人より寿命の短い犬との生活の中では、愛犬が先に亡くなってしまうことも多いです。愛犬の死期が近づいていてどうしたら良いのか悩んでいる飼い主様もいるかもしれません。愛犬は最期まで飼い主様のことが大好きです。旅立つ時はできる限りそばにいて、触れたり話しかけたりと、好きなことをたくさんさせてあげましょう。今回の記事では、死期が近い愛犬にしてあげたいことや、亡くなった愛犬に感謝を伝えるためにしたいことをご紹介します。
目次
最期を迎える前に愛犬が見せる行動
はじめに、最期が近い犬によくみられる様子をお伝えします。これらは必ずしも全ての犬にあらわれるわけではありません。病気の犬にみられることもある症状ですので、注意深い観察が必要です。
食事をとらなくなる
最期が近い犬は代謝が低下して食事が必要なくなったり、食事をするためのエネルギーもなくなっていたり、痛みのせいで食べることができないことが多いです。そのため、最期が近づくにつれて徐々に食欲がなくなり、やがて水も飲み込む力がなくなることもあります。愛犬が自分で食事をできなくなっても、飲み込む力があるうちは、流動食などを口に入れて食べさせると良いでしょう。
寝ている時間が長くなる
最期が近づくと、犬は寝ている時間が長くなります。はじめは徐々に活動時間が減ったな、と感じる程度で、日中寝る時間が増えるために夜間に眠れず昼夜逆転することもあります。しばらくすると、散歩やトイレのために起きることも少なくなり、やがて1日のほとんどを寝て過ごすようになることも少なくありません。
下痢・嘔吐をする
最期が近づくと、すべての臓器の機能が低下します。消化器官の機能が低下することで、食事をしても栄養の吸収が悪くなり、下痢や嘔吐をすることも増えるでしょう。また、寿命が近い犬の体ではすべての筋力が低下します。排便に関わる肛門周囲の筋力なども衰えるため、トイレの粗相が増えたり時には寝ている間に排便をしてしまったりすることもあります。
体温が低下する
健康な犬の体温は人の平熱よりも少し高い38~39℃です。最期が近づくと、体の代謝が落ちたり心臓の働きが弱くなったりするため、体温が低下します。愛犬の体がふだんより冷たいな、と感じたらヒーターマットや暖房器具を利用して体を温めてあげましょう。
亡くなる前の愛犬にしてあげたい3つのこと
上では犬の最期が近いサインについてお伝えしました。このような様子がみられたら、愛犬との残された時間を愛犬が幸せに過ごせるように心がけましょう。ここでは愛犬にしてあげたい3つをご紹介します。無理のないように獣医師と相談しながら行いましょう。
そばにいてたくさん撫でてあげる
犬は飼い主様に触れられたり話かけられたりすることで安心します。最期が近づいたな、と感じたらできるだけ一緒の時間を過ごし、たくさん撫でて愛情を伝えましょう。体に痛みがある犬の場合は傍に寄り添うだけでも愛犬がリラックスできます。穏やかな口調を心がけ、愛犬がゆったり過ごせるように心がけると良いでしょう。
好きなことをさせてあげる
食いしん坊の愛犬の場合、食欲があるうちはご飯を好きなだけ食べさせたり、今まで我慢させていたおやつを食べさせたりするのも良いでしょう。ただし、人の食べ物の中には犬にとって有害なものも多いため、いくら欲しがっても人の食べ物を与えることは控えましょう。
お散歩好きな愛犬の場合、体調が良い日はカートに乗せるか、愛犬を抱っこして少し外出するのもおすすめです。仲良しの犬などがいる場合はできるだけ触れ合わせてあげましょう。会わせたい家族や友人がいる場合にはできるだけ早く連絡を取りましょう。
必要があれば介護してあげる
死期が近づくと寝たきりになる犬も多いです。床ずれ防止のために寝返りをうたせたり、排泄や食事の介助をしたり、体を清潔に保つための介護が必要になることもあります。介護生活に入ると飼い主様の負担も大きくなることが多いです。介護の程度や期間に応じて、ご家族や友人、専門機関などに相談して一人で抱え込まないようにしましょう。
亡くなった愛犬はどのような気持ちだったのか
愛犬が亡くなると、多くの飼い主様は悲しみと後悔に囚われてしまいます。「こうしていれば愛犬はもっと長生きできたのではないか。」という自責の念が強くなることも多いでしょう。愛犬が幸せだったのか心配で、どのような気持ちだったのかを知りたい方も多いですよね。
愛犬が本当にどんなことを考えていたのかを知ることは難しいですが、飼い主様が寄り添って最期を迎えた犬は穏やかな気持ちで旅立ったはずです。また、何らかの事情で愛犬の看取りができなかった場合、飼い主様は自分を責めることもありますが、愛犬にとっては飼い主様にショックを与えずに旅立つことができて安心しているかもしれません。
愛犬が亡くなってしまった喪失感から立ち直れないと感じたら、楽しかった日々の写真などを見返し、愛犬のことを知っている家族や友人と思い出話をたくさんするのもおすすめです。飼い主様自身が幸せだったように、愛犬もまた飼い主様と過ごす日々が幸せなものだったに違いないと思うことができるはずです。
旅立った愛犬に「ありがとう」を伝えるためにできる4つのこと
愛犬が旅立ったあとも、飼い主様が愛犬のためにしてあげられることはあります。虹の橋を渡った愛犬が悲しまないように、また飼い主様ご自身がペットロスに陥らないためにできることをご紹介します。
愛犬に声をかけてあげる
息をひきとったあとも24時間は耳が聞こえると言われることがあります。愛犬が亡くなった直後はたくさん撫でて、感謝の言葉をかけ続けましょう。亡くなったあともしばらくは愛犬の体温は保たれることが多いです。やがて体が冷たくなりますが、まだ愛犬に声が届いていると信じて、伝えたい気持ちをすべて伝えると良いでしょう。
供養してあげる
心が落ち着いてきたら葬儀を行い、愛犬をお見送りしましょう。どのような葬儀にするか、どこかに納骨するか、手元供養にするのかなど、どのような方法で供養したいかを考えご家族とも相談すると良いでしょう。悔いのない供養をすることで飼い主様がペットロスに陥るのを防止できることもあります。
愛犬の葬儀を考える場合は、飼い主の想いに寄り添い、大切な愛犬に誠意をもって対応してくれる火葬・葬儀社を選ぶと後悔のない供養ができます。
愛犬のことを忘れない
愛犬は消えていなくなったのではなく、飼い主の心の中で生き続けています。愛犬のことを決して忘れず、心の中で折に触れて声をかけてあげると良いでしょう。愛犬のいない生活が辛くても、無理に忘れようとしたり、遺品を処分しようと考えたりする必要はありません。
愛犬がくれた幸せや生きる力を大切にする
飼い主様がいつまでも悲しみに打ちひしがれていると愛犬も安心できません。愛犬と過ごした日々を振り返ると、たくさんの幸せや癒しを与えられ、生きる力が湧いてきたことを思い出すでしょう。愛犬が与えてくれたすべてに感謝しながら毎日を大切に過ごし、少しずつ日常生活を取り戻せるように踏み出すと良いでしょう。
かけがえのない日々を胸に前を向きましょう
今回の記事では、愛犬とのお別れに際し、飼い主様がしてあげられることや感謝の気持ちを伝えるためにできることなどをご紹介しました。愛犬を亡くした直後は誰しもが悲しみに囚われ、生活もままならなくなります。無理をせずに泣きたいだけ泣いても良いのです。少し落ち着いてきたら、是非愛犬との楽しかった日々を振り返ってみてください。愛犬が与えてくれたたくさんの愛情を思い出せば、飼い主様も少しずつ前を向けるようになるでしょう。