「ひとり暮らしで猫を迎えたいけれど、必要なものや飼育するうえでの注意点がわからない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
ひとり暮らしで猫を飼うには、注意すべき点がたくさんあります。例えば、仕事などで家を空ける時間が発生するため、何かトラブルがあった時に対応できません。
また突発的な事態が発生しても、家庭内で相談できる相手はいません。基本的に自己判断で猫の健康管理を行う必要があるため、飼育する上での知識や経験も重要です。
本記事では、ひとり暮らしで猫を迎える場合に必要なものや注意点を紹介します。ひとり暮らしで猫を迎えようか悩んでいる方は参考にしてください。
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目次
ひとり暮らしで猫を迎えるなら知識をつける必要がある
ひとり暮らしで猫を迎えるのであれば、最低限の知識が必要です。例えば、猫をペットショップから迎えるときはお金が発生しますが、それで終わりではありません。
毎日のごはんや日用品など、人と同じようにお金がかかります。また、「猫は犬よりも楽」といわれることも多いですが、必ずしも楽とはいえません。
生き物を飼うという行為には、責任や覚悟、お金が必要になることを理解しておきましょう。
ひとり暮らしで猫を迎える前に考えておくこと
猫を迎えたいときは、衝動的に決めるのではなく先に考えておくべきことがあります。この項目で解説する内容を自分が解決できるのか考えてみてください。
家がペット飼育可かどうか
まずは、住んでいる家でペットの飼育ができるかを確認しましょう。賃貸の場合はペット不可の可能性が高いですが、物件次第では飼えるものもあります。
もし、ペットの飼育ができない物件の場合は、ペット可の物件へ引っ越す必要があります。ペットが不可にもかかわらず無断で猫を迎えると契約違反になり、トラブルに発展したり退去を求められたりする可能性もあります。
安易に考えず、ペット飼育が可能な物件に住むことを前提にしましょう。
家を留守にする場合はどうするか
猫は、人が用意しなければごはんも食べられずトイレを清潔に保つこともできません。仕事に出ている時間や出張、旅行の頻度などをあらためて考えてみてください。
成猫であれば仕事に出ている時間くらいの留守番はできるものの、1日以上家を空ける場合には、世話をしてくれる人を探す必要があります。家族や知人が預かってくれるか、ペットホテルが近くにあるかも確認しておきましょう。
経済的な余裕はあるか
猫は迎えて終わりではなく、ごはんやトイレ、日用品と毎月支出が発生します。そのため、経済的に猫を飼える余裕があるかが重要です。
ペット保険を展開しているアニコムの2022年の調査によると、ペットに年間の支出は約16万円でした。(参照元:2022最新版 ペットにかける年間支出調査 |ニュースリリース| ペット保険のご契約は【アニコム損保】)
特に夏と冬は冷房や暖房費も発生し、予想以上の支出になることもあります。猫を迎える前に、ある程度は支出が増えることを覚悟しておきましょう。
関連記事:猫をケージで留守番させても大丈夫?環境整備に必要な4つの注意点
猫を飼うのに向いていない人の特徴と対処法
少し厳しい話になるかもしれませんが、猫を飼うのに向いていない人もいます。まずは、自分が猫を迎えられるのかどうか、特徴を確認してみてください。
ただし、当てはまった場合でも対処する方法がないわけではありません。あわせて対処法も解説していますのでチェックしてみましょう。
アレルギーがある人
猫アレルギーをもっている方は意外と多く、知らずに迎えると目や体がかゆみに襲われることがあります。安易に「自分は大丈夫」と考えるのではなく、アレルギー科や耳鼻科でアレルギーの検査を受けてみてください。
軽度であれば、うまく付き合っていける場合がほとんどです。重度の場合は呼吸困難に陥るなど、人命に関わることも少なくありません。
病院で猫を迎えたいことを伝え、可能かどうかの助言をもらってみるのもよいでしょう。
旅行や出張が多い人
旅行や出張が多いと猫の面倒を見るのが難しくなります。猫は孤独に対する耐性が強いといわれているものの、最近は人と離れることを不安に感じる猫も少なくありません。
対処法としては、普段から代わりに世話をしてくれる人を探しておく、行きつけのペットホテルを決めて猫が安心できる環境を増やすことです。自分以外の人にも懐いていれば留守中に預けやすく、猫が不安になることも少なくなります。
完璧なしつけをしたい人
猫はある程度のしつけは可能なものの、「机に乗らせない」、「どこでも爪研ぎをさせない」といった猫の性質によるものは制限できません。そのため、完璧にしつけをして行動を制限したい方には向かないでしょう。
対処法としては、入ってほしくない場所は扉や柵で入れない状態を作るなどです。また、触られたくない物は初めから猫の目に入らない場所に置くなど、しつけではなく事前にいたずらできない環境にしてみてください。
猫と一緒に暮らすために用意しておくもの
猫と一緒に暮らすためには、用意しておくべきものがあります。必須なものとできればあったほうが良いもので分けられるため、それぞれ確認しておきましょう。
必ず準備しておくべきもの
猫を迎える際に、必ず準備しておくべきものを3つ紹介します。事前に準備しておくか、少なくとも猫を自宅へ連れ帰る際に一緒に用意してください。
猫にストレスを与えないため、猫に合ったアイテムを選んであげることが肝心です。商品選びに不安があれば、専門店で店員さんに聞いてみることをおすすめします。
広めのケージ
ケージは猫の生活拠点となるため、必ず用意してください。猫はケージや寝床など、自分のテリトリーとなる場所がないとストレスを感じます。特に子猫を迎える場合、動き過ぎによる低血糖などの体調不良を防ぐためにも必要です。
ケージを選ぶ際には、中で運動ができるように少し広めのものがおすすめです。猫は段差を上下に運動する、活発な動物です。充分な運動ができるように、少なくとも2段以上のステップが付いているケージを選びましょう。
トイレと猫砂
トイレと猫砂の用意も必要です。環境が変わったタイミングで猫砂を変えるとストレスを与えかねないため、最初は元々使っていた猫砂と同じ種類を選んでください。
例えばペットショップから猫を迎える場合、使っていた猫砂の種類を店員さんに聞いておきましょう。
猫砂は形状や材質により、消臭力やおしっこの吸水性に違いが生まれます。猫が生活に慣れてきたら、少しずつ他の種類を試してみることをおすすめします。猫との相性もあるため、猫の反応も注意深く観察してください。
爪研ぎ
後回しにされがちですが、爪研ぎも必須のアイテムです。爪を研ぐ行為は猫にとってマーキングのひとつで、本能的な行動です。爪研ぎがないことで本能的な行動が阻害されると、ストレスを溜める原因になります。
爪研ぎ自体に慣れるためにも、最初はケージの中に爪研ぎを入れてあげましょう。ソファなどの家具で爪を研がないためのしつけにもなります。
爪研ぎを選ぶ際には、形状だけでなく材質も重要です。どの材質にすべきかは猫の好み次第のため、いくつか試してみてください。
できればあった方が良いもの
ここからは猫を迎えるうえで、あった方が良いグッズを紹介します。猫を迎える前や迎えると同時に準備するほどではありませんが、状況に合わせて用意してみてください。
猫のためのグッズは年々増えていますが、全て必須のグッズではありません。取捨選択をしつつ、猫に必要なグッズを見極めることが飼い主様の役割のひとつです。
首輪やハーネス
猫の首輪やハーネスに連絡先を書いておくことで、迷子防止として機能します。充分に注意していても、何かの拍子で事故的に猫が外へ出ることはあります。万が一の場合に備え、首輪やハーネスを装着しておくことはおすすめです。
マイクロチップでも飼い主の特定は可能ですが、保護した方がマイクロチップの存在を知らない可能性は充分にあります。迷子の防止としては首輪やハーネスの方が確実です。
昔ながらの対策ですが、首輪のおかげで猫が迷子にならずに帰ってきた事例は数多くあります。特にひとり暮らしで常に見張れない場合には、首輪やハーネスの併用がおすすめです。
キャットタワー
成猫になるタイミングを目途に、キャットタワーを設置してみましょう。猫は段差を利用して上下に運動する動物であり、キャットタワーでの遊びが運動不足やストレスの解消になります。
猫は本能的に、高い場所から生活環境や飼い主様を見下ろすことで安心感を得ます。キャットタワーは頂上部分がくつろげる仕様になっているものが多いため、猫が安心できる場所を効果的に作れます。
選ぶ際には、耐荷重や猫がくつろげるスペースの大きさに注意しましょう。
空気清浄機
一部の種類を除いてほとんどの猫は抜け毛があります。掃除機での対処は限界があるうえに手間も増えるため、空気清浄機の導入をおすすめしています。空気を綺麗に保つことで猫の健康にもつながり、ニオイ対策としても効果的です。
注意点として、猫により空気清浄機のモーター音を嫌う場合があります。可能な限り、静音性が高い空気清浄機を選ぶと良いでしょう。空気清浄機の効果で、軽度の猫アレルギーであれば軽減できます。
ひとり暮らしで猫を飼う時の注意点
ひとり暮らしで猫を迎えて飼う場合、特有の注意点があります。以下では、特に代表的な注意点を3つに分けて紹介します。
ご家族で飼う場合でも当てはまりますが、ひとり暮らしの場合は他に猫の様子を見てくれる人や対処をする人がいません。猫の安全や健康のためにも、特に注意してください。
猫用のスペースを用意する
猫用のスペースを作ることは猫を飼ううえで非常に重要です。猫は自分専用のスペースを作りたがる習性があり、自分だけの空間に落ち着きを覚えます。
逆に猫用のスペースがないとストレスを溜める原因になります。猫にストレスを感じさせないためには必要以上に人間から干渉せず、適度な距離感を持って接することがコツのひとつです。
猫用のスペースはただ場所を確保すれば良いわけではなく、ベッドなどを置いて猫がくつろげる空間作りをしてあげましょう。猫次第ですが、少し高めで窓際を好む猫が多い傾向にあります。
危ないものは置かない
感電の危険がある電気コードや誤飲しそうなものなど、危ないものを猫の生活空間に置かないように注意しましょう。気を付けていても、予測不可能な形で事故は起こり得ます。誤飲や感電による事故が命の危険につながる事例は少なくありません。
特に子猫は好奇心旺盛な子が多いため、誤飲の事故は起こりやすいとされています。事故が起きないように注意することはもちろん、事故の原因を猫の生活空間から排除することが大切です。
家に帰ったら遊んであげる
猫はひとりの時間が必要な動物ですが、ずっと放置されるとストレスが溜まります。ストレスは体調不良の原因になるうえ、慢性的な不調に発展する可能性もあります。飼い主様と猫の関係性が悪化し、飼い主様にもストレスが溜まるかもしれません。
仕事などで家を空けて帰ってきたら、できる限り時間を作って遊んであげましょう。注意すべき点は、帰宅してすぐには遊び始めないことです。猫の中で飼い主様の帰宅と遊びが結びつき過ぎると、分離不安症になるリスクがあります。
分離不安症とは飼い主様などから離れることで多大なストレスを感じ、体調不良や自傷行為を引き起こす精神的な疾患です。ひとり暮らしの場合は特にたくさん遊ぶことを意識してください。
まとめ
本記事では、ひとり暮らしで猫を迎え入れる前に考えることや用意するものを中心に解説しました。猫と一緒に暮らすことは大変なことも多く、安易な気持ちで迎えることはおすすめできません。
しかし、知識をつけて準備しておけば、ひとり暮らしでも猫を迎えられます。重要なのは、猫と一緒に最後まで生きる責任と覚悟です。
猫を飼いたいと強く考えている方は、この記事を参考に猫を迎える準備を始めてみてはいかがでしょうか。