「うさぎが仰向け姿になる理由ってなんだろう」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

InstagramやX(旧:Twitter)などのSNSでうさぎの仰向け画像を見ることがあります。しかし、うさぎの仰向け姿は自然な体勢ではなく危険な点が多数あるのです。本記事では、うさぎが仰向けになる理由や危険性、注意点も併せて紹介していきます。

うさぎが仰向けになる理由

うさぎが仰向けになる理由

うさぎが仰向けになる主な理由は、「強いストレスを感じている」「死んだふりをしている」です。決して心地よいわけではありません。うさぎにとって仰向けの体勢は不自由で不慣れなものなのです。

強いストレスを感じている

野生の「のうさぎ」は敵に狙われないために、基本的に仰向けになりません。仰向けになることは、まるで「食べてくれ」と言っているようなものだからです。

そんなうさぎが仰向けになるのは、強いストレスを感じている可能性があります。うさぎはストレスを感じながらも、鳴き声で伝えることができない動物です。飼い主様自身が気づいてあげるよう努力しましょう。

死んだふりをしている

野生動物にとって、柔らかい皮膚があるお腹の部分を見せる姿勢は命取りになります。そのため、何かの拍子に仰向けになってしまい動かないでいる場合は、死んだふりをしていることがあるのです。

リラックスでも寝ているのでもなく、体が硬直して動けない状態といえます。しばらくすると元の四つ足の体勢へ戻りますが、うさぎにとって仰向けの体勢が自然でないことは確かなのです。

うさぎが仰向けになっているときの注意点

うさぎが仰向けになっているときの注意点

うさぎが仰向けになっているときは、人間と異なり、うさぎには決してラクな姿勢ではないため、気をつけて扱ってください。

うさぎにとって仰向けは辛い体勢

うさぎにとって仰向けは自然な体勢ではなく辛い体勢です。うさぎの背骨はアーチ状になっており、人間のように真っ直ぐではありません。

そのため、地面に沿って背中がまっすぐになると背骨も内臓も圧迫されて、うさぎにとって負担になります。うさぎ自身が嫌がることも多いでしょう。

長時間の仰向け抱っこはNG

仰向けの体勢は人間にとって抱っこしやすいですが、うさぎにとっては苦痛です。そのため仰向けの体勢のまま長時間抱っこはしないでください。

爪切りに限っては仰向け状態をするべきですが、丁寧かつ短時間で済ませるよう工夫しましょう。

うさぎが仰向けになっているときの危険性とは

うさぎが仰向けになっているときの危険性とは

うさぎが仰向けになっているときは、「骨が折れやすくなる」「後躰麻痺(こうくまひ)になりやすい」などの危険性があります。うさぎが誤って仰向けになってしまった際は、うさぎ自身で元に戻るまで待つか、そっと横寝にするようにしましょう。

骨が折れやすくなる

うさぎの骨は、他の動物と比べて軽く折れやすい体質です。仰向けの状態を嫌がって暴れた際など、簡単に骨折してしまいます。

特に抱っこしようと持ち上げた際に嫌がって暴れ、落下して骨折してしまうことがあるため注意が必要です。仰向けの体勢からも分かるように、骨折しやすい箇所は背骨という生き物にとって非常に大切な場所になります。

不運にも神経を傷つけてしまえば、重大な後遺症が残る可能性があるのです。十分に注意しましょう。

後躰麻痺(こうくまひ)になりやすい

後躰麻痺とは、下半身が麻痺して動かせなくなる病気です。脊髄の損傷や腰の骨を折った際に生じます。両方の後ろ足に力が入らなくなり、歩行が困難になるのです。

治療後も運動機能の回復が難しく、今まで通りの歩行や走行は困難になります。後躰麻痺は、仰向け抱っこや仰向けにした爪切りの際に暴れて骨折した衝撃でなることもある病気です。

それだけ、うさぎの繊細な部分を扱っているのだと自覚しましょう。うさぎが仰向けの体勢で長時間いる場合は、牧草やおやつで誘導しうさぎ本来の姿勢に戻してあげてください。

うさぎが仰向けになっているときのQ&A

うさぎが仰向けになっているときのQ&A

うさぎが仰向けになっていることに関して、疑問や教えを必要とする方もいらっしゃるでしょう。

野うさぎと違って、人間に育てられたペットであるうさぎは仰向けの危険性が分かっていない場合もあります。飼い主様自らが「仰向けは危険だよ」と教えてあげてください。

「適切な仰向け抱っこ」も、爪切りをする際には必要不可欠です。うさぎの負担にならない抱っこの仕方を覚えましょう。

仰向けで寝ているのに気持ち良さそうな場合

仰向けで寝ているのに気持ち良さそうな場合は、飼い主様を信頼してリラックスしている証拠です。飼育環境に慣れている影響もあります。現在の環境を乱さないように気をつけましょう。

室内で長年飼育されているうさぎは、稀に安心した状態ゆえに仰向けになる場合があるのです。ただし、仰向けというよりも横寝に近いといえるでしょう。

しかし、完全な仰向けで寝ることが多い場合は骨折などの危険があります。なるべく横寝になるように誘導してあげてください。

適切な仰向け抱っこのコツ

適切な仰向け抱っこは、うさぎと信頼関係を築きながら短時間で済ますことがコツです。飼い主様が膝を立てた状態で座り、膝の上にうさぎを仰向けにして抱っこしましょう。

胸にうさぎの頭をあて、お腹に背中を沿わせるようにするのがポイントです。首をそらさずにお尻をしっかり支えてあげてください。

人間の赤ちゃんを抱っこするイメージを持ちましょう。仰向け抱っこの後に牧草やおやつを与えるなどして慣らしていくと効果的です。

可愛くてもうさぎの仰向けには要注意

可愛くてもうさぎの仰向けには要注意

本記事では、うさぎが仰向けになる理由や危険性、注意点も併せて紹介しました。SNSの投稿にペットのうさぎの可愛い写真を撮りたい気持ちは分かります。

しかし、好きだからこそ、うさぎの健康に配慮してあげましょう。どんなに仰向け姿が可愛くても、うさぎにとっては辛い体勢であると理解してあげてください。鳴き声を出せないぶん、うさぎの態度や様子から健康チェックをすることが大切です。