「愛猫にフケが多いけど、これって皮膚病かな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫にフケがあるのは特別珍しいことではありません。しかし、通常よりも目立つくらいフケが増加している場合は何かしらの疾患を疑うべきです。

本記事では、猫のフケに皮膚病が関係している可能性や病気の種類、治療方法や改善策を併せて紹介していきます。

猫にフケが出る原因とは

猫にフケが出る原因とは

健康に問題のない猫であれば、皮膚の代謝サイクルである「ターンオーバー」により、古い皮膚組織がフケとなって剥がれることは自然な現象です。少量であれば気にすることはありません。

しかし、明らかにフケが増加しているとわかる場合、主な原因は以下の通りです。

  • 老化
  • 乾燥
  • ストレス
  • 皮膚病

決して皮膚病だけがフケ増加の原因ではありません。異なる角度から原因を探っていくことが大切です。

老化

猫のフケが増加する原因には、加齢による老化も考えられます。老化に伴い、グルーミングを怠りがちになるからです。グルーミングとは、猫が体を綺麗に保つために行う毛づくろいを意味します。

今まで欠かさず行っていた体を清潔に保つ習慣をしなくなるため、当然フケは増加するでしょう。また、高齢になると皮膚の水分量や皮脂量も少なくなるため、フケが出やすい体質になります。

乾燥

秋や冬の乾燥する季節にも要注意です。エアコンなどの暖房器具による乾燥がひどくなり、猫の皮膚も乾燥してフケが増加します。

猫が寒そうだからと温度を上げすぎてはいけません。乾燥は皮膚のバリア機能も低下させるため、加湿器を使用するなどの対策をとってください。

ストレス

極度の緊張や不安を感じたときに、ストレスとしてフケが多く発生する場合があります。毛穴の筋肉が収縮して抜け毛やフケが増えるという説です。

過度なストレスは皮膚以外にも健康上、良くありません。愛猫のストレス要因を探し当てて、直ぐに改善するよう心がけましょう。

皮膚病

皮膚病が原因でフケが増加している可能性もあります。例えば、アレルギーやカビ、寄生虫の感染で皮膚病を引き起こす場合があるでしょう。

こうした皮膚病はれっきとした病気なため、速やかに動物病院にて適切な治療と投薬を行う必要があります。ブラッシングなどで皮膚病の可能性に気付いた場合は、直ぐさまかかりつけの獣医師に相談してください。

フケの原因となる猫の病気

フケの原因となる猫の病気

フケの原因となる猫の病気は以下の通りです。

  • 真菌皮膚炎
  • ダニなどの寄生虫による皮膚炎
  • アレルギー性皮膚炎

いずれも動物病院での診察と治療が必要不可欠になります。発見次第、すぐに動物病院に行きましょう。

真菌皮膚炎

真菌皮膚炎とは、カビ(真菌)に感染し皮膚が炎症を起こす病気です。皮膚糸状症とも呼ばれています。フケの発生のほか、湿疹や円形脱毛が発生することで有名です。

真菌皮膚炎は真菌に感染することで発症します。既に真菌に感染した猫との接触で感染する場合が多いです。そのため、複数の猫を飼っている飼い主様は他の猫に真菌が感染しないよう隔離などの注意を払ってください。

薬用シャンプーや抗真菌薬の投与によって治療していきます。免疫力が低下している老猫や子猫への感染率が高いです。真菌皮膚炎感染猫と同じく老猫や子猫を飼っている場合は、ただちに二匹を引き離しましょう。

ダニなどの寄生虫による皮膚炎

ダニなどの寄生虫による皮膚炎もフケ増加の原因になります。猫の皮膚に寄生する虫は、ネコツメダニやネコハジラミ、ネコノミなどです。

こうした寄生虫により発生する皮膚炎は、かゆみとフケがひどくなることで知られています。こちらも免疫力が弱い子猫や老猫に感染しやすいため、隔離を忘れずに行ってください。

寄生虫による皮膚炎は、かさぶたのようなフケが顔に見られます。また、ツメダニに寄生されるとダニがいる部分だけに大量のフケが出るのが特徴的です。フケが多い部分は触らずに病院で診察しましょう。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎とは、ハウスダストや食べ物などのアレルゲンに反応して起こる皮膚炎のことです。かゆみや湿疹が生じて、その部分を猫が舐めて掻きむしってしまうと悪化します。

アレルギー性皮膚炎では赤味や脱毛も生じます。フケの増加とともに急な脱毛が発生したらアレルギー性皮膚炎の可能性大です。すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

適切な2つの治療方法

適切な2つの治療方法

フケに対する適切な治療方法は、「動物病院への早期受診」「シャンプーとブラッシング」の2つです。動物病院への受診はもちろんのこと、シャンプーとブラッシングに関しても、適切なやり方を獣医師に聞いたほうが賢明でしょう。

動物病院への早期受診

皮膚病の場合は、動物病院への早期受診が欠かせません。放っておいた場合、初期よりも悪化することがあります。

「フケがいつもよりも多い」「かゆみを訴えているような気がする」と感じたら獣医師の判断を仰ぎましょう。動物病院への受診はお金もかかり、少し腰が重くなりますが、大切な愛猫のためです。少しでも早く受診することをおすすめします。

シャンプーとブラッシング

猫にシャンプーをすることは少ないですが、フケが多い場合はシャンプーとブラッシングをした方が良いです。猫の皮膚は人間の皮膚よりも薄いため、丁寧かつ慎重に扱うようにしましょう。

シャンプーはなるべく猫専用のシャンプーを使ってください。洗った後は、猫が驚かないようにドライヤーをかけ、愛猫に合ったブラシでブラッシングをしましょう。

猫のフケを大量発生させない2つの改善策

猫のフケを大量発生させない2つの改善策

猫のフケを大量発生させないための改善策として、「キャットフードの変更」「正常なフケか異常なフケかを見極める」ことの2つが有効的です。事前にフケの増加を予防しておけば、猫の病気を予防することにもつながります。

キャットフードの変更

今まで食べさせていたキャットフードを見直してください。そして、高タンパクかつ栄養バランスのとれたキャットフードを選んで食べさせましょう。

人間と同じように、猫にもミネラルやビタミン等の必要な栄養素がたくさんあります。栄養バランスのとれた食事によって摂取できるならそれに越したことはありません。難しい場合は、サプリメントを摂取させることも良いでしょう。

正常なフケか異常なフケかを見極める

猫のフケが正常か異常か見極めるだけでも、皮膚病の早期発見につながります。異常なフケの場合、過剰な増量やベタベタした触り心地、脱毛、カサブタ状のフケ、赤みが見られるでしょう。

異常なフケを発見した場合は、直ちに動物病院を受診し獣医師に診てもらってください。獣医師は動物の専門家です。異常なフケを発見したとはいえ、その後の対策や正確な判断は彼らに任せましょう。

猫のフケに注意して愛猫の健康を守ろう

猫のフケに注意して愛猫の健康を守ろう

本記事では、猫のフケに皮膚病が関係している可能性や病気の種類、治療方法や改善策に関して紹介しました。異常な量のフケを発見したら、速やかに対処することが必要です。

猫はあまりシャンプーやブラッシングをしませんが、年齢により必要になってくる場合もあります。飼い主様の愛猫に合ったやり方で皮膚病を防ぐことが大切です。

COCOペットでは、コラムにて猫の情報を発信しており、猫の健康に関する知識を得ることができます。猫の飼育の参考にしてください。