小型犬の中でもポメラニアンの人気は絶大ですね。すでにポメラニアンと生活している飼い主様や、これからポメラニアンをお迎えしたいと考えている飼い主様が気になるのは、だいたい何歳くらいまで生きてくれるのかなど、寿命に関することではないでしょうか。
ポメラニアンの平均寿命は12〜16歳と言われています。今回の記事では、ポメラニアンの平均寿命や、ポメラニアンがかかりやすい病気などについてお伝えします。長生きしてもらうための飼い方のポイントなどもご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
ポメラニアンはどれくらい長生きする犬種?平均寿命について
はじめにポメラニアンの平均寿命をお伝えし、長生きする犬種なのかどうかを解説します。
ポメラニアンの最長年齢は何歳?
ポメラニアンの平均寿命は12~16歳だと言われています。
ペットの保険会社アニコムが出した「家庭どうぶつ白書2022」によると、2020年度のポメラニアンの平均寿命は13.8歳でした。同じ「家庭どうぶつ白書2022」において、2020年度の犬全体の平均寿命は14.1歳なので、ポメラニアンの寿命はやや長生きの方だと言えるかもしれません。
ギネス記録には20歳や21歳まで生きたポメラニアンが載っているとの情報もあり、飼い方次第では長生きを目指せる可能性があります。
【年齢換算表】ポメラニアンの年齢を人間に置き換えると何歳?
ポメラニアンの年齢を感覚的にわかりやすくするため、人間の年齢に置き換えたものをご紹介します。この表から、平均寿命の12~16歳というのは人間では64歳~80歳程度ということがわかりますね。
年齢 | 人間に換算した年齢(歳) |
---|---|
生後半年 | 8 |
1歳 | 11 |
2歳 | 23 |
3歳 | 28 |
4歳 | 32 |
5歳 | 36 |
6歳 | 40 |
7歳 | 44 |
8歳 | 48 |
9歳 | 52 |
10歳 | 56 |
11歳 | 60 |
12歳 | 64 |
13歳 | 68 |
14歳 | 72 |
15歳 | 76 |
16歳 | 80 |
17歳 | 84 |
18歳 | 88 |
19歳 | 92 |
20歳 | 96 |
ポメラニアンに長生きしてもらうために!かかりやすい病気と予防法
ポメラニアンに長生きしてもらうためには、ポメラニアンがかかりやすい病気を知って予防することが大切です。ここではポメラニアンがかかりやすい病気についてお伝えします。
ポメラニアンがかかりやすい病気とは
ポメラニアンは下記のような心臓や気管器系の病気や、骨や関節の病気、皮膚の病気にかかりやすいと言えます。
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 動脈管開存症
- 気管虚脱
- 環軸亜脱臼
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 脱毛症X(アロペシアX)
- 流涙症
- 水頭症
今回は、なかでもポメラニアンの寿命に大きく関わる「僧帽弁閉鎖不全症」と年齢に関わらず多くのポメラニアンにみられる「膝蓋骨脱臼(パテラ)」をピックアップして次の章で詳しく解説します。
ポメラニアンがかかりやすい病気の見極め方と予防法
上でお伝えした病気の中から、最も代表的な下記について詳しくお伝えします。
僧帽弁閉鎖不全
僧帽弁閉鎖不全とは、高齢の小型犬に特に多い心臓の病気です。心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれますが、僧帽弁はそのうちの左心房と左心室の間にある弁を指します。
僧帽弁閉鎖不全症は、この弁に異常が出て、血液が逆流してしまうことが原因で起こる病気です。一度発症すると完治はできず徐々に悪化し、ポメラニアンの死因としては大きな割合を占める病気です。特徴的な症状はせきで、特に興奮した時や運動時などに目立つ傾向があります。
僧帽弁閉鎖不全症の確実な予防法はありませんが、肥満になると心臓に負担がかかるため注意が必要です。早期発見早期治療が大切な病気なので、定期的な健康診断で早期発見を心がけましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨とは、膝の「お皿」の部分のことです。脱臼とは、関節を形成している骨がはずれてしまう状態です。膝蓋骨脱臼とは、膝の関節部分からお皿がはずれる病気だと言えます。特に小型犬に多い病気で、子犬でも発症します。
膝蓋骨脱臼は、軽度のうちは犬が自分で足を伸ばして治してしまうことも多いです。一緒に生活しているポメラニアンが、時々足を後ろにピーンと伸ばすことはありませんか?そのような行動は、もしかしたら膝蓋骨脱臼を自分で治しているのかもしれません。
膝蓋骨脱臼は、軽度の場合や若い犬の場合は大きな問題にならないことが多いですが、重症化したり、高齢になって筋力が衰えたり、肥満になったりした場合は、膝への負担が大きくなり、歩けなくなる可能性もあります。
予防策は、できるだけ膝に負担をかけない生活です。肥満に注意すると共に、床に滑り止めをつけたり、高いところから飛び下りないようにしたり、膝に負担がかかる行動をとらせないことが大切です。
脱毛症X(アロペシアX)
脱毛症X(アロペシアX)は、ポメラニアンがかかりやすい病気の一つで通称「ポメラニアン脱毛症」とも呼ばれている病気です。
脱毛症X(アロペシアX)にかかってしまうと、毛に艶がなくなり乾燥したパサパサした状態になり、頭や四股を除いた部位が脱毛していきます。脱毛症になる原因はホルモン異常と言われていますが、詳細は不明のため「脱毛症X」とよばれています。
脱毛症Xを治療する方法は、毛の再生周期を整える薬とホルモン剤の投与です。命に関わる病気ではありませんが、できるだけ早く治療してあげましょう。
気管虚脱
気管虚脱は小型犬に多い病気で、ポメラニアンもかかりやすいです。気管は空気の通り道であり、通常は筒型をしています。しかし、軟骨が潰れてしまうと筒型を保てず、気管が潰されてしまいます。
気管虚脱になると咳が異常な呼吸音となります。重症化すると、呼吸困難や舌の色が変色するチアノーゼを引き起こすこともあるため、早めの治療が大切です。
軽度の場合は、気管を広げる内服薬で治療できますが、重度になると手術が必要となりポメラニアンの命に関わる恐れもあります。
気管虚脱になる原因は、高温多湿な環境や気管が圧迫されるなどです。気管が圧迫されないように肥満をさける、または圧迫されるような首輪や服を避けましょう。
流涙症
流涙症は、常に目に涙がたまり溢れ出てしまう病気です。涙が流れてしまうと細菌が繁殖して、目の周りの毛が赤茶色っぽく変色してしまう「涙やけ」を引き起こします。
特に毛の色が白やクリーム色の場合は涙やけが目立ってしまうため、対策してあげる必要があります。
流涙症になる原因として考えられるのは、逆さまつげや異物が入る、また眼瞼内反症などです。治療法も原因により異なり、まつげや異物を取り除けば治る場合や、閉塞した鼻涙管を通すために洗浄が必要になる場合があります。
また、流涙症はドッグフードが原因の場合があるため、フードを変えてみるのも良いでしょう。流涙症で涙が溢れている場合は、こまめに拭き取って目の周りを清潔にしてあげてください。
歯周病
ポメラニアンでも人間と同じように歯周病になります。犬の歯周病は、人間と同様で、口の中で炎症が起こっており、炎症の進行度により歯肉炎と歯周病に分かれます。
歯肉炎は、歯茎の肉が炎症をおこしており、歯周病は歯肉炎が悪化して歯周組織まで炎症している状態です。歯周病が悪化すると治療による感知は難しいため早期治療が大切です。
ポメラニアンの口の中の状態を確認するのが困難で、こまめに確認してあげないと顎や鼻まで炎症が広がってしまいます。歯肉炎の原因は、人間と同じでプラークという歯垢がたまることです。歯周病にならないためにも日々のケアを徹底しましょう。
ポメラニアンに長生きしてもらうための飼い方のポイント
愛犬には、できるだけ元気に長生きしてもらいたいですね。ここではポメラニアンの長生きのために飼い主様が気をつけるべき飼い方のポイントを4つお伝えします。
快適な生活環境を整える
長生きのためには生活環境を快適に保つことが大切です。ポメラニアンはドイツのポメラニア地方が原産だと言われています。
ふわふわの被毛を持ち、暑さにはあまり強くありません。熱中症になりやすいため、夏場は特に温度管理に気をつけましょう。ポメラニアンと生活するためには、飼い主様の不在時でも室内はエアコンを使って25℃前後に保つのが良いでしょう。
ストレスのもとをできるだけ取り除く
ストレスは様々な病気をひきおこします。できるだけ取り除きましょう。ストレスの原因には色々なことが挙げられますが、ポメラニアンに多いのは運動不足によるストレスだと言えます。
ポメラニアンはもともと大型の牧羊犬を改良された犬ですので、運動が大好きです。華奢な見かけのため、運動は必要ないと考える飼い主様も多く運動不足への注意が必要です。
散歩は最低でも1回15分程度を1日2回に分けて行なうと良いでしょう。もちろん、ベッドなどの環境にも気を配る必要があります。
栄養バランスのとれた食事を与える
健康のためには食事管理は欠かせない要素です。年齢に応じた専用のフードをパッケージの裏に書かれた適量で与えるようにしましょう。ポメラニアンの場合、メーカーによってはポメラニアン用フードを販売していますので、迷った場合はポメラニアン用フードを選ぶと良いでしょう。
ポメラニアンの大敵は肥満です。フードを適量に守るだけでなく、おやつをあげ過ぎていないか、歯磨きガムなど健康のために与えているものが高カロリーでないかなども確認しましょう。
定期的に健康診断を受ける
上でもお伝えしたように、ポメラニアンは心臓の病気や呼吸器系の病気などが多い傾向があります。これらは初期には症状が出なかったりごく軽度だったりと、飼い主様だけでは気づけないことも多いと言えます。早期発見のためには動物病院で定期的に健康診断を受けることが重要です。
飼い主様自身が、日頃からよく観察して小さな異変に早めに気づくことも大切です。太りすぎていないか、痩せすぎていないか、皮膚に発疹や脱毛はないか、排泄物は普段と変わらないか、歩き方に異常はないかなど、愛犬の全身をくまなくチェックすると良いでしょう。
ポメラニアンの老犬の飼育で気をつけること
ポメラニアンだけでなく動物が年老いた場合、今までの生活ではなく環境を見直してあげなければいけません。
ポメラニアンが老犬期に差し掛かった際は、快適に過ごせるようにしてあげましょう。以下では、老犬のポメラニアンの飼育で気をつけることについて解説します。
定期検診を増やす
ポメラニアンがシニア期を迎えるのは7歳を超える時期あたりで、病気の早期発見と早期治療に対応できるように定期検診を増やしてあげましょう。
今まで年に1度の定期検診だった場合は、半年に1回受けると安心です。かかりつけの医師に相談して、検査項目を増やしてみると良いでしょう。検査項目は以下のとおりです。
- 身体検査
- 血液検査
- 尿検査
- 糞便検査
- レントゲン検査
- 超音波検査
- 甲状腺ホルモン検査
- 眼底検査
- 心電図
- 体脂肪測定
若い頃は全然病気もなく元気だった子でも病気にかかりやすくなるため、さらに健康管理を行ってあげましょう。
散歩の際の首輪をハーネスに変える
ポメラニアンが老犬になったら、散歩の際に利用していた首輪をハーネスに変えてあげると良いでしょう。ポメラニアンは気管が弱く、首輪で圧迫してしまうと気管虚脱につながる恐れがあります。
また、散歩中に勢いよく走ると首輪に首が食い込んでしまって危険です。小さい頃は首輪をつけていても問題ありませんが、シニア期になると首輪による負担で命に関わることもあるため、早めのうちからハーネスに変えてあげましょう。
健康管理に気を配り、愛犬に1日でも長生きしてもらおう
今回の記事では人気の小型犬であるポメラニアンに着目し、寿命やかかりやすい病気、長生きしてもらうための飼い方のポイントなどをお伝えしました。ポメラニアンの長生きのためには、定期的な健康診断で心臓や呼吸器系の疾患のチェックをしてもらうことが大切です。活発な性格に合わせて、飼い主様とたくさん遊ぶのも良いでしょう。
大切なポメラニアンとの生活が1日でも長く続くように、今回の記事もぜひ参考にしてみてください。大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。
いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。
また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にも繋がります。COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。
些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。