見た目がかわいらしいだけでなく、人の顔をしっかり識別できる知能の高さや、マンションなどでも比較的飼いやすいなどの理由で、うさぎを家族にしている方は多いでしょう。
うさぎと暮らす飼い主様は、大切な家族であるうさぎに、できる限り長生きしてもらいたいと願っていますよね。
今回の記事では、うさぎを長生きさせるコツを具体的に5つご紹介します。また、うさぎがかかりやすい病気や、早めに気づきたい老化のサインについてもお伝えします。
目次
うさぎを長生きさせる5つのコツ
大切な家族であるうさぎとはできるだけ長い時間を一緒に過ごしたいとお考えの飼い主様も多いでしょう。
以下ではうさぎに1日でも長生きしてもらえるよう、長生きのためのコツを5つご紹介します。
避妊・去勢手術を受ける
うさぎは生殖器の病気にかかりやすく、特に女の子のうさぎは年齢と共に子宮腺癌のリスクが高まります。子宮腺癌は避妊手術を受けていない4歳以上のうさぎで50%~80%もの高確率で発症すると言われています。癌以外にも、子宮蓄膿症、内膜炎、水腫症など子宮や卵巣の病気はさまざまです。
男の子のうさぎでも、女の子ほどの確率ではありませんが、精巣炎や精巣腫瘍という病気にかかる可能性があります。また、性ホルモンに起因するストレスも大きく健康に関わります。うさぎの長生きのためには、避妊手術や去勢手術を行うことが推奨されています。
食事管理に気をつける
うさぎの食事のメインは牧草です。牧草は、豊富に含まれる繊維質によって胃腸の動きを正常に保つだけでなく、一生伸び続ける歯をすり減らす役割も持ちます。牧草は無制限に食べられるように豊富に与えましょう。種類は特別な理由がない限りチモシーを与えることをおすすめします。
ペレットフードは、栄養バランスを取るための補助的な食べ物です。与える目安は体重の約1.5%程度で、1日に1~3回に分けるのが理想的です。ペレットの食べすぎは牧草の不足につながり、お腹の調子を崩したり歯が伸び過ぎてしまったり、肥満などの病気を引き起こすため、注意が必要です。
健康管理に気をつける
うさぎは、野生の世界では他の動物に食べられてしまう動物なので、本能的に弱っている姿を見せません。そのため、明らかに体調が悪そうに見える場合は、すでに救命が難しいケースも少なくありません。普段からうさぎの小さな異変に、いち早く気づいて対処することが大切です。
日常的に皮膚や目、口まわりのチェックや動き方に異常がないかを確認しましょう。尿や便の色や量、排泄物でお尻のまわりが汚れていないかどうかや、うさぎ特有の盲腸便を食べ残していないかどうかも健康のバロメーターになります。歯の伸び過ぎも多いため、口の中もしっかり確認しましょう。 爪切りなどは、飼い主様が行うことが難しい場合も多いため、動物病院にお願いすると良いでしょう。動物病院での定期的な健康診断も大切です。
ストレスを取り除く
うさぎは、大きな物音や温度の変化に強いストレスを感じます。ゲージは静かな場所に設置し、室温は18℃~23℃程度に保つことが理想です。
温度が低いと、体温の維持のためにカロリーを消費してしまい、体力を消耗します。逆に、高温では熱中症になりやすく危険です。エアコンなどを利用して、できるだけ室内の温度を一定に保つと良いでしょう。
適度な運動をさせる
運動不足は肥満やストレスの原因となり、短命に繋がる可能性があります。1日1~2回、1時間ほどゲージから出して運動をさせることが必要です。ぬいぐるみなどで遊ばせるのも良いですが、かじって飲み込まないよう注意が必要です。
室内には、電源コードなど、かじると命に関わるものがたくさんあります。カバーなどで対策しましょう。高いところに登ってしまうと、落ちて骨折するなどの事故につながる可能性があります。安全を十分に確認すると同時に、うさぎが運動している間は必ずそばについて目を離さないようにしましょう。
うさぎの平均寿命は7〜8年
うさぎの平均寿命は、ペットとして飼育されている場合は7〜8年、野生の場合は1〜2年程度であるといわれています。
ペットの場合、飼育環境が改善され、エサも品質が向上していることから、10年以上生きるうさぎも増えています。しかし、野生のうさぎは、敵に追いかけられる生活により、24時間気が休まる時間がなくストレスを強く感じているため、寿命が短いです。
また、食料も自分で確保しなければならず、多くの場合、寿命が来る前に敵に襲われて捕食されてしまいます。そのため野生下では、老衰で亡くなるうさぎは少ない傾向にあります。
うさぎの種類によって平均寿命は異なる
うさぎ全体の平均寿命は7〜8年ですが、うさぎの種類によって寿命は異なります。以下では、うさぎの種類ごとの平均寿命について解説します。
ネザーランドドワーフ
ネザーランドドワーフは、オランダで品種改良されたうさぎで、丸い顔と短い耳が人気の種類です。ネザーランドドワーフの平均寿命は5〜7年程度です。
ネザーランドドワーフはストレスに弱く、他の種類と比べると寿命が少し短い傾向にあります。そのため、ストレスを溜めない環境づくりをしてあげましょう。
ホーランドロップ
ホーランドロップは、垂れ耳が特徴のうさぎで、ネザーランドドワーフと同様に人気の種類です。ホーランドロップの平均寿命は7〜10年程度で、うさぎ全体の平均寿命と比べても長いです。
中には10年以上生きるうさぎも多く、長く一緒にいたいと考えている飼い主様にも最適な品種でしょう。
アメリカンファジーロップ
アメリカンファジーロップは、「アメファジ」という愛称で親しまれており、垂れ下がった耳と好奇心旺盛で人懐っこい性格が特徴です。
アメリカンファジーロップの平均寿命は6〜8年程度で、うさぎ全体の平均寿命と比べるとやや短い傾向にあります。また、毛が長めの品種のため、皮膚病に注意して日頃から気にかけてあげましょう。
ライオンラビット
ライオンラビットは、ライオンに似たようなたてがみを持つ種類です。アメリカでは人気がある品種ですが、日本では珍しくあまり見かけないということもあります。
ライオンラビットの平均寿命は5〜10年程度です。老化が早いといわれていますが、ストレスを与えない飼育環境であれば10年以上生きることもあります。
ドワーフホト
ドワーフホトは、真っ白な体と愛らしい目が特徴のうさぎです。
ドワーフホトの平均寿命は7〜8年程度で、個体により差があります。近年ではエサの品質やうさぎのストレスを解消するグッズも増えていることから、10年以上生きるドワーフホトも珍しくないようです。
うさぎの寿命のギネス記録は18歳
ギネス世界記録によると、世界で最も長生きしたうさぎの年齢は18歳10ヶ月です。
世界で最も長生きしたうさぎはオーストリラアで暮らしていたフロプシーちゃんです。人間の年齢に換算すると130歳と、かなり長生きしたうさぎであることがわかります。
うさぎの年齢を人間換算すると
うさぎの年齢を人間に換算すると以下の表のとおりです。
うさぎの年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1ヶ月 | 2歳 |
3ヶ月 | 7歳 |
6ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 20歳 |
3歳 | 34歳 |
5歳 | 46歳 |
7歳 | 58歳 |
10歳 | 76歳 |
15歳 | 100歳 |
上記の表を見ると、うさぎは人間よりもかなり早いスピードで成長していることがわかります。
うさぎは1歳までが成長期、2歳までを維持期、7歳までを中年期、7歳以上を高齢期と分類されています。年齢に合わせて飼育環境を整えてあげると、より快適な環境で過ごせるようになるでしょう。
うさぎを長生きさせるために注意したい3つの病気
うさぎに長生きしてもらうためには、いろいろな病気にも注意が必要です。ここでは特にうさぎに多い代表的な病気についてご紹介します。
胃腸うっ滞
胃腸うっ滞は、なんらかの原因で胃腸の動きが悪くなり、食べたものなどが胃腸にとどまってしまう状態です。うさぎには大変多い病気で、原因には以下のようなものが挙げられます。
- 牧草を食べる量が少ない
- マメ科の牧草の多給
- ペレットフードの食べすぎ
- 野菜や果物など糖質の多いものを食べる
その他、グルーミング時に飲み込んだ毛がボール状に固まる毛球症や、不正咬合による食欲不振、ストレスなども大きな原因となります。
胃腸うっ滞では、うんちの粒が小さくなる、食欲不振になるなどの異変がみられます。場合によっては手術による処置が必要なケースもあるため、うんちや食欲が普段と異なる時は早めに動物病院を受診しましょう。
不正咬合
不正咬合とは、咬み合わせに異常がある状態のことです。うさぎの不正咬合は、遺伝的な問題や、事故などによる怪我などが関連する場合もありますが、普段の食事も発生原因のひとつとなります。
うさぎの歯は前歯も奥歯も生涯伸び続けますが、牧草を食べることによってすべての歯を均一に摩耗しています。
牧草を食べる量が少なくペレットなどが中心の食生活では、特に奥歯のどこか一部にだけ力がかかり、噛み合わせが悪くなります。牧草を十分に与えると同時に、動物病院で定期的に歯のチェックもしてもらうと良いでしょう。
角膜炎
角膜は、黒目の部分の表面を覆う膜です。この部分に炎症がおこるのが角膜炎で、角膜に異物が入って傷がつくことで発症します。牧草や床材、抜け毛などが原因となることが多いでしょう。
角膜には目に光を取り入れる役割があるため、角膜炎になると以下のような異変がみられます。
- 眩しそうに目と閉じ気味になる
- 涙目になる
- 目やにが出る
放置すると悪化するため、早めに動物病院を受診しましょう。
うさぎが亡くなる前に見せるサイン
うさぎは、他の動物とは異なり鳴くことがない静かな動物です。そのため、亡くなる前のサインをしっかり理解しておかなければ、気づいたら体が弱ってしまっていたということがあります。
うさぎが出すサインを見逃さないようにするためにも、日頃から観察しておくことが重要です。以下では、うさぎが亡くなる前に見せるサインについて解説します。
体温が低下する
うさぎが亡くなる前は、体温がどんどん低下していきます。うさぎの平熱は38〜40度程度ですが、死ぬ前は血圧が低下して体温が下がります。
年老いたうさぎでどんどん体温が下がっていると感じたら、心の準備をしておきましょう。また、体に異変がある場合でも体温は低下する傾向にあるため、一度病院に連れて行ってあげてください。
呼吸が乱れる
亡くなる前のうさぎは呼吸が乱れやすくなり、不規則に呼吸するようになります。動物は亡くなる前に内蔵の働きも弱まることが原因です。
呼吸が乱れていると、急変してそのまま亡くなってしまうという恐れもあるため、心の準備をしておきましょう。
また、肺炎や細菌感染により呼吸が乱れているというケースもあるため、すぐに医師に診てもらいましょう。
頭が下がってくる
亡くなる前のうさぎは体力や筋力が低下していることから、頭が下がってくる傾向にあります。どのような動物でも亡くなる前は体力が低下していきます。
そのため、頭が下がっていて筋力が低下していると感じたら、うさぎが過ごしやすいように頭にクッションを敷くなどして楽な姿勢が取れるようサポートしてあげましょう。
見逃せない2つのうさぎの老化のサイン
ウサギの寿命は人や犬や猫と比較すると短いため、老化も早い傾向があります。長生きのためには、早めに老化に気付き、適切な対処が必要です。ここでご紹介するような老化サインを見逃さないようにしましょう。
睡眠時間が増える
まだまだ若いと思っていても、3歳~5歳くらいになると徐々に老化が進行します。遊ぶなどの活動時間は減り、睡眠時間が増えるでしょう。無理に起こすとストレスになるため、ウサギが活発になりやすい早朝や夕方にタイミングを見計らって運動をさせると良いでしょう。
朝夕も動かず1日中寝ているような場合は、体調に異変が生じている可能性もあり、注意が必要です。
見た目が変化する
ウサギの老化は見た目にあらわれることもあります。毛に艶がなくなってパサパサになったり、痩せて見えたり太ってみえることがあります。被毛のお手入れは飼い主様がこまめに行い、毛球症などの予防をすると良いでしょう。
食事量や運動量にも気を配り、体型の変化と照らし合わせて調整することも必要です。
老化によって目が白く濁ってみえることもあります。ただし、目の濁りは老化だけでなく、エンセファリトゾーン症など重篤な病気によって見られることがあるため、老化だと決めつけずに動物病院に相談することが大切です。
繊細なうさぎの長生きのためには最大限の配慮を
今回はうさぎを長生きさせるためのコツや、うさぎの病気、老化のサインなどをご紹介しました。うさぎはとても繊細な動物ですが、我慢強い動物でもあります。
何か気に入らないことがあっても、犬や猫のようにあまり自己主張することがありません。ストレスを溜め込み、体調に異変が出ることも少なくないのです。
飼い主様が最大限に配慮し、些細な異変も見逃さないようにすることが、うさぎの長生きにつながると言えるでしょう。
大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。
そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。
また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にも繋がります。 COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。