ミニブタは日本でも人気になりつつあるペットです。しかし、日本では家畜とみなされているため、「ミニブタが死んだら犬や猫と一緒の流れで火葬できるのか」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、ミニブタが亡くなった時の手続きや注意点について解説します。ペットであるミニブタを後悔なくお見送りしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
ミニブタが死んだら報告が必要
ミニブタを飼うにあたり、飼い主様には、飼育に関する法律上の義務がいくつか定められています。以下で、ミニブタの報告義務について説明します。
ペットであってもミニブタの飼育は定期報告が必要
感染症を防ぐために、飼い主様はミニブタを飼育している地域の家畜保健衛生所に、頭数や衛生状況を定期的に報告する義務があります。報告をせずに飼うことは違法です。
地域により報告頻度は異なりますが、一般的には1年に1回の定期報告が必要です。
ミニブタが病気で亡くなった場合も必ず報告
ミニブタを飼育する上での報告義務に加え、病気や農林水産省が指定した症状を呈していた場合、都道府県知事にも報告しましょう。家畜伝染病の発生を防ぐために、定められた法律を参考にしてみてください。
病気の場合は、ミニブタを診察した獣医師に報告義務があります。しかし、診察を受けていないミニブタの場合は、飼い主様が報告をしましょう。
報告義務とは別に都道府県に届けの提出が必要
報告義務のほかにも都道府県や市区町村により、飼育頭数の変更届や停止届の記入が必要になる場合があります。
病気や何らかの異常で亡くなった場合だけでなく、老衰やけがなどで死んだ場合も含まれます。地域により、必ず必要ではないため、各都道府県や市区町村のルールを確認してください。
また、ミニブタには豚熱ワクチンの接種義務があります。東京都では、都知事から認定された獣医師(認定獣医師)が勤務する動物病院で、ワクチン接種が可能です。
参考:愛玩用豚(ミニブタ、マイクロブタ等)を飼うにあたって|東京都家畜保険衛生所
ミニブタが死んだら火葬はできる?
ミニブタを飼育するためには、関係各所に報告する義務があります。亡くなってしまった場合、通常のペット火葬と同様に火葬できるのでしょうか。
ミニブタの火葬は死亡獣畜取扱所の許可を得た施設だけ
ミニブタの火葬は、家畜伝染病の予防を目的として、都道府県知事から「死亡獣畜取扱場」の許可を得た施設でしか行うことができません。
そのため、飼い主様は火葬を考えている場所が「死亡獣畜取扱場」として許可を得た施設か、あらかじめ調べておきましょう。
また、死因が明らかに老衰の場合のみ、民間のペット火葬を利用できるかもしれません。ミニブタの火葬に関する地域のルールを確認することをおすすめします。
ペットのミニブタでも私有地で勝手に土葬してはいけない
「化製場等に関する法律」の第一条3項には、死亡した家畜の埋葬も「死亡獣畜取扱場」で行う必要があると定められています。つまり、飼い主様の私有地であったとしても、勝手にミニブタを土葬することは法律違反になります。
ミニブタが亡くなった場合は、必ず死亡獣畜取扱場に依頼して火葬・埋葬をしてもらいましょう。
火葬業者により、ミニブタの火葬ができない可能性もある
ミニブタは愛玩用のペットとして品種改良された種類です。しかし、大きくなると体重が40から70kgになります。
移動火葬や一部の火葬炉での火葬は、難しい場合があることを覚えておきましょう。普段、犬や猫を火葬している業者では対応できないかもしれません。
ミニブタが元気なうちに、大型家畜の火葬の経験がある業者にも問い合わせておくことをおすすめします。
ミニブタが死んだら行う安置方法
ミニブタにも寿命があり、いつかは必ず死を迎えます。亡くなった場合は、どのような安置方法を行うべきでしょうか。以下でミニブタの安置方法についてご紹介します。
死後硬直が始まる前にミニブタの身体を整える
死後硬直は、亡くなってから約2時間後からはじまります。そのため、死後硬直が始まる前に、ミニブタの身体を整えておく必要があります。
目や口が空いていたら閉じたり、手足が伸びていたら軽く曲げたりしましょう。
ミニブタの身体を綺麗に拭く
ノミがついていたり、死後にハエが寄ってきたりする可能性があるため、ブラッシングしましょう。ミニブタの身体に汚れや傷がある場合は、タオルをお湯でぬらし、拭き取ってご遺体をきれいにしてください。
ミニブタのご遺体を段ボールや棺に安置
ミニブタが入る大きさの棺や段ボールを準備しましょう。トイレシートや新聞紙を敷き、安置します。体液が流れることがあるため、ガーゼをあてておくことも大切です。安置場所は風通しのいい場所やクーラーがある部屋が良いでしょう。
ミニブタのご遺体を保冷剤やドライアイスで保護
亡くなった直後から腐敗が始まるため、保冷剤やドライアイスで保護が必要になります。夏場は1-2日、冬場でも2-3日で火葬を行いましょう。
ミニブタの寿命と注意したい病気
家畜としての豚は生後間もなく出荷されますが、ミニブタはどれくらい生きるのでしょうか。以下で、ミニブタの寿命と注意したい病気について説明します。
ミニブタの寿命
ミニブタの平均寿命は10年から15年と言われています。犬や猫とほぼ同じぐらい生きます。家畜用のブタは生後6か月で出荷されますが、ミニブタは適切な飼育管理で、長生きできます。
体重は20kgから100kgと個体差があります。
ミニブタが注意すべき病気
ミニブタは以下の病気にかかりやすいと言われています。
- 胃潰瘍
- 膀胱炎
- 尿結石
- 疥癬
- トキソプラズマ症
ミニブタがいつもと違う様子を見せたら、病気の兆候かもしれません。食欲がない、下痢や血便を起こしているなどの症状が見られたら、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
また、ペットとして飼育されているミニブタではあまりみられませんが、豚丹毒や日本脳炎もかかりやすい病気です。致死性が高いため、ワクチン接種を推奨しています。
ペットの命を守るためにもぜひ検討してみてください。
ペットのミニブタが死んだら地域により、報告が必要
品種改良されたミニブタでも、現在は飼育する際に報告が必要です。
しかし、令和4年に厚生労働省が出した「化製場等に関する法律第9条の適用について」には「愛玩用に品種改良されたマイクロブタの化製場法に基づく許可を要するとするのは過剰規制」と記載されています。
今後は品種改良されたブタに関して、法律で定められた規制が緩和されるかもしれません。
COCOペットでは動物葬祭ディレクターが多数在籍し、ペットに関する知識だけでなく、ペットを亡くした飼い主様の悲しみを癒し、尊厳ある葬送を提供できるよう心がけています。24時間365日お問い合わせを受け付けているため、お気軽にご連絡ください。