「シニア猫の筋力低下が気になる」と心配に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は猫の筋力不足で起きる変化や、手軽に行える筋トレについてご紹介します。シニア猫と暮らしている方や、これからシニアとなる猫にできることを考えている方は、ぜひご一読ください。
目次
運動不足で猫の体に起きる変化
猫の筋力がなくなるとどのような変化が起きるのか、なぜ運動をさせた方が良いかについてご紹介します。健康維持のためにも、運動不足で起きる問題をご確認ください。
関節機能低下
猫は、俊敏でしなやかな動きができる動物です。しかし、運動不足になると関節が硬くなってしまい、スムーズな動きが難しくなります。可動域が狭くなるほか、痛みが出る場合もあるでしょう。
また、年齢を重ねると変形性関節炎となる可能性も高まり、関節に痛みを感じて動きが悪くなる場合もあります。
筋肉量低下
運動不足になると、必然的に体を支える筋肉の量が減少します。筋肉がなくなると、関節が支えられなくなり、柔軟な動きが難しくなります。筋肉が減ると動きにくくなり、さらに運動するのが億劫になるという悪循環にもなるでしょう。
筋肉は姿勢の維持や血流、体温調整などに関わってくるため、適度な量の維持が大切です。
認知症の発症や進行
運動をしないと筋力や関節などの機能が低下するほか、刺激がなくなるため老化現象が進行します。好奇心などがなくなるため、昔よりも動かなくなる時間が減っていくでしょう。
そのまま刺激が少ない日常を送っていると、認知症の発症や進行につながります。日常生活の中でおもちゃを使って遊ぶ楽しさを教え直すなど、体を動かして刺激を与えることが必要です。
猫の後ろ足に力が入らない原因
猫はいろんな理由で、後ろ足に力が入らなくなってしまいます。なぜ、後ろ足の筋力が低下するのか、考えられる原因について3つご紹介します。
老衰
後ろ足の筋力が衰える原因として多いのは、老衰です。若い時はジャンプではるかに高い位置に移動できます。しかし、シニアになるにつれて、徐々に筋力が落ち、足が細くなっていきます。
筋力が落ちてしまうとジャンプが難しくなり、歩き方も変化します。気づいたら、足がかなり細くなっていたということもめずらしくありません。
病気
老衰のほかにも、病気の影響によって筋力が落ちる場合もあります。筋力低下につながる可能性のある病気は、以下の通りです。
- 肥大型心筋症
- 脳腫瘍
- 糖尿病
そのほか、ウイルス感染症や腎臓病などの病気では、足のふらつきなどにつながる可能性もあります。
怪我
足を怪我していると本来の動きができず、運動量が低下するため、筋力が減ってしまいます。歩き方や立ち姿に変化が出るため、普段から気をつけて姿勢を確認しましょう。主な足の怪我は、以下の通りです。
- 足裏の怪我
- 骨折や脱臼
- 椎間板ヘルニア
- 関節炎
- 捻挫
怪我は目に見えにくいものもあるため、少しでも足に違和感があるような素振りを見せたら、病院へ向かいましょう。
猫がシニアになったときの特徴
猫がシニアになっていくと見られる、特徴についてもご紹介します。老化が進むとさまざまな怪我や病気を発症する可能性も高まるため、少しずつ年齢に応じた対策を取り入れる必要があるでしょう。
シニアになると起こる変化には、以下のようなものがあります。
- 寝ている時間が増えた
- 動くものへ興味を示さない
- 口臭が出てきた
- 目やにが増える
- 瞬発力が衰えてきた
年齢だけではなく、日々の生活で起こる変化にも着目しましょう。
シニア猫におすすめの筋トレ5つ
猫がシニアになっても元気に過ごすためには、筋トレが大切です。自宅でも手軽に行える筋トレを、今回は5つご紹介します。ぜひ、日々のお手入れなどと一緒に行いましょう。
ストレッチ
筋トレとは少し異なりますが、ストレッチもシニアの猫には最適です。負荷が強くないため、ゆっくりと猫の筋肉を鍛えられます。
始める前は温めてあげると、筋肉の動きがよくなります。ストレッチの方法については、以下のようなメニューを取り入れましょう。
- 猫を仰向けに抱っこし、前足を伸ばしてから胸元に引き寄せる
- 後ろ足をゆっくりと伸ばして、ゆっくり縮める
- 前足の付け根を持って上にゆっくりと伸ばす
まずはゆっくりと、猫に嫌がられない範囲で行いましょう。
マッサージ
マッサージも筋肉の維持には、大切です。マッサージによって筋肉を柔らかくさせ、怪我のしにくい体へとつながります。マッサージで強い力はいらず、優しくさするような動きで十分です。
猫が嫌がらない場所を探しながら、少しずつ体の筋肉をほぐしましょう。マッサージの際に足を曲げ伸ばしすると、運動にもなるため、筋肉に程よく刺激を与えられます。
ジャンプ遊び
後ろ足の筋肉を鍛えるには、ジャンプ遊びが有効です。床を後ろ足で強く蹴るため、後ろ足の筋肉に力が入ります。
普段のおもちゃ遊びで取り入れられるので、飼い主様の負担にもなりません。たまに、おもちゃを捕まえさせてあげると、猫の満足度もあがり、やる気につながります。
タワーの上り下り
前足の筋肉を鍛えるなら、キャットタワーを使った遊びが良いでしょう。上り下りの際に前足に力が入るため、低めのタワーをゆっくりと上り下りさせると、筋肉を鍛えられます。
低めのタワーであれば、筋力が低下してきたシニア猫でも体への負担を軽減しながら遊べます。タワーの代わりにソファや低めの台を使っても、同じような効果を得られるでしょう。
ボール遊び
ボール遊びは前足も後ろ足も、両方を同時に鍛えられる遊びです。ボールを投げて追いかけさせる遊びでは、猫が走るようになるため、両方の足を伸ばして力を入れる形になります。ボールがない場合は、紙を丸めたものでも問題ありません。
そのほか、あまり動きたがらない猫の場合は、キックトイを使う方法もあります。
シニア猫は筋トレと同時に食事に気を付ける
シニアとなった猫が健康を維持するためには、運動と同時に食事にも気を付ける必要があります。栄養バランスの取れたフードを与えるのはもちろん、カロリーにも気を配り、肥満とならないように注意しましょう。
また、ご飯をキャットタワーの高いところにおくと、自然と上下運動をするようになります。
まとめ
シニア猫の筋トレについて、ご紹介しました。筋力が低下する原因はさまざまで、老化はもちろん病気や怪我の場合もあります。手軽に行える筋トレを活用して、健康な状態になるようサポートしましょう。