「カワウソの寿命はどのくらい?」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カワウソは非常に愛らしく、人気を集めている動物です。そのため、ペットとして飼いたい方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、非常に繊細な生き物で、飼育方法や環境に気をつけないと寿命が大きく縮む恐れがあります。
本記事ではカワウソの寿命や長生きさせるための飼育方法やコツについて解説いたします。カワウソの飼育を検討している方やすでに飼育している方の参考になれば幸いです。
目次
カワウソの寿命は?
カワウソはその愛らしい見た目から人気の生き物です。近年では水族館や動物園以外にも、ペットとして飼育する方もいらっしゃいます。
カワウソの寿命は飼育下と野生下により大きく異なるため、以下で解説します。
飼育下のカワウソ
動物園や水族館などの飼育下で、カワウソは平均10~15年ほど生きるといわれています。中には20年以上生きる個体もいるようです。
飼育下では、餌や水、環境などが適切に管理されているため、病気や怪我のリスクが低く長生きできます。
野生のカワウソ
野生のカワウソの寿命は平均5〜6年と、飼育されているカワウソの半分以下です。交通事故や病気、食糧不足などが原因で、1年生存率が50%以下と言われています。
中でも多いのが事故や病気です。韓国では毎年交通事故によるカワウソの死亡が多数確認されています。次いで食料不足による共食いも報告されており、過酷な環境下で生きているため寿命が短い傾向にあるのです。
そもそもカワウソとは
カワウソは、哺乳類の食肉目カワウソ科に属する動物です。川や湖、海沿いなどの水辺に生息し、魚を主食とする水棲の肉食獣です。
カワウソの特徴は、愛らしい見た目にあります。小さな体つきに短い足と手足の間を繋ぐ水かきを持ち、臆病で好奇心旺盛な性格をしています。遊び好きな一面もあり、川などで魚を追いかけて遊ぶ様子が可愛らしく人気です。
カワウソの全長は種類にもよりますが、約60〜100cm、体重は5〜15kgほどです。単独または雌雄ペアで行動することが多く、個体数が減少している地域では一夫多妻の群れで生活する例もあります。
主な生息地は、北米、南米、アジア、ヨーロッパなどです。川や小川、池、湖沼、河口や沿岸部に生息し、岩の割れ目や川岸の穴かげ、草むらなどを住処としています。
また、食性は魚が中心ですが、貝類、カニ、エビ、両生類、鳥の卵や巣立ち児などをも食べます。岩の隙間に入り込んで獲物をとるなど、非常に器用な生き物です。
カワウソの寿命を伸ばす飼育方法
せっかくカワウソを飼うのなら、健康に長生きしてほしいですよね。前述した通り、カワウソの寿命は飼育環境に大きく影響します。
以下では、カワウソの寿命を伸ばす飼育方法についてご紹介します。
カワウソの食事
カワウソを長生きさせるには食事が重要です。カワウソは繊細なため、特に「腎臓疾患」と「寄生虫」に気を遣った食事を準備しましょう。
ペットのカワウソはキャットフードを主食とし、魚介類や甲殻類も食べます。食事を選ぶ際には以下の2点に気をつけましょう。
- 腎臓疾患予防効果のあるキャットフードを選ぶ
- 寄生虫予防のために魚は1度冷凍し、内臓は取り除く
カワウソを長生きさせるためにも、適切な食事を与えることが重要です。
カワウソの飼育環境
カワウソがストレスを感じないような飼育環境が必要です。ストレスはカワウソの寿命を縮める要因になります。ストレスを取り除くために、まずは以下のものを揃えましょう。
- カワウソ専用の部屋(大きめのゲージでも可)
- トイレ
カワウソは非常に活発な生き物のため、小さいゲージではストレスを感じます。可能であれば専用の部屋を用意すると良いです。
また、カワウソは綺麗好きとしても知られています。部屋を清潔に保つためにも、早めにトイレを覚えさせましょう。
カワウソの水浴び
カワウソを飼育する上で、水浴びが必須です。水浴びをすることで体の汚れを落とし、運動によるストレス解消効果もあります。
少なくとも1日2回、多い時は1日4回以上泳ぎたがります。水浴びを怠るとストレスを感じて体調不良を引き起こすリスクがあるため、泳ぎたがるたびに水浴びはさせましょう。
水道代は必然的に高騰するため、飼う前から費用がかさむことを覚悟してください。
カワウソがかかりやすい病気
カワウソには、よくかかる病気が3種類あります。以下で4つ解説します。
腎結石
カワウソは、腎臓に疾患が起こりやすいです。特に腎結石には注意が必要です。
注意する際は、尿路結石を予防する成分が含まれたキャットフードを与えましょう。悪化すると尿管閉塞や腎障害を起こす可能性もあります。異常を感じたらすぐに動物病院に連れていくことが重要です。
尿路結石
腎臓以外にも、尿道に結石ができやすいです。
アメリカのある動物園によると、2歳以上のコツメカワウソ19頭のうち17頭(89%)が尿路結石を患っていたと報告されています。動物園で細心の注意を払っても尿路結石になります。
ペットとして飼育する場合はなおさら注意が必要です。
寄生虫
前述した通り、寄生虫に寄生されると、カワウソの寿命に影響します。エサとして与える魚介類に寄生虫がいるため、注意が必要です。
多くの寄生虫は、吸虫類と条虫類という、大して悪影響のない寄生虫ですが、一部では危険な寄生虫もいます。例えば、トキソプラズマという寄生虫に寄生されるとトキソプラズマ症を発症し、命の危険があります。
カワウソの健康のためにも、餌に寄生虫が含まれないように配慮しましょう。
感染症
カワウソにも感染症があります。カワウソの属しているイタチ科の動物がかかりやすい「ディステンパー」や、「狂犬病」などが例として挙げられます。
感染病の対策としては、ワクチンが用いられています。日本の動物園や水族館では、犬用の「ディステンパーワクチン」をカワウソにも注射して対策をしています。また、海外では狂犬病のワクチンもカワウソに接種しているようです。
カワウソを長生きさせるための注意点
カワウソは非常に繊細な生き物です。健康に長生きさせるには注意点があります。
カワウソを飼育予定の方は、以下の注意点を確実に守りましょう。
生餌は1度冷凍してから与える
魚や貝類を餌として与える場合、1度冷凍してから与えましょう。生のまま与えると寄生虫が体内に寄生するリスクがあります。
寄生虫はカワウソの消化管内に寄生し、下痢や食欲不振を引き起こす原因になります。すでに症状がある場合は動物病院を受診して駆虫してもらいましょう。1度冷凍することで魚介類の中にいる寄生虫は死ぬため、食べても安全です。
結石予防効果のあるキャットフードを与える
カワウソのメインの食事を結石予防効果のあるキャットフードにすると良いでしょう。カワウソが患いやすい腎臓周りの疾患を予防できます。
猫もカワウソと同様に腎臓周りの疾患を患いやすいです。猫の餌は種類が豊富なため、比較的手に入りやすいでしょう。
飼育費用は十分確保しておく
カワウソの飼育にかかる費用は膨大です。飼育を決断する前に、飼育費用を十分に確保しておきましょう。
まずカワウソは現在ほとんど流通しておらず、価格が高騰しています。100万円を超えるのが一般的です。
加えてカワウソは大食漢であるため、餌代が高額になります。主食はキャットフードで、栄養バランスを見ながら魚介類を与えるため、費用がかさみやすいです。
そして水浴びに使用する水道代も考慮する必要があります。カワウソの健康な生活を支えるには十分な資金が必要です。確実に確保できない場合は飼育を見送るべきでしょう。
カワウソを診察してくれる獣医師を探しておく
カワウソを診察できる獣医師を探しておきましょう。カワウソのような珍しいペットを受け入れられる獣医師が限られているからです。
いざ病気を患ってから探すと、カワウソの命が危険です。購入時にペットショップのスタッフに相談すると、病院の紹介やアドバイスをもらえるでしょう。
カワウソの寿命は飼育環境次第
今回はカワウソの寿命と長生きさせるための飼育方法についてまとめました。カワウソは飼育環境下だと約15年、野生の場合は約5年が寿命と言われています。環境によりカワウソの寿命は大きく変わります。
また、飼育下と野生下のカワウソは最後の迎え方が異なります。飼育下であれば、ペット火葬のプランと供養方法を飼い主様が選ぶのが一般的です。
最後に気持ちの良いときを過ごせるために、生前から決めておきましょう。COCOペットの場合、無料でご相談可能です。初めての火葬で戸惑っている方はぜひご相談ください。