き取り手を探してみましょう。また、保護したい猫が子猫の場合、引き取り手もいない中でむやみに触れたりすると、人間の匂いが付着してしまいます。
母猫は人間の匂いが付着した子猫を飼育放棄することがあるため、無責任に触ることは控えてください。
病院代の負担
野良猫はワクチンや避妊・去勢手術をしていませんから、最初に動物病院に連れていく必要があります。その際、動物は保険がないので、病院代は実費となります。
ノミやダニに寄生されていないかの検査や、感染症にかかっていないか、健康状態をチェックするための診察代は、相場で5,000~15,000円ほど検討しておきましょう。
また、そのまま飼育するのであれば繁殖を避けたい場合、避妊・去勢手術もしないといけないため、追加で15,000~35,000円かかります。
自力で保護するために用意しておきたい道具
続いて、自力で保護するために必要な道具を紹介します。野良猫はダニやノミ寄生をしている可能性があるため、必要な道具を揃えて万全の状態で保護しましょう。
捕獲器
野良猫は人に対して非常に警戒心が強いため、自力で捕獲したい場合でしたら捕獲器を使用しましょう。捕獲器は購入すると5,000~15,000円ほどかかってしまいます。
日本動物保護福祉協会や捕獲器レンタル業者を利用すると、購入するよりも安く手に入れることができるのでおすすめです。
捕獲器を使用するときは、猫が活発化する深夜から朝方が推奨されており、人があまり通らない場所に設置すると成功しやすいです。また、設置したら近くで見守り、絶対に設置したまま放置しないようにしましょう。
キャリーケース・えさ
捕獲器を使用しなくてもする場合も、猫を引き寄せるためにえさが必要です。また、野良猫は警戒心が強いですから、何日間にかけてその場所にえさがあることを理解してもらうために、数個ほど購入しておきましょう。
えさがある場所だと覚えてもらった頃を見計らって、捕獲器の中にえさを入れて設置すると、保護の成功率が高まります。猫を保護した後は、キャリーケースに入れて移動された方が猫も落ち着きます。
そのため、キャリーケースと落ち着かせるために、キャリーケースにかけるタオルを準備しておきましょう。
ケガをしない服装
野良猫はパニックから引っ掻いたり、噛んだりする可能性があります。少ない症例ではありますが、猫に噛まれて発熱や食欲低下、嘔吐の症状が現れた後、白血球と血小板が減少してしまい死亡した方もいます。
猫からの感染症で最悪の場合死に至ることもあるため、ケガをしにくい服装やゴム手袋などを装着して身の安全を守りましょう。野良猫が寄生されやすいダニやノミに噛まれると、命を落とす披見性があることを覚えておきましょう。
猫を保護した後の行動
何もワクチンを打っていない状態で生活していた野良猫は、ノミやダニに寄生されていたり、なんらかの感染症にかかっていたりするかもしれません。野良猫を保護した後は、すぐに下記の行動をとりましょう。
ノミやダニの駆除
シャンプーもブラッシングもせず、外で暮らす野良猫はノミやダニが寄生しています。ノミやダニはシャンプーしたとしても卵も付着していたりして取りきることができません。
そのため、動物病院で処方される駆除薬がないと完全に駆除することは難しいです。家に連れて帰る前に、すぐに動物病院へ連れていき、診察処方してもらいましょう。
感染症のチェック
野良猫はいろんな菌を持っていることも多いため、感染症にかかっている可能性も高いです。猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスといった猫の健康を害する疾患がある場合もあれば、猫から人に感染する感染症を持っていることあるでしょう。
動物病院によっては、野良猫の診察をしないところもあるため、連れていく前に野良猫の診察に対応しているのか確認しておくことも大切です。
不妊・去勢手術をする
避妊や去勢手術を受けたサインである耳カットがされていれば良いですが、大半の野良猫は手術を受けていません。繁殖を避けたい場合は、健康診断をしてもらう日に一緒に避妊・去勢手術をしてもらっても良いでしょう。
また、猫は去勢手術をすると男性ホルモンの分泌が減少するので、攻撃性が和らぎ甘えん坊な性格になることもあります。さらに、避妊手術の場合は子宮蓄膿症にかかることがなくなります。
家に迎えた後の行動
続いて、野良猫を家に迎えた後にすべきことを紹介します。外の世界で自由に生きてきた野良猫は、すぐに飼い主様の自宅に慣れるわけではありません。徐々に段階を踏んで、飼い猫の生活を取り入れていきましょう。
無理にお風呂に入れない
野良猫はどうしても汚れているイメージがあるため、自宅に連れてきたらすぐにシャンプーをしたくなるでしょう。しかし、猫は基本的に水が得意ではない動物なので、シャンプーが苦手な子が多いです。
さらに、野良猫は人間の生活環境に慣れていませんから、お風呂場も飼い主様のことも怖がるでしょう。初日にシャンプーは避け、慣れてきた頃に洗ってあげてください。
先住猫や他の動物との接触を控える
ノミ・ダニや感染症を持っているかもしれないので、先住ペットと接触できない環境で飼育してあげてください。動物病院へ連れていき、安心できる状態になったら、徐々に他のペットたちと一緒の環境で飼育しましょう。
また、妊婦さんがいるご家庭では、トキソプラズマなどの感染症にも注意しなくてはいけません。
必要知識を取り入れ野良猫を保護しよう
本記事は野良猫の保護方法や注意点について紹介しました。野良猫の保護には必要知識があり、無知で保護してしまうと後からトラブルに発展するかもしれません。
また、野良猫は病気を持っている可能性や、野良猫界のルールがあるため、保護する気がないのにむやみに触ることはやめましょう。