「飼っている猫が一緒に寝たがるのは何か意味があるの?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫が飼い主様と一緒に寝たがるのには、いくつか理由が考えられます。また一緒に寝る場所により猫の気持ちは異なります。

ご自身の愛猫がどんな気持ちで一緒にいるか、気になりますよね。

本記事では愛猫が一緒に寝たがる理由や気持ち、寝る時の注意点について解説いたします。猫を飼育されている方の参考になれば幸いです。

愛猫が一緒に寝たがる理由

愛猫が一緒に寝たがる理由

愛猫が飼い主様と一緒に寝たがるのには理由があります。ご自身の飼育している猫がどれに当てはまるのか考えてみましょう。

甘えたいから

飼い主様に甘えたくて一緒に寝たがる猫もいます。

子猫の頃に母猫に甘えていたように、信頼している飼い主様に甘えて守られたいという気持ちの現れです。

喉をゴロゴロ鳴らす場合や、飼い主様の膝に乗ってくつろぐこともあり、非常に愛らしいですよね。

なかには避妊や去勢によって、常に甘えん坊な性格になることもあります。

飼い主様の膝やお腹の上に乗ったり、クッションなどを踏んだり、ゴロゴロと喉を鳴らしていたりしているときも、甘えたいときの仕草です。

飼い主様のベッドが心地よいから

飼い主様のベッドの環境が心地よくて、一緒に寝たがる場合もあります。

飼い主様の体温で暖かいため、自分のベッドより気に入ることも珍しくありません。

猫は一般的に寒がりです。猫にとって飼い主様の体温や毛布による暖かさは心地良いでしょう。

飼い主様を守るため

飼い主様を守るために一緒に寝たがる猫もいます。

猫は縄張り意識が強い動物です。自分の縄張りの中で暮らす飼い主様を、本能的に外敵から守ろうとします。

猫は夜行性であるため、夜に無防備な飼い主様を気遣っています。

信頼している飼い主様を守れる充実感や喜びを感じているのでしょう。対して昼間は飼い主様に守ってもらっている安心感を得ています。

愛猫と一緒に寝ることで得られる効果

愛猫と一緒に寝ることで得られる効果

猫と一緒に寝ることにより、飼い主様も嬉しい効果が期待できます。以下では、愛猫と一緒に寝ることで得られる3つの効果を解説します。

仲良くなれる

猫と一緒に寝ると、親密度が上がり、仲良く慣れる可能性があります。

猫は警戒心が強く、単独行動を好む動物ですが、飼い主様と一緒に寝ようとしてくれている時点で、すでに飼い主様を信頼している証です。

毎日一緒に寝ることで猫は安心感を覚えて、恋信頼関係を築けるでしょう。

ストレスが軽減する

猫は、ストレスを軽減するために喉をゴロゴロ鳴らす猫がいます。

猫がゴロゴロ鳴いている音を聞くと心拍数が低下して、ストレスが軽減することが筑波大学の研究で証明されています。

そのため、人間にとって精神的かつ身体的な癒やしを与えてくれるでしょう。

暖かく寝られる

猫と一緒に寝ると、飼い主様も温まり、心地いい睡眠が期待できます。

とくに秋や冬などの寒時期は、寒さで眠れないことがあります。

猫と一緒に眠ることにより、夜中に起きてしまうことも少なくなるかもしれません。

猫と一緒に寝るデメリットはある?

猫と一緒に寝るデメリットはある?

猫と一緒に眠ることはメリットがたくさんありますが、デメリットも存在します。

猫と幸せな時間を過ごすためにも、どのようなデメリットがあるかを事前に理解しておきましょう。

夜中に起こされることがある

猫は夜行性の動物と思われることがありますが、実際は明け方や日没後に活発になる薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)です。

猫は一度にまとめて睡眠するのではなく、何度も分けて睡眠を取ります。

そのため、朝早くから活動を始めることもあり、早朝でまだ寝ていたい時間帯でも起こされてしまうことがあるでしょう。

猫と一緒に寝ることにより、飼い主様の睡眠が浅くなること可能性があることを事前に理解しておきましょう。

寝具が汚れてしまう

猫は清潔なことが好きな傾向にありますが、身体は思っているより汚れていることがあります。

とくに換毛期の場合は抜け毛が多く、寝具にも付着してしまいます。

寝具に抜け毛がついてしまうと不清潔になってしまうため、定期的に掃除することが重要です。

また、室内で飼っている猫でも、外に自由に出ることができる場合、猫の体にノミやダニが付いているかもしれません。

ノミやダニが付着している猫と一緒に寝ると、人間にも付着する可能性があるため注意が必要です。

愛猫が怪我する可能性がある

猫と一緒に寝ると、寝返りやベッドから落としてしまうなどして、猫を怪我させてしまう可能性があります。

寝返りを打った瞬間や手足を伸ばしたり、折り曲げたりしたときに、誤って猫を押しつぶしてしまうと圧迫して窒息させる可能性もあります。

猫を怪我させたくない方は、一緒のベッドで寝ることは避けましょう。

一緒に寝る場所で愛猫の気持ちは異なる

一緒に寝る場所で愛猫の気持ちは異なる

猫が飼い主様と一緒に寝る際、寝る場所により猫の気持ちは異なると考えられます。

以下では、寝る場所と猫の気持ちについてご紹介します。愛猫の気持ちを汲み取ってみましょう。

顔の近くは甘えたい気持ち

飼い主様の顔の近くや枕元で寝ているのは、甘えたい気持ちの現れです。

顔から遠くなる程、飼い主様への信頼は薄れるといわれています。顔付近は、愛猫が飼い主様を最も信頼している証です。

成熟した猫は、他者を近づけさせないパーソナルスペースがあり、誰かにくっついて寝るのは子猫時代の名残といわれています。

飼い主様の顔の近くに寄り添っている時は、子猫の気持ちに戻って甘えている状態です。

足元は程よい距離感

足元で寝ている時は、程よい距離感を保ち、側にいたいけれどベタベタ甘えたくない気持ちです。自立した大人の猫は足元で寝るのが一般的です。

猫は警戒心が強く、パーソナルスペースがある動物であるため、いつでも逃げられる場所を好みます。

飼い主様の温もりを感じつつ、一定の距離を保てる場所として足元は都合が良いようです。

少し寂しいようにも感じますが、一緒に寝ているのは信頼している証です。

蹴り飛ばすことや下敷きにすることが無いように気をつけて、一緒に寝る時間を満喫しましょう。

布団の中は信頼の証

布団の中は飼い主様への警戒心が全くなく、信頼している証拠です。

布団の中は外から見えないため、猫にとっては未知の世界です。

しかし、飼い主様が入っている布団であるため、飼い主様を信頼している猫は気にせず入ってきます。

また布団の中に入る猫のほとんどが寒がりです。飼い主様に温めてもらいながら、甘えられる場所として、布団の中は快適なのです。

布団の上は飼い主様を守ろうとしている

飼い主様の布団の上で寝る猫は、飼い主様になでてもらうことが大好きな猫でしょう。

温かい布団の上は猫にとって心地よく、くつろぎやすい場所でもあります。

飼い主様の寝ている布団の上の場合、寝返りをするため不安定な場所ではありますが、飼い主様のことを信頼しているからこそ一緒に寝ているといえます。

飼い主様のことが大好きで、自分のテリトリーで一緒に寝ている飼い主様を守ろうとする際にも布団の上で寝る様子が見られるでしょう。

愛猫と一緒に寝る時の注意点

愛猫と一緒に寝る時の注意点

愛猫が一緒に寝たがる時、飼い主様としてはぜひ一緒に寝たいですよね。

しかし、添い寝は時に思わぬ事故や猫へのストレスにつながります。一緒に寝るときは、以下の点に注意しましょう。

十分なスペースを確保する

猫と一緒に寝る時は十分なスペースを確保しましょう。

狭い場所で寝ると猫を押しつぶすリスクや、猫がベッドから落下する可能性があります。

そのため、猫と一緒に寝る際には大きめのベッドを用意するようにしましょう。またあまり密着しすぎると、寝返りのタイミングで猫を潰すリスクがあります。

とくに小さな猫の場合は致命傷になりかねないため、適度な距離を保った状態で一緒に寝るようにしましょう。

飼い主様の寝相が悪い場合は、猫用のベッドを近くに置くのも手段です。

猫の体調管理を徹底する

猫の体調は常に気にかけ、体調が優れない時には一緒に寝ないでください。

体調が悪い時は別で寝かせて、体調の回復に努めるべきです。

感染症の中には「人獣共通感染症」と呼ばれる、動物も人間も発症する感染症があります。

飼い主様と愛猫の間で感染症が移る危険があるため、お互い具合が悪いときは別々に寝るといいでしょう。

飼い主様の病気が猫に移るリスクだけでなく、猫の病気が飼い主様に移る可能性があり危険です。

猫と一緒に寝るときは、体調管理を常に徹底しましょう。

こまめにシーツを洗濯する

猫と一緒に寝る場合は、いつも以上に頻繁にシーツを洗う必要があります。

猫についたノミやダニがシーツに付着して、飼い主様やご家族に広がる可能性があるからです。

また、猫が外から持ち込んだ汚れや粗相による汚れもつきやすいです。

最低でも1週間に1回はシーツを洗濯するよう徹底しましょう。駆除薬を使用することも効果的です。

布団の上におしっこされないように気をつける

猫は縄張り意識が強い動物のため、布団の上でおしっこをしてマーキングする可能性があります。

また、夜中に部屋のドアが閉まってしまうことにより、いつもの場所でトイレができず、布団の上でしてしまうことも考えられます。

そのため、トイレを移動させておくか、ドアを開けたまま寝たりするなどして、猫が夜中でもトイレに行きやすいように対策することが重要です。

飼い始めたばかりの猫は、トイレのしつけをしておき、おしっこを誤ってしてしまった場合でも対処できるように防水シーツを使用しましょう。

電源コードに注意する

猫と一緒に寝る場合は、電源コードにも注意しましょう。

就寝時に充電することが多い形態の充電コードも、猫が誤ってかじってしまう可能性があります。

猫がかじってしまった場合、感電や発火の可能性が考えられます。

猫は何度も睡眠を繰り返す動物のため、夜中に目を覚まし、一人で遊んでコードをオモチャにしてしまうこともあるでしょう。

そのため、電源のコードをかじられないように、事前にコードや電源タプにカバーを付け、携帯の充電コードも猫が触らない場所においておきましょう。

病気や怪我をしている猫とは寝ない

猫が病気や怪我でかわいそうだと感じても、一緒に寝るのは控えてください。

一緒に眠り、踏み潰したり、ベッドから落としてしまったりすると、病気や怪我は悪化します。

また、猫の病気のなかには、人間に感染するものもあるため、猫の病気が飼い主様に感染してしまうこともあるのです。

そのため、ワクチンを接種していない猫や身体に怪我がある猫とは一緒に寝ないようにしてください。

子猫とは寝ない

子猫は小さくて愛らしく、さみしくならないように一緒に寝たいと考える飼い主様もいらっしゃるでしょう。

しかし、生後間もない子猫と一緒に寝るのは大変危険です。

知らないうちに寝返りで子猫を圧死させてしまったり、骨折させてしまったりする可能性があります。

そのため、子猫を怪我させないためにも、生後半年を過ぎたくらいから一緒に寝るようにしましょう。

猫と別々で寝るようにするには

猫と別々で寝るようにするには

なかには、猫に怪我をさせないように別々に寝たいという飼い主様もいらっしゃるでしょう。

しかし、完全に別に寝るのは猫にとっても飼い主様にとってもさみしいことです。

そのため、たまに一緒に寝る、または一緒に寝ない日を作ることも効果的だといえます。以下では、猫と別々に寝るためにできることについて解説します。

寝室にケージを設置する

猫と別々に寝るとはいえ、急に一人で寝かせることは猫にとってストレスがかかります。

そこで、まずは同じ部屋で別々の寝床で寝るようにしてみてはいかがでしょうか。

飼い主様のニオイで落ち着いて寝たい、安心して寝たいという猫の場合は、ケージのなかに飼い主様のニオイが付いた服やタオル、枕、布団を入れてあげるといいでしょう。

寝室にケージを置いて、同じ空間で眠るだけでも猫にとって阪神間があるはずです。

猫のベッドを置く

人間のベッドで猫が寝る理由として、布団がふかふかであったかく、心地いいからということが考えられます。

そこで、寝室に猫のベッドを置いてあげてはいかがでしょうか。

猫専用のベッドにふかふかの布団を置いてあげると、飼い主様と一緒に寝られなくても、居心地がいい場所で眠ることができます。

一緒に寝ない日を作る

寝室においたケージの中や、猫専用のベッドで、飼い主様と離れて眠れるようになれば、飼い主様の姿が見えない場所にケージを移して別々に寝てみましょう。

急に一緒に寝ないというわけではなく、別々に寝る日を徐々に増やしていきます。猫が不安そうにしている場合は、一緒に寝てあげるようにしてあげましょう。

注意点を守って愛猫と一緒に寝ましょう

今回は猫が一緒に寝たがる理由や一緒に寝るときの注意点を解説いたしました。

猫が飼い主様と一緒に寝たがるのは、甘えたい気持ちや信頼の表れであるため、飼い主様としても嬉しいですよね。しかし、一緒に寝る時には、前述した注意点を必ず守りましょう。

寝る環境により、猫を怪我させる場合や、猫と飼い主様どちらも感染症にかかるリスクがあります。適切な環境で一緒に寝て、愛猫との素敵な時間を過ごしてください。

また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っている猫たちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。

悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。