愛犬のしつけの仕方がわからないと頭を悩ませる飼い主様は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。基本的にしつけをするには、アイコンタクトをマスターしなくてはいけないと言われています。
本記事は、犬とのアイコンタクトの必要性やしつけ方法について紹介します。アイコンタクトをマスターすることで、生まれるメリット・デメリットもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
犬とのアイコンタクトの必要性
初めに、犬とのアイコンタクトの必要性について紹介します。犬と飼い主様にとって、アイコンタクトは必要なコミュニケーションで、しつけの基礎となります。
アイコンタクトができるようになると、飼い主様の話しを聞けるようになるからです。そのため、「待て」や「お座り」といった他のしつけもしやすくなります。
しかし、犬にとってアイコンタクトは飼い主様を心から信頼しなければできるものではありません。いきなりアイコンタクトを覚えさせようとするのではなく、犬と飼い主様のある程度の関係性が構築されてから教えましょう。
アイコンタクトの教え方
犬と言葉を交わすことができないため、アイコンタクトをどのように教えればよいかわからないと悩む飼い主様も多くいらっしゃるでしょう。
以下で、アイコンタクトのしつけ手順をチェックし、実践してみてください。
まずは名前を呼んだら反応する関係性を作る
アイコンタクトのしつけを始める前に、名前を呼んだら反応してもらう関係性を築きましょう。名前を呼び振り向いたら、おやつを与えてください。
すると、犬は名前に反応するとご褒美がもらえると学習します。
- 名前を呼ぶ
- 反応
- ご褒美
上記の手順を繰り返すことで、名前に反応するしつけが完成します。
近くにいるときに名前を呼ぶ
次に、愛犬が落ち着いているときに名前を呼び反応させるしつけをしましょう。名前を1度だけ呼び、こちらを振り向けば成功です。
短い言葉で褒めてから、ご褒美におやつを与えましょう。また、おやつは見せずに名前を呼ぶことが肝心で、名前を呼んでも反応しないからといって何度も呼ぶことはしつけになりません。
近くで落ち着いているときに反応ができるようになってきたら、少し離れた場所からも練習してみてください。
何かに夢中になっているとき
次に、おやつやおもちゃで気をそらしながら名前を呼んでみましょう。おやつを握ると、匂いを察知して愛犬の視線が手に移ります。
そこで名前を呼び、うまく反応することができたら、おやつのご褒美を与えてください。どうしてもおやつに気が集中してしまう場合は、おやつを持つ手を顎や肩、首などに少し移動させ、目に意識が向くよう誘導してみましょう。
アイコンタクトが難しい状態で訓練する
他のものに夢中になっているときにアイコンタクトに成功したら、飼い主様の背後に愛犬がいるときや、散歩中、おもちゃで遊んでいるときなどアイコンタクトがしにくい状況へステップアップをしましょう。
いくつかの状況でアイコンタクトが成功できるまで進められたら、次第にご褒美のおやつの回数を減らしてみてください。最終的には他の犬や人がいる環境でアイコンタクトができるようになると、しつけ完了となります。
愛犬とアイコンタクトで生まれるメリット
続いて、愛犬とのアイコンタクトで生まれるメリットについて紹介します。アイコンタクトはしつけの基本としてトレーニングを検討する飼い主様も多いですが、実は他にもメリットがあるのです。
飼い主と愛犬に絆が生まれる
が飼い主様にアイコンタクトをする行動は、信頼があるからできることです。
ある研究では、犬と飼い主様がアイコンタクトをすると、人間同士がハグやキスをするときに分泌されると言われる幸せホルモンであるオキシトシンが分泌するという研究結果がでました。
触れ合う以外にも見つめ合うことで、犬は飼い主様からの愛情を感じ取ることができるのです。信頼関係と愛情確認ができるアイコンタクトは、犬と飼い主様の絆をより一層強いものにしてくれるでしょう。
困った行動を軽減できる
家の中だけでなく、外でのアイコンタクトができるようになると万が一の事態にも有効活用できます。例えば、ドッグランで他の犬とケンカが始まりそうなときも、飼い主様が名前を呼びアイコンタクトを挟むことで阻止できるかもしれません。
また、災害時危険な状況になったとき、脱走してしまいそうなときもアイコンタクトができる関係性であれば、呼び止めることができるでしょう。このようにアイコンタクトができると、危険行動や困った行動の抑制へと繋がるのです。
アイコンタクトのトレーニングで生まれるデメリット
続いて、愛犬とのアイコンタクトトレーニングで生じるデメリットを紹介します。アイコンタクトのトレーニングは、飼い主様にとってはメリットが大きいのですが、犬にとってはデメリットも存在するのです。
散歩トレーニングでは体の構造上首や背中を痛めやすい
犬の構造上、散歩中のアイコンタクトトレーニングは首や背中の周辺の筋肉を傷めてしまうリスクがあります。一定の距離をとったアイコンタクトトレーニングであれば、首を真上に向ける必要はありません。
しかし、近距離で歩きながら頻繁にアイコンタクトトレーニングをさせてしまうと、真上を向きながら歩き続けることになるため、構造上体に無理をさせてしまうのです。
情報入手の機会を奪ってしまう
散歩中のアイコンタクトトレーニングは、犬の匂いや視覚の情報入手機会を奪ってしまうデメリットもあります。自宅にいる犬にとって散歩は、外の世界を知る気分転換のような役割も果たします。
しかし、散歩中頻繁にアイコンタクトトレーニングをしていては、折角の外での情報収集の機会が減ってしまうのです。犬にとっては、散歩中でもお気に入りの場所があり匂いがあります。
また、子犬や迎え入れたばかりの犬に対し、散歩中にアイコンタクトトレーニングをすると、情報収集ができなくなるため、散歩自体を嫌いになってしまう可能性もあるでしょう。
NGなアイコンタクト
犬の習性を考慮すると、よくないアイコンタクトトレーニングもあります。ストレスを与えてしまうアイコンタクトトレーニングをしないためにも、以下の項目は気を付けてください。
信頼関係が築けていないのに無理やり見つめる
犬にとって信頼関係が築かれていない間柄でのアイコンタクトは、敵意や警戒心を生みます。
出会って日も浅い段階で、アイコンタクトトレーニングを始めてしまうと、しつけどころか飼い主様に対して苦手意識を持たれてしまうかもしれません。
そのため、アイコンタクトトレーニングは信頼関係ができ仲良くなってから始めましょう。
アイコンタクトが苦手な犬もいる
アイコンタクトトレーニングをしてもしなくても、目線をすぐに反らそうとする犬はアイコンタクト自体が苦手かもしれません。犬が目線を反らす理由は「そっとしておいてほしい」「関わりたくない」という意思表示です。
アイコンタクトに強いストレスを感じているのであれば、他のコミュニケーション方法を検討してあげたほうが愛犬とスムーズに絆を深められるでしょう。
うまくアイコンタクトを使い、愛犬と絆を深めよう
本記事は、愛犬とのアイコンタクトの必要性やアイコンタクトトレーニングの手順について紹介しました。犬のアイコンタクトはしつけの基礎となるため、多くの飼い主様がトレーニングを検討します。
しかし、中にはアイコンタクト自体が苦手な犬もいるので、なかなか覚えられない場合は他の手段を考えましょう。