老犬の介護生活を送っている飼い主様の中には、愛犬や飼い主様自身の今後を考えて不安に押しつぶされそうになったり、このままではノイローゼになってしまうと感じている方も多いでしょう。ストレスの原因を把握して対策方法を知りたいという飼い主様もいますね。
今回の記事では、老犬介護でのストレスの原因について詳しくお伝えします。また、ノイローゼにならないために必要なストレスへの対策方法についても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ノイローゼになりやすい人の特徴とは?おもな原因や症状
そもそも「ノイローゼ」とは正式な病名なのでしょうか?現代の医療においては、「ノイローゼ」という診断名はありません。ノイローゼは適応障害による幅広い精神疾患のことを示しますが、うつ病などとは異なり、入院などを要さない比較的軽度の適応障害だとされています。
はじめに、一般的に言われている、ノイローゼになりやすい人の特徴や性格、原因や症状についてお伝えします。
ノイローゼになる原因とは?
一般的なノイローゼの原因は、ストレスです。ストレスの内容としては、人間関係や病気、いじめなどが多く、そのなかに老犬介護も含まれると言えるでしょう。また「責任感が強いけど劣等感を抱きやすい」「気遣いができるけど相手の顔色を伺い不安に敏感になる」など、自分自身の相反する気持ちに挟まれるストレスも原因のひとつだと言われています。
ノイローゼになりやすい人の特徴や性格とは?
ストレスへの耐性は年齢、経験、もともとの性質など様々要因で人それぞれに異なります。ストレスへの耐性が低い人ほどノイローゼになりやすいと言えますが、その他、ノイローゼになりやすい人の特徴としては、真面目/完璧主義/内気/引っ込み思案/自信がない/傷つきやすい/感情になりやすいなども挙げられます。
ノイローゼのおもな症状として挙げられるもの
ノイローゼは、ストレスを上手に処理できないために心身の機能のバランスが崩れ、障害が現れる状態です。そのため、症状にも様々なものがあり一概には言えません。疾患として名前がつくものには、不安神経症、パニック障害、強迫神経症、ヒステリー、抑うつ神経症、恐怖症(恐怖神経症)、心気症(心気神経症)、離人神経症などがあります。
具体的な症状の例としては、過度な不安感、緊張感、イライラ、恐怖感、強迫観念、気分の落ち込みなどが挙げられます。不眠、動悸、めまい、呼吸困難、吐き気、震えなど身体的な症状が出る場合も多いと言えます。
老犬介護でノイローゼになる原因とは?
ノイローゼの原因はストレスです。ここでは、老犬介護でのストレスについて大きく3つに分けてお伝えします。
精神的ストレス
老犬介護では、犬の無駄吠えや夜鳴きによるストレスが大きいと言えます。愛する我が子とは言え、理由がわからずに吠え続けられると飼い主様としてはイライラしてしまうこともあるでしょう。ご近所トラブルも心配ですね。
常に愛犬のことを意識しなくてはならず、仕事や家事に集中できなかったり、自分の時間が確保できないストレスもあります。周囲に頼れる人がいないこと、外出などができなくなることによる孤独感もストレスの原因となります。
心のより所だった愛犬と以前のようなコミュニケーションが取れなくなってしまう悲しみも、大きなストレスのひとつです。犬が怒りっぽくなってしまって、噛んだことのない犬が飼い主様を噛んでしまい、強いショックがストレスとなることもあります。
身体的ストレス
老犬介護では、身体的ストレスも大きいと言えます。特に大型犬など体重が重い老犬が寝た切りになると、おむつ交換や床ずれのケア、部分シャンプーなどには体力を要します。老犬の粗相によって、1日に何度も掃除や洗濯をしなくてはならなくなることも多いでしょう。流動食を作ったり、こまめに水分を与えるなど、愛犬に要する時間が圧倒的に長くなります。
飼い主様は、これらの介護を、日常生活である家事、育児、仕事などと平行して行わなければならないため、睡眠や休息の時間が取れなくなります。こうして身体的なストレスが溜まる傾向があります。
金銭的ストレス
老犬の介護には金銭的ストレスもつきまといます。通院や薬代などの医療費も積み重なりますし、おむつや床ずれ防止用のマットなど、元気な頃には必要のなかったアイテムを購入する必要が出てきます。介護サービスなど外部期間を利用する場合も安価とは言えない費用が必要となります。
一人暮らしの場合などは仕事を休む必要が出て来て、飼い主様自身の生活費の不安が生じる場合も多く、金銭的なストレスは大きくのしかかると言えるでしょう。
老犬介護でノイローゼになる前に!ストレスを感じたときの対策方法
愛犬のため、飼い主様自身のために、介護生活ではノイローゼに陥らないことが大切です。ノイローゼにならないためには、ストレスへの対策が鍵となります。ここではストレスへの対策方法をお伝えします。
一人で抱え込まない
老犬介護では、一人で抱え込まず周囲に相談したり話を聞いてもらったりすることが大切です。話を聞いてもらう相手は、家族や友人など信頼できる人や、老犬介護の経験のある人が良いでしょう。身近に相談できる人がいない場合は、インターネットなどを利用して同じような境遇の人と共感しあうこともひとつの手です。
愛犬の状態について動物病院で獣医師に相談したり、すでに飼い主様自身が心身に不調を感じている場合は、専門家によるカウンセリングを受けるのも良いでしょう。周囲を頼ることは、悩みを打ち明けることで心が軽くなるだけでなく、具体的な介護方法などについてアドバイスをもらえて、負担が減る可能性もあり有益です。
老犬介護サービスを利用する
老犬介護の負担で心身に限界を感じた場合は、老犬介護サービスを利用するのも一つの方法です。サービスには老犬ホームやデイケアサービス、訪問介護サービスなどさまざまな種類があるため、利用したいサービスを考え、飼い主様の経済状況や愛犬の状態によって選ぶと良いでしょう。
外部のサービスを利用する場合、一時的な金銭的負担は増えますが、老犬介護のプロに介助などをお任せすることで心身のストレスが減少し、長期的に考えるとメリットが大きいことが多いです。
気分転換の時間を設ける
介護生活でも、ときには気分転換の時間を設けることも大切です。「空いた時間で」という考えでいると、なかなか時間を捻出できないため、意識的に時間をつくるようにしましょう。飼い主様の中には、どうしても愛犬が気になってしまうという方もいますね。そうした場合、お伝えしたようにプロの手を借りると安心して気分転換の時間を取ることができます。
常に完璧な老犬介護を目指さない
完璧主義だと、うまくお世話できなかったときなどに、自分を責めたりストレスを感じたりしてしまいます。お世話の中に重要度や優先度を付けて、重要度・優先度の低い部分に関しては多少手を抜くのも悪いことではありません。
老犬介護は、長期的な目を持つことが大切です。長くケアを続けるためには、すべてを完璧にこなそうとするのではなく、70〜80点くらいを目指すというように気持ちに余裕を持つことをお勧めします。
老犬の心の支えは飼い主様との穏やかな時間です
老犬介護において、飼い主様がなによりもつらいのは、愛犬が元気だった頃のように楽しく遊んだり、美味しそうに食事を摂る姿を見ることができないことかもしれません。しかし、体が思うように動かなくても、飼い主様が寄り添い、声をかけることで愛犬は安心して過ごすことができます。
愛犬に優しい気持ちを持ち続けるためにも、時には外部を頼ったり、手を抜けるところは適度に手を抜いて、飼い主様自身がノイローゼにならないような介護生活を送りましょう。