「犬のマウンティングってなぜ起こるのだろう」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

散歩やほかの犬と会ったときに愛犬がマウンティングしてしまい、困った経験がある人は多いでしょう。犬のマウンティングには、交尾などの本能的欲求以外にも原因があります。原因を究明することでマウンティングを抑えられる可能性もあるのです。

本記事では、犬がマウンティングする意味や注意点、改善策などを徹底的に解説します。

犬のマウンティングとは?

犬のマウンティングとは、前足で相手にしがみつき腰を振る動作のことです。犬同士の交尾のように見えますが、必ずしも交尾とは限りません。犬はぬいぐるみや飼い主様の足でもマウンティングすることがあります。

そして、意外に思われるかもしれませんがオスだけではなく、メスの犬もマウンティングをすることがあるのです。

犬がマウンティングする6つの意味

犬のマウンティングには以下の6つの意味があります。

  • 構って欲しいという欲求を表すため
  • 性的な気持ちを表すため
  • 自分の方が強いと訴えるため
  • 独占欲を表すため
  • 興奮して楽しい気持ちを表すため
  • ストレスを発散するため

いずれも日々成長し生きていくなかで、自然と起きる心の現象です。ひとつひとつを丁寧に解説していきます。

構って欲しいという欲求を表すため

犬がマウンティングする理由には、「構って欲しい欲求を表すため」という場合があります。「飼い主様に遊んで欲しい」「飼い主様に構って欲しい」という欲求を表すためにマウンティングをするのです。

まずは飼い主様自身がマウンティングは犬の自然な行動のひとつと理解しましょう。

性的な気持ちを表すため

必ずしも交尾を示すわけではないですが、なかにはオス犬が発情したメス犬の匂いを嗅いで本能的にマウンティングをする場合もあります。性的な気持ちを表すためにマウンティングをしてみせるのです。

犬は生後半年から7ヶ月で性成熟期に入り、子孫を残すことが可能になります。散歩やドッグランなどで発情期のメスと出会う場合もあるため注意してください。去勢していない場合は妊娠につながる可能性もあります。

自分の方が強いと訴えるため

犬のマウンティングは、相手の犬に自分の方が立場的に上だと訴えるために行う場合もあるのです。そもそも「マウンティング」という言葉自体、自分の方が優位だと示す行動のことをいいます。

犬は群れで行動する生き物なため、上下関係を決める行動は必要不可欠です。なかには、子犬の頃からマウンティングにより、自分の位置関係を理解することもあります。

独占欲を表すため

ぬいぐるみやおもちゃに対してマウンティングを行う場合は、その物に対して独占欲を表している可能性が高いです。「これは自分のもの!誰にもあげない!」といった強い独占欲をマウンティングによって、表しているといえます。

お気に入りのおもちゃに対してあまりにもマウンティングする回数が多い場合は、独占欲だけでなく支配欲を示している可能性もあるでしょう。放置するとおもちゃだけでなく、飼い主様やご家族へのわがままに発展する可能性もあるためご注意ください。

興奮して楽しい気持ちを表すため

犬のマウンティングは、飼い主様や他の犬と遊んで興奮しているときになりやすいです。マウンティングの意味のなかでも、興奮が抑えられずに楽しい気持ちを表すためという可能性が一番多いといえます。

犬種の性格として、明るく、好奇心旺盛な犬は興奮しやすい性質です。若い成犬に多く見られることも特徴のひとつになります。例として、チワワやトイプードルが当てはまりやすいです。

ストレスを発散するため

運動不足や飼い主様とのコミュニケーション不足などでストレスが溜まると犬はマウンティングしやすくなります。もちろん、不安や怒りという感情もストレスのひとつです。

運動やコミュニケーションは取れているのにマウンティングが多い場合は、何かに対して不安や怒りを感じているのかもしれません。愛犬をよく観察して、彼らのストレスのもとを取り除いてあげましょう。

犬のマウンティングに関する3つの注意点

犬のマウンティングには以下の3つの注意点があります。

  • 性器から液体が出る場合がある
  • 飼い主様の言うことを聞かなくなる
  • 腰を痛めてしまう

3つとも見逃すと危険です。愛犬の健康のためにも、3つの注意点を頭において観察してあげてください。

性器から液体が出る場合がある

犬はマウンティングの際に尿や精液が混じった分泌物を出す場合があります。興奮してマウンティングする場合が多いため、赤くなった性器が露出してしまうのです。

そして、楽しさや嬉しさのあまり性器から液体を出してしまいます。しかし、デリケートな性器を頻繁に出すことは炎症を起こす原因となるでしょう。

飼い主様の言うことを聞かなくなる

マウンティングが習慣になると、飼い主様を自分より下に見て言うことを聞かなくなる場合があるのです。そうなると、せっかく学んだしつけも忘れてしまう恐れがあります。

さらには、吠える、噛むといった行為に発展してしまう場合もあり得るのです。散歩中に他の犬に迷惑をかけて、飼い主様自身が困ってしまうこともあるでしょう。

腰を痛めてしまう

犬のマウンティングは、上記で述べたように前足で相手にしがみつき腰を振るものです。こうしたマウンティングの体勢は、愛犬が腰を痛める原因になります。

また、マウンティングしながら飛びつく姿勢は後ろ足に大きな負荷がかかるのです。その結果、腰や股関節を痛めるだけでなく、ヘルニアや股関節の病気になる可能性も出てきます。

犬のマウンティングを改善させるには?

犬のマウンティングを改善させるには、まず散歩中に他の犬と距離を取ることが大切です。愛犬がマウンティングしそうになったら、リードを引いて止めましょう。

飼い主様にマウンティングしてきた場合は、騒がずに「ストップ」などのコマンドを出すか大人しく見守ります。ここで下手に声を出したり騒いだりすると、「遊んでくれる!」と勘違いしてしまうため、注意が必要です。

また、去勢や避妊手術をしておくとマウンティングが抑制されることがあります。ただし、あくまでも抑制であって、去勢や避妊手術をしてもマウンティングすることもあると覚えておきましょう。

物にマウンティングすることを防ぐために、ぬいぐるみやおもちゃは遊んだ後必ず片付けておいてください。

マウンティングに上手く対処して愛犬の成長を見守ろう

本記事では、犬がマウンティングをする意味や注意点、改善策を解説しました。個体差も大きいけれど、子犬の頃からマウンティングすることはあります。

なかには行わない犬もいますが、基本的に「マウンティングする」と考えておきましょう。初めて愛犬がマウンティングし始めたら、慌てず落ち着いて自分の愛犬に合わせた改善策を講じてください。

COCOペットでは、犬のさまざまな情報をコラムとして発信しております。犬の飼育や行動で困ったことがあった際に参考にしてください。