「犬が高齢になり、以前よりも甘える行動をするようになったのはなぜだろう」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。老犬が甘えるのは、病気の可能性も考えられます。
本記事では老犬が甘える時のサインや甘えてきた時の対処法について解説します。高齢になった愛犬のことが気になる飼い主様はぜひ参考にしてください。
目次
老犬が甘える時のサイン
犬も人間と同様に、年齢を重ねると性格が変わる可能性があります。若い頃と比べ、愛犬がどのように行動変化したかチェックしましょう。
老犬が甘えている際、以下のサインがよく見られます。
- 飼い主様のあとをついて回る
- 飼い主様が外出してから帰ってくるまで鳴き叫ぶ
- 夜中に鳴いて飼い主様を呼ぶ
- お腹を見せて飼い主様を見つめる
- ご飯やおやつをせがむ
- 散歩中に歩くのをやめ、抱っこをせがむ
老犬が甘える理由
老犬が甘える理由については、3つ考えられます。
赤ちゃん返りしている
犬も人間と同じように年を重ねるとともに心身の変化があります。老犬の場合、自分が子犬の頃に受けた愛情や世話を求めることがあります。飼い主様に対する依存度が高まっている兆候かもしれません。
また、愛犬が赤ちゃん返りをしている場合、いたずらを始めることがあります。家具を噛んだりゴミ箱を漁ったりする行動は自分の存在を主張し、飼い主様に関心をもってほしいサインかもしれません。
ストレスを抱えている
大きな音や環境の変化などの要因から老犬がストレスを感じていることがあります。ストレスを抱える原因の一部は以下のとおりです。
- 飼い主様の外出が増えた
- 近所の工事
- 模様替え
- 家族や他のペットが増えた
- 耳が聞こえづらくなってきている
老犬のストレスを軽減するために安心感をもたらす環境を整えてあげましょう。
老化や病気が原因の可能性
犬も老化により視覚や聴覚が衰えていきます。視覚や聴覚が衰えると分離不安症という心の病を患い、強いストレスを感じます。
また、老化による関節の痛みや心臓の病気で老犬が甘えた声で鳴いたり、認知症や内分泌系の病気が原因で食欲が変動したりすることがあるでしょう。
分離不安の見分け方
分離不安症のペットは、以下の行動をとります。
- 鼻をくんくんと鳴らす
- 遠くで吠えたり、鳴いたりする
- 物を破壊する
- トイレ以外で排泄する
- 唾液を垂らす
- ブルブル震える
- 同じところを行ったり来たりする
- 周囲をぐるぐる歩く
- ドアの前で飛び跳ねる
分離不安になる原因
たとえばお留守番中に、怖い経験や不快な体験をすることで分離不安が誘発されたり、地震や雷などの自然現象や、健康上の問題が原因になったりすることがあります。飼い主様は犬の安心感を高め、ストレスを軽減するための対策を検討することが大切です。
老犬が甘えた時にする対処法
何らかの原因で老犬が甘え、わがままな態度をとってきた場合、以下の4点を参考にしましょう。
しつけトレーニングを行う
老犬が甘えるときは無視して様子を伺い、アピールすれば構ってもらえると勘違いされないようにトレーニングしましょう。
お座りやお手など基本的な命令を用いたトレーニングを行い、飼い主様との主従関係を強調しましょう。トレーニングは老犬の脳を活性化させ、認知機能を向上させる効果もあります。
ストレスを発散させる
犬も人間と同様に陽の光を浴びることで、体内時計が調整され、夜によく眠れるようになります。また、適度に運動や散歩を提供することで犬は体力を消耗し、ストレスの緩和に役立ちます。
マッサージを行う
老犬の筋肉と関節に優しく触れることにより、こわばった筋肉をほぐし、関節の固まりを予防します。
また、マッサージの際に老犬の身体を注意深く観察してください。腫れや傷、異常を発見するチャンスです。早期に問題を発見し、必要なケアを愛犬に提供できます。
かかりつけの動物病院へ連れていく
老犬が甘える様子に違和感を得たら健康上の問題がある可能性が高く、認知症や他の疾患が影響しているかもしれません。
早期の診断と治療が老犬の健康に役立ちます。かかりつけの動物病院で専門家の助言を受け、老犬の健康状態を確認しましょう。
老犬が甘える以外に見せる老化のサイン
老犬の甘える行動は、老化の兆候である可能性も考えられます。以下、5つの老化のサインに注意して愛犬と接してみてください。
睡眠時間が長くなる
夜だけでなく、昼間も頻繁に寝ている場合は老化のサインかもしれません。
子犬時代の好奇心よりも、睡眠を優先させる傾向がみられます。突然の変化や過度な睡眠が気になるようであれば動物病院で診察することもおすすめです。
階段を嫌がる
老犬が階段を嫌がるのは、老化による筋肉の衰えや関節痛が原因かもしれません。
階段の上り下りが困難になることで、犬は痛みや不快を感じる可能性があります。飼い主様は老犬が痛みを感じる箇所を確認し、痛みの原因を特定するために獣医に相談しましょう。
散歩の時間が短くなる
老化した犬は筋肉の衰えや体力の低下が生じているかもしれません。体が弱っていると長時間の散歩が苦痛になり、疲れや不快感を引き起こしやすくなります。
愛犬の散歩の様子をよく観察し、体調や体力に合わせた散歩計画を立てましょう。短い距離で散歩の頻度を上げたり、ゆっくりとしたペースで歩いたりするなど工夫をしましょう。
食欲が変化する
老犬の食欲の変化はさまざまで、食欲不振になっている場合と逆に食欲が増加している場合があります。老化に伴うものだけでなく、内分泌系の病気が影響している可能性も考えられるでしょう。
口腔内や目、皮膚の変化
犬も人間と同じように年をとるにつれて歯周病にかかりやすくなり、定期的な歯科検診が必要になります。
また、目ヤニが増えて視力の低下が生じやすくなります。白内障や緑内障などの眼疾患も注意が必要です。さらに、皮膚の健康状態が変化することもあります。
愛犬の行動に疑問を感じたらご相談を
老犬の甘えは、病気の可能性があります。愛犬が甘える行動に疑念を抱き、異常な変化を感じたら、無視せずに専門家やかかりつけの獣医に相談しましょう。
老犬の甘えは病気の可能性もあるため、サインを見逃さずに注意深く観察しましょう。同時に、愛犬の看取りや葬儀についての心の準備も考えておくことが大切です。
COCOペットでは生前から終活のご相談ができます。看取りや葬儀に関することを事前に相談しておくことで愛犬との最後の時間を後悔なく過ごせます。お気軽にご相談ください。