ハリネズミはここ最近ペットカフェなどから人気が高まり、自宅にお迎えする方が増えています。人気が高まる一方で、ペットとしての歴史が浅く、飼育用品の不足や正しい飼い方の情報、診察できる獣医師が少ないなどの問題があります。
ここではハリネズミが亡くなってしまういくつかの原因や、最期の前に現れる症状、また亡くなってしまったあとの供養や埋葬についてまとめました。
目次
ハリネズミの寿命はどのぐらい・・・?
ハリネズミはモグラの仲間で、寿命は2~5年ほどとされます。しかし、飼育環境がハリネズミに合えば8~10年と長生きしたという例もあるそうです。
ハリネズミを長生きさせるポイントは、食事や湿度管理・適度な運動とストレスを極力与えないこと。とても神経質な特徴があるため、飼育環境には十分注意し、身体の変化のチェックなどに日々気をつけてあげることが大切です。
ハリネズミが亡くなってしまういくつかの原因
ハリネズミが亡くなる原因は、ケガや病気などさまざまありますが、その中でもハリネズミに多い死因を紹介します。ハリネズミが死んでしまう原因を知っていることで、突然死を防ぎ長生きさせることができるのでぜひ覚えておきましょう。
ストレス
ハリネズミはとてもストレスに弱く繊細な動物な為、大きな音や突然身体を触るなど驚かせてしまうことはしないようにしましょう。
何かに怯えたり大きなストレスを抱えてしまうと、針を逆立てたり、鼻息を荒げたりすることがあります。これは警戒心によるものですので、こういった行動が見られた場合は接し方や飼育環境の見直しをしましょう。
気温が暑すぎたり、寒すぎたりする、または一定に保たれていないと、ハリネズミにとってストレスになってしまうこともあります。ケージ内は適度な温度(24~29度)と湿度(40%前後)を保つようにしてあげましょう。
化学物質
殺虫剤やヘアスプレーなどの化学物質を扱うときは特に注意が必要です。家でスプレーなどを使用する場合は窓を開けるなどして、部屋に臭いが充満しないように気をつけてあげましょう。
腫瘍
ハリネズミはもともと腫瘍になりやすい動物といわれています。食事の偏りや高齢化により、腫瘍の発生リスクが高まってしまう可能性があります。日々の生活で予防に心がけるとともに、早期発見のため、ハリネズミの状態をよく観察しておくことが大切です。
ダニ
ハリネズミに寄生するダニはキュウセンダニ・ヒセンダニという種類です。ダニが寄生すると、脱毛や脱針、皮膚疾患に加え、重症化すると食欲低下にも繋がります。最悪の場合、亡くなってしまうというケースもあります。ゲージの中に砂場を用意する、ハリネズミの身体に定期的にお湯をかけてあげるなどしてダニ対策を定期的に行いましょう。
ハリネズミふらつき症候群(WHS)
神経系の疾患で、致死率が高いことが特徴のハリネズミふらつき症候群(WHS)。突然死をした場合、ふらつき症候群が原因であることが多く、歩くときにふらつき、体の自由がきかなくなる病気で、多くが後肢から発症し全身に広がります。その後、食欲低下や排泄困難に陥り、最悪の場合1~2年以内に死に至るとされています。現在、ふらつき症候群は原因が不明で、予防法や治療方法は分かっていません。
誤飲
ハリネズミは新しいものを見つけるとかじって確かめようとします。かじると危険な身近なものの例としては「電気コード類」・「薬」・「化粧品類」・「中毒性のある植物」・「設置型の殺虫剤」などが該当します。ケージから届いてしまいそうな範囲からはなるべく遠ざけておきましょう。
ハリネズミが最期に見せる兆候って…?
冒頭でもお話したように、ハリネズミは非常に神経質な動物です。飼育環境・体重・排泄物・身体の変化など、十分にチェックをして管理を徹底しましょう。以下該当することや、身体・様子に異常がある場合は、病院に連れていくようにしましょう。
体重の変化
体重が急激に増減していたら体調がよくないサインかもしれません。ハリネズミは衰弱してしまうと、急激に体重が落ちる場合があります。また、体重の低下により免疫力が低下し、感染症などのリスクが高まります。体重は定期的にはかりで測定し、食事の種類や量を調整し、しっかりと食べているか確認するようにしましょう。
食欲の低下
食べることが大好きだったはずのペットちゃんでも、死ぬ前は急激に食欲が落ちることが多く見受けられます。特に注意をしなければいけないのは、昨日までは食べられていたのに、突然食欲がなくなったという場合です。体の小さなハリネズミがエサを食べなくなると、数日で命を落とす可能性があるため注意が必要です。
通常の排泄物と違う
いつもと違う色の便が出る、下痢が続くなどハリネズミの体調が便に出ることもあります。通常の便は細長い茶色ですが、ストレスや消化不良で緑色の便を出すことがありますので気になった場合は、病院で診てもらい相談するとよいでしょう。日頃から排泄物をチェックし、ちょっとした変化に気づけるようにしておきましょう。
行動の変化
何かに怯えたり大きなストレスを抱えると、針を立てたり「フシュー」という鼻息を荒げる仕草で威嚇をしたりします。威嚇をしている際に手を出してしまうと、噛みつく場合もあります。ハリネズミは強いストレスが続くと命を落してしまうことがあるため、このような行動の変化には注意が必要です。
ハリネズミが亡くなった際の安置方法は?
ハリネズミが亡くなってしまったら、遺体をどのように安置すればいいのかするべきことをまとめました。
死亡の確認
ハリネズミは死亡すると、死後硬直がはじまります。死後硬直では全身が硬くなり体が冷たくなります。死後硬直は死亡後すぐにはじまるため、ハリネズミの体が冷たく固まってきたら死亡したと判断できるでしょう。ご自身ではよく分からない・はっきり判断しかねる場合は、動物病院に行き診断を依頼しましょう。
身体を綺麗にしてあげる
死んでしまったことを確認したら、まずはこれまでの感謝の気持ちを込めて身体を優しく、綺麗に拭いてあげましょう。
- 身体を拭き取る
- 体勢を整えてあげる
- 瞳を閉じる
濡れたタオルなどで拭いたあと、濡れていないタオルで拭き上げて水気を十分に取るようにしてあげてください。水気が残っていると腐敗が進行しやすくなります。丁寧に行ってあげましょう。
また、亡くなったハリネズミから排泄物や体液が出てくることもありますので、定期的に確認し拭いてあげましょう。
身体を冷やす
ハリネズミが入る箱を用意して、そこにペットシーツやタオルを敷きます。その上にハリネズミを優しく寝かせてあげましょう。遺体は痛みが早いため、ドライアイスや保冷剤を当てて体を冷やします。夏場はクーラーを効かせた涼しい部屋、冬場なら暖房のついていない部屋に安置してあげましょう。
ハリネズミとのお別れ方法
ハリネズミの供養方法はいくつかあります。まずはどのような方法があるのかを知り、ご自身に合った方法で供養してあげることが何よりも大切です。
行政に依頼する
自治体ではペットちゃんの遺体を引き取ってくれるサービスがあります。自治体によっては「葬儀業者のようにきちんと供養してくれる」「合同火葬のみ」などお住まいの地域によって対応が異なる場合があります。
納得できる方法で供養してもらえるか、火葬の方法はどのようなものか、自治体のホームページなどで確認しましょう。
自宅の庭に埋葬する
自宅に庭がある場合には、そのままご自宅の庭に埋葬される方もいらっしゃいます。もし私有地ではない場所に埋葬してしまうと、不法投棄として犯罪になってしまうため、注意しましょう。庭に埋葬する場合には、異臭や害虫・掘り起しなどを避けるため、深く穴を掘り、埋葬するようにしましょう。目印になるような石や樹木などを置いておくと、お墓の場所が分かりやすいためおすすめです。
葬儀業者にて火葬
ペット葬儀会社では、飼い主様のご希望に合わせて選べるさまざまなサービスを行っています。複数のペットちゃんと一緒に火葬をするプランや、個別に火葬をするプランなどを選ぶことができます。また、できるだけ人と同じように丁寧に供養してあげたいという飼い主様に向けて、火葬に立会い、ご家族で遺骨を骨壺に入れられるサービスも利用できます。
自分に合ったペット葬儀会社を見つけるには、葬儀会社のホームページをチェックしたり、利用者の口コミなどを確認してみましょう。
まとめ
ハリネズミは人のように何十年も生きる動物ではありません。残念ながら別れはいつかやってきます。それは寿命かもしれませんし、病気によってハリネズミが突然死することもあります。これらを防ぐことはできません。
しかし、健康や環境に気をつけることでハリネズミの寿命も変わってきます。大切なペットちゃんと少しでも長く過ごせるように、日々健康管理をしてあげましょう。
また、ペットちゃんが本当に死んでしまったか判断が難しいときや、死んでしまった原因がわからないときは、獣医師に診てもらうのも良いでしょう。専門家に診てもらうことで、自分の気持ちが整理できる場合もあります。
死んでしまった場合、飼い主ができることは後悔しない供養をすることです。小動物であるハリネズミの供養は犬猫と比べて容易ですが、より充実した葬儀をご希望でしたらペット葬儀のプロにご依頼されるとよろしいでしょう。