「シニア犬には体圧分散するベッドがいいってどういうことだろう」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
シニア期に突入した犬は体のあちこちが悪くなり、ベッドで過ごす時間も長くなります。
しかし、シニア犬用のベッドにある「体圧分散」という言葉がいまいち分かりにくいこともあるでしょう。
本記事では、体圧分散ベッドがシニア犬の体に最適な理由、そして体圧分散ベッドの選び方や注意点を分かりやすく丁寧に紹介します。
目次
シニア犬に介護用ベッドは欠かせない
犬は人間よりも歳を取るのが早い生き物です。大体7歳から8歳でシニア期に入ります。人間の歳で換算すれば40代から50代です。
シニア期以降は高齢化の症状として「高齢で動かない日が多い」「排泄などの問題がある」という点が目立つようになります。以下でより分かりやすく解説します。
高齢で動かない日が多い
シニア犬になると筋力の低下により、成犬のときよりも動かない日が多くなります。それに合わせて睡眠時間も長くなるため、必然的に以前より家で動かずに寝て過ごす日が多くなるのです。
その場合は人間も使用するソファやベッドよりもシニア犬用に作られたベッドの方がくつろぎやすいでしょう。シニア期以降はストレスにも弱くなるため、今までよりもよりリラックスできる環境づくりが大切になります。
排泄などの問題もある
排泄器官周りの筋肉低下にともない、シニア期からトイレが間に合わずに漏らしてしまうことが多いです。今までは行けていたトイレまでの距離もシニア犬には遠すぎる場合もあります。
高齢化によってトイレも近くなる時期です。これまで使用していたベッドでは、汚れが目立ったり、洗いにくかったりと多くの支障が出てくるかもしれません。
シニア犬に体圧分散ベッドが良い3つの理由
体圧分散とは、体にかかる圧力を周りに散らして一部分だけに圧力の負担がかかることを減少させることです。体圧分散ベッドを使用することにより、以下のようなメリットがあります。
- 床ずれを防止できる
- 体が沈みすぎない
- 寝たきりでも気持ちよく過ごせる
愛犬の体に嬉しいことばかりです。ひとつずつ丁寧に紹介しましょう。
床ずれを防止できる
床ずれとは、長時間同じ体勢で床と接することで体が圧迫され血流が悪くなり、表面の皮膚が壊死することです。シニア期から高齢期を迎え、寝たきりになった犬に多い印象があるでしょう。
しかし、シニア犬になって睡眠時間が増えた犬にもみられます。シニア期になった時点で、床ずれの予防を始めてください。床ずれ防止には体圧分散ベッドが非常に有効です。体圧が分散して一箇所にかかりすぎないため、圧迫による血流の悪さが緩和されます。
体が沈みすぎない
体圧分散ベッドは低反発と高反発を組み合わせて作られているため、体が沈み込んでしまうのを防ぐことが可能です。低反発素材の優しい柔らかさと高反発素材の沈み込みすぎない硬さにより、シニア犬の弱った足腰でも起き上がりが簡単になります。
寝たきりでも気持ちよく過ごせる
基本的に体圧分散ベッドは、シニア犬への体の負担が少ないように作られています。低反発素材だけのものは柔らかく愛犬の体にフィットしてくれますが、そのぶん体全体がベッドに沈みやすくなるでしょう。
高反発素材だけのものは寝返りがうちやすく沈みにくいですが、硬くできているものが多いです。低反発と高反発を両方取り入れている体圧分散ベッドは、硬すぎずちょうどいい寝心地が得られる良いとこ取りのベッドといえるでしょう。
体圧分散ベッドの4つの選び方
体圧分散ベッドの選び方は以下の4点です。
- 通気性が十分あるか
- 選択可能かどうか
- 愛犬に合ったサイズなのか
- 滑り止めが付いているか
ベッドを選ぶときは、いずれのポイントにも重点をおいて選んでください。
通気性が十分あるか
シニア犬になると運動機能のほかに免疫力も低下します。体温調節もうまくできません。そのため、熱中症や皮膚病になりやすくなります。通気性が良く体温調節がしやすい、蒸れにくい体圧分散ベッドを選んであげましょう。
ちなみに、体温調節が苦手なため暑さだけでなく寒さにも弱いです。秋冬などの冷える時期は、ベッド周りはもちろんのこと、部屋全体を適温適湿にできるよう工夫しましょう。
洗濯可能かどうか
シニア犬になるとトイレの失敗により、カバーの汚れる頻度が多くなります。体圧分散ベッドのカバーやベッド自体が自宅で洗える素材だと非常に便利です。洗濯が可能で、できる限り簡単に手入れできるタイプを選んでみてください。
愛犬に合ったサイズなのか
全ての犬に老化は訪れます。特に、大型犬は老化のスピードが早いです。飼い主様の愛犬に合わせた体圧分散ベッドを選ぶことが大切になります。シニア期を迎えた超大型犬でも、のびのびと寝られるサイズを選びましょう。
滑り止めが付いているか
近年の住宅環境では、床がフローリングでできていることが多いです。しかし、フローリングは滑りやすく、シニア犬には向いていません。愛犬の安全のためにも、ベッドは滑り止めが付いているものを選ぶと良いでしょう。
体圧分散ベッドを使用する際の2つの注意点
シニア犬になると身体的にも精神的にも変化があります。以前とは大きく異なる状況に驚くかもしれません。しかし、こうした現象も自然なことです。
適切に対処できるように体圧分散ベッドを使用する際は、「愛犬が快適に過ごせる場所に置く」「ペットシートを敷いておく」といった2点にご注意ください。以下でより分かりやすく解説します。
愛犬が快適に過ごせる場所に置く
シニア犬になるとマイペースになり、飼い主様へ甘えることが多くなります。そのため、体圧分散ベッドはいつも構ってあげられる場所や室温変化があまりない快適な場所に置くと良いでしょう。
ペットシートを敷いておく
何度も述べているように、シニア犬になると今まで簡単にできていたことができなくなります。そのなかで飼い主様への影響が一番あるといっても過言ではないのがトイレの失敗です。特に、尿漏れの場合は汚れる頻度がより高くなります。
洗える素材の体圧分散ベッドを購入しても毎回洗うのは大変でしょう。愛犬も洗うたびに別の場所へ移動しなければなりません。そのため、体圧分散ベッドともに、ペットシートを敷いて更なる汚れ防止をすると効果的です。
シニアになった愛犬が快適な体圧分散ベッドで眠れるようにしよう
本記事では、シニア犬に欠かせない体圧分散ベッドについて選び方から注意点までを紹介しました。シニア期は成犬のときと生活がまるで異なります。人間からすると早すぎて理解が追いつかないこともあるでしょう。
しかし、愛犬の老化を受け止めてシニア犬に合ったベッドやフードなどの環境作りを心がけましょう。本記事が体圧分散ベッドを購入するきっかけや良い情報源となれば幸いです。
COCOペットでは、シニア犬に関する情報をコラムとして発信しております。ぜひ飼育の際の参考にしてください。